●NX200t いわゆる車好きが好きな味
NX200tに試乗した。
前編のおさらいだが、新開発の8AR-FTS型エンジンは
トヨタが欧州ダウンサイジングターボに対して
反抗ののろしを上げるべく開発したエンジンである。
L4の2000ccでありながらV6の3500cc相当のパフォーマンスが与えられている。
この手のエンジンとしては既にAUDIやBMWと類似したスペックを有している。
燃費もまぁライバル並と言ったところで、まだまだライバルを超えたとは言いがたいが、
それでもトヨタが国産技術で欧州競合に伍したことが価値といっていいだろう。
車に乗り込んでエンジンをかけると計器盤中央ガラケー液晶が
「NX」とオープニング映像を流した。
試乗車は2WDのFスポーツ。
専用スポーツシートのドラポジを合わせたが、
営業マンいわくサイドサポートが高い=サポート力が高い事が、
女性ユーザーに不評なのだそうで気を遣うらしい。
個人的にはシートバックの肩甲骨サポートが心地よかった。
ステアリングはこのクラスでは珍しい電動チルテレ。
あまり使わない部分ではあるが、
「おおっ」と高級車感を感じやすい装備だと感じた。
電動PKBなのでDレンジに入れてアクセルを踏むだけで
自動的に駐車ブレーキが解除される。
便利かどうかと言われると中々便利だと感じた。
ちょっと運転しただけでRXよりもコンパクトだと
いうことが非常にありがたく感じる。
決して日本では大きな車ではないが、
それでもRXと比べると非常に扱いやすい。
特にドアミラーはドア付けタイプとなり、
ミラーとピラーの間が見えることで
ハリアーと比べると随分とすっきりした視界になった。
この構造はベルトラインの補強材に大穴を明ける必要があるため、
素性として衝突安全に対して不利になるが、
ユーザーによってのメリットはとても大きくハリアーよりも安心感がある。
ただ、ベルトラインが高く、クオーターガラスも小さいので
視界の良い車と言う印象はない。
オプションでパノラミックビューモニターが選べるが、
余程運転に自身がある人でない限り選択しておきたいところだ。
しばらく市街地走行をするが、ターボという感じはあまりしない。
緩く加速をしてもトルクの立ち上がりはNAのようで「有り難味」がない。
深くスロットルを空けるときにはターボらしい加速を見せてくれた。
ドライブモードダイヤルをECOに変更すると、スペックを考えると
完全に期待はずれな加速しか見せてくれない。
口うるさい同乗者を乗せるときと給油警告ランプが点いたときくらいしか
個人的に使いたいとは思わないモードだった。
E/G始動後の標準モードがこれのレヴォーグとは異なり、
ダイヤル操作しないとECOには入らないと言う点に救いがあった。
Fスポーツということもあり脚周りは若干の堅さがある。
勿論、不快なレベルでは決して無いが明らかにスポーティ。
イヴォークはもっと尖がった乗り味だったが、
NXとしてはこれでよいと思う。
接着ボディやLSW、スポット増打ち、あるいはパフォーマンスダンパーなど
乗り味のしっかり感向上アイテムを盛り込んでいるが、
ハリアーで感じた「トヨタ感」がすっかり影を潜めている。
おそらく、様々なアイテムを採用することでこの乗り味にたどり着いたのだろうが、
いつかはオーリスクラスのモデルでもこのような乗り味が味わえるようになって欲しい。
さて、自動車専用道路へ向かうが、合流路ではS+モードを試した。
フルスロットルは胸のすく加速が得られる。
絶対値で比較するとDS3よりは劣るが、1740kgという巨体をグイグイ引っ張っていた。
100km/h時のエンジン回転数は1800rpm付近。
その回転域では少しスロットルを開けるだけでトルクを感じることができる。
トルクのあるエンジンに有段ATを組み合わせた恩恵だろう。
ATは6段しかなくこのあたりは批判の的のようだが、
私は6段もあれば十分であると断言する。
どうせ9段あっても飛ばしシフトをしているだけだ。
トルクのあるエンジンなら、6段もあれば十分カバーできる。
現状、FF車用の大容量ATがこの6ATしかないばかりに、
若干枯れた技術を使う羽目になったのだが、これはむしろ美点に感じた。
ちなみにハイペースでも動力性能、安定性共に十分。
メーターは260km/hという楽観的な値が刻んであるが、
サーキットをぶっ飛ばした営業マンから聞くところによると
国内の最高速度がそのままNX200tの最高速度らしい。
(基本的にレクサスは世界共通スペックらしい)
ドイツだとちょっと遅いと思われるかもしれないが日本では十分だ。
高速道路をのんびり流している状態の燃費はA/C使用で
13km/L付近を示し、カタログ値に迫る勢いであった。
一区間で高速を降りて港湾地区を走る。
営業マンに一言断った上で
見通しが良い屈曲路を少し意地悪目なコーナリングを試みた。
車高が高い割りにロールは抑えられていたが、
コーナー出口でフルスロットルをかけると、古典的なトルクステアを感じた。
350Nmものとるくるを前輪で受けるとなるとやはりトルクステアも生じるのだろうが、
個人的にはこの大トルクは4輪で受けるべきなのだろうと感じた。
周囲に車が居ないことを確認してLDAを試した。
白線を踏む前に警告があるのかと思いきや、
踏んでしまうところまでは行ってしまう。
このまま逸脱・・・という危ないところで
ピピピと言う作動音が作動してステアリングに
微妙なトルクがかかりレーン内に進路を戻してくれる。
絶対無くてはならない装備ではないが、
着いているなら便利さは享受できると思った。
ブレーキだが、今回の感想文を書くにあたり、3台のNX200tに試乗した。
NX200tのブレーキは重量級の車体をしっかりと止め得る実力を持っているが、
個人的にはもう少々初期ストロークでの利きが良い方が好みであった。
パワフルな走りをする車なので
頼りがいのあるフィーリングの方がいいと思ったからだ。
速い車には良く利く(感じがする)ブレーキが必要。
また、3台のうちの2台はブレーキペダル操作をすると、
キュキュキュという引っかかるような感触を感じた。
ゴムブッシュと軸の相性がよくないのかと疑いたくなり、
全くレクサスらしくないチープなものだった事は残念だった。
3台のうちの1台は問題がなく、個体差と信じたいが、
「レクサスの部品はトヨタを超える厳しい品質管理をしていて・・・」という
説明から考えると、これで良いのだろうかと疑問を感じる。
トヨタ車でこんなブレーキフィールの車は無かった。
気になる燃費だが、30分ほど試乗したところ11.8km/L程度。
営業マン曰く、市街地だけだと7程度とのことだが、
高速巡航だと13km/L程度を示して高速での燃費は良好であった。
●NX300h 市街地走行ユーザー向け
NXのHV版である300hに試乗。
前編にも書いたとおりFFの組み合わせが初となる。
計器盤からタコメーターが消えて
パワーメーターになっている点がガソリンとは違う。
発進はEV走行。
ディーラーを出て40km/h付近を越えるとエンジンが始動する。
ARハイブリッドはカムリもクラウンもハリアーも試してきたが、
従来型のハリアーHVなどの高級車向けHVと比べて
相当燃費に振った味付けになっている。
アクセル操作に対するツキはそんなに良くなく、
中間加速も2500ccという排気量を考えると良くないが、
かなりEV走行をさせる事ができる。
ボディやインテリアはNXなのだが、
HVならではのEV走行ができると言うWOWがある。
ストップアンドゴーの連続する市街地を走れば、
走り出すたびにEV走行の感動が味わえるが、
同時にあのカックンブレーキを味わわねばならない。
走り出すときの感動を、カックンブレーキが回生してしまう感じ。
電気式CVTと表現される変速機構だが、
市街地走行は実に巧みに車体を引っ張るが、
少し強めの加速を与えたときに「もうちょっとトルクが欲しい」
と思うシチュエーションでも控えめな加速度しか与えてくれない。
これがプリウスやアクアなら気にならないのだが、
スポーティな装いのNXになるとこれが気になってしまう。
CTの場合、車体が軽いので非力感は無いのだが、
NXは本当に3000cc相当のパワーあるの?と言いたくなるような
力強さに終始するのが気になった。
ちなみに、ハリアー同様WOT加速をくれてやると
キックダウンスイッチがコリッと作動して
グオーーーーンと加速するため、体力測定をすれば
パワフルという印象になるが、普段使いで力強さが無いのはいただけない。
普段は本気出さないアスリートみたいな・・・・。
もちろんHVである以上燃費は重要なテーマだが、同時に高級車でもある。
ハリアーは「300万円以内で高級車テイストを味わえる車」なので
内装の高級感を考えれば走りを一切切り捨てることには渋々アグリーできるが、
NXの場合、ボディのしっかり感から期待されるパフォーマンスがもう少し欲しい気もした。
仮に新規エンジンを使ったHVとしてNX350hがあったとすれば
カタログ燃費は20km/Lを切ってしまい価格も今以上に高くせざるを得ない。
ギリギリOKなラインをハリアーに続き攻めてきたということなのだろう。
高速域になると完全にCVTフィーリング。
エンジン回転が上がり加速が追いついてくるイメージ。
Sモードにするとパワーメーターがタコメーターになる演出は
面白かったが、私は基本的にノーマルモードで走行していた。
90km/h付近で走っていて、速度調整のためにアクセルペダルを
少し踏み足したときなどにパワーメーターがピクピクと動いて
落ち着きがない点が若干気に触る部分ではあった。
燃費はさすがHVと言える値で全開加速をしたのに16.5km/L付近を指した。
レギュラーガソリンが使える点も経済性に優れる。
●グレード選びは単純明快
ディーラーに戻りカタログを読みながら見積もりを作成する。
このレクサスは商談中、美味しいケーキが登場した。
甘党な私はモンブランを選択し、舌鼓を打ちつつ最適な仕様を考えた。
グレード構成は以下の四種類。
(価格はターボ/FFの税込みで記載)
(HVは80万円高、AWDは26万円高)
Version-L:最上級グレード(492万円)
FSPORT:スポーティなイメージリーダー(492万円)
I-Package:若年富裕層向けお買い得グレード(442万円)
標準:ベースグレード(428万円)
営業マン曰く、
ざっくりとシートの好みでグレードを選べばよいとの事だった。
本革がいいなら、Ver.L。
スポーツシートがいいなら、F-Sports。
合皮L-TEXでもOKならI-PKG。
布シートが良いなら標準。
本来はもっと色々な違いがあるため、
かなり乱暴な仕分け方だが確かに分かりやすい。
428万円の標準グレードをチェックするが、
高級車なので装備は元々充実している。
ナビ、前席パワーシート、LEDヘッドライト、電動チルテレ、
17インチアルミ、本革ステアリング/本革シフトノブ、
ドライブモードセレクトスイッチやクルーズコントロールなど十二分だ。
442万円のI-PKGは営業マンが「インテリアパッケージ」と呼んでいたが、
シートが合皮のL-TEXになり、シート/ステアリングヒーター(2.7万円)がつく。
外装は三眼式のフルLEDヘッドライト(7.56万円)となる。
L-TEXシート(+パワーイージーアクセスシステム)の価格差は3.74万円となる。
更に内装色の選択肢が上級グレードと同じ数に増える。
CTではセットオプションとは言え9.3万円のL-TEXシートが3.74万円で選べるのは戦略的だ。
本革シートは冷静に考えれば夏場は蒸れるし、傷がつきやすいし、色落ちもある。
メンテナンスも大変で天然素材のために生産量も限られている。
それでも本革シートが高級車のアイコンになれるのは
馬車時代の文化の名残に過ぎず、ハイテク布シートで可能性を追求する方向もあるが、
個人的にはこのような「伝統」とか「手仕事感」が高級感に繋がるとも思う。
L-TEXは本革に比べると柔らかいが、夏場は蒸れるし、
と冬場は冷たいという革の特徴は変わらない。
ISの場合、シートヒーターと通気性を良くする
ベンチレーションシステムが着いているがNXにはそれがない。
つまり、冬は良いが夏はちょっと蒸れるかもしれないシートであることは間違いない。
価格を安くする為に見切った部分なのかもしれないが、
個人的に価格を上げてでもベンチレーションは採用するべきだっただろうと思う。
CTの場合、オプションでL-TEXシートがあるが同様にベンチレーションがないので、
ここはセグメントを考えて割り切られてしまったのだろう。
横道に逸れてしまったが、一番「売りたい」グレードが
I-PKGであることは疑う余地がないだろう。
492万円のFSPORTはレクサスではおなじみのスポーティグレード。
専用メッシュグリルや専用アルミホイール、アルミペダルや専用内装、
AVS(10.8万円)やパフォーマンスダンパーの装備などエンジンや変速機以外の
スポーティ化が図られているグレードだ。
専用装備が多く、走り好きの人間としては魅力的な装備が数多いが、
価格も価格なので少し躊躇してしまう。
同じく492万円のVer.Lは、442万円のI-PKGに対して18インチアルミホイール(3万円)、
ベンチレーション機能付き本革シート、後席電動リクライニング(5.4万円)、
アームが室内に張り出さないスピンドルパワーバックドア(5.4万円)、本杢オーナメント(9.4万円)、
アクセサリーコンセント(0.8万円)がつく。
これら24万円分の装備を差し引くとシート代が26万円と言う計算になる。
ISの場合32万円、CTの場合26万円ということでまぁまぁ許容範囲に入ると思う。
つまり、どうしても本革シートが欲しい!とかオプションのマークレビンソンが欲しい!
と言うわけでなければ、それほど積極的に選ぶ理由にはならない。
(後席リクライニングは個人的にいらない)
最近のプレミアムブランドの戦略として
「魅力的な外装差別化オプション戦略」というやつがある。
必要十分な標準品に対してより意匠的な華やかさを持った装備品を
上級グレードに与えて、ユーザーに上級グレードを選択させる作戦。
標準グレードでも一部上級装備をオプション選択できるが、
結局、価格差を考えると上級グレードを選びたくなるようにうまいこと出来ている。
標準でもいいと思いきや、フィンタイプの
17インチアルミホイールが若干SUVにしてはひ弱に見えたり、
単眼LEDヘッドランプで十分素晴らしいのに、
三眼LEDのL字に光るヘッドランプがかっこよかったり・・・・。
ここが巧みな商品戦略と言える。
営業マンから聞くところによるとシート部品の
製造が間に合わないことを理由に
FSPORTは納期が遅れて来年4月以降の納車となるそうだ。
それくらいFSPORTの魅力がユーザーに伝わったということだろうし、
この企画を分かりやすく伝えるグレードがFSPORTなのだろう。
私がもし本当にNXを買うとしたらI-PKGを選ぶ。
+3万円で18インチアルミを履けるし、三眼LEDヘッドランプが選べ、
Ver.Lと見た目が変わらなくなるからだ。
専用装備の本革シートは確かに魅力的だが、40万円支払う必要性は感じない。
(ちなみにVer.Lは似非Ver.L封じのために
専用デザインの18インチアルミが5400円で選べるきめ細やかな配慮)
標準車は18インチアルミが履けるが、LEDヘッドランプが選べない。
私はヴィッツなら必ずしもオプションでLEDヘッドランプを選ぶ必然性を感じないが、
高級車たるNXではブランドを象徴するため積極的に選びたい。
ただ、本当にお金があるのならFSPORTは魅力的だ。
例の三眼LEDを装着して500万円に達してしまうが、
もし年収1000万円越えの富裕層ならばこれを選ぶだろう。
個人的にはL-TEXシートにそこまでの憧れを抱かないが、、
もし標準車にLEDヘッドライトの選択ができてもI-PKGの魅力度は変わらない。
●悩ましいエンジン選択
売り手が売りたいグレードが明確な為に
グレード選択は非常に簡単だった。
一方で悩ましいのはエンジン選択だ。
トヨタ初のダウンサイジングターボは、
いわばトヨタが欧州を追ったパワートレーンであり、
安定のHV仕様はトヨタがリードするパワートレーンである。
営業マンの説明では30代までの若年層はHVを選び、
中高年層はターボを選んでいるとの事だ。
やはり環境問題とともに成長したこの世代は、
エコという性能をとても重視している。
また、パフォーマンスの高い車に乗る機会にも恵まれていないので
200tの力強さは過剰に映るのだろう。
一方、スポーティカー全盛時代を生きてきた中高年世代は
自動車の持つ原始的な魅力に共感している。
そして実際に売れている数はターボの方が多いとの事だった。
NXは若者向きに開発したとは言ってもやはり
収入的に余裕がある中高年層が購入の多数派と考えられる。
力のある車に憧れた世代にとっては一気に気持ちが
若返る「タイムマシンかもしれない。」
両者に試乗してみてターボの場合は
ビッグトルクを前輪だけで受け止めるのは心もとない。
実際に強力なトルクステアを経験した為、AWDを選択したい。
これなら信州にボードに行く際も活躍できるはずだ。
一方、HVはFFで十分だし、トルク制御が入っていてスムースさは勝る。
(そのスムースさもカックン回生ブレーキで回生されます)
市街地走行が多いor年間走行距離が多くて経済的メリット、
エコムードを追求する向きにはHVを選んだほうが良いだろう。
一方であくまでも自動車らしさを求めるならターボを選ぶのがよいと思う。
自身がダウンサイジングターボに乗っている事もあるが、
低回転でググッとトルクが湧き上がり、リニアに加速する感覚は
ターボのほうが優れるし、ブレーキのタッチはHVよりも明らかに自然。
NXにHVしかないなら我慢するしかないが、ターボがあるならターボを選ぶ。
環境商品と言うよりもかなりエゴイスティックな性格を持ったSUVなので
ここはターボで豪快に行きたい。
●そして見積額は・・・
商談ルームでモンブランを食べながら決めた
私が現実的に買うつもりの仕様は以下の通り。
ちなみに、色は最も迷うファクターだ。
自分がDS3を買うときもルーフとボディの
配色の組み合わせが有り過ぎて悩み、
納車までの3ヶ月で気分が変わったらどうしよう・・・と
びくびくしている時に真っ黒の特別仕様が出て
それに飛びついたというエピソードがあるので、
NXも色だけは悩みどころだ。
営業マン曰く、白黒は人気色との事だがどうせ新車を買うなら
減点色を積極的に選びたいと思い、今回はメテオブルーを選んだ。
くすんだ青と微妙な色だが、元気一杯の青と比べて大人っぽくてかっこいい。
内装色はガーネットであえてエグイ組み合わせを選んだ。
本当は真っ黒な方が高級車的な重さが出たのだが、
ピラーガーニッシュやルーフヘッドライニングの色が白いので逆に
赤×黒×白の3色まぜこぜにすることにした。
買わないのに買うつもりで悩んで見たところ、本当に悩んでしまい困った。
個人的にはCTのイエローの設定があっても良かった。
<基本仕様>
NX"I-PACKAGE" 8AR-FTS AWD
メテオブルー/ガーネット×ダークフィルム
<メーカーオプション>
スペアタイヤ(0円)
18インチホイール(3.2万円)
プリクラッシュセーフティ(6.4万円)
パノラミックビューモニター(15.1万円)
寒冷地仕様(3.6万円)
<ディーラーオプション>
ガラスコート(2.16万円)
ボディ・タイヤ・ホイールコート(10.8万円)
レクサスシートコート(5万円)
ETC(0.3万円)
フロアマットタイプA(8.9万円)←高すぎ。
ホイールロックナット(1万円)
<合計>
本体価格:468万
MOP:28.5万円
DOP:28.5万円
=524.9万円
その他諸費用:12.9万円
支払い総額→537.8万円
・・・・・・まぁ、目が覚める価格ですこと。
本体価格468万ですが、イヴォークが見えてくる価格。
ただ、Q5は608万円からという価格設定で、
これよりはお得と言いたいのだろうが、私らのような一般人から見ると
NX=高くてムリ Q5=最初からムリ みたいな感じ。
そんなわけで私のようなサラリーマンはNXを買うのは無理・・・・
と思っていたら、知り合いの同い年の友達は
ゴルフVのGTIからの乗換えでFSPORTを新車で購入。(納車は3月以降)
更に、自分の会社の後輩もI-PACKAGEを購入したらしく、
清水の舞台から飛び降りる人も居るんだなぁと思った次第。
●売れ行きは凄まじいが・・・・
9月のプレスリリースでは受注台数が9500台。
月販目標台数が700台の車に対して
14か月分の受注があったということだ。
輸出仕様の生産も始まることを考えると、
急に増産する能力があるのかが心配になる。
ただ、ちょっと可哀想なのはせっかく500万円以上のコストを支払って
新車を購入するのに、恐らく年次改良モデルがすぐに出ると思われることだ。
高級車と言うのは見せびらかし消費のための商品と言う側面がある。
(みんながみんな車好きというわけではないので)
納車が延び延びになったら年次改良モデルが納車されるというのなら
文句も出ないと思うが。
そしてNXよりも上の価格帯のRX。
元祖プレミアムクロスオーバーSUVだが、
この車の新型が来年にも発表されるようだ。
同じ2000ccターボエンジンを主力に置き、
スクープされた写真を見てもNXそっくりな・・・・・。
NXの開発陣が描いた「RXとは違うSUV」を目指していたはずが
まさか後方から弾が飛んでくるとは・・・・・・。
ブランドを通して共食いしないのかと他人事ながら心配。
●まとめ
先行きに心配な面もあれど、
支払い総額500万円を超えるような車が
9500台の受注を一気に受けるというあたり、
市場はNXのような車を求めていたのだろうと考えられる。
こうしてヒット作が産まれると、競合メーカーも
お買い得なモデルを出したり、NXよりも小さい
Q3のようなモデルを開発したりする動きが考えられる。
実際に私自身もNXに試乗して商品性の高さを感じた。
デザイン的にも攻めているし、キビキビした走り、
特にターボの胸すく加速を魅力に感じる人は少なくないのでは?と思う。
とりあえず60km/hまでとチーフエンジニアが
自ら割り切ったハリアー(これはこれで正解)と比べ、
NXはハリアーをベースとしながら随分と違う味付けに
なっているのは従来の兄弟車の範疇に入らない
良い差別化の例と言えるだろう。
ドアを開けたときに見えるロッカーは酷似しているがロッカーの
ウェザーストリップやシワ取り座面やドアヒンジの配置は別物。
恐らくロッカーの中やサイドドアオープニングの一部は一緒なのだろう。
VWのMQBに続く形では、日本勢も追随しているが、
先に試乗した他メーカーのCMF第一弾は期待はずれだった。
TNGA前哨戦ともいえるハリアー/NXは上々だと感じる。
せっかくなので大元のベースたるRAV4も国内販売してくれたらよいが、
ハリアーと共食いするのでそれはムリか。
ちなみに本感想文の写真も三個一体開発にちなみ、
ハリアー用の写真を転用して
ブログも賢く共用、上手に差別化した。(笑)