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2018年09月26日

2018年式カローラ・スポーツG"Z" iMT感想文

2018年式カローラ・スポーツG"Z" iMT感想文











●自分の中で是か非か結論が出しにくい

カローラ・スポーツ G"Z" CVT車感想文

カローラスポーツ Gハイブリッド 感想文

「初代コネクテッドカー」「若者向けコンパクトハッチ」として
発表されたカローラスポーツで実行された
車好き拡大に向けた施策の一つがiMTの採用である。

発売直後は自動変速機のみでiMT車は
8月発売とだけアナウンスされていたが、
無事発売され、先日晴れて試乗する機会を得た。
iMTのiはインテリジェントであり、今までのアナログな、
機械仕掛けのMTに知性を与えた機構を国内向けに追加した。

iMTがこれまでのMTと異なる点は
1.発進時アシスト制御
2.変速時の回転合わせ制御(スポーツモード時のみ)

である。

具体的に説明すると、
発進時アシスト制御は、
MT車の最も難しい操作の一つ「発進」を手助けするために、
ドライバーがローギアでクラッチを切り、
クラッチを繋ぐ操作をするとE/G回転数を自動的に高めてくれる。
回転数はメーター読みで1500rpm弱くらい。
平坦路から緩い上り坂ならクラッチだけでスムースに発進できる。

私はアイドル回転数のまま、
じわじわクラッチを繋いで発進するのが好みだが、
これはこれで素直に有り難いと感じた。

ちなみに、エンストしないという誤解があるが
クラッチを乱暴に繋ぐとエンストすることもある。
あくまでクラッチ操作を補助する前提のシステムであり、サキソマットとかイージーシステムと言った類のオートマ免許で乗れる機構とは一線を画す。

もう一つ、回転合わせ制御もトップからサード、
セカンドとデリカシー無く唐突にシフトダウンしても、
車が勝手にE/G回転数を合わせ込んでくれるので
運転者はグイッとシフトレバーを押し込んで
クラッチを繋げばショックレスに変速でき、スムースに走れる。
意地悪な私は敢えてローにシフトダウンしたが、スムースそのもの。
フォルクスワーゲンUP!を思い出すような感覚だった。

ディーラーには試乗希望者が殺到しているそうで私も
2組順番を待ち、私の後にも順番待ちが居た。
車好きを公言する社長が居るトヨタ自動車が
若者向けに問うたiMTなのだ。
皆が興味津々で購入を検討してみようかな、
と思わせる魅力がカローラスポーツiMTには確かにある。

発進させると、発進アシスト制御が嬉しかった。
ところが試乗コースに出て
2速にシフトアップした時に違和感が出た。

シフトレバーの位置が後方過ぎて、
2速への変速でシートのサイドサポートに肘が干渉するのだ。
勿論4速も6速も同様だ。
しかもシフトノブの位置も高過ぎ、加えてストロークも長い。
明らかに私が所有してきたMT車とポジションが異なっている。
すなわち、ヴィヴィオバンやカローラレビン、カローラGT、
ヴィッツ、シトロエンDS3、RAV4と較べて
シフトレバーが生えている位置が操作しにくい場所にある。

ドライブモードスイッチを後方に移して
シフトレバーをもっと奥に置くか、
ショートストローク化して2速にひじを引いても
サイドサポートに干渉しないようにして欲しかった。

ATと較べてMTはシフトレバーの動く範囲が広く、
より多くのワークスペースを要求する。
AT主体でパッケージングを組み、
意匠を優先するとシフトレバーの位置は余った場所に、、、となりがちだ。
MTは常にシフトレバーを操作せざるを得ない機構ゆえに、
ステアリングからスッと手を落とした場所にシフトレバーが居て欲しい。
MTのシフトレバーの配置スペースは特に重要視しなければならないが、
カローラ・スポーツの場合不十分だと感じている。

このようになった理由は空調スイッチをドライバーに近づける為に
張り出させたことも理由だと推測する。
1-3-5速のポジションだと手の甲とセンタークラスターが
50mmほどしかクリアランスがない。
MTのシフトレバーの配置よりも
空調操作パネルが優先されたのだろう。

ブレビスの様にペダルを後方に調整できれば、
テレスコと共にドラポジを後方に移動させるのだが、
カローラスポーツはそのあたりのことが全く考えられていないようだ。

私はシート位置をいつもより高めに調整して何度も
シートポジションを調整しなおして
何とか運転できるシートポジションを見つけることが出来たが、
今まで乗ってきたトヨタのMT車のどれよりもドラポジが決まりにくかった。

LHDが基本の欧州車のRHD仕様車は
粗雑なパッケージングで運転しにくいケースがある。
さすがに日本のトヨタが作るRHDだから
ステアリングの位置のせいでダメな点は何一つ無いが、
AT基準で作ったがためにMTのパッケージングに配慮が無い点が引っかかる。

類似した現象はドアトリムやPKBレバーにも見られる。
かつては手巻きウィンドゥとパワーウィンドゥが共存していた。
手巻きはワークスペースが必要なので、かつてのドアトリムは
比較的空き地が目立ち、アームレストは小柄で、
ドアトリムも平板であった。
ところが、パワーウィンドゥ全盛の今となっては
インパネの流れを打ち消さない立体的な意匠が実現できていると言うわけだ。
(それでもカローラスポーツのように
 操作しにくいPWスイッチが生まれてしまうのだが)

今後、PKBレバーも徐々にEPB化される事で
意匠への制約が減り、
センターコンソールの意匠自由度が出る一方、
旧来のレバー式が共存する場合に
使いにくい位置にレバーが無理やり配置されることも充分考えられる。

PKBレバーはまだしもシフトノブは使用頻度が高く、
まだまだ一等地に置くべきだと私は主張したい。

MTを操る楽しさとは車とコミュニケーションをとりながら
状況に応じて適切なギアを自ら選ぶ知的な作業だったはずだが、
カローラスポーツではそれが心置きなく楽しめる気がしなかった。

MTを販売してくれることはMT愛好家の私にとっても
嬉しいことなのだが、運転が楽しくないMTは増えても仕方ない。
むしろ、そのMTに期待を寄せて買った人が、
MT嫌いになってしまう懸念もある。
シフトチェンジのたびに肘が当たるようなMTを出すべきではない。

また、CVTで私が酷評したE/Gのレスポンスの悪さだが、
MTで走れば街乗りレベルでも一応の合格点が出せると感じた。
踏み込んでからのタメがあることには変わらないが、
E/Gを引っ張れるだけメリハリのある走りもできた。
しかし、いかにも走りそうな見た目とは裏腹に
絶対的に遅いと言うのはひっかかる。
2速で全開加速も試したが、「スポーツ」という言葉からは程遠い。
ただ、E/G音が意外とスポーティだったのは嬉しい発見だった。

実際に試乗させていただいた後で
私はこの車を肯定するべきか否定するべきか大いに悩んだ。

公式サイトでは
マニュアル車の“操る楽しさ”を高めるため、
マニュアル車の変速・発進操作をアシストする機能を採用しました。
と謳われているが、カローラスポーツの場合、iMTではなく、
基本的なパッケージングが操る楽しさをスポイルしている。

こんなもんじゃないだろ、
とトヨタのMTを乗り継いだ私は言いたい。
AT/CVTが主流となった世の中でもMTを出す以上は、
もっとパッケージングを大事にしないとダメだ。

雑誌では直列3気筒の1.6Lターボ(250ps)が出る
・・・という噂を目にした。
極端なハイパワーE/Gではなく150ps位の素直なE/Gで
MTの操作が楽しめるようにして欲しかった。
ボディ・シャシー性能はそれくらいでバランスが取れるだろう。

せっかく導入されたiMTの機能は肯定したい。
妻は「運転が上手くなったみたい」と喜んでいた。
1.2LターボE/Gのかったるさを許容ギリギリまで軽減するMTも肯定したい。
このご時勢にMTを設定してくれたことも私は心から肯定したい。

しかし、カローラ・スポーツのiMTで
新たな顧客層が切り拓けるかは疑問だ。
ビギナーがなじみ易い運転のしやすさが備わっていない。
(思えば教習車のコンフォートなどは、旧い設計ゆえ
シフトレバーの位置も適切な位置にあったはずだ)

それでは、カローラスポーツを「取るに足らない」と
切り捨ててソッポを向けばよいのだろうか。
私のような旧態依然とした車好きは、
すぐに新しい車のアラを探し出して
ついつい昔は良かった、などと批判してしまう。

メーカーの心理としてはせっかくMTを出したのに、
買う人が想定よりも少なければ、「やっぱりMTはダメなんだ」
と判断、お客様ニーズに合わせた改善として
MTの設定を廃止してしまってもおかしくない。

それでは無理してカローラスポーツを賞賛すればよいのだろうか。
よくぞMTを出してくれた!シフトチェンジしにくいけど、
出てくれただけマシだ!とはどうしても言えないのである。

●それでもトヨタのMTを諦めたくない

せっかくMTがラインナップされながら、MT派の私が
「お勧めはHV」などと言わねばならなくなるのは残念だ。
それでも私は、やはり、、、
カローラ・スポーツのiMTはお勧めできないと言わざるを得ない。

試乗に付き合ってくれた営業マン曰く、
「遅い」「シフトレバーの位置が悪い」という意見は良く挙がるそうだ。
特にiMTの試乗車は数が少なく、隣県からわざわざ試乗しにやってくる程で
ディーラーは大忙しだったようである。

オーリスRSの時は次に期待、と書いたが
今回は完全新設計のP/Fやパワーユニット、ドライブトレーンなので
下手したら20年は使い続けられるだろう。

2018年の20年後と言えば2038年。
今以上に電動化・自動化が進み、MTが存在する余地はあるのだろうか。
今回のP/Fに与えられたMTがトヨタ最後の世代のMTになってしまうのか。
それが今回のような出来栄えでは悲しすぎるではないか。

しかし、悲観することは無い。
幸いなことにFFなので、
センタートンネルのシフト穴位置だけ変更すれば
シフトレバーの前後方向の位置は改善できる。
加えてストロークの長さが気になるので、
シフトレバーも短くすべく設計やり直しだろう。
ATのシフトレバーもストロークを短くして
ワークスペースを稼ぐ車があるのだから、
MTも負けじと操作力を犠牲にせずにショートストローク化できないだろうか。

実際に設計した人達からは、あれやこれやと反論されそうだが
カローラ・スポーツのMT車に可能性を感じ、期待を寄せ、
本気で購入を検討したが、購入には至らなかった
素人の意見としてこっそりと主張したい。

営業マンの方が、メーカーにも意見を伝えたいので車好きの方の
忌憚の無い意見を教えてください、と言って下さったので、
せめてシフトレバーの位置と適度なパワー感の確保、
使いにくいPWスイッチをはじめとする作り込みの悪さを
何とかして下さい、お願いします。
と心から懇願するように意見を述べさせていただいた。

カローラスポーツは車好きな一般人から見ても
これは良さそうだ、と思わせる素質があるように思う。
しかし、そういう人たちを取り込むにはあと少し配慮が足りない。
あと一筆、二筆入れれば車好きな人が購入を検討してみようかなと
思わせる事に成功するのではないだろうか。
或いは車の運転が楽しい、
MTが楽しい、車って楽しい、
と思わせることが出来るのではないだろうか。

私は今後の地道な改良に期待したい。
トヨタから運転が好きになるストレスフリーなドライバーズカー(MT)が出現して欲しい。
間違っても、「それ見たことか」と
国内からMTを引っ込めてしまわないことを願う。
ブログ一覧 | 感想文_トヨタ・レクサス | 日記
Posted at 2018/09/26 22:50:21

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この記事へのコメント

2018年10月27日 18:45
はじめまして。

当方、イギリス在住ですが、おっしゃるシフトレバーの位置の問題、MTが主流の欧州では致命的かと思われます。こちらではワゴンも含めて同車のデビュー・カウントダウン段階に入っていますが、この問題が解決されている可能性は低いですね。

マーケティングにおいてもこちらではオーリスを廃止し、再度カローラでいくという主張もされております。英国市場においては2006年にカローラが消滅し、オーリスがその座に就任しわずか12年で幕を閉じるようです。
コメントへの返答
2018年10月31日 0:05
こちからこそはじめまして。
コメント有難うございます。

カローラスポーツはシフトのしやすさを考えてシフトレバーの位置を見直した様ですが私からすれば逆効果に感じます。
あんまりMTに乗らない人が決めたのか、優先度が低かったのか・・・・。

デビューした際は一度ご覧ください。
もしかすると、気にしているのは私だけかもしれませんし。

オーリスも本来はカローラHBですが名前をコロコロ変えるのもあまり良い印象では有りませんね。

プロフィール

「新宿は小雨 セルシオどこへやら、、、。外交官ナンバーでした。至る所でこの青いナンバー見かけますね。」
何シテル?   04/11 22:03
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