●MTの新車が欲しい
子供が産まれて以来、RAV4とミラココアで過ごしてきたが
子供が満2歳を迎えて育児休職から復帰する日が半年後に迫った頃、
車を買い替える話が再燃した。
「MTのBセグHB」
という条件で探し始めた。
なぜMT?という話になるのだが、
結婚する際に私の方からお願いしてAT限定解除をしてもらった。
妻も「運転を交代するかもしれないので」と承諾してくれた。
自動車学校への送迎と取得費用は私が担当し、
妻は限定解除に成功した。
検定車のコンフォートで二度坂道発進に失敗し、次は無いという極限状態で
クラッチを滑らせながら坂を上りきった時は後光が射していた(笑)
妻は普段
ココアに乗っているが、アパートの駐車場の関係で
私の車を動かさないとココアを出せない時は
RAV4を動かす程度には運転できていた。
ただ、限定解除したとはいえ普段から乗っていないので
ぎこちない部分や操作が判断できずに混乱してしまうシーンがあった。
意を決すると、それなりに走らせることが出来るのだが、
普段はMTに乗らない分、MTの「特別感」が強く、
これ以上のスキル向上が見込めない感じになってきた。
妻も同じことを感じたのか
「育休から復帰する際は
MTの普通車(新車)を買う」と言い出した。
ミラココアは私も感心するほど便利なクルマだが、
ベビーカーを積んだ後にラゲッジに荷物が載らないのと、
動力性能の余裕が無い為、都市高速を走ると、
追越が出来ない(アクセル全開に出来ない)。
シャシー性能の余裕が無い為、
隣を大型トラックに追い越されただけで
フラフラして怖い!訴えるようになった。
そこでミラココアを下取りに出し、
追金を二人で折半することで車を買おうとした。
我が家は昨年辺りからちょくちょく色んな車を試乗して
簡単な商談を重ねてきた。
●家族で(チャイルドシート取付けて)試乗を重ねる
週末はディーラーへ足を運んだ。
気になる車で試乗できる車は
チャイルドシートつきで試乗した。
デミオ、
トゥインゴGT、ルーテシア、
スイフトスポーツ、
シビックHB、
カローラスポーツなどなど。
Aセグは小さすぎて荷室スペースが軽セダン並で狭小、
Cセグは特に車幅が大きくて軽ユーザーの妻には持て余す。
ちょうど良いBセグの枠内で検討を重ねてきた。
ルーテシアのお洒落度は抜群だったが、本体価格の安さが
延長保証とメンテパックで相殺されてしまう条件に加え、
下取りもお断りされてしまいリストから外れた。
スイフトスポーツはDS3を思い出させるエッジの効いた走り、
居住性とラゲッジの広さは気に入ったが、
スポーツ心があふれ出すほどの内外装は
妻が煽られそうだ、心配になって落選。
カローラスポーツはCセグメントながら妻が「カッコいいかも」
と気になる様子なのでMTの試乗車を探して乗りに行ったが、
夫婦の共通認識として遅すぎて高すぎるので残念ながら
新生カローラも見送られた。
デミオは私が2014年のデビュー後から
個人的にも気になっていたモデルだが
スタイル優先の為荷室が狭すぎて使えないという評判が
ファミリーカーとしての選択肢に暗い影を落としていた。
クラスを超えた質感、個性的なパワーユニットは大いに気になる存在だったので、
結婚直後にMTの試乗車に試乗して運転できそうなことを確認していた。
●有力候補のデミオをレンタカーで半日吟味
子供が産まれてからは実際に乗ってみようということで
レンタカーのデミオXDのAT車を借りて伊勢神宮までドライブに出かけた。
実際にチャイルドシートを装着して子供を乗せ、
ラゲッジにベビーカーと子供の着替えや
オムツなどのお出かけセットを搭載してみた。
軽セダンの場合はラゲッジにはベビーカーしか入らないので
Rrシートにその他の手荷物を置いていたが、
デミオは手荷物をラゲッジに搭載可能。

そのRrシートにも敢えて1時間ほど座ってみたが、
ヘッドクリアランスもギリギリOK、膝前スペースも
短足の私には充分なスペースが確保されていた。
特にシート座面の太もも裏のサポートが良く、
意外と姿勢が乱れない点も気に入った。
案ずるより産むが易しで
これなら
何とかなりそうな予感だった。
往復300km以上走らせて分かったことは、
ディーゼルターボの圧倒的なトルクによって
ツーリング時の快適性がライバルを凌ぐという事だ。
市街地走行であっても
250Nm(ATのみ)という大きなトルクが運転にゆとりを生む。
生活道路を走らせても5ナンバーサイズゆえに
普段使いの軽とさほど大きな違いを感じない取り回しに加えて、
信号が青になった後の発進加速は軽と一線を画す軽やかさだ。
有料道路のETCゲートを抜けたあと、
加速車線にてアクセルを床まで踏みつけて加速させた。
エンジン音は全く官能的ではないものの、
期待値+αの加速度を以って脱兎のごとく本線に合流した。
小さく目の荒い液晶タコメーターによると
100km/hでのエンジン回転数は
一昔のコンパクトカーの常識を下回る2000rpm程度。
とにかく
分厚いトルクに引っ張られていると言う感覚ゆえに
道路のアップダウンがそれほど気にならない。
6速ATが最上段であっても、アクセル操作に対して
まずトルクを増やして対応してくれるから
上り坂でも一定の速度を維持し易い。
こんな状況でもMTならエンジンが非力でも
アクセル操作に即時反応できる。
一方、出来の悪いAT/CVTの場合は
トルクを作るためにエンジン回転数を上げて
エンジンをうならせながら車速が上がる為、
ワンテンポ遅れた加速に陥ることがある。
その点、力強い1.5Lディーゼルターボエンジンは、
アクセルを踏み込めばトルクが立ち上がるし、
お望みとあらばフルスロットルで力強い加速性能が楽しめる。
余裕の動力性能はだらだらと続く長い上り坂
(伊勢から亀山に向かう上り坂や
東名上り線の御殿場へ向かう上り坂など)などで真価を発揮した。
妻も運転したが、普段の軽自動車とは明らかに違いを感じたようだ。
レンタカーということも有り返却時間ギリギリまで走らせ続けた。
燃費性能もリッター20を超え、
動力性能と燃費性能がマッチしていると感じた。
この結果から、
デミオXD系が良いねという結果になった。
8月下旬、家族でマツダディーラーへ行き、
改めてデミオと比較対象のCX-3に試乗した。
義兄が乗っているので被ってしまうが、
ファミリーカーユースを考えると少しでもヒップポイントが高く、
荷室も後席も広い方が良いと考えたからだ。
CX-3のディーゼルは新型の1.8D仕様だが
思いのほか
デミオの方が軽快に感じ、
エンジンとしては税制のことも考えて1.5Dが良さそうに感じた。
妻も運転したがCX-3はやっぱり大きく感じて持て余すとのこと。
やはり我が家の
次期ファミリーカーはデミオに内定した。
商談のタイミングではデミオは年次改良が加わり、
ガソリン車が1300ccから1500ccにスープアップされ、
変速機も5速から6速になると教えられたが、
我が家は
敢えてディーゼルを選択した。
●デミオの仕様選定
ディーラーにてココアの査定をお願いし、
妻とカタログを見ながらグレードを選んだ。
デミオのディーゼル車のグレード構成は
ベーシックグレードのXD(税抜168万円)
上級グレードのXDツーリング(税抜186.5万円)
最上級グレードのXDツーリングLパッケージ(税抜192万円)
に加えて特別仕様車が存在するが、
MTの設定が無い為、今回は
基本3グレードの中で選択する。
レンタカーでも乗ったXDは
マニュアルエアコン、マルチリフレクター式ハロゲンヘッドライト、
布シート、ウレタンステアリング、液晶式タコメーターなど、
ベーシックグレードらしい装備水準だが、
15インチアルミ、マフラーカッターが備わるなど
価格にシビアなユーザーに対して「懲罰的な廉価グレード」ではない。
ガソリン車とも共通だが、オートライト、レインセンサー付ワイパー、
チルテレ、先進安全機能(アドバンストSCBS、オートハイビーム、
車線逸脱警報、ブラインドスポットモニターetc)が備わり、
競合比でも必要充分+αの装備水準だ。
XDの場合、
LEDコンフォートPKGというメーカーセットOPTがある。
これを選択すると。LEDヘッドライト、スマートキー、
オートエアコン、クルコン、D席&P席シートヒーターなどの
XDツーリング以上に備わる上級装備が+税抜10万円で追加できる。
XDツーリングになるとLEDコンフォートパッケージの装備内容に加えて
16インチアルミ、本革巻きステアリング、機械式タコメーター、
アクティブドライビングディスプレイ、LEDフォグランプ、
インパネソフトパッド、インサイドハンドルやアームレストの加飾が追加される。
XDツーリングLパッケージではアルミ塗装色変更(ガンメタ→グレーメタ)、
LEDフォグのベゼルの色変更(素地黒→ピアノブラック)があるが、
最大の違いはシート生地が本革になり、内装色が白と黒で選択肢が備わる点だ。
冷静に考えれば
XDのLEDコンフォートPKGのお買い得度が高いが、
我が家の場合、本革ステアリング、機械式タコメーターが欲しかった為
自動的にXDツーリング以上に絞られてしまう。
せっかくなので
Lパッケージを選択する事にした。
5.5万円で本革仕様が選べるなら人生で一回くらい
本革シートに乗ってみようと言う事になったのだ。
(DS3は部分本革だった)
メーカーセットOPTを選択したが、CDも聞きたい、
上位車よりも充実していると噂なので
アダプティブヘッドライトも欲しい。
MTでも追加できるならレーダークルコンが欲しい、
妻の運転支援に360度モニターも欲しい、
などと言ってフルOPTとなった。
加えて付属品を選んだ。
デミオはついつい選びたくなる付属品が多く
自制するのが大変だった(笑)
ナビSDカード、フロアマット、バイザー、
ETC2.0、ナンバーフレーム(前用を二つ)、
ドラレコ、マッドガード、給油キャップデカール、
ドアエッジモール、オーバーヘッドコンソール、アルミペダルセット、
ライセンスランプ用LEDバルブ、フロントグリルガーニッシュ(ソウルレッド)、
Rrアクセントレンズ、ドアエッジモール、そしてボディコーティングMG-3、
延長保証とメンテパックを選択した。
●いよいよ価格交渉
営業マンが見積もりを作成しに席を外した。
H24年式のココアは走行距離4.2万km。
消耗品は比較的こまめに交換し、
時々じっくり洗車はしていたものの
ロアバックにRAV4とぶつかったダメージがある。
事前に調べた
トヨタの中古車買取サイトT-UPによれば
同年式の同グレードで50万円と表示されていた。
ディーラーに行く度に査定をお願いしてきたが、
三菱で35万円、スズキで45万円、トヨタで55万円と出ていた。
今回の購入に当たり
ココアを下取りに出すことにしたが、これには理由がある。
RAV4を買うときにDS3を売却する必要があり、
有給を使って買い取り一括査定サイトに登録した。
登録完了直後から買取業者からの電話が鳴り止まず、
我が家に査定士たちが押し寄せた。
アパートの駐車場に異なる会社から派遣された査定士がDS3を取り囲んだ。
酷いのになると家に上がりこみ(上げてしまった)
18万円で買わせてください、他の業者を断ってください、
と粘りに粘った業者もあった。(もちろん@リバー)
何処の業者も
修復暦ありで過走行のため二束三文であったが、
それでも一番高く値付けした業者に売却した。
数週間後、中古車サイトに掲載された元愛車は
買取額の2倍強の値が付いて
修復暦無しと偽られて格安中古車として販売されていた。
(DS3を販売した中古車屋は私の売却先では無かった)
自社では売れず、転売したのだろうか。
DS3を下取りに出せば値段が付かないだろうから、
私の懐事情的には買取られて有難かったと言わざるを得ないが、
正しく申告した修復暦を偽って販売されていたのは、
何やら
詐欺の片棒を担がされたような気分で後味が悪かった。
満身創痍になりながら5年間頑張ってくれていたDS3にも申し訳ない気持ちだ。
査定のプロセスや業者への不信感から
今回は
中古車買取は利用しないことに決めた。
さて、ココアの査定額だがマツダは
65万円をつけてきた。
今迄で一番高い根付けだ。
納車費用をカットした見積もりの初回提示は
本体232.2万円、付属品34.2万円、諸費用23.4万円で合計289.8万円。
下取りが65万円で
総額224万円。
(見積書に値引は未計上)商品改良直後だが9月末決算の為、
24万円引きの
200万円ポッキリなら可能との事。
我が家としてはもう少し安い金額で買いたかったが
「その条件は社員割引ですね」との事。
その日は一旦帰宅し、見積書を精査。
まず、見積もりに計上された希望ナンバーと
道路サービス関連費用をカット。
更に付属品を厳選する事にした。
アクリルバイザーは、車のスタイリング上無い方が綺麗だし、
右左折時に見難く、洗車拭上げも面倒なのでドロップ。
ドアエッジモールもFrのみの設定なのでドロップ。
コーティングは3年保証から1年保証に見直し。
一方追加し忘れたラゲッジマットを追加した。
合計で初回見積もりから4.6万円削減。
計算上、総額195.4万円とした。
翌日営業マンに
「見積内容を見直しました。
改めて総額190万円なら購入したい」と商談の申入れを行った。
二回目の金額提示は見直し価格195.3万円と
当方の希望の190万円の間を取って192万円を提示してきた。
まぁそろそろ決めようかなと思っていたところだが、
妻が最終的な車体色で悩み始めた。
元々ボディカラーと内装色は妻に選んでもらうつもりだったが、
個人的には
ソウルレッドの黒内装が良いと思っていた。
マツダのディーラーの真っ黒な床に天井から
「お肉が美味しく見えそうな」照明で照らされた
ソウルレッドの車体色は本当に艶やかで美しいと感じていた。
内装色は上級車と同じディープレッドと黒の革内装の方が
引き締まって見える上に汚れも目立ちにくいと考えていた。
見積もりもソウルレッド黒内装で作成されていた。

ところが妻は「免許取立て時代に乗ってた
母のベリーサが赤かったらデミオは違う色が良い」
「内装色は白が良い」と言い出した。
エターナルブルーマイカも気になっていたようだが、
「会社のすごく怖い先輩が似た色のゴルフに乗っていてちょっと・・・」
とのこと。言われてみればちょっとVWっぽいカラーだ。
妻はマシーングレーがカッコいいので気に入ったと言う。
マシーングレーは私にとってロードスターの色
という感じで全く眼中に無かった色だった。
白も全く眼中に無かった色なので面食らったが、
公約どおり妻の希望に従うことにした。

ボディカラー変更で価格が変わるので改めて
最終金額を尋ねた。
最終見積は本体231.1万円、付属品31.3万円、諸費用21.6万円、合計284万円。
値引き額は本体から5万円、付属品から13.3万円、下取りが75万円にアップ。
端数カットで
希望通り190万円になったので契約した。
みんカラで自分の車の購入価格を晒す人は少ないが、
普段、知人の新車購入を手伝った際はこちらで報告しているので
自分の時も報告した方がフェアだと考え、敢えてご報告した。
ちなみに、契約すると契約者用のカタログをくれるらしい。
書いてあることはマツダのこだわり
(ドラポジとかデザインとか歴史とか)が満載。
少々マニアックな内容なのも
ファンを作るという意味で有効と感じた。
最近の車は契約した後の説明が延々と続く。
午後から商談していたがすっかり薄暗くなってしまい、
クタクタになりながら帰宅した。
●納車へ
8月末に契約して納車は10月頭。
一ヶ月ほどの納車待ち期間はかなり待ち遠しく
悶々とした日々を過ごした(笑)。
私はDS3を買ったときも
3ヶ月という納車待ち期間を待てないので在庫車が存在する
エディションノアールIIを購入したほどのイラチなのだ。
納車日、ココアとのお別れになってしまい、
ディーラー最寄のコンビニの駐車場で大変寂しくになってしまった。
妻と初めて二人きりでご飯を食べに行ったのはココアだったな、
とか山梨までひまわり畑を見に行ったな、とか
Dナビくんを画面上で突っついてイチャつくのが好きだったなとか
感傷的になったが心を鬼にしてカーナビをリセットして引き渡した。
デミオの運転席に座り帰宅したが、
ネット情報で書かれていたネガティブな点はほとんど気にならず、
チャイルドシートの我が子も上機嫌だった。
納車日翌日から妻の特訓が始まった。
近所の12%の上り坂の路肩に車を止めて坂道発進の練習をし、
市街地走行のシフトチェンジのやり方を指導した。
癖が強いという評判もあるデミオディーゼルMTだが、
妻の練習に付き合う中
でむしろ初心者に向いていると思える点もあった。
1.エンストしにくく、エンスト時の再始動が容易
2.坂道発進補助があるのでクラッチ操作に集中できる
3.シフトインジケーターの指示通り変速すればガクガクしない
4.ハイギアードなので変速の頻度が少なくイージー
5.i-DMで定量的に運転の良し悪しが評価され、アドバイスし易い
納車から2ヶ月ほどが経ち、今では子供を乗せて児童センターに行ったり
ショッピングモールへ買い物に出かけたり、実家に帰ったりしている。
細かい事を言いたくなるところだが、グッとこらえて
まずは
日常的にMTに乗れていることを喜びたい。
AT限定だった妻がMT車を買うまで3年ほどかかったが、
かくして我が家は今時珍しいMT車オンリーになったのである。