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2024年06月11日 イイね!

2024年式WR-V Z+感想文

2024年式WR-V Z+感想文●現代に蘇ったロゴ?いいえJムーバーです

私が近年、しつこく言い続けているのがN-BOX一本足打法の国内販売問題である。N-BOXが日本人の生活にぴったり寄り添った軽スーパーハイトワゴンの決定版である事は同意するが、それ以外のホンダ製登録車は、割高であと一歩の惜しい面があっても商品力強化のやる気すら見せないモデルが多く、私だけかも知れないが勝手に危機感を持っていた。



そもそも日本市場は北米や中国市場と較べて市場が小さく特異なため、ホンダ以外の自動車メーカーも日本を無視したクルマ作りを続けている。経営規模が大きいトヨタは何とか小型車枠の商品を残しているが、ルーミーもライズも小型車を知り尽くしたダイハツのOEMである。

そんな中でホンダは他国で生産する向けモデルを日本市場向けに同時開発し、輸入するという手慣れた手段をとった。

元々ホンダはアコードの逆輸入を・・・なんて昔話をしなくても、つい4年前まで小型セダンのグレイスをタイから日本に輸入し、最近だとオデッセイを中国から輸入している。

今回は新興国向けP/Fを使って作る都市型SUVをインド市場に向けて作り、インドで生産した。その仕様設定を日本市場向けにアレンジした日本仕様車を仕立てて2024年3月から日本で販売している。



現地名エレベイト、日本名WR-Vは先代ヴェゼルのガソリン車の市場を受け継ぐ廉価なSUVスタイルのエントリーモデルである。個人的にはフィットが市場で理解されないのが残念だな、と言う思いがありつつも、なるほどWR-Vは商品として分かり易い。

軽からステップアップするときに、頼もしく見えるエクステリア。硬質プラスチックを多用しながら細かく高触感素材を使ったアクセントでみすぼらしくもない。ドラポジはSUVらしい視界の良さが楽しめて家族を乗せても快適な室内と軽ハイトワゴンでは望めない荷室と居住性の高バランス。走らせて直ぐ分かる1.5リッターE/Gの力強さがもたらす動的質感。高速道路での挙動の落ち着きの無さは玉に瑕だが、それをも納得させられる特徴が残価設定型クレジットを組まなくても現金やローンで買える身近な価格帯(税抜価格190.8万円)。ホンダの中でフィット以外で軽からステップアップできる貴重な一台になった。



一方、見る人が見れば明らかに(技術的・市場的に)時代遅れな諸元が並んでいるのも特徴だ。

・ハイブリッドがない?3気筒E/Gじゃないの?
・PKBが未だにレバー式?
・全車速追従ACCついてないの?
・ブラインドスポットフィンフォメーションないの?
・全面液晶メーターじゃないの?
・スライドドアじゃないの?
・この見た目で4WDないの?
・アルミホイールが17インチなの?


などなど、模範的自動車販売業の人たちからすると2024年の当たり前が備わっていないので否定的な見方をされかねない。この手の「当たり前」は自動車メーカー自身によって醸成されていく空気であり、それがないと困るという実態は案外無かったりするもので、無いと困るような人命に関わる安全装備などはWR-Vにも着いている。

だから実際WR-Vに乗ってみても感動がない代わりに扱いに困ることはないし、至らぬ点を目くじら立てて叩く気にもならなかった。そもそも2040年までにE/Gを辞めると言っているホンダの新型車がガソリン車オンリーという点も叩きたい人は叩きたいだろう。

でも、国内市場で背に腹は代えられないホンダはSUVブームという販価が取れる流行をうまく使いながらも、原価に直結するところでは流行に乗らずに節約をすることでN-BOXからの代替に誘導できそうなエントリーSUVを持つことが出来た。

これで不満が残るならヴェゼルやフィット、フリードを買えば良いし、盤石な支持を集めるN-BOXもある。

WR-Vの大胆な割り切りは恐らく、ホンダ自身の事情によるものが大きかったと思うが怪我の功名的な結果オーライに結びついているのは面白い。

かつてクリエイティブ・ムーバーと称して独自のRV車を世に出してヒットを連発した当時のホンダ車もスライドドアなし・ステッキ式PKB・ディーゼルなし・簡易的4WDのみ、という大胆な割り切りがありながら市場の支持を受けていた。

WR-Vの割り切りもまた、売る側の論理ではなく買う側が納得できそうなものに留め、浮かせた分を便利な道具を安く売ることに繋げている。安っぽさよりも楽しげに見えるところは、かつてのシンプルすぎて埋没したロゴをベースにしたJムーバー(コンパクトで楽しさのある楽しさ創造車)の発展系的なコンセプトとも言えそうだ。



この車は私達、普通の日本国民が今までの様な気持ちで買える貴重な新型車だと思う。勿論、安いなりの作りの甘さや性能面の不満はある。しかし「小型キャブワゴンは総額450万円」とか「軽ハイトワゴンは総額300万円」というメーカー都合による残価スキームの中で現状は現金で買えるマイカーが手が届かない遠いところに行って行きつつあった。でも、WR-Vなら総額250万円以内で軽自動車以外の車が買える。この現実感のあるリアルなワクワク感は私達にとって大切な感覚だと考えている。

買えない車を論じるより、買える価格でありながらエアコンもよく効いて室内も広くてみすぼらしくないSUVルックは花より団子だ。今度のJムーバーは平成のそれらより市場の支持が得られるのではないかと思う。



WR-Vは発売後1ヶ月で1.3万台の受注があったという。月間3000台の目標の中で4倍以上の実績は
試乗車などの予約分もあったとは思うがホンダにしては良いスタートダッシュだった。インドからの輸入車なので、輸送タイムラグなど需要に急に対応するのは難しいところだが。トヨタのヤリスクロスは発売後1ヶ月で4万台の注文があったようで数字ではボロ負けだが、ホンダにとっては重要な車種になると思われる。

イマドキ求められているコスパ(好条件での下取り、保険・税制の優遇)の良さで軽スーパーハイトワゴンに勝てる見込みはない。実質賃金が下がり続けている中でWR-V(普通車)の余裕・快適性に対してお金を払って貰えるような状況でもないので、20年前の状況より寧ろ難しい戦況ではある。だが、ここで安易に売れ行きに陰りが見え始めたN-BOXに頼るのではなく、W-RV、フィットやヴェゼルを育てることも忘れないで欲しい。

総評は3★。取り立てて悪くないがぶっちぎりの部分もない。新しくもないけどその分安心感もある。ホンダのモデルミックス的に必要だったモデルだが、WR-Vそのものの評価は3だ。
Posted at 2024/06/11 09:26:39 | コメント(4) | クルマレビュー

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