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ノイマイヤーのブログ一覧

2012年08月27日 イイね!

トヨエース試乗

会社のビーチバレー大会の運営委員をやっているため、
土日だけトヨエースに乗ってました。

トラックの国民車と謳われたトヨエースに乗るのはこれがはじめて。
ずいぶん日野色に染まったトヨエースですが、驚きが色々。
レンタカーなのでAT車だったのですが、すごく賢いAT。
減速時はどんどんシフトダウンしてくれるし、食いつき感も非常に良好。

最新のDPFつきディーゼルターボはトルク感抜群。
100キロまで気持ちよく加速します。(スピードはそんなに出ない)
排気ブレーキも初体験!

山道でもまったく遅いと感じることが無い走りに
ドライビングプレジャーを感じてしまいました。

ただ、コーナリングはやっぱり怖いです。
しっかり減速してやらんときちんと曲がりません。
あと、脚が硬いので乗用車と比べると乗り心地はそんなによくないです。
同乗者の評判が悪かったです。

驚きはアイドリングストップ。トラックまでエコの時代!
エンジン停止からの再始動に時間がかかりますし、
ディーゼルなので停止・始動時のバイブレーションはちょいと不快です。

この日はバレーボール用の支柱やネット、テントなどの荷物を満載して海までドライブ。
狭い海岸沿いの道路でのUターンは小回りが効いて機動性抜群。
キャブオーバーで後ろが少し長いので内輪差だけには気をつけないといけませんけど。

現場到着後は早朝からコートを設営してめちゃめちゃ疲れました。
運営委員のみんなからは
「いきなりトラック運転するなんてノイちゃんさすが車好きなんだねー」
などと言われましたが、みんなはこの車がいわゆる5ナンバーサイズ程度だ
ということに気づいていないらしい(笑)

いつもとは違う車に乗れた週末でした。
2012年08月18日 イイね!

2012年式メルセデスベンツB180感想文

●B180試乗
BMW1シリーズを迎え撃つべく、
2+2ハッチバックに変貌を遂げるAクラスの穴を埋めるための新Bクラス。

人生で初めてMBのディーラーへ足を踏み入れてしまいました。

・・・・・えーっと、シトロエンでございますか(微笑)・・・・
大衆ブランドのお客様は当店のパーキングスペースに駐車いただくことはできません。
え?DSラインの第一弾モデル?ちょっと存じ上げませんね。(嘲笑)
そちらに砂利の駐車場をご用意いたしておりますので、
黒い大衆車をそちらにお止めいただいてそちらから歩いて店内までお越し下さい。
総合案内チラシでしたら差し上げないこともございませんが(フハハハハハ)・・・・

・・・とかそんなドSな対応されたらどうしよう・・・・泣きながら帰れば良いか。
でも涙で前が見えなくなるかもしれないな・・・・

的な恐れを抱いていました。
そもそもMBなんていう高級ブランドは子供の頃から
893が乗っているから近づいてはいけない、とかそんなイメージでした。

子供の頃にお世話になってた小児科の先生が車好きで
V12のSクラスに乗っててよくガレージで車見せてもらってたのですが、
あのすごい先生が乗ってるというだけで、
一層「近寄りがたいもの」になっていたのは事実です。

更にガソリン自動車を発明した人の会社、
とか「最善か無か」という素晴らしいスローガンなども相まって
私にとってMBはとても遠い世界の自動車だったのです。
そんなMBがここ20年でどんどん我々の手が
届きそうなところまで降りてきた印象があります。

Cクラス、Aクラス、そしてBクラス。
MB伝統の高級車の世界を守りつつコンパクトにしたCクラス。
Sクラスよりでっかいエンブレムを身につけて
コンパクトカー界に殴り込みをかけて返り討ち(失礼)にあったAクラス。
社用車にAクラスがあるので何回か出張で使用しましたが、
エンジンがパワフルな事以外はちょっとガッカリするような出来栄えでした。
このAクラスに加え、伝統の後輪駆動セダンにこだわらないが、
MB流の世界観を味わいたい層向けの
マルチパーパスなBクラスというバリエーション戦略を取っています。

まだまだ世界的には自動車産業は発展するチャンスがあります。
MBも従来のCクラスまでの伝統的な後輪駆動セダンだけではカバーしきれない
新しい富裕層を取り込むためには、
いわゆる独身貴族や子供の居ない共働きカップルを取り込むようなモデルが必須。
Aクラスをスタイリッシュかつ豪華に仕立て上げました。
そうなると5ドアのユーティリティが欲しい層が取り残される。
Bクラスはそこを埋めるために、従来よりも背を低くスタイリッシュにしつつ、
ゴルフのような伝統的ハッチバック車より高級でMPV的な要素を訴求しています。

フロントマスクも最近のCクラス的なものでBクラスに魅力を感じる層をひきつけます。
顔つきがあまりにもファニーだとMBの威厳が損なわれる。
ある程度の高級車になるとその顔つきは本当に大切です。

Bクラスのスタート価格は299万円。
実に戦略的な価格です。

カローラフィールダーの一番高いSエアロツアラーが212万円。
エスティマのエアロつきのアエラスが297万円。
或いはLEXUS CT200hの最廉価グレードが355万円。

一般的に自分の年収と同じ程度の金額の車は
購入・維持ができると言われています。
ただ、イマドキそんな無理をする人はいませんから、
せいぜい年収の半額~2/3で留める方が多いそうです。

また、国税庁 平成22年 民間給与実態統計調査結果によると、
(ttp://nensyu-labo.com/heikin_nenrei.htm)
男性の場合は50~54歳がもっとも年収が高く、649万円。
私のような30~34歳の場合は432万円となります。
あくまで平均ですから、この値にケチをつけるのは別の機会にします。

彼らが無理なく購入しうる車両価格は50台前半が324万円~432万円、
30代前半の男性の場合は216万円~288万円と試算されます。
確かに、自分の周囲を見渡してみれば
この範囲のゾーンで車を買っている人が多いです。

この試算でいけば会社で定年が近づいてきて
そこそこ頑張ってきた男性は、十分高級車というものに
手が届きそうに思われます。(実際買うかどうかは別として)

Bクラスは299万円スタートではありますから
30台前半の人でもちょっと平均より良かったり、
平均的な人も頑張れば十分に購入しうる価格に設定されています。

大昔のMBといえばコンパクトクラスですら現在で言う
Eクラスしかなくて本当の富裕層しか購入できなかったわけですから、
事実として敷居が下がったといって良いでしょう。

大昔からのお金持ちを満足させるには、しっかりお金をかければ良いです。
ただ、いまマーケットが賑やかになりつつあるプレミアムコンパクトの領域は
価格競争力や収益性を確保しながらも商品性で見劣りするものは絶対に許されません。
MBだから、BMWだからと割高な価格で車を買ったのに
少しでも安っぽい印象を与えるとガッカリさせてしまいますし、
購入金額が高ければ高いほどそのガッカリは明確な不満に変わります。
見えないところでしっかりコストダウンをしつつ、見せるべきところは「これでもか」というほど
高級車の世界を見せてやらねばならないのですから、
こういった車種の開発はきっと難しいでしょうね。

前置きが死ぬほど長くなりましたが、私もこの間30歳になった事だし、
勉強がてらMBでも見に行ってみようという事になったのでした。

夕方の某シュテルン(英語でスターを意味するMB正規ディーラー)。
DS3を駐車スペースに止めると営業さんが出てきてくれました。

Bクラスに興味があると告げると、ショールームへ案内されました。
営業さんはちっとも気取った部分も無くてフレンドリー。
LEXUSの総大理石の店舗が放つ独特の威圧感はありませんでした。
MBの場合、そういう威圧感は商品そのものが出しているのでしょうか。
置いてある車は、なかなか重厚感があるというか、
さすがベンツと言わしめるショールームアピールです。

店内にあったのはB180ブルーエフィシェンシー スポーツ ナイトパッケージ。
長ったらしいですが、B180のスポーツ版のアップグレードオプション付きという意味です。

運転席に座ると、真ん丸いレジスター(空調送風口)が特徴的です。
IPのアッパーはテロテロの黒木目トリムがあんまり良い趣味ではない事以外は
ディーラーに訪れる人をガッカリさせないMBらしい内装です。
装備水準はナビがついていないこと以外は高く、不満に感じることは無いでしょう。
センターのディスプレイが少し調和を乱していますが、エアコンのダイヤルのタッチなど
頻繁に手で触れる部分に関しては隣りにあったEクラスやCクラスに劣るものではありません。
駆動方式もボデー形状も違いますが、MBの世界観は壊されていないということは、
初めてMBの世界に足を踏み入れる人にはとても大切な事ではないでしょうか?

後席はBクラスらしいミニバンを意識した装備が目を引きます。
シートバックテーブルやリアシートの分割可倒機構、シートスライドなど
ファミリーユースには嬉しい装備がついている部分がライバルに無い魅力です。
MBらしいエレガントな高級車的なデザインにしっかり座れる後席というのは
2+2になる新型Aクラスとしっかり住み分けができていて好印象です。

さて、Bクラスには299万円の標準仕様(並盛)とスポーツ仕様(大盛)があります。
外観も並盛は標準的な6分割風グリルですが、
大盛は革巻きステアリングや大径アルミホイール、
ロゴ付キャリパーに加えステアリングがダイレクト仕様になるなど
若々しい仕様に変更されます。ただし、並盛の299万円に対して大盛は348万円です。
大盛に対して更に内外装をアップグレードさせたいスタイリッシュは特盛と呼ぶべく
ナイトパッケージが選択できてパワーシート、プライバシーガラス、
専用の内外装に加え18インチのブラック塗装アルミホールが装着されて
グッとカッコよくなりますが、気になる価格は363万円。

カタログを見ていても
並盛はスポーティな外観が好みの若年層には物足りなく感じますし、
本革ステアリングが装着されなかったり、
後席のスライドやリクライニングができないなど、
必要最低限の装備しかついていません。
商売上手のMBは並盛にコールスローと味噌汁付セットのような
バリューパッケージというセットオプションを設定しています。
これはキセノンヘッドライトやLEDのDRL、本革ステアリング、
Rr席のグレードアップや収納の追加など
高級車のお約束装備やBクラスらしい実用装備が装着されます。
エレガントな標準モデルでOKという人なら
プラス25万円で装着できるので、並盛のAセットなら324万円となります。

299万円という価格に惹かれてディーラーへ足を運んでも実際のお客さんは
並盛だけを注文する事はないそうで、
並盛Aセットや一気に飛んで特盛を注文する人が多いそうです。

もともとのダウンサイジング層も相当数居ると思いますが、
年収の半分程度で買おうと思ってディーラーに行ったものの、
色々欲しくなってしまって年収の2/3まで頑張ってしまった・・・・
という人が結構多いということでしょうね。

試乗車があるというので運転させてもらうことにしました。
グレードは並盛Aセット。
正式名称はB180 ブルーエフィシェンシー バリューパッケージ装着車(長い)。

運転席に座るって車を出発させます。
どっしりした乗り味を想像したのですが比較的普通です。
ボディサイズも3ナンバーとはいえ全長が4365ミリなので扱いやすいです。
ヒップポイントも適度で何よりもサンドイッチフロアじゃないので
座った時の姿勢がAクラスよりもグッと自然になりました。

全高はタワーパーキングに入る1540ミリ。この全高を実現するために
欧州ではローダウンサスと呼ばれるサスを標準装着していて
試乗レポートなどを見ると堅いと言われていますが、
普段自分が乗っている車と比べれば十分しなやかでファミリーユースも可能です。

エンジンは180と名乗っているものの1600ccのダウンサイジングターボ。
かと言ってライバルとは異なりショートストロークで圧縮比もそれほど高くありません。
最高出力は122psで最大トルクは20.4kgmと特筆すべきものはありません。
変速機は7速DCTを採用してパワートレーンは欧州のトレンドそのものです。
パドルシフトがついているのですが、シフトダウンの操作に対して
車側で対処されてしまい操作を受け付けない場面もありました。
一般走行時はそれほどパンチがありません。
普通に踏んだら普通に走るという感じです。
全開にしても自分のDS3のような「パチンコ玉の様に弾ける」類ではなく、
高級車らしいあくまでもマイルドなもの。

頑張ればそれなりにいけるんでしょうけど、
ちょっとアレっと思う感じは否めませんでした。
営業マン曰く「出足が悪いってお客さんには不評なんです」とのことでしたが、
スロットル特性は確かに踏み始めが穏やかに躾けてある模様。
グッと踏んだらトルクは出るので力不足ではないのだと思います。

動力性能を中心とした乗り味としてはあくまで必要十分な程度。
追い越し車線をふさぐ邪魔な先行車をハイビームで蹴散らしてかっ飛んでいく・・・
そんな旧時代の荒くれたMBの走りというのはこのBクラスには似合いませんし、不可能です。
あくまでもBクラスはコンパクトな車体を活かして市街地を主な活動の場とし、
MB流の高級感を割安に体感するファミリーカーとするのが良さそうです。
大丸ピーコックや成城石井でお買い物、休日はプレミアムアウトレットでお買い物・・・
そういう生活を送るにはうってつけなんじゃないでしょうか。

その意味ではわざわざスポーティに味付けた大盛や特盛は不要な気がしてきます。

実用性だけで車選びをすれば、FITあたりになってしまうでしょう。
そこにプラスαを求める人の為のプレミアムコンパクトです。
でも、よく考えもせずに大盛だの特盛だのを選んでしまうと、
伝統の本流セダンであるCクラスに手が届きそうな価格になることも事実。

割安にMBの世界を味わえるBクラスの並盛を選び、
割り切るのが最もスマートな買い物になる気がします。

子育て中だったり、キセノンやDRL(今や高級車のアイコン的装備)
がどうしても欲しければ並盛Aセット。

舌を噛み切りそうな勢いでスポーティな外観が捨てきれないなら
大盛(高すぎるけど)ですね。

仮にある人が少し高いなと思いつつ、Bクラスを購入。
たちまち「あいつ、若いのにベンツ(高級車の代名詞)買ったらしいぞ」という噂になり、
それが自尊心を満たし、自信がつくことで
より意欲的に生活の歯車を回す原動力に繋がるというのなら
なかなか面白い自分への投資ではありませんか。

でも実際は保育園への送り迎えでBクラスのような輸入車で現れると
たちまち他のママさん達から爪弾きに遭うらしいですよ。恐ろしい。

本当はFITでも買っておいて差額を
住宅ローンの早期返済に回すのが最もクレバーですが、
個人的にはそれだけが正解ではないと思っていますので、
今までに無い選択をしようとお考えの方は
是非プレミアムコンパクトにチャレンジしてみて欲しいなと思います。

・・・と支払い総額350万円になる見積もりをもらい、
「次買い換えるときはこういう5ドアも便利で良いなぁ」
などと言いながらシュテルンを後にしました。
独身者には今度出る新Aクラスの方がぴったりだと思いますが。

繰り返しますがMBのディーラーは入りやすいのが意外でした。
新しいAクラスが出たらまた見に行きたいですね。

以上、リアルな私の生活とかけ離れた感想文終わり。
2012年08月12日 イイね!

2012年式レクサスCT200h感想文

2021年10月 画像(https://www.favcars.com/から引用)追加 文章再構成

レクサスの勉強の為にLEXUS CT200hに試乗。愛知で試乗すると道路が全然面白くないので地元奈良で試乗することにした。結果、地元で一人で運転させて貰えたので、脳内ナビを駆使して一般道からワインディング、自動車専用道路まで試すことが出来た。



簡単に解説するとCTはクリエイティブ・ツーリングを意味し、BMW1シリーズを強く意識したハイブリッドハッチバックだ。プリウスをベースにBMW1シリーズ風のスポーティなスタイリングでまとめられている。200hというのは一般的なガソリン車2000cc相当のハイブリッドという意味です。本当は1800ccですが、モーターとあわせて2000cc相当の実力があると言っているのだ。この表記の仕方は将来的に一般的なガソリン車がなくなったらどうするのだろうか。(出力をkW表示して車名にするとかありえそうですね。CT100hとかGS256hとかになりそう)

レクサスのボトムエンドを受け持つCTは小さな高級車を求める国内でもなかなか好評らしく、欧州でも最も良く売れているLEXUSモデルなのだという(当時)。(北米ではES、RXの方がよく売れているし中近東だとLXがよく売れる)ざっくり言えば、プリウスのレクサス版がCT、SAIのレクサス版がHSという事だ。

●外観
LEXUSのアイデンティティとして売り出し中のスピンドルグリルは採用されていないものの、Frバンパーカバーのレリーフでスピンドルらしきものが表現されている。モデルライフを考えての予告編だったのだろう。HSと兄弟車だとは思えないほど見た目は全く異なる。

ライバルの1シリーズもアウディとの違いを明確に出すために、FRらしい低いルーフに+長いノーズという「居住性」を敢えて犠牲にしたシルエットを採用するが、少々Rrクオーターが重たい感じがするところもBMW風だ。FFのCTもBMW風のカッコよさに追従した結果、FFモデルとして異例にスマートなクルマになった。(2021年注、1シリーズもFFになった結果スタイリング的なキレも悪化)



ただ、一箇所だけAピラーとフェンダーの合わせ処理がどうもチグハグに感じます。上手く面が繋がらなかったのかな・・・。ルーフとサイドアウタパネルの接合はレーザー溶接+ロウ付けではなく一般的なモヒカン構造だ。LEXUS車の場合、ルーフドリップモールはカラードが標準だったが、ボトムエンドのCTでは残念ながら一般トヨタ車と同レベルの黒モールの設定だ。(Fスポーツ、Ver.Lはカラードなので、見栄を張ってVer.CのアルミをVer.Lのものに変えただけではグレードがバレる)

●内装
内装もLEXUSっぽくナビ+AV操作用のインターフェースを中心に操作系が配置されている。ナビ標準+ATのみのCTだからこそやれる事と言える。(そうでなければセンタークラスターの金型がもう一個必要)外装同様にFFで居住性を売りにする他車と比べるとCTは独特の囲まれ感がスポーティな味が好きな人にはグッと来るのではないかと思われる。



座ってみると圧迫感はそれほどでもない。その理由は着座した際のお尻の位置(ヒップポイント:HP)を下げているから。ここ10年くらいの主流はHPを高めにして乗降性と見晴らしを重視していましたが、CTはそこを敢えてスタイリングや走りの素性を良くする為に下げている点が特徴的だ。

センタークラスターからコンソールまでの張り出しも相当大きいので寸法としてはそんなに開放感はないが、FR車のような高級感を出している。FR車には理由があるが、CTには本来そんなに張り出す理由は本当のところ無い。ただ、ただむやみに広いというのは、カッコいいわけではないでしょう、と言いたいわけだ。広さをアピールする事も必要な車種もあるが、CTのような高級車では広さよりも、存在感を重視する必要性もある。ちょうど、洋服でも大き目のサイズを着るとだらしなく見えるのと同じ。肩の位置がぴったりのシャツはそれだけでカッコよく凛として見えるのと同じ事だ。



さて、後席も窓の開口面積が小さいために閉塞感はあれど、実際の空間としては下手したらオーリスよりも広く感じた。これもHPを下げているからなのだが、側頭部~ルーフサイドの寸法は余裕が感じられて広く感じた。(欧米人は厳しそうだけど)

ステアリングやインパネなどはまさしくLEXUSのそれだが、ドアオープニングウェザーストリップがまさかの黒ゴムのリップタイプ。コスト的な割り切りなのだろうし、そこを気にする人は少ないのだろが、ちょっとだけ目ざとい私には気になった。(せめてHS並みのリップなしにして欲しかった・・・・。)

●市街地試乗
一人で試乗させてくれるというので意気揚々とCTに乗り込んだ。ああ、マイアヒラサワ(2021年注:CM曲)のCD持ってくればよかった・・・・。試乗したのは375万円のVer.C。もっともメインになるであろうグレードだ。

久しぶりのハイブリッドだが、本当に巧みな制御をするようになった。カックンブレーキは欧州車から乗り換えればぜんぜん気にならなくなった。(停止時の調整は相変わらずだが、ちょんと踏んだときのフィーリングは確かに向上していた)

停止から発進はメーター内のEVという表示灯が示す通りモーターで発進。エアコンがガンガンに効いていてもモーターで走れるのはトヨタ式のストロングハイブリッドの美点であり2012年当時は大きなセールスポイントだった。

渋滞路でのハイブリッドは本当に魅力的である。多人数で移動する時にミニバンの魅力が最大限に発揮されるように、或いは雪道が4WDの魅力を最大限に引き出すように、ハイブリッドは真夏の渋滞路でのストップアンドゴーこそが最も輝く瞬間であると私は考えます。その意味で日本やアメリカのように渋滞が厳しい環境ではハイブリッドは大変魅力的に映るだろう。

道路が少し空いてきて、ドライブモードセレクトを試した。ドライブモードセレクトというのは「ECO」-「NORMAL」-「SPORTS」というモードをダイヤルで選択できて気分に合わせたドライブが楽しめるという謳いだ。

この手の装備はNORMALさえ出来が良ければ他のモードなんか必要なし!と個人的には考えていますが、ショールームアピールも抜群で、ディーラーの周りを一周する5分くらいで営業マンから「モードが切り替えられるんですよー!試してみてください!」なんてセールストークも繰り出されたら「むむむ、欲しい」ってなっちゃうもんなのだろう。

上記は別に最近のお客さんが騙されやすいわけではなくて、昔からECT-S(オートマ)やTEMS(足回りの硬さ調整)のように1980年代から既にそういう思想の装備は存在してきた。ただ、最近のドライブモードセレクトの類はスイッチ一つでエアコンの制御から変速特性やエンジン出力特性だけではなく、ステアリングの制御特性まで変えてしまうものだから豹変感が演出しやすい。こうした装備が増えてきた背景はメーカー側がスイッチ操作でいじれる量の幅が広がった事と、お客様の要求するレベルが厳しくなったのかもしれない。(燃費は良くないと・・・でも加速が悪いのは・・・)

閑話休題。CTの場合、ECOだとアクセルに対するツキが非常に悪化する。メーター内の出力計はECOの領域からなかなか出ない。追越などで力が欲しいときは更にアクセルを踏み込むと一時的にECOモードが解除されてグッと出るようになる。CTらしい一般走行を楽しむなら、やはりNORMALが好ましい。プリウスのように燃費の数値を追いかけるだけではなく、力強い乗り味というものも高級車には必要なので、ハイブリッドシステムの余力をそこにも振り分けていることが私レベルでも分かる。



静粛性はさすが高級車という言うレベルで2000ccクラスのトヨタ車とは確かに違う。また、ヤマハが誇るパフォーマンスダンパーが前後に取り付けられていて、しっとりした乗り味に貢献しているという。有り無しで比較できないのでどれくらい変わるのかは言えないが、確かにステアリングをちょっと切ったときの心地よさや脚が堅いのに振動の収まりのはイメージより良い点はCTの美点だ。ボディがそれほど大きいわけでもないので、運転もしやすく左後方の視界の悪さもそれほど気にならない。プレミアムコンパクトとしての資質を充分に持っていると感じた。

●山道+高速走行
このままCTを峠道に持ち込んだ。ステアリングをグッと切ったときの爽快感は重心が低いクルマならではの快感だが、CTにもその味わいがある。

NORMALでも充分だが、敢えて分かりやすくSPORTモードを選択した。アクセルのツキが良くなり、ステアリングのレスポンスも鋭くなる。さらに、メーター内の照明が赤くなり、パワー表示がタコメーターに切り替わることで更に気分を盛り上げてくれる。(レッドゾーンが5千台というのが萎えるが仕方ない・・・)

ヒラリヒラリとカーブを曲がる事ができて、なかなかの楽しさがある。ただ、急加速時はエンジンとモーターがフルで頑張ってくれるが、いかにもCVT車という感じで、ポーンと回転数だけ上がってしまいスポーティさ感じられない。絶対的な力はあるのに、トヨタのハイブリッド車の宿命で官能的には一歩競合に譲る。



そこから更にペースを上げたところ、意外なほど低い車速でタイヤが鳴き始めてしまった。電子制御のおかげでコースから飛び出すことは無いものの、制御デバイスの介入も少し早めなので、私は少し物足りなさを感じてしまった。

それは、それまでの印象から想像する本当の限界よりも、かなり低いと感じたかで恐らくエコタイヤを履いているせいだろう。もっともヤンチャな乗り方をしたい人はCTを選ばないと思うので、この選択が間違いであるとは思わない。山道を通常のペースよりちょっと速めに走るときの心地よさは確保されているから、大多数のCTユーザーが不満に思うことは無いだろう。



60分ほどと言う試乗の残り時間が無くなって来た。そこで自動車専用道路を使ってディーラーに戻ることにした。道中の長い下り坂、ダラーっと下りながら回生(充電)を行う。先ほどエコカー(笑)には似つかわしくない走りをしてしまったので、罪滅ぼしが回生によって出来るというのはハイブリッドならではの効能といえる。ハイブリッドは本来捨てているエネルギーを回収して、それを走るために再利用できるが、普通のガソリン車にはせいぜい燃料カットくらいしかできないからこの差は大きい。空っぽだったバッテリーがほぼ満充電できた。

合流車線でここぞとばかりハイブリッドらしい加速をこなして後はクルーズコントロールで制限速度の70km/hクルージング。微小なステアリング操作のしっとり感と静粛性の高さが上質な時間を提供してくれているから本当に快適だ。

やはりCTは見た目ほどスポーティな乗り方をしない方が性にあっているようだ。ただ、1時間くらい乗ってみて初めて気づけたのはシートの悪さ。1時間しか乗ってないのに少しだけ腰が痛くなってしまった。ツアラーを名乗るCTでそれはいただけないが、普段乗っているクルマのシートが良過ぎるだけなのかも。

一般道に下りてディーラーに戻るまでのストップアンドゴーでまた性懲りも無く感動しつつ、試乗を終了しました。燃費は最終的に14.5km/L。営業マン曰く20km/Lは走るそうですから、普段使いの感動は十分あるだろう。

●まとめ
はじめて1時間近くCTに試乗させていただいた。レクサスの世界の裾野を広げるエントリー車種で終わるのではなく、運転が楽しいプレミアムコンパクトかつハイブリッドという付加価値を提供しており、欧州のライバル車に対しても存在感を示す事ができるモデルであると感じました。

トヨタ車の横並びで見れば、意外と安っぽい部品を使っていたりする部分もあるのですが、ライバル車とてそれは似たようなもので、高級感を出しながらもある程度の割り切りをしないとプレミアムコンパクトというジャンルは成立しない。

価格はスタート価格355万円~ですが、この355万円は非常に見劣りするので実質的には375万円のVer.Cからのスタートになる。ライバルのBMW1シリーズのスタート価格よりも47万円高いのでそうなってくると、レクサスの品質とハイブリッドに燃費の良さで勝負という事になるだろう。



やっぱり走りが大事!という人や、ブランド信仰が厚い人でなければCTも充分に魅力のある商品だというのが結論だ。

(2021年注)
CTを街でもよく見かけるのは扱いやすいボディサイズとハイブリッドと高級感をうまく掛け合わせたパーソナルカーとして売れていたからで、特に女性ユーザーも多く個人的にはネガが目立たない使い方で予算が許すなら良いのでは無いかといえるモデルであった。残念なのは競合車が次々にFMCされるなかでCTだけ放置プレーであることだ。実質後継車のUXがあるから作り手の中ではもう戦力外通告されているようだが、せっかくのCTを一代限りで廃止してしまうとしたらそれは既納客への失礼に当たるし、ブランドとして車種を大切していないということになりプレミアムブランドの姿勢としては疑問符が着く。
Posted at 2012/08/12 10:39:13 | コメント(0) | トラックバック(0) | 感想文_トヨタ・レクサス | クルマ

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