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2025年11月03日 イイね!

2025年式フォレスターSPORT感想文

2025年式フォレスターSPORT感想文2025年4月にデビューしたフォレスターのガソリンターボ車に試乗する機会を得た。

北米では前年から売られていた6代目フォレスターはエクスプローラー的なアメリカン顔になって登場した。先代のSGPプラットフォームを継承し、ホイールベースは変わらず、サイズをほとんど変えていない。グローバルカーに向いていると言われるSUVだが、特にアメリカでよく売れておりボディサイズに対する感度が低いため、どのメーカーの商品も世代が進むごとに肥大化が免れない状況の中ではよく踏みとどまっている。



水平対向とシンメトリカルAWDというスバルDNAにSUVという「一般性」と安全機能と電動化を積み増したのがフォレスターである。まず安全性能から見ていこう。新しいフォレスターはサイクリストに世界で初めて対応した歩行者エアバッグをワイパー根元のカウルルーバーに設定した。アイサイトはステレオカメラだけでなく、単眼カメラとレーダーを追加してプリクラッシュブレーキのカバーエリアを拡大。渋滞時ハンズオフアシストやドライバー異常時対応システムが備わって「安全のスバル」というイメージを強化している。



そして長年のスバルの悩みの種だった燃費に関しても協業先のトヨタのキラーアイテムTHSを導入し、直噴2.5L水平対向E/Gに対してストロングハイブリッドを導入した。S:HEVと呼ぶスバル流THSも変速機の位置に2つのモーターとプラネタリギアを組み合わせたTHSによってWLTCモードで18.4km/L~18.8km/Lという飛躍的な進化を遂げている。18.1km/Lのエクストレイルe-POWERは凌ぐが、同じTHSを積むRAV4はモデル末期ながら20.4km/L~20.6km/Lと負けている。その分、フォレスターは縦置きE/Gを活かしてプロペラシャフトを残して高いAWD性能を維持した。競合車はRrモーターを積むことで後輪を駆動した電気式4輪駆動としているが、Rrモーターの性能(=サイズで決まる)に制約がありスバルが求める駆動力(=E/G+モーターのシステム出力)を実現する上でもプロペラシャフトを使った方が都合が良かった。

フルタイム4WDをウリにしてきたスバルだが、フォレスターには一定の条件でFWD(前輪駆動)に切り替えるクラッチ開放制御を採用。路面状況の良い自動車専用道路を一定速度で直進走行している時など、AWD性能が過剰となる場合にはクラッチを自動的に開放してFWDに切り替える制御だという。燃費のためにポリシーを曲げて魂を「ネンピの悪魔」に売った感じもあるが、公式サイトに拠れば

「しかし、この制御により、後輪への駆動力伝達をカットすることで機械的・電力的なロスを低減し、燃費性能の向上につなげています。切り替えは自動で行うため、ドライバーの操作は不要です。なお、X-MODE作動時やSI-DRIVEのSモード選択時は、開放制御は実施しません。また、この制御の作動には、応答性に優れた電子制御を採用しているため、瞬時に切り替わります。ステアリング操作や路面状況の悪化に応じて瞬時に後輪にもトルクを配分するAWDに戻るため、SUBARU SUVの特長である走行安定性もしっかりと確保しています。」

・・・とものすごい分量でフォローしており、社内でも後ろめたい気持ちがあったのかも知れないがいささか過剰反応気味か。トップクラスの低燃費は誇らなくても、後ろ指を指されず、維持する事が苦にならないトレンドラインに即した燃費性能を遂に手に入れた。



試乗車は1.8Lターボの「SPORT」だ。ラインナップ上、最廉価仕様にあたるが装備レベルや走らせた感触は決して安物ではない。税込み価格404.8万円は先代の同一グレードの価格346.5万円と比べると58.3万円アップで、最廉価だった2.0ツーリング306.9万円とは97.9万円アップとなり割高感が強い。米が昨年の2倍以上の価格になった事を考えればマシだと言われるかも知れないが・・・・。

かつての全天候型バカッ速ワゴンのキャラクターでは無く、スバルブランドの本格SUVとなったフォレスター。スバルが重視している北米では3列SUVのアセントやミドルセダンのレガシィがまだ残されているが、日本ではクロストレックとレイバックと並ぶ大きめのサイズの「インプレッサ系列SUV」の一つである。

ミニバンを除いてファミリーカーに最適な広々としたキャビンと上質な走りはフォレスターの魅力であり、さらに純ガソリンE/Gが選べることもフォレスターの魅力である。ただ、アルミホイールの設定が18インチにとどまり、オールシーズンタイヤが早めにスキール音を出すことを考えるとプレミアムグレードで選べる19インチサマータイヤも選べるようにするなど、あと少し胸を張って乗れるターボ車であって欲しい。アイサイトのヒットと北米市場での成功によってスバリスト層切り捨てに舵を切っている状況は変わらないが、まだ微かに真面目な部分も残されている。

自動変速車が好きな方で、ブランドより道具としての機能性を求める人ならフォレスターは良い選択肢になるだろう。

Posted at 2025/11/03 21:57:10 | コメント(1) | クルマレビュー

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