
こちらの存在を知ったのは今年になってからというアンテナの低さだ。
天然のオイルバスが有名で、アトピー治療の人とか美容目的の人とかが全国からやって来るらしく、自家製バターやプリンの販売でも有名。
訪れた方の絶賛ぶりを聞き、興味が湧いてきたので宿泊を決めました。
こちらは宿の裏になります↑
ぐるりと回ると正面玄関↓
屋号は「まるにいち」と読むのだそう。
というわけで、本日の走行はここで終了です。Google Mapとカーナビとでは差異がありますが、田中さんによれば364㌔走ったとのことです。
エサヌカ線から最短ルートでも来れたのですが、季節規制区間を通ればの話。嫌な予感がするもののカーナビの言うとおりに向かうと、明らかに間口から狭い林道が待ち構えていました(汗)
しかも16kmの砂利道が続くとの看板が立っていて二度ビックリ。この丁寧な説明はヤバヤバのヤバだと思い、引き返すことにしました。遠回りになってもいいので安全な道から行きませう。
今回の旅でハイドラをしようかと思ったけど、充電喰いアプリなのがネックで断念した。が、旅の途中から後悔しだした。そして今、痛烈に後悔している。
開業なんと1926年という老舗の湯治宿だったのですが、2016年にモダンにリニューアル。新築みたいな綺麗さです。玄関すぐ横にはこんなラウンジスペースも。
ここを見てわかる通り、インテリアや雑貨類がカワイイ。女性的センスが光っていると感じます。「毎日温泉に入りたくて嫁いだ女将の宿」がキャッチフレーズにも頷けます。
木のぬくもりあふれるすっきりしたインテリア。薪ストーブがある吹き抜けのロビーが素敵。
ワタクシの部屋は2Fのシングルステイのひとり用。
15部屋の客室のうち8室がシングルステイのひとり用なんだそうです。シンプルながら、窓際に机もあるし、Wi-Fiも飛んでいるし、天然素材中心の内装です。
冷暖房に冷蔵庫、TV、電動ケトル、卓上ライト、空気清浄機、延長コード電源タップの電化製品も有り難い。ハンガーラック、枕元のテーブルは、温泉に行く時用のカゴバッグもとてもいいアイテムで嬉しかったです。
館内に本がたくさんあったのでTVを付けることはなかったです。
時折り聴こえてくる「モー、モー」は…
宿の中庭でジャージー牛の子牛を飼っているんです。部屋の窓からも見えました。
チェックインの際に、ウエルカムドリンクと夕朝食の時間を決めます。
ウエルカムドリンクはロビーでも部屋でもいいそうなので、部屋にしたところ、部屋まで運んでもらえます。
牛乳にしました。とよとみ牛乳です。
北海道のコンビニといえば、セイコーマート。そのセイコーマートで販売されているすべての牛乳が豊富町で生産されているんです。うーまーいーのーよー。
わかさぎは酒のアテにしちゃお。グフフ
早速、浴衣に着替えて温泉に行きませう。
ガラ…(戸を開く音)
独泉ならず↷↷ ※混雑はしておらず短時間での独泉あり
日替わりで浴室が男女入れ替えとなるのだそうで、ワタクシが着いた日はこちらでした。
日本最北の温泉郷「豊富温泉」は世界的にも珍しい石油分を含んだ泉質。
緑褐色白濁の湯からは強い石油臭。揮発性の… まるでガソリンや灯油のような。あと、漢方薬のような独特な匂いも混じったものがブワッときます。湯質も独特。こってり、しっとり。すーごーいー。
長湯できるように加温はしすぎず、源泉のぬる湯と交互浴ができるようになっています。残暑厳しい日だったのでぬる湯が気持ちいい。ゆっくりじっくり堪能しました。
それではお待ちかねの夕食です。
訪れた方の絶賛ぶりは温泉も食事もどっちもなんです。期待し過ぎちゃダメって分かっているのですが、マニアなグルメな方を唸らせるとなると、どうしても期待しちゃいます。
1Fフロントの奥にあるダイニングに向かいます。大きな2室が連なり、カウンター席や小上がり席もあるなど、かなり広々とした印象です。
通された席はその中でも一番奥。おひとり様への配慮がなされたのでしょう。有り難き。
ランチョンマットの代わりに宿と豊富町の魅力が書き連ねられた紙が敷かれていました。ヘルシーかつ、北海道の美味しい食材のみを使ってますという旨が綺麗な文章で書かれており、食事への期待を高めてくれます。
道産や地元のものを中心とした和食ベースの
【板長おまかせプラン】
食前酒:利尻昆布梅酒
小茄子の南蛮漬け
しっかり昆布の風味がして美味しい梅酒。小茄子はピリッと辛く、酒にも米にも合いそう!
白ワインのハーフボトルを注文し、
ふぅ… 後は料理を待つばかりと落ち着いたところで、
その日のお料理に合わせたワインをコース中に2回グラスでご用意します
という卓上プレートに気が付いた。「2杯で1,870円」というワインペアリング…
こ、これにすれば良かった。
(あの時のワタクシに、もっと落ち着け!もっと周囲をよく見ろ!と言ってあげたい)
お造り:甘えび・サーモン・ハマチ・いさき
たことピーマンの鉄板焼き
たこの弾力とピーマンの歯応え。絶妙な塩梅に酒がすすむ!
茹でキャベツのサラダ
もっと欲しい。なんだか白ワインの蒸発が早いんだ…
豆腐のステーキ
ガーリックバターでじっくりと焼かれていて、嗚呼… 美味しい…
北寄貝とえのきの炒め物
ここで食事が終了ですよって言われても満足すると思うの。そんな美味しさ。
川島旅館伝統の寄せ鍋
利尻昆布出汁を愉しむって書かれてましたが、本当に出汁が美味しい!
旭川産特級米 ゆめぴりか
利尻昆布の佃煮
豚肩ロースの照り焼き 鮭ぶしバター添え
鹿とかジビエではなく豚。鹿とかジビエではなく豚。ちょっと拍子抜けだし、鮭のバターって… 変わった組み合わせだな… と恐る恐る口へ運んだ。
んふゥ♡(美味しい)
デザート:豊富産生クリームをたっぷり使った湯あがり温泉プリン
んはァァァ♡(めちゃくちゃ美味しい)
北の果てにありながら、海から山から大地から美味しい食材が豊富に集まってくる、すごい地。
そして翌朝。
朝食も同じダイニングですが、ちょっとだけ席が変わりました。
ランチョンマットの代わりの紙もバージョンが変わりました。
川島旅館と言えば自家製バター。右下にズラリと記されているフレーバーの多さに驚きます。
↑スイーツ系バター3種
↓おかず系バター3種
パンにバター、ごはんにバター。こだわりの手作りバター。ここにしかない味。地元豊富牛乳を使った手作りバターが6種類取り放題です。
ごはんも取り放題で白米、玄米の2種類。ふりかけあり。
パンも食べ放題で、こちらはスタッフに伝えれば温かいものを提供していただけますし、スタッフからも声掛けがあります。
あれもこれもと強欲感満載になった(震え)
際立つ豪華さはないけど、一日のスタートを考えた献立だと思います。
ただ一つ残念なのは、葱の青いところが硬すぎた。筋ばって硬い。味噌汁にこの大きさのカットは不向きかな。鍋も同様に葱の青いところが硬すぎた。
フルーツを食べると爽やかな一日になるぞーって気持ちになる。
ちなみに牛乳は3回もお代わりした。豊富牛乳、ほんと美味しいー。
豊富町の由来・起源
アイヌ語で「食物(魚)・を持つ・川」を意味する「イペコㇿペッ(ipe-kor-pet)」に由来しています。町内にはパンケ(下の)とペンケ(上の)二つのエベコロベツ川が流れています。
北海道の地名はアイヌ語由来の当て字のものが多く、漢字表記と読みが一致しないことも特徴ですが、「豊富」はアイヌ語を日本語訳した、当て字ではない地名というなかなか珍しい表記となっています。