2024晩秋　リンゴ可愛や可愛やリンゴ旅⑩（横向温泉　下の湯　滝川屋旅館）‐前編‐

生涯忘れない。そして再訪すると決めた。またいつかここに帰ってくる。絶対に。















さあ、皆で唱えてみましょう。





人生前向き
温泉は横向
秀逸すぎるわ、このキャッチフレーズ。マジ痺れる…



ここから私有地なのだそう。細いダート道をしばらく進むと…



橋があり、その先に建物が連なっているのが見えてきました。停めた後に撮ったので田中さん居ますがお気になさらず（笑）



どこまで進んでいいのか。どこに停めていいものやら…　とりあえずここに停めてみた。





水車小屋を背にした位置＝進路方向の先には、











素敵。





田中さんの音がうるさかったんでしょう。この1階に住まわれている祖母さんが出てこられジーーーーーっと見られていたんですよね。すみません。すみません。





滝川屋旅館の全景です。



向かって右側が斜面の上側で、左方向へ向かうにつれて微妙に下がっています。


<自炊部（木造2階建て）↑

デカい。
滝川屋旅館の建物は横方向にも縦方向にも大きく、建物の前は開けており、建物上に広がる空…　そのスケールといい存在感が何とも素晴らしい。














ブログでは書ききれないほど不審者の如く敷地をうろつきましたが、いい加減にして館内に入りましょう。












え？
玄関入っていきなりこれ。インパクトあり過ぎる大岩が鎮座しておられます。







えええ？
大岩の左横には幅広の階段が3階まで続いています。
「温泉湧く場所に旅籠を立て、自然にあるものはできるだけ手を加えない」との初代の考えによるレイアウトなんだそうです。後から館内に設置したのではなくて、岩があった場所に旅館を建てたって感じがしたのは気のせいでもなく、その考えは素晴らしい！と深く頷くばかりです。





















日帰り温泉は浴槽の温度調整のため前日までの予約が必須となります。

11:00～14:00までの3組限定で
①11:00～12:00
②12:00～13:00
③13:00～14:00



スリッパを履く前から…　ううん、玄関を一目見たときから感じてましたが、ピカピカに磨かれた床に古い調度品も色々とあって、腰が砕けそうなくらい素敵なの。



昔の「横向下之湯」温泉の案内が掲げられていました。
案内には成分分析や効能が記されていて、効能の部分には「尚子無き婦人入浴せば確かに妊娠す」と。滝川屋旅館が婦人の名湯と呼ばれる所以です。























階段を下りたところでスリッパを脱いで、スリッパを置く棚が設けられてました。















温泉については創業当時から続く「混浴」に、「女湯」の2箇所があって、今回はどちらも使用してもいいとのこと。



「この温泉のお湯は自然に湧き出ています」
ますます期待高まる。










先ずは左の「女湯」の方へ進んでみましょう。





またも岩。
ご覧のとおり、岩のあるのでそこだけは通れる幅が半分以下。すべてが見事ですが、岩の部分の板の張替えが職人技。



扉を開けると…



三度、岩。こんな感じで館内のあちこちに岩があるようです。
エントランスのような庭園みたいな脱衣所で、思いの外、スパーンと開けています。誰も来ないので安心すればいいものの、服の脱ぎ着に何だかソワソワしました（苦笑）





さて、浴室に行ってみましょう。







こぢんまり。1～3人サイズといったところでしょうか。薄っすらと笹濁りした湯。



岩ｧｧｧ。
そっか。位置的に脱衣所の岩からひと続きなのか。







湯面にウニ！





うっきうきでウッニウニの中に入ってみたらば、



冷たｯ!!
全身がギュンっとひとまわり縮むような冷たさにびっくりした。ウニの湯花を手ですくってみたらば、ふわっと粉々に。儚くも愛しい存在でした。












それでは右の「混浴」の方へ進んでみましょう。














ストーブが2台設置されており、冬場は特に冷えるだろうと予想されます。







マッチ箱まで素敵なの。





















さて、いよいよ浴室とのご対面。







美しい！
画になるってこういうことって感じの光景が今まさに目の前に！
腰砕けそうになった。素晴らしすぎて昇天しそうになった。涎ものの空間です。



壁の黒色のタイル以外はほぼ木材が占めており、箇所によって古さの違いが判ります。壁や天井はリフォームによる新しめな木材に対し、床を形成しているのはとても古びた厚みのある板材。部分的に補修交換されています。



浴槽は総檜で3つに仕切られています。



右奥の湯が注がれている部分が一番温かくて体感38℃くらい。泉温は31.9℃なので加温された湯（といっても微妙に高いくらい）が注がれているのですが、とろりとしたなめらかな濃い湯の印象。
そこから湯が流れる左隣部分からは時折ぷくりと泡が上がってくる。自噴の足元湧出。
もう一つの手前の大きい部分からも時折ぷくりぷくりと泡が上がってくる。ここが一番ぬるい。足元湧出のピュア源泉だ。





湯に浸かると最初は少し寒いけど、だんだんと身体があったまってくる。不感温度のぬる湯はじっくりと浸かっていると、身体の筋肉や凝りもゆるゆるとゆるめてくれる。徐々に細かな気泡が衣のように身体を覆ってくる…











湯口には祠のようになっていて、どこか厳粛な雰囲気が漂う。しんとした広い浴室に響く水音。









湯口に鼻を近づけると、ほんのり金気臭。でもそれだけじゃなく複雑かつ繊細な香りがゆっくりと広がる。笹濁りの湯の中でウニの湯花が動くのをただただ眺めながらの湯浴み。なんて幸せなんだ。





















壁側には別源泉と思われる小さな浴槽があった。







「この湯は眼に良いですよ！」
この温泉に魅了されてしまった者は絶対的に信頼してしまうフレーズだ。しかも「！」まで付いてんだもん！
















1時間なんてあっという間。
このまま何時間でも浸かっていたい。
時間を忘れるくらい浸かっていたい。極上のぬる湯でした。














湯あがり　薄皮で　茶をいれて
鏡まで素敵なの。もう大好き！大好き！