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今までDS-G300は、応答性が良いだけのスピーカーだと思っていました

繊細さを探求するために、ラックスマンのアンプを導入して色々頑張ってきましたが、繊細で細かな音を表現することはできても、聞き手の心に訴えるような音楽性を表現することができないでいました。

アンプを、今まで使っていたETONのPA560.2に換装した所、そのモヤモヤは一気に晴れました。




DS-G300に使われている振動板はただ応答性が良いだけでなく、非常に高い剛性も持っていました。

ボディの構造やコイルの特性から非常に高いパワーをかけられる訳ではありませんが、とにかく非常に高い加速度を振動板の歪みなく受け止めることができます。
ダンピングの高い特性を持ったアンプでも、歪みなく音を伝えることができます。これには驚きました。

今までは、前の方で申し訳なさそうに広く繊細な音を奏でているだけで音楽性に乏しかったのですが、アンプを変えてからは、スピーカーから音が飛び出し、あたかも自分の目の前で歌ってるようなリアリティーのある音に生まれ変わりました。
ただ、音が飛び出すだけではなく、非常に高い分解能も持っており、ボーカルとバックの音をきれいに分けてくれます。そして、音の前後関係もしっかりと表現してくれます。

以前、ダイヤトーンの寺本さんが言っていた「このスピーカーは歌うスピーカーです」の意味がよくわかりました。

このスピーカーは高域特性も良く、非常に高域まで音が伸びます。スーパーツイーターなど全くいりません。
低域に関しても、普通に音楽を聴く分にならサブもいらないくらいに、低域が出ます。
ただ、口径の関係で超低域に関しては、サブウーファーに頼るしかありません。あんまり低域を頑張りすぎてもオーバーストロークでボーカルの中域を濁すので、そこそこのところでハイパスして、サブウーハーに任せる方が全体的な表現力は高くなると思います。

ちなみにミットの周波数特性はこんな感じです
付属パッシブを接続し、下はフリーになっています
イクライザーで多少のドーピングはしましたが、かなり綺麗なフラット特性です。

80ヘルツくらいからきれいに減衰を始めています


最後にまとめますと、DS-G300はパワーのあるアンプでガッツリと鳴らすと本領を発揮するということです。
定価は8万円ですが、良い意味で8万円の音ではありませんでした。十分にハイエンドと渡り合えるようなポテンシャルは持っていると思います。

大抵は車内環境でピンクノイズやらスイープ信号を使って帯域フラットを出すのが一般的?であると思うのだが、ちょっと疑問に思うことがあったので試してみた。

野外会場やアリーナや映画館、そしてホールやライブハウスの音があるように、車内の音があっても良いと思うのです。ライブハウスよりももっと小さい箱だが·····

だから、スピーカらの発音タイミングと、スピーカーから出る素の音の帯域バランスにとことん拘って調整してみました。車内環境での総合的な帯域バランスは完全無視で。
前者はオシロとコンデンサマイクで合わせこみ、後者はRTAで合わせてみる。


備忘録的であるが、下記のような感じ。
TAをサインバースト信号であわせ



なるべく、デジタル処理が入らないように、アンプのゲイン調整で、美味しい部分を引き出し





ほんのちょっとだけイコライザドーピング。
ツイーターが近いので、高域のデジタルによるアッテネートは大きい感じです。この部分をアナログ素子でできれば、SN感がもっと向上するのでしょう。



ミッドは、扉の作り込みがよかったのか、とにかくフラット
インナーバッフルだが良い感じ。





ツイーターも同じように






少し緩やかなピークがある感じですね。
サブは、写真撮り忘れました。

とにかく不自然さが全くなく、車内で音が自然に響いてる感じです。増幅してるアンプも、各帯域の振動板の材質も、RCAも全帯域で共通のものを使ってるので、まるでフルレンジ1発で鳴らしてるような感じです。
やっと、狙った表現ができたような気がします。

そして、車内環境をルームフィルターとして捉えて受け入れてば、結果的に自然な鳴りになるのが実験的にわかりました

それがコンテストで評価される音かどうかは分かりませんが、コンテストで重要視されるステレオイメージの再現は完璧になっています。自然な音さえ出てしまえば、あとはコンセプトの文才でどうとでもなりそうです