仮設住宅建設「地元に発注して」 大半は大手業者「復興に逆行」
東日本大震災の被災者向け仮設住宅建設をめぐり、地元の建設業者が反発を強めている。被災県が委託する社団法人の差配により、大手メーカーが大半を受注しているためで、特に宮城県で地元業者の受注が低調という。宮城県では地元業者をリスト化して市町村単位での発注を認めるなど対応策を取っているが、その効果は限定的だ。県外業者では修繕対応が不十分といった弊害も出ている。
「せめて3割くらいは地元だけでやれると思ったが…。大企業でなくてはダメというのでは、広い意味での復興に逆行している」
仙台市内のある中小建設業者の社長はこう憤慨する。この業者はほか2社とJV(共同企業体)を組み、名取市などで約100の仮設住宅建設を受注。だが、同規模の県内業者は軒並み受注に漏れ、社員らが日給を受け取り、孫請けに入るなどしているという。宮城県内で必要とされる仮設住宅は約2万2800戸。すでに約1万2900戸が被災者に引き渡し済みだが、受注した計34社のうち、県内業者はわずか5社にとどまっている。
仮設住宅の建設は、県が災害協定を結んでいる社団法人「プレハブ建築協会」(東京)に業者選定を委託。協会から業者名の提案を受け、そのまま県が発注する形だ。提案されるのは協会加盟の県外大手メーカーが中心で、地元業者が入る余地は少ない。県土木部は「協会加盟社は緊急時用に資材を備蓄しており、建設のスピードを考えると致し方ない」(住宅課)としている。
業者側の要望を受け、県は4月、発注の一部を各自治体で行うことを認め、地元業者を中心とした77社をリスト化して各自治体に送付した。しかし、リスト入りした会社への発注を約束するものではなく、独自に発注を実施・検討する自治体は南三陸町と山元町などに限られ、広がりを見せていない。
県外業者を中心に建設が行われることの弊害も出ている。南三陸町の仮設住宅では雨漏りなどの欠陥が続出。関西地方の施工業者はすでに県外に出ており、被災者が町を通じて連絡すると「仮設住宅は構造上、そういうものですから」と修繕に難色を示したケースもあったという。
建設業に従事する職人らでなる宮城県建設職組合連合会幹部は「震災直後は混乱していた面もあったが、今は多くの業者が受注できる状態にある。スピード重視も分かるが被災地での雇用も考慮してほしい。(地元業者のリスト化など)県の施策は単なる“ガス抜き”にすぎない」と批判。今後も県や自治体への働きかけを続けるとしている。
一方、岩手・福島の2県では、一部の仮設住宅を地元業者に優先的に発注。必要とされる約1万4千戸のうち約2500戸を地元21業者に発注している岩手県建築住宅課は「用地確保に相当時間がかかる見通しだったため、経済効果や雇用創出との兼ね合いを考えて判断した」(担当者)。福島県も県内12業者に必要とされる約2万4千戸のうち約4千戸を順次、発注している。
Sankei Bizより
仮設住宅問題はメディアでも取り上げられていますが、どうも本質からそれている気がしてなりませんので、個人的な見解を載せたいと思います。
> 被災県が委託する社団法人の差配により、大手メーカーが大半を受注しているためで、特に宮城県で地元業者の受注が低調という。
まず
社団法人プレハブ建築協会がどんな組織かを見ていきたいと思います。
まず、協会の主なメンバーとしては以下の様な会社が登録されています
旭化成ホームズ (ヘーベルハウス)
積水化学工業(セキスイハイム)
積水ハウス
ダイワハウス
トヨタホーム
パナホーム
ミサワホーム等
多分、みなさまもご存知のメーカーがあると思います。
まずこれらのメーカーに発注した場合、地元の企業を使わないかというと
ありえません
パナホームであればパナホーム東海、トヨタホームならトヨタホーム長野という感じで支社かされており、その支社独自にお抱えの大工さんや、電気工事業者等います。なので地元の企業は使っております。
逆に言えば、地元の知られていない業者に任せた場合、手抜き工事が合ったりします。現に建て替え前の祖母の実家は地元の建築会社にお願いしたのですが、高い料金を取っておきながら、いざ解体してみたら手抜き工事だらけでした(ちなみに建設した会社は倒産しました)
なので、一概にこの社団法人に任せる=悪という構図には疑問が浮かびます。
ただ、この協会には仮設建築専門の会社も入っております
小松リース
オリエントハウス
大和リース
北都ハウス工業等
業界の方なら知っているかと思いますが一般人ではあまり目にしないメーカーもあったりします。当然ながらすべてのこういう建築業者が善かといえば疑問が浮かびますが少なくとも、一戸建て関係の方ではまともなメーカーの方が多いと思います。
しかし本題がメディアではどうも取り上げられません。
被災地に不安の大雨、仮設住宅で雨漏りも
梅雨前線の活発化により、東北地方で23日、まとまった雨が降り、東日本大震災の被災地では、冠水や仮設住宅の雨漏りなどに不安を募らせた。
東北地方の太平洋側では24日にかけて激しい雨が降る恐れがあり、気象庁は、土砂災害などへの注意を呼びかけている。
宮城県南三陸町では23日、町立入谷小学校に設けられた仮設住宅(18戸)で雨漏りしているとの苦情が2件寄せられた。無職阿部利雄さん(75)方では、窓枠の下の床4か所で雨漏りが見つかった。連絡を受けた業者が18戸全てを回り、窓枠と壁の間にシリコーンを注入する作業をした。
阿部さんは「快適な生活とは言わないが、せめて雨漏りくらいはしないでほしい。梅雨や台風、大雨が心配」と話していた。
読売新聞より
雨漏りがしたとか、虫が入ってきたという話はメディアでも大々的に取り上げられておりますが
仮設住宅の資材 国内で調達できる状況と国交省
国土交通省は韓国の複数の報道機関が東日本大震災の仮設住宅について、韓国の事業者に大量発注しようという日本の事業者がいると報道したとして、この報道内容が「現在の状況と全く異なっている」とするとともに「断熱材など一部の建材で輸入資材を使っている場合を除き、仮設住宅は基本的に国内の資材で建設されており、住宅資材は国内で調達できる状況にある」と21日、韓国報道機関の情報を修正する形となる異例の発表を行った。
国土交通省によると、被災地においては関係各県全体で約5万1000戸の応急仮設住宅の建設が計画されており、4万4000戸は着工済みないし数日内に着工の予定で、うち3万1000戸は完成している、としている。
このうち、住宅全体を外国から輸入して建設する仮設住宅の戸数は岩手、福島両県発注のものでタイの資材を用いた150戸と中国資材を用いた400戸の550戸で、これら以外の住宅は基本的に国内の資材を用いて建設されている、としている。
Searchinaより
仮設不具合で苦情200件超 県、対応へ月内にも拠点
ようやく避難所から移れたのに-。雨漏りや窓の建て付けの悪さなど、仮設住宅で生活を始めた住民から建設主体の県に寄せられた苦情が延べ200件以上あることが岩手日報社の取材で分かった。結露など室内の湿気への悩みも根深く、生活は間もなく迎える梅雨時に一層大変になりそう。県は月内にも不具合に対応する「管理センター」を設置する方針だ。
大船渡市で2番目に早い4月26日に完成し、87世帯が暮らす大船渡北小校庭の仮設住宅。自営業の男性(47)は先月中旬、床が水浸しになった。壁と床の間に数センチの隙間があり「風と一緒に吹き込んできたようだ」。
今月に入り建設業者に補修してもらい、その分の自己負担はなかったが「仮設とはいえ造りがあまりにひどい。施工方法や完成後の検査に問題はなかったのか」と疑問を投げ掛ける。
同じ住宅で一人暮らしの女性(77)は入居後、寝室の天井板が剥がれてきたことに気付いた。業者は金具を数カ所打ち込み、白い補強テープを張り直しただけ。「できることなら安心できる場所に移りたい」と不安は続く。
同市には17日までに仮設住宅入居者からの苦情、相談が67件寄せられた。そのうち半数以上が、比較的早期に完成し、入居が始まった住宅に集中。「早さを求めるあまり、欠陥が見過ごされたのではないか」と住民が憤るのも無理はない状況だ。
自宅が全壊したり津波で流失し、仮設住宅で少なくとも2年間生活する住民は多い。
県建築住宅課の大水敏弘総括課長は「施工業者にはしっかりとしたものを建設するよう指導しているが、仮設住宅は一般の住宅に比べて精度で劣る部分がある。連絡いただければ早急に補修対応する」としている。
岩手日報より
> このうち、住宅全体を外国から輸入して建設する仮設住宅の戸数は岩手、福島両県発注のものでタイの資材を用いた150戸と中国資材を用いた400戸の550戸
> 雨漏りや窓の建て付けの悪さなど、仮設住宅で生活を始めた住民から建設主体の県に寄せられた苦情が延べ200件以上あることが岩手日報社の取材で分かった。
問題はこの海外建材や海外建材を使ったメーカーではないのでしょうか。
また先のブログでも取り上げましたがKBSの報道で韓国の資材を使うということも決定されております(なおソースは削除済み)
この仮設住宅の本題は
1)どのような形で地元企業が使われているか
2)どのような建材を使われているのか。その際に自治体や総務省の圧力はあったのか
3)建設系の社団法人である以上、国土交通省の圧力はあったのか
メディアではどうも、この本題に関しての疑問が出てきません。