職場では、仕事を人に教える機会が多いのですが、
「あれ?今こう教えたけど、
自分の時は、そういうやり方で覚えたわけではないよな・・・」
と感じることがあります。
最近はYoutubeでわかりやすい解説動画を見ることができます。
ギターの解説動画なんかは、学生のころにあったら、
今ごろすごく上手く弾けるんじゃないかと思うくらいです。
しかしながら
ギターの教則ビデオは結構昔からあったんです。
にもかかわらず、やっぱりネット動画の方が格段にわかりやすいです。
その差は一体何なのか?
ということです。
以下、自分物語なので長いです。
スイマセン
(;´Д`)
私はギターを初めてすぐ、
あるマニアックなジャンルにハマってしまい、
それ以外のギタージャンルには全く興味がありませんでした。
ずっとそのジャンルを追求し、極めることだけに
学生時代と社会人になった一部の日々を費やしました。
そんなこんなしているうちに、
とある出会いがきっかけで、ジャズ喫茶に通うことになります。
ジャズには全く興味はありませんでしたが、
そこのマスターに
「好きなときに来て、弾いていいよ」
とありがたいお言葉をいただくことができて、
客がいるいないにかかわらず、マニアックなギターを弾きまくっていました。
とはいっても「ジャズ喫茶」。
普段はジャズのレコードを流し、
ライブはほとんどジャズバンドです。
興味のない私もジャズに触れることで、
ジャズが好きになり、
ジャズが弾けるようになりたいと思うようになりました。
今までジャズをやらなかったことを後悔するほどに。
そこで、遅ればせながらジャズをお勉強しようと思い立ちました。
ただ、ジャズ喫茶にはギタリストがいなかったので、
本で独学で勉強しようと考えました。
教室に通うという手もありましたが、
まあ、ギター弾けるわけですから、なんとかなるだろうと(笑)
しかし、教則本を読んでも、さっぱりわかりませんでした。
(?_?)
最初の数ページは確かにわかります。
ただ、あるところから急に理解不能になってしまいます。
何冊か教則本を買ってみましたが、
どれも同じです。
CD付の教則本も数多くありましたが、
CDに合わせて弾いてみても、さっぱり意味がわかりません。
というのも、
教則本のサンプルフレーズは正直ダサくて、意味不明で、
ジャズ喫茶で聴くライブのカッコイイサウンドとは全く結びつきませんでした。
「ジャズはツーファイブだ」
とか
「ジャズらしさには、まずはコードトーンを覚えよ」
とか
そこの練習にはジャズの魅力は全く感じることができず、
意味もわかりませんでした。
そうしているうちに、
ダサイサンプルフレーズを練習して弾けるようになりたいとは思えず、
本で練習するのが億劫になり、
何も習得できないまま、
「ジャズは難しいからムリ」という結論に達しました。
(´Д⊂ヽ
さらに時は過ぎ、
仕事が忙しくなり、
ジャズ喫茶からは足が遠のくようになりました。
追求してきたジャンルのギターを披露する気力は失せ、
上手くなろうという向上心も無くなってしまいました。
ただ、ジャズを聴く分には好きだったので、
ダラダラとジャズのCDを聴き、
漫然とギターを弾く日々が10年ほど続きました。
CDを聴きながら、
「あ、このフレーズって、前練習したコードトーンだな」
とか
「今のツーファイブだな」
とか、
がっつかずに、自分のペースで理解できる余裕がありました。
たまに、気になる部分だけ合わせて弾いてみて、
自分の中で発見と納得をしていました。
そして
ついにYoutubeの時代が来ます
とあるギターの先生の動画を見て
衝撃を受けました!
ツーファイブでジャズっぽくなるサウンド
コードトーンでカクカク弾くビバップ
オルタードスケールの切ない感じ
テンションノートによる特徴づけ
などなど・・・
まさに
私がジャズに求めていたサウンドはこういうことだよね!
と、目からウロコが落ちました。
もちろん、
それでおっさん(私)がジャズが弾けるようになるほど甘くはありません。
でも、昔は全くわからなかったことが、
最近になって急によくわかるようになったんです。
では、
もし、今ジャズギターを誰かに教えるとしたら、
(弾けないですけどね)
どうするのが最も良いでしょうか?
結果論から言えば、
やっぱりコードトーンを覚えさせ、
ツーファイブを教えるのが最短で効率が良いと、
今となっては思えます。
しかし、私は実際そうはやって理解したかというと、
それは違いますよね。
10年の長いムダとも思える、
CDに合わせて漫然と弾く日々が必要でした。
そして、
Youtubeのギターの先生の
ツーファイブ、コードトーンのかっこよさの実演を見て、
初めて理解できたと言っていいでしょう。
話を最初に戻します。
つまり、
あることが理解できて習得できてしまうと、
教える側に立った時に、
つい、自分がやったことでもない、最短で効率的な方法で教えようとしてしまわないか?
ということです。
物事を人に習得させるには、
端的な結論だけで教えるのは難しく、
興味を持たせたり、
時間をかけたり
といった、
自分が以前に通ってきた
ムダとも思われる過程を無視して
さっさと覚えてさせてラクをしようというのは、
まあ無理なんだろうな
と思った次第です。
m(__)m
ブログ一覧 | 音楽/映画/テレビ
Posted at
2021/03/03 00:50:32