4人を乗せた 910は
湾岸を南下し 宮野木JC に差し掛かると
助手席の豊子が
「今度は京葉よっ!」
アンソンに指示すると
「マジかっ」
アンソンはウインカーを出して、左に寄り
「このまま湾岸 進むと 成田山新勝寺やねん」
豚子が後ろで補足すると、豊子が
「そうそう、東京湾は京葉の浜野まで」
「そうなのっ!俺ずっーと、東京湾沿いに繋がってると思った」
キムコが豚子に答えると
「湾岸とは名ばかりで、騙されんねん」
「千葉って分かりづれーよな、浦安なのに東京とかよ」
「神奈川の首都高の方が ウチは 苦手やけどな〜」
「あ〜逗子の方から、帰ってくる時ね」
豊子が相槌をうつと
「東京やら 横浜とか 空港やら 羽田とか、紛らわしいねん」
「川崎って出てないもんね〜笑笑」
皆が 思い思いに 勝手な意見を言ってるウチに 910 は京葉道路の終点の浜野で降りた
今ではアクアラインも出来、それこそ東京湾を横断し、館山まで全面高速で一飛びだが
この頃は
千葉市の外れで降り、ひたすら海沿いを下道で行くしかなく、毎朝、ラジオの渋滞情報で流れるほど混雑していた
「海沿いは 工場ばっかだな〜」
運転席の後ろに座るキムコが、子供のように顔を出し、夜の工場地帯の夜景を見ていう
「ウチらの方と 対して変わらんへんな~」
豚子が吐き捨てると
「でも、道はこっちの方が広くね」
アンソンが ハンドルを捌きながら 呟くと
「族とかおらんかな〜」
豚子が興味津々で笑うと
「アンタ、成人式も終えたのに 何言ってんのよ!」
豊子が一喝
「この辺は 房総連合ってゆーんだろ」
アンソンが 豚子に答える感じで答え
「なんやそれ、ウケるやん!」
・・・(*´艸`)
「そうそう、シャコタンブギの実車って、この辺の奴等らの車らしいよ〜」
「へぇ〜そうなんだ」
「チバラキゆーんだって」
豊子が食い付いたので、キムコが説明しだす
「あの漫画、コマちゃんが メッチャ好きやねん」
「マジかよ〜」
「豚子のツボね、なんか分かる」
「俺はジュンちゃんだな〜」
「そうそう、あの缶コーヒーあげるフリして 一撃で倒すシーン」
「最高〜だよな〜」
「運転も整備も出来るし」
キムコとアンソンが盛り上がるなか
豚子は豊子に
「豊子は だれなん?」
「バイク乗ってないから、駄目!私は断然に あいつとララバイ 派」
豊子が バッサリ斬り捨てると
「だから、首都高で キングって言ってたのかよ」
アンソンが吐き捨てると
「アンタ何言ってんのよおぉ〜あの鉄仮面は ハコスカの頃から 満月の夜しか出ない、伝説無敗の 首都高キングなのよ」
「そうなんっ?」
「マジで!」
豚子とキムコが 驚くと
「豚美さんと、デブ巨摩さんに、アンソンが 馬鹿にしてたって、チクっとくからね」
「お、オマエ、洒落になんねーこと言ってんじゃねよおぉぉ〜!」
アンソンは絶叫しながら、ビビりまくって、910を走らせ続けると
袖ヶ浦市〜木更津市〜
「豊子、まだかよ〜」
アンソンが ぼやくと
「トイレ行こうよ〜」
キムコが つづき
「そうやね、休憩しようや」
豚子も賛成したので、豊子は
「そうね、道もよく知らないし、ほら そこのコンビニで聞いてみましょ」
豊子隊長の許可が得られたので、アンソンはオレンジ色に光ってるコンビニ入った
「なんや、このコンビニ?」
「としまや弁当?」
「田舎のコンビニって凄えな」
駐車場はバカ広く、ダンプも停められていて、都会では想像が出来ない広い敷地だった
キムコと豚子は ダッシュでトイレに行き
豊子は 立ち読みで 地図を見に行き
アンソンが一人、ポツンと駐車場で煙草を吹かしていると
駐車場の端に停めてあった
430 から ヤンキーが 二人 オラって歩いてきた
一瞬だけ、アンソンと目があった、430 ヤンキーのパンチパーマの一人が
「かっ〜ペッ」と
タンを吐いたが、アンソンがシカトすると、二人は店内に入っていった
二人が店内に入ると、入れ替わりにキムコが出てきたので
「豚子は?」
「なんか、珍しがって、手作り弁当とか物色してる」
「コンビニなのに、手作りなのか!」
「うん、711 とか ローソンのコンビニ弁当じゃなかった」
「マジかよ〜」
アンソンが驚いてると
「大体分かったよ〜ん!」
豊子が、としまや弁当と印刷された、白いコンビニ袋に缶コーヒーを持ちながら、戻ってきて、アンソンとキムコに渡すと
「何処に行くんですか〜?」
タンを吐いた ヤンキー二人が
豊子の後を追う様に出てきて、三人に絡んできた
「はぁ〜?」
馬鹿にしたような態度で質問されたので、思わず立ち上がるアンソン
「怖いな〜都会の不良は 笑」
ヘラヘラ笑い、更に馬鹿にした態度を取る、430 チバラキヤンキー
「女連れだからって、田舎モンが 舐めてんじゃねーぞ」
豊子がいるので、キムコがプルプルしながら詰め寄ると
「なんだと、このチビ〜」
430 のパンチパーマが、詰め寄ったので、咄嗟に豊子が間に入いり
「ちょっと、道が分からなくて、お兄さんたちもコーヒーどうぞ」
豊子が豚子のコーヒーと 自分のコーヒー2本が入ったコンビニ袋を、開けて見せ 430 ヤンキーの顔の前に差し出すと
「彼女、分かってるね〜」
430 ヤンキーが、下品な笑いをした瞬間に
豊子の膝が、股間にめり込んだ
「いっうっ〜」
430 ヤンキーが 股間を抑え、疼くまると、間髪入れずに
「ギャラクティカ〜マグナ〜ム〜!」
缶コーヒーが 入ったコンビニ袋が 顔面にメリコミ
「ぶっ、ひでぶっ〜」
430 ヤンキーが、前のめりに倒れると
「ジュンちゃんって、こんな感じ?」
呆気に取られる、アンソンとキムコに振り向いて 豊子が微笑むと
「金蹴りはしてねーし」
「ギャラクティカ は 違う漫画だし」
アンソンとキムコの二人は、ドン引きして答えると
「テメーら、舐めてんじゃねーぞっ!」
430 の金髪が 震えながら 凄んだ瞬間
いきなり、後ろから、車に撥ねられた様に ブッ飛んできた
えっ(; ̄O ̄)
「ボケっと しとんなやあああ〜」
豚子が、誰に叫んだか分からなかったが、アンソンとキムコは瞬間的に、ぶ飛び、倒れ込んだ 430 の金髪に サッカーボールキックの連打
「おらっ〜!」
「死ねや〜!」
「田舎モンが〜 CRS 舐めとんのかい!」
4本の足と 尖った赤いパンプスが、430 金髪を蹴りまくる
渾身のギャラクティカマグナムで、倒れた 430 パンチの前に
豊子は しゃがみ込み
「お兄〜さん、東京湾観音って知ってる?」
「えっ(; ̄O ̄)」
「鼻血を出しながら、豊子を見上げる 430パンチ」
「知ってんのかよ!」
更に豊子が、缶コーヒーが入った、コンビニ袋をブンブン降り回すと
「知ってます!知ってます!」
鼻血と鼻水を流しながら、頷く 430パンチ
「ちょっと、案内して欲しいんだけど〜」
豊子は、声だけは可愛いらしく、ブンブン振り回しながら脅す
「いや、それ マジで危ないすから」
プルプルしながら、答えると
向こう側では 関西弁の女が
「仲間 呼ばれると面倒やから、トランクに押し込めや!」
豚子が アンソンとキムコに指示する声が聞こえ
「そうだね!川崎まで、さらっちゃおう」
キムコが 意気揚々と答えたので
「ほら、あの人達 バカだから、君の友達に なにするか分かんないよ」
豊子が更に、430 パンチを脅すと
「わ、わ、わ分かり、ました、案内します!案内するんで 勘弁して下さい!」
430 パンチが土下座すと
「そこんとこ、ヨロシク〜♪」
豊子はニッコリ微笑み
ウインクで、430パンチに答えた
続きま~す🐷