Reservoir Cats 40
2 唇よ熱く車を語れ!
アンソンと組むはずだった
午後、豚子は 服部こと親方と
車高調を組む事になった
「よっし、始めっか」
服部が 箱からストラット式の
ダンパーユニットをだす
「ついに車高短ですやね〜」
豚子は声をあげる
「先ずは,ストラット式は分かるな?」
「マクファーソンさんや」
「よし、このダンパーの役目は?」
へっ(; ̄O ̄)
「良く考えろ」
「左右のロール量を調整すんの?」
「それなっ、皆んな 間違ってんだよ」
「ちゃうの?」
「この 減衰力の調整があんだろ」
「せやから、それをクリクリして、硬くしたり 柔らかく すんのやろ?」
「そこが間違いの元でな、ロール量じゃなくて、ロールスピードなんだよ」
「じぇじぇじぇ!」
「ダンパーの減衰力を硬くすれば?」
「ロールスピード が おそーなるん?」
「正解、逆に柔らかくすれば?」
「ロールスピードは速くなる」
「よし、コレで覚えたな」
「はい」
「考えてみろよ、ダンパーひとつで、車のロール量が 変わったら 大変な事だぞ」
「確かに 。。。」
豚子は豊子に、
Wウィッシュボーン
マルチリンク
リアのサブフレーム
を教わった事を思い出し
納得した
「いいか、減衰力は ロール量ではなく、ロールスピードだ!」
「ういっす!」
「ダンパーの動きは、3センチ以内」
「そうなん?」
それ以上、動かすと
ロール量に影響すんだよ
ハナから
ロールスピードと
ロール量を間違ってる奴は
免許返納するまで
気付かねーけどな
「じぇじぇじぇ!」
「次はサス、このバネの役目は?」
「分かりません」
「これで、左右のロールとコーナーリングの 横G に耐える」
「そうなんっ!」
「真ん中にある、ダンパーは、ロールスピードを調整しつつ、サスを落ち着かせる 役目もある」
「知らんかったですわー」
「この二つの役目を 勘違いしてる奴が、ウヨウヨいる」
服部は豚子を見る
「はい 。。。」
サスで
間違いやすいのは、
ロールしなきゃ車は曲がらない
荷重移動も出来ない
って事を忘れんな
「あっ。。。」
昔はな、
カートリッジ式だから
ダンパーだけ社外
86でもKPでも
TRDのショートが
一番よかったな
サスはノーマル
車高が上がるから
ブッタ切んだよ
「大丈夫なん?」
それだけだと
ストロークが減るから
パンプラも切ってな
大きい硬い方を使うんだよ
「タイヤはなんぼ?」
「185 / 70の13だな」
「マジすか!」
「今だと、ありえーねだろ」
笑笑
逆に族車だと
ダンパーはノーマルで
サス カット
「ハの字のスリック、バリバリやね!」
「下げすぎて、ドライブシャフト、ボッキって折る、赤毛のポンスカ」
「赤毛さん、そんなん、したんやー」
・・・(*´艸`)
今みたいに
ハイパワーじゃねぇから
インチアップすると
逆に加速が鈍くなってな
デブや赤毛の スカG みたいに
インチ下げて
ぶっといタイヤ履かせたんだけどな
「今の、例え分かり易いっす」
こんなの
車好きなら常識で
先輩や兄貴に教わりながら
スプリングコンプレッサーで
洗車場やダチが働いてる GSで
自分らでやるもん
だったんだけどな
「そうなんやー」
涼子が言ったとおり
電子制御満載で
今の若い奴等は
逆に可哀想だよ
「うん、うん、」
まぁ~サスにも
荒巻 直巻き と、2つ あっけど
今はセットの車高調だから
サスの種類は省く
「了解す、アンソンがゆーとったロールセンターってなんなん?」
「それも、追々な、いっぺんに教えても、頭はいんねーだろ、減衰力はロールスピード、これだけは忘れんな」
「了解す」
FRだと
ブレーキングで
スッとダンパーが沈んで
アクセルONで、
デフ効かせて
ゆっくり
リアが戻るのが
理想なんだけどな
「涼子さんも、同じ事、ゆーとった」
「コレが中々なー」
服部は説明しながら
フロントから
ドンドン取り付けていき
リアを眺めると作業の手を止めた
「凄ぇーな、S2000のリア周り」
「豊子も、ここが、第二のエゴゆーとったす」
「オマエは、どんな風に乗りたいんだ?」
「豊子みたいに、スパッ切って、ズルっと流して、シュルシュルって」
「じゃあ、リア下げるより、前を気持ち下げってみっか」
「リアのトーは?」
「オマエ、結構分かってんな」
「てへ 。。。\(//∇//)\」
「結局よ、この車高調ってやつは、タイヤの為にあるんだよ」
「うん、うん、」
「車高調、何セット目とか 自慢する奴がいるけど、最後にはアライメント が ものいうんだよ」
「具体的には?」
「アライメントは 純正の数値だ」
「そうなん!」
足廻りの部品 見てみろよ
スタビやらコントロールアームやら
何点あると思ってんだよ
「確かに、多いねんな」
「ダンパーと サス 車高僅かに変えただけだぜ」
「うん、うん、」
「空気圧や、アライメント も ろくに調整しないで、スタビやら、ピロ足 に 交換する奴に限って、沼るんだよ」
「なるほど〜」
「ノーマル16インチってのも、純正のアライメントに近づけ易いし、メリット 凄ぇ~あんだよ」
「タイヤは?」
FR で 峠走る奴が
タイヤ気にして
どおーすんだよ
滑ってからが
腕の見せどころだろ?
「ガビーン」
235 245 のタイヤ履いて
空気圧パンパンにして
205 しか使ってなかったら
インチアップも
車高調の意味ねーだろ
「総長の おっしゃる とおりす」
それなのに
髭落としたとか
端っこ自慢されても
「アナタ、馬鹿なんですか?」
って客に言えねーだろ
「親方とか、うちのオネエは、言ってそうやけど」
( ̄◇ ̄;)
「さっき、飯喰いながら俺が、言いたかったことは」
「車に自分を合わせろ」
とことん悩んで練習しろ
走る前と 走った後は
必ず四つのタイヤをチェックしろ
真っ黒なタイヤが
透けて見える
くらいまで走り込め
「じぇじぇじぇ!」
ロールスピードの減衰力は
自分で走って 悩んで決めろ
涼子は勿論
豊子や裕也 だって
真っ黒なタイヤが
透けて見えるくらいまで
走り込んで
上手くなったんだよ
「ういっす」
「ほら、リア は 自分で付けてみろって」
服部は最後の
ダンパーユニットを豚子に渡した
続きま〜す
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Reservoir Cats | 日記
Posted at
2024/08/13 19:47:52