本日は、フェラーリ308 GTSのエンジンとトランスミッションの結合作業、と言う内容でお伝え致します。エンジンとトランスミッションを結合させる事で、パワートレインと言う一つの大きなアッセンブリーを形成する事になりますので、本日は、大変達成感のある作業となります。
フェラーリ308のパワートレインレイアウトは現代の一般的な日本車ではまず見る事ができない、極めて特徴的な構造をしておりますため、作業自体には大変新鮮味がありますが反面、戸惑う事多々、普段の作業では決して見る事ができないシーン満載となります。
このパワートレインの全体的な構造として、まず、クランクシャフト後端に位置するフライホイールとクラッチから、その後にある3つのギアトレインに動力が伝えられ、そこで30:27のギア比により減速された後、今度は一番下のギアから180度向きを変えて横平行2軸のトランスミッションのインプットシャフトに動力が伝えられるようになっています。つきましてトランスミッションはエンジンのオイルパンのちょうど真後ろにレイアウトされる事になります。これにより、パワートレイン全体の幅を短縮し且つ、重心を下げています。通常良く見られるエンジンの横隣に配置されるトランスミッションの構造とは全く異なるレイアウトになります。これらの事を念頭に置き、本日エンジンに組み付ける部品は、
・トランスミッション+オイルパンAssy
・クランクケース後端の一部となるサンドイッチプレート
・フライホイールとクラッチ
・ベルハウジング
・3つのギアのギアトレイン
となります。
まずは、トランスミッション+オイルパンAssyの搭載になりますが、分解前の状態では、エンジンオイルやギアオイルの漏れが非常に激しく、外側はそのオイルの汚れや煤で真っ黒でした。従いましてまずエンジンへの結合作業を行う前にその外観の汚れをきれいにする必要がありました。スプレータイプの洗浄液を汚れている部分にひたすら掛けては拭き取り、それを丹念に繰り返す事できれいにしていきます。トランスミッションと今回対象の部品トータルの洗浄に10本余りのスプレー式洗浄液を消費しました。
そのような状況でしたので、内部のオイル漏れ対策も今回は綿密に行い、可能な限り全てのオイルシールパーツを交換しています。しかしこれに難儀を要し、格闘する作業のオンパレードでした。
詳細は、YouTube動画の方で詳しく解説しておりますので、是非ご参照下さい。
この動画は、エンジン組み立てのマニュアル的な物とお伝えはしておりますが、そういった技術内容を理解した上での正しい作業手順をこの動画の中で紹介致します。普段なかなか聞く事ができないような内容も含まれていますので、本日もフェラーリファン、エンジンマニアの方々には絶対にお勧めできる内容となっております。是非どうぞ最後までじっくりと御覧頂きたく思います。
本日は、フェラーリ308 GTSのシリンダーヘッド 搭載、及びそれに関連してカムシャフト、カムスプロケット、タイミングベルト装着の作業をご紹介致します。フェラーリ308 GTSで、30kgfmの最大トルクと、300PSを発生させるこのプロジェクトを通じて、エンジンの組み立てマニュアル的な動画を連載でお伝えしております。
本日の作業の組み立て順は、そのエンジンの形式や形状によって異なり、人によっても異なる場合があります。本日は最も一般的で失敗の少ない方法で組みますが、実はそれはこのフェラーリ308のエンジン整備書に掛かれている方法とは全く異なります。通常、と言っても私がよく目にする一般的な日本製のエンジンの場合ですが、タイミングベルト、またはタイミングチェーンを組み付けた後、側面のカバーを装着させずエンジンをクランクプーリー側から見た時、タイミング系を合わせるための全ての合いマークが目で見える設計となっています。しかしこのフェラーリのエンジンの場合、それが一切ありません。もちろんタイミング系を合わせる方法はきちんとありますが、その方法が非常に特殊であるため今回は組み立て方法を一般向けにアレンジしました。ただし一般的な方法で組み立てを行うには元々エンジンが組まれていた時に全てのタイミング系の位置をマーキングしておく必要があります。今回は分解前にそれを行っていたので、一般的な順番の組み方が可能となったと言う事です。
以上の様な背景がありますので、今回の動画はフェラーリ308の組み方、と言うよりもかなり一般的なエンジンのシリンダーヘッド搭載方法を解説した内容になっております。まずは、エンジンを組んでしまい、次回の動画でご紹介する、バルブクリアランス、及びバルブタイミングの計測と調整の作業に繋げていきたいと思います。
今回もこれからエンジンを組んでみようと言う方に役に立てるような事を念頭に置き、動画の方を作成してみました。そうでなくとも知っていて決して損になる内容ではないので、是非どうぞ最後までじっくりと御覧頂きたく思います。
Ferrari 308GTS:シリンダーヘッド搭載とタイミングベルト装着作業の完全ガイド #パワーチェック リベンジ第19話【Hirota Engineering】82 #フェラーリ #オーバーホール
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