メーカー/モデル名 | トヨタ / GR86 カップカー ベーシック(MT_2.4) (2022年) |
---|---|
乗車人数 | 2人 |
使用目的 | その他 |
乗車形式 | その他 |
おすすめ度 |
3
|
---|---|
満足している点 |
1.86を残した判断 2.安全装備の充実 3.先代の美点を継承 4.ブレーキのコントロール性 5.改良を継続している |
不満な点 |
1.過剰なハイパワー 2.退化したスロットルレスポンス 3.EPSの反応 4.乗降時ロールケージが膝に刺さる |
総評 |
●排気量アップは誰の判断? 2021年、86はフルモデルチェンジを受け、GRガレージ専売車種として「GR86」となった。初代モデルは2012年、AE86を現代に蘇らせることを目的にFRスポーツカーの走りを身近なものにするために発売された。 念のために1983年に発売されたAE86について触れておきたい。もはや語り尽くされた感があるが、もう40年以上前のモデルであり全く知らない、或いは産まれたときからイニDのイメージ強いという人も増えてきているかも知れない。 AE86はカローラレビン/スプリンタートレノのフルモデルチェンジ版であり、一世代前のTE71系のP/Fを流用して後輪駆動を堅持したことが最大の特徴である。さらに80年代的なハンサムさを持ったスタイルと、新開発だった16バルブDOHCを採用した4A-GEUやラックアンドピニオン式ステアリングを採用していた。一足早くFFを採用したものの、進みすぎたと評されて不振に苦しんだカローラセダンを販売面で助け、当時は根強かったFRファンの期待にも応えた。 1987年にAE92系にフルモデルチェンジし、レビン/トレノもFF化された。ミニソアラ的な雰囲気をデザインで漂わせ、スーパーチャージャーによるハイパワー化やテールハッピーなシャシーなど市場が求めるものを上手に形にすることで販売台数自体はAE86を上回った。 旧型となったAE86の中古車はタマ数が多く、相場も安くなり手に入りやすい。保有母体が多いモデルならではのチューニング・ドレスアップパーツが豊富さは「好みに合わせて作り上げる楽しみ」が深まっていった。決して速さで最新モデルを凌ぐわけではないが、持ち前の敷居の低さ、パーツの豊富さ、さらに単純なメカニズムを持った後輪駆動車として独特の地位を築き上げた。 2012年の初代86は、AE86のスタイルや諸元など形あるものをリメイクしたのでは無く、AE86が持つ手に入れやすく、初心者にも扱い易い「親しみやすさ」と「カスタマイズ性」という形のない、そしてAE86が奇跡的に醸成した周辺環境の再現を重視して作られている。 新規開発の後輪駆動P/Fを持ち、スバルとの共同開発によって水平対向E/Gによって低重心化を果たし、物理的な諸元には拘りつつも、フルノーマル状態の86は過度に速さを追い求めていない。速さのためにハイテクな四駆も過給も求めず、ハイグリップタイヤすら開発せず、プリウス用のタイヤを流用してまでスポーツカーの裾野を広げる身近な入門車として開発されていた。 さらにトヨタ販売店の中でカスタマイズ拠点としてAREA86を開設し、ビギナーの背中を押す体制も整えた。 「スポーツカーは、カルチャーです。」 というコピーは86のコンセプトをシンプルに表現していた。デビュー直後は積極的な宣伝も相まって1年間で2.6万台を販売し、4.7万台を輸出した。 実際に前期は私もよく運転した。ちょっとしたクローズドコースで限界付近で走らせて(しくじって)スピンさせたり、定常円旋回し過ぎて燃料が偏ってエンストしてカブって再始動できなくなり散々な目に遭ったこともあった。徐々に慣れて来ると、高級感は皆無だけど動力性能が丁度良く、正円ステアリングは正しく回しやすく、6速MTは適切に決まり、ブレーキもコントロールしやすく作られていることが分かった。路面が濡れていれば、コーナー出口でわざとアクセルを開けてリアを滑らせながらカウンターを当てる気持ちよさも楽しんだ。 欲しい人に行き渡ったのか販売的には徐々に落ち着いていったが、トヨタが偉大だったのは86を最初の話題性だけで売って放置せず、最後まで育て続けたことだ。 前期に乗ったあと、後期に乗ればその違いがちゃんと分かるくらいレベルアップして商品性の維持に努めていたし、廉価な中古車のタマが増えるに連れて若年層オーナーが保有する86も多く見かけるようになった。初代86がやりたいことはほぼ実現したと言えるのでは無いか。私の趣味の違いから86の全てを肯定しないが、それでも偉大な存在である事に異存は無い。 2021年、86がモデルチェンジしGR86となった。GRは言わずと知れたガズーレーシングの頭文字でガズーというのが今の会長である豊田章男氏がトヨタ自動車で立ち上げたEコマースサイトの名前である。 ![]() G'zなどと呼ばれていたスポーツコンバージョンモデルはGRスポーツと名称変更されるなど商品の整理を行った上でAREA86を発展的解消し、GRガレージという専門の販売店も準備した。(ただし、従来の店舗でも購入可能) 新型はGR86を名乗るため、本格スポーツモデルとして明確に定義されたが、ボディサイズは殆ど変わっていない。 ![]() 年々肥大化する自動車業界において「大きくしなかった」というのは相当な努力を要するが、デザイン部署や衝突安全評価部署などに対して「ダメだこの諸元で成立するように」と企画側でギリギリの説得(圧力?)を重ねた結果だろう。 エクステリアは正常進化かつスーパーカー的にスッキリまとめたが、その分没個性になっているのが少々惜しい。だからといって加飾ギラギラのエモーショナルに振らなかったことは大変ありがたいし、カスタムする人からすればスッキリしている方が腕の振るい甲斐があるだろう。 走行に関する部分で最も大きく変わったのは搭載E/Gが2Lから2.4Lにスープアップされたことだ。スバル・アセントと同じE/Gだが、NA化され圧縮比が12.5に高められている。低速トルクが増強され、高回転での伸びもたくましく、みんなを幸せにするエントリースポーツカーというより本格スポーツカーと呼ぶに相応しいパフォーマンスを得た。 運転してみると、パワフルなのは事実だが特にアクセル操作に対するレスポンスが私の感覚と合わず、ギクシャクしてしまう点が気になるレベルだった。全開加速だけなら別に大したことは無いが繊細な運転操作が必要な市街地走行では、かなり神経質な印象だった。 ![]() 残念だがフレンドリーな初代、特に後期型の方が数段マシという結論である。ただし、GR86は年次改良が繰り返し行われてスロットル特性は既に改善されたという情報もある。スポーツカー文化醸成のために必要なことは一過性の話題になることではなく、絶え間ない改善と法規対応による継続が必要だ。 旧い話だが1989年にSW20系MR2がデビューしたときも、個性派セクレタリーカーだった初代から一転して本格スーパーカールックの2Lターボとなった際、パワーがシャシーに勝ちすぎていて危険な車という評価が下された事があった。箱根で行われたシャーナリスト試乗会でクラッシュがあったとか無かったとか。当時のトヨタが立派だったのは以後、1998年までの9年間で4回の改良を継続的に行った点である。初動の躓きから見放さずにコツコツと対策して熟成させることでMR2を常にブラッシュアップし、商品性を維持し続け、1999年にMR-Sにその座を譲るまで日本の貴重なミッドシップスポーツの地位を守り続けた。 ![]() こうしてみると、トヨタは意外とスポーツカーをじっくり育てる良い伝統があると言えるかも知れない。GR86も同じように2021年のデビューから、いずれ来るモデル末期に至るまで改善を積み重ねて欲しい。そうであるならば、GR86によって日本のスポーツカーカルチャーは今後も維持されるだろう。 こうした初代から続くGR86の功績を大いに認めている私であるが、それでも排気量の拡大は不要だったと私は思う。もはや我が国の交通環境で使い切れる範囲を超えている。海外向けは2.4Lで国内向けは2.0L継続でも良かったんじゃ無いかと思える程だ。また、そのパワフルなE/Gを手なずけるのに電子制御スロットルは不幸なほど役立っていない。せっかくのドラポジ、せっかくのシャシ性能を生かし切る事ができず、変速で車を揺らさないことで精一杯になる感覚だ。 ![]() |
デザイン |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
GR86のエクステリアデザインは凝縮感、機能性、FRプロポーションの3つを大切にしているという。
![]() ガラスは新旧比較したところ流用しているんじゃ無いか?とも思えるほど類似し、ウインドシールドガラスは流用かも知れないほど似ている。 ![]() フロントマスクは初代のBAD BOYみたいなつり目のヘッドライトはスッキリと現代風に改められている。少々個性が目減りしたかなという思いと、流行遅れにならない普遍性が付与されて良いかなという二つの感想が共存している。ラジエーターグリルもファンクションマトリクスグリルというGRファミリーの一員である事を示す四角い形状となり、グリルパターンにはGをかたどったパターンが織り込まれた。 ![]() サイドビューもキープコンセプトだ。少しベルトライン下が分厚く見える事と、フェンダーのプレミアムディスタンスがエアアウトレットの影響で短く見える事が少々残念だが、ドアのオープニングラインが後まで伸ばされてRrフェンダーの間延び感が低減されたのは喜ばしい。明確な傾斜したクオーターピラーはクーペらしいが後端はぎゅっとダックテールになっている。 ![]() Rrビューは大きく変わり、前述の通りトランクリッドがつままれて、スポイラー無しでスポイラー並の効果を得た。ライセンスプレートがバンパーに映ったためにオールドファッションなライセンスガーニッシュは廃止された。ラゲージドアの張りのある面が見えるようになったので筋肉質なアスリートのような印象が出た。 ![]() インテリアは大事なところは先代と変えていないが、水平基調のインパネと液晶メーターが特徴。思想的にアナログなモデルだが時代進化を感じるのは、起動時に水平対向E/Gをイメージさせるアニメーション映像だ。 他はドライビンググローブを着用していても操作しやすいダイヤル式空調ダイヤルや、トグルスイッチなども再デザインされつつも先代のまま残されている。先代で意外と扱いが面倒だった両サイドのレジスター(空調吹出口)はアクアなどと共通品になって風の方向を操作しやすくなった。 ![]() トグルスイッチが操作するとキシキシ異音が出たり、触ると裏面がすっぽり肉抜きされてみすぼらしいという事以外は概ね納得感のある内装デザインだ。 先代でも真っ赤な内装があり、色使いとあまりのケバケバしさに少々恥ずかしいとさえ思ったが、新型にも赤内装はしっかり残されている。赤の使い方がマシになったが、今度はカーペットが真っ赤になりこの点がちょっと80年代的とも感じられて懐かしかった。 ATと部品を分けてまで実現した変速しやすいシフトレバーの位置関係や回しやすいステアリングの丸さなどスポーツカーとしての本分をしっかりと押さえつつ、コストを意識しつつ、潜在ユーザーに憧れを歓喜させなければならないという難しい仕事は充分に果たせたのでは無いかと思う。 ![]() 先代の前期が過度に子供っぽく、BRZがオトナに映ったが、後期では随分よくなったとおじさんの私は思う。新型は再び若返りを選んだようだが、後期でまた「落ち着くモード」に行くことも期待できる。 先代と比べてマッシブでスポーツマンのような印象が出て洗練されたと思うが、カスタムベースとしても化粧映えする?ベースの良さを意識した結果なのかも知れない。 |
---|---|
走行性能 |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
GRの文字が入ったスタートスイッチを押すと、液晶メーターにスタート映像が流れてFA24型E/Gが目を覚ます。2Lオーバーの4気筒だが水平対向故か不快な振動は無い。
シフトは気持ちよく1速に入り、ドライバーのすぐ脇の申し分ない位置に置かれたパーキングブレーキレバーを解除し、クラッチを繋ぐと太いトルクに助けられてスッと発進できる。 ![]() 運転して感じる実感として交換前提の最廉価ウレタンステアリングは見た目にはチープなのだが、握った感触がソフトで意外なことに手に馴染む。実際のフィーリングは本革巻きが最強なのだが、こういう廉価仕様の部品でも意外と拘られているのが分かると嬉しくなる。 構造用接着剤がボディパネル間に16m分塗られ、減衰を与えてくれるのでタウンスピードでもしっかり感や乗り心地の良さが感じられる。 先代86は全てが手探りで世に出たと思われるが、9年の歴史の中で様々なフィードバックがあったと思われるが、「パワー不足」という声が意外に多かったのだろうか。 ![]() 先代前期は200ps(これでもリッター100ps)だったものが後期では207psにまで向上していたのに235psにまで達した。 0-100km/h加速の公式データは6.3秒という俊足を誇る。先代は7.4秒というからたった1秒というかも知れないが、実際に運転してみると1秒違うのはかなり違う印象で排気量を2割もアップさせているので無理なく力強い加速を見せるようになった。 高速道路で100km/hで走行しているときの回転数は2600rpm程度。余裕あるE/Gをこれくらい回していれば6速に放り込んだまま高速道路を延々とツーリングできそうだ。 どんな人が乗っても「速くなった」と認めてくれる速さを手に入れたことは事実であるが、一方で失ったものもある。 ![]() それはドライバビリティ(運転性)である。アクセルを少し開けてクラッチを繋いで発進し、変速前に少しアクセルを緩め変速し、再度加速し、目的の速度を維持・・・といった普通の運転でもアクセルを繊細に操作するはずでこの時の素直さであると考えればいい。 GR86の場合、先代よりもこのドライバビリティが悪化したと感じる。トルクが向上した結果、高いギア段で走れてしまうのでよりアクセルワークの重要性が増す。この時、アクセルのレスポンスが悪くて踏みすぎてしまう嫌いがあった。踏みすぎるとFA24のモリモリトルクが唐突にかかって加速し過ぎてしまうし、アクセルオフしても排ガス対策のためかワンテンポ遅れて加速が終わる。 ![]() GR86は電子制御スロットルだが、スロットル操作に対して素直に反応させすぎるとトルク変動を拾って扱いにくいため、なまし制御を入れてあるのが普通だが、この制御があまりうまく行っていないのかなと感じた。 高速道路やスポーツ走行で低いギアで引っ張っているときは目立ちにくいのだが普段使いで用いる領域のマナーが私でも分かるくらい悪化しているのはアフォーダブルなスポーツカーとして正しいだろうか。 ![]() 試乗車はカスタム前提のRC相当の装備内容のグレード故、スチールホイールを履いており、走行中ホイール起因と思われる高めのロードノイズが気になったが、それでも操舵感はクイック指向でワインディングも楽しめるし、コントール性が高いブレーキは例えば停止直前の抜きの動作にもしっかり応えてくれる良さがあった。 「角を矯めて牛を殺す」ということわざがあるが、そういうことだ。 個人的には初代86でアップダウンやブラインドコーナーが多い閉鎖された峠道のようなコースを全開で楽しんだことがあるが、別段パワー不足を感じなかったので、もっともっと高出力が要求されるコースを走らせるドライバーが相当多かったということなのだろうか。 ![]() ちなみに、GR86はデビュー後も改良が行われてスロットル特性が改められと言われているし、いちいちホームポジションに戻る鬱陶しいウインカーレバーも改められた。私が試乗した初期モデルのGR86は期待外れの出来映えだったのも事実だが、着々と改良を継続しているという事実もまた存在している。もしかすると、グッと良くなっているかも知れないので後期モデルが出た時分に改めてGR86に乗ってみたいと思う。 パワーはあるが、それが欲しいときに欲しいだけ得られるかというとそうとは言いがたい。厳しいが私は★2とする。それ以外の操縦性や乗り心地は妥当なレベルである。助手席に人を乗せても良いレベルにまとめられている。 |
乗り心地 |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
積載性 |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
新型はヒップポイントが5mmダウンしより地面に近づいた。ドアを開けて煙草の火が消せるくらい、という初代の低さには磨きがかかり、カップルディスタンス(左右方向の距離)は7mm小さくなったことから、車体中央に座る格好になり、ステアリングがより真正面に配置されるメリットもある。
競技やサーキットの事を考えてヘルメットを被ってもヘッドクリアランスが残るようにレイアウトが決まっているのもさすがだ。座高が高い日本人でも185cmまで考慮できているという。ショーンコネリーが収まらないという理由で屋根をカットされたトヨタ2000GTの教訓がここに活かされている(・・・んなことはない)。 ただし、乗降時にRRC専用装備のロールケージが膝に突き刺さる事数回・・・。痛いので徐々に当たらないように乗降できるようになったが、先代の86ではこんなこと無かったのに・・・。 ドラポジをとったとき、シフトレバーが気持ちよく操作できる点は素晴らしい。例えばカローラスポーツなどはMTがあってもシフトレバーの位置が割を食っていたが、T/Mを直接操作できる縦置きゆえ、従来通りの位置を陣取ることができたのだろうか。 後席も先代同様だ。つまり、狭いながらも意外と4人乗車のことを考えていて涼しい夜間の短時間の移動なら何ら問題が無いと言うことだ。ハッチバックじゃ無いのでヒンジがない事と、敢えて頭をガラスの直下に置くことでヘッドクリアランスも確保され、助手席の人がシートスライドで配慮すれば後席でも何とかなる。 先代で私が絶賛した乗降に役立つデッキサイドトリムの「引っかけ」は健在で安心した。 ![]() 荷物がどれだけ積めるかという積載性観点ではVDA法で237L(先代比-6L)だが、自分が履くタイヤ四本と工具箱の搭載が可能という先代と同じ命題は満足している。 ![]() また、ラゲージ側からもシートバックを畳めるようにロック解除ストラップが追加されたのは、荷物を積もうとしているときに「シート倒さないと入らない」と判明したらすぐに畳めるので、経験上とても利便性が向上していると効果が実感できるはずだ。 その他、ポケッテリアでいえば、センターコンソールに蓋付き収納が新設された点が新しい。先代は蓋なしの大開口が設けられて移動式のカップホルダーが備わってかなり割切った感があったが、新型ではアームレストとしても使えるようにボタンで開閉できる蓋を設けた。 ![]() 蓋ができる事で収納容量が減っても片付いているように見えるメリットがある。スマホや家の鍵などオープンな収納に入れたくない物も蓋付きなら気兼ねなく入れられるし、スポーツ走行でポーンと飛んでいってしまうことも無い。 ★3 決して荷室容積や広い車室を誇るような車では無いが、ユーザーの使用実態をよく分析し必要充分な実用性を与えている点が評価できる。 |
燃費 |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() カタログ値はWLTCモードで12km/L。例えばブレイド2.4Gは10・15モードで13.4km/L、同じE/Gを積むRAV4スタイルはJC08モードで12.2km/Lである。クーペスタイルなので前方投影面積が有利な一方でギア比的に不利なMTを採用し、実走行に近いWLTCモードで12km/Lなら妥当な値のように感じる。 ![]() 所用で95kmほど走行したが燃費計は11.0km/L。時として高回転まで回すシーンもあったが高速道路ではどんどん数値が回復していくような挙動だった。 評価するなら★3。 普通のハイブリッドカーなら2倍は走るが、そもそも2.4Lの純E/G車ならこれで充分だ。 |
価格 |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
2021年デビュー時の価格は下記の通り。
![]() エントリーグレードは先代同様RC(279.9万円)だ。初代86のRCは199万円(消費税5%込)のRCが目玉中の目玉だったが、新型のRCはアレよりは文化的な仕様となっている。 スマートエントリー、Biビーム(LO/HI兼用のLED光源)ヘッドライトやカラードバンパー、カラードドアハンドル、電格ドアミラー、衝突軽減ブレーキ(アイサイト)、本革巻きステアリング、オートA/C、2SP、トルセンLSDなど、16インチ鉄ちんホイールにライズかハイエースか適当なホイールキャップさえつければ格安2シータークーペ爆誕である。 ![]() 先代86の時に妄想した「最低限文化的なクーペ」が実現しそうな勢いだ。 税込110万円/Lの少し昔の国産車相場に当てはめてみれば、2.4LのGR86は264万円程度が相場である。RCはそれより高いものの、台数が見込めないスポーツクーペであるから法外な価格設定とは言えない。 メーカー的な実質的なエントリーグレードはSZ(303.6万円)だ。17インチアルミホイール(推定7.8万円)や本革巻きシフトノブ(推定1.5万)、マフラーカッター(推定0.5万円)、プライバシーガラス(推定2.1万円)、サイレンサ、アクティブサウンドコントロール、6SP(推定1.5万円)、フロントパーソナルランプ(推定0.5万)、ラゲージルームランプ(推定0.5万)が備わるが23.7万円の価格差を考えると若干根拠が弱いあたり、収益性を見据えた価格設定であるような気がしてならない。 更に最上級仕様はRZ(334.9万円)だが、こちらはステアリング連動ヘッドランプ(4.4万円)、18インチアルミホイール(推定3.9万円)、リアフォグランプ(推定2.8万円)、ウルトラスエード×本革シート(推定15万円)、ブランノーブ巻きメーターバイザー、SUS製スカッフプレート、ドアカーテシランプ、スポーツアルミペダル(1.2万円)と8SP(推定1万円)が追加され、31.3万円の価格差に迫る装備内容となっている。 装備レベル的にはSZが一番ピッタリくるのだが、価格的に買い得感が無いので「ええい!」とRZを買う背中を押すような設定になっている。 この手のスポーツカーなのでRZを買って日常使いで長く楽しむという考えもあるが、RCが意外と良心的な設定になっている点もトヨタの真面目な心がけを垣間見た。 ![]() ちなみに、試乗車はCup Car Basicという生粋のモータースポーツベース仕様で、ロールケージ、E/Gオイルクーラー、専用フロアマット、フィン付デフキャリア、E/G封印、6点式シートベルト用アイボルト、ウレタンステアリングが特別装備されて 333.4万円という価格である。SZよりも高価だが、そのままレースに出られるような改造が難しい部分に手が入っているのでその目的を考えれば適当な価格設定だ。 恐らくGR86を購入しようとすると300万円~400万円の間に入り、決して絶対値が安い訳では無いが、貴重な2.4LのFRスポーツを残すという意志を強く感じられる。先代の86よりも価格がアップしているものの、2.4Lにスープアップした結果、割高感は緩和されている。 例えば日産でFRスポーツを買おうとすると550万円スタートだし、BMW2シリーズクーペも626万円スタートだ。そういう相場観の中で考えれば確かに比較的手に入れやすいFRスポーツということになる。 ![]() 私個人は先代86の後期あたりが丁度良いなと思っているが、それも新型GR86が出て計画的陳腐化が行われた成果である。 |
イイね!0件
ステアリングセンサーを自前で直しました カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2025/08/07 07:43:02 |
![]() |
トヨタ博物館 歴代クラウン展示を観覧してみた・・・( ̄▽ ̄◎) 1/3 カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2025/08/05 10:39:44 |
![]() |
グリル取付クリップ作成(再) カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2025/07/26 22:48:25 |
![]() |
![]() |
トヨタ カローラ 1989年式(マイナーチェンジ直前) カローラGT。 ヤフオクで発見し、 不人気車ゆえに ... |
![]() |
トヨタ RAV4 L 1996年式 標準グレード。 私が小学生だった1994年、RAV4が颯爽と登場した。私 ... |
![]() |
トヨタ プログレ 2000年式 NC250。 長年、趣味の先輩達と車談義を重ねる中で定期的に「プログレは ... |
![]() |
シトロエン DS3 2011年式 スポーツシック・エディションノアールII。 ラテン系ホットハッチ(プレミア ... |
2025年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2024年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2023年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2022年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2021年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2020年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2019年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2018年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2017年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2016年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2015年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2014年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2013年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2012年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2011年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2010年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!