BMWがデザインを担当したゲーマー向けベアボーンPCケース

クルマの世界ではスイスでジュネーブモーターショーが開催されていますが、IT関連でも3月5日から9日までの間、ドイツのハノーバーにて「CeBIT 2013」という見本市が開催されています。
　
そのCeBIT 2013において、ASRockというPCマザーボードのメーカカーら、ゲーマー向けベアボーンPCケースが発表されました。
ちなみにベアボーンとは、パソコンの組み立てキットの一種で、すでの電源やマザーボードといった主要パーツの一部がPCケースに装着済みのものを挿します。
このベアボーンキットにHDDやメモリー、場合によってはCPUなどを装着すれば、組み立てパソコンが完成するという、いわば完成品パソコンと自作パソコンの中間に位置するパソコンです。
　
　
で、このASRock製の新しいゲーマー向けベアボーンPCケースがなぜ注目されているかというと、PCケース（筐体設計）のデザインを、自動車メーカーBMWのデザイン部門である「BMW Group DesignworksUSA（以下、BMW Designworks）」が担当したからです。
　

　
　
まずはそのPCケースの画像を見てみましょう。
　



　
クリムゾンレッド（濃赤色）とブラックのツートンカラーを基調としたケースのフロント部には、ダイヤル型のコントロールユニットが搭載されているのが見えます。
これは、BMWがカーナビや車載AVシステムの集中コントロール用に開発したダイヤル型コントローラ「iDrive」にインスパイアされたものとのことだそうです。
　
写真の試作機は残念ながら有機EL非搭載ですが、製品版にはダイヤルの中心部に有機ELのディスプレイが搭載され、さまざまな情報が表示できるようになるそうです。
　
　
BMW DesignworksがこのPCケースの設計でこだわった部分は、実は外観だけではありません。
　
ゲーマー向けPCには高性能グラフィックスカードの装着が不可欠ですが、Mini-ITXマザーボードを使う一般的なサイズ・デザインの小型PCでは、ケースの幅や長さが不足しているため、大型のグラフィックスカードを内蔵するのは困難でした。
そこでBMW Designworksでは、この弱点を克服すべく、マザーボードから距離を置いた独立した空間にグラフィックスカードを装着できるように、独自設計のドーターカードを採用することで、効率的な吸排気を可能するとともに、ほかのデバイスとの熱干渉を防ぐ構造を実現したということです。
　



　
今回の見本市で今回公開したのは、あくまでも開発中のサンプルだということ。
製品名などの詳細は、今年6月に台湾で開催が予定されている「COMPUTEX TAIPEI 2013」で披露されるそうです。