今回、富士モータースポーツミュージアムを訪問したタイミングで、世界のラリーで活躍した名車が並ぶ「THE GOLDEN AGE OF RALLY IN JAPAN」という企画展をやっていました。
■ミニ・クーパーS(1966年)
モンテカルロ・ラリーで3度総合優勝したミニ・クーパーです。
オーバーハングがほとんどないため、特にツイスティな山岳路でニュートラルなハンドリングがアドバンテージになり、車重が650kgという事も相まって、ライバルよりも控えめな55PSという最高出力でも、十分に戦えたそうです。
その後、1100ccクラス規程に合わせて排気量を1071ccへと拡大し、最高出力を90PSに引き上げた「ミニ クーパーS」が投入されました。
■ランチア・ストラトス(1973年)
個人的にはラリー車として最高傑作のデザインだと思います。
大きさは、全長3710mm × 全幅1750mm × 全高1115mmで、ホイールベース2180mmです。
まるで軽自動車のサイズですが、横幅だけ3ナンバーという異様なプロポーションです。(^_^;)
■フィアット X1/9 アバルト プロトティーポ(1974年)
第一次石油ショックの頃に出たモデルをベースにした競技車両です。ベース車はお手頃なミッドシップ車で性能が高かったため、1989年まで製造されたそうです。ベルトーネのデザインで格好も素晴らしかったのもロングセラーにつながったと思います。
■フィアット131アバルト Gr4(1978年)
フィアット社では、X1/9の市販車はコストがかかり過ぎて売れば売るほど赤字だったので、大量に販売されるファミリーカーをベースとしてラリー車を開発し、その活躍により市販車の販売促進を図ることに方針を変更し、この車両が生まれたそうです。
■ルノー・サンク ターボ(1981年)
タイトルバックに「魔改造ハッチバック」と書かれている様に(^_^;)、後席をつぶし、そこにエンジンを搭載して強引にミッドシップに改造しています。
ターボ車として、WRCで初めて優勝した車両でした。
■アウディ・クワトロ(1981年)
初期の4WD車の傑作です。
この車両がWRCを席巻しだしてから、WRCはフルタイム4WD車でないと優勝できなくなりました。
■トヨタ・セリカ ツインカムターボ TA64(1984年)
3代目セリカをベースにした競技車両です。2WD(後輪駆動)にも関わらずサファリラリーで優勝しました。
ちなみに3代目セリカは、Aピラーの根元を見るとわかるようにドアミラーで無いとデザインが破綻するのですが、発売当初はドアミラーが認可されておらずフェンダーミラーだったので、不格好だったのが記憶に残っています。
■ランチア・デルタS4(1985年)
この企画展の前から展示されている車両だそうです。
実質的にはアバルトが開発したグループBの車両で、ベースモデルとは大きくかけ離れた、ミッドシップエンジン + スーパーチャージャー + ターボチャージャー + 4WDの組み合わせで最強でした。
最終的には600馬力を超えていたそうですが競技中に死亡事故を起こし、行き過ぎた高性能車のグループBカテゴリーを終息させるきっかけになったとか。
■トヨタ・セリカGT-FOUR ST185(1994年)
5代目セリカの4WDバージョンをベースとした競技車両ですが、とにかく当時からデザインが良かったと思います。箱型セダンベースのラリー車とは一線を画す、クーペボディは秀逸でした。
■三菱・ランサーエボリューションIII(1995年)
ドライバーのトミ・マキネンとの組み合わせで、とにかく強かった印象がありますが、三菱自動車の経営状態悪化で徐々に規模が縮小されていきました。最終的にランエボはXで生産中止になり残念至極です。
エンジンは2リッターの4G63型直列4気筒DOHCターボ。
■スバル・インプレッサ555(1996年)
当時のグループBは行き過ぎたハイパワー化で悲惨な事故が問題になり、1987年からより市販車に近いグループAが規定されましたが、グループAの末期ではインプレッサ555は最強の車両でした。
エンジンは2リッターのEJ20型水平対向4気筒DOHCターボ。
Posted at 2024/12/30 14:59:27 | |
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