年末休暇を取ってから本日で一週間が過ぎようとしている。なんとなくあっという間に時間が過ぎている様な感じもするが、実は、26日から息子、孫の3人で、田舎の北海道へ3泊4日で旅行して来たので、そのせいもあるのだろう。今年は、例年より雪も多かったが、極端な吹雪に見舞われる事なく楽しいひと時を過ごすことが出来た。
さて、本題に入ろうと思うが、今回もちょっとだけディープなマニアックネタとなるため、ご興味の無い方は、速攻でスルー願うw
今回調査した内容は、キーによるリモート操作を行う際に、その無線信号を車両側で認識するための受信部、アンテナダイバーシティモジュール関連について調査内容を纏めてみた。このモジュールは、リアウィンドウ上部、ちょうど、ルーフテールランプの辺りのインテリア側に実装されており、リアウィンドウに張り巡らされた、全てのアンテナ(AM, FM, VICS, TV, FBDなど)を各機器で処理するための電気信号へ変換している役割を担っている。
FBD(たぶんドイツ略語)は、リモートコントロールサービスを意味し、キーから送られた315MHz(日本仕様)の変調信号を復調してCASへ送る機能を司る。ただし、この無線の変調方式にも、いくつか種類がある。通常、同一システムであれば、同じ仕様であると考えてしまうが、どうやら、E系については、知っているだけでも2種類存在することがわかった。
E9xのデビュー当時から使用されるCA(コンフォート)キーを例に取っても上図の様に3種類のキーが存在し、当時は、無線認証の関係で、LP(低出力)タイプが日本仕様としてリリースされ、その後、HP(高出力)タイプが補完的にリリース。認証取得が完了後、当時はUSAタイプと称された通常パワーのキーが日本でもリリースされたと想像している。(あくまでも想像範囲〜笑)
それぞれのキータイプは、中古品を購入し、簡易的なリバースエンジニアリングで、各部の違いを調査、確認を行った。(あまりの変○さに、引かないでねw)また、先述した、無線方式であるが、初期のLP、HPタイプは、ASK(Amplitude Shift Keying)で、USAタイプ(後に標準となる?)は、FSK(Frequency Shift Keying)となるが、当初なぜ、無線方式を分けたかは不明であるが、想像するに、無線認証の関係があったのではなかろうか。
その他、ASKとFSKの違いには、上図の様なメリットデメリットがあり、もちろん、後発のFSKタイプは、消費電流やノイズに対する点が優れていると言える。
それらの特徴を踏まえ、アンテナダイバーシティモージュール(以降、アンテナアンプ)について、実験を行ってみた。実験にあたっては、ちょうど、今年初めに、非CAキーのクローンを調査している際に、安価で購入した中古のアンテナアンプがあったので、それを使ってみた。購入したタイプは、ネット検索のパーツリストから互換品であることを確認し購入。
実は先日、試しに愛車のものと交換してみたのだが、リモートコントロール操作は、全く動かず。。中古品である事から一旦、車両での調査を断念し、ベンチ環境での確認準備を進める事にした。ただし、ここで気が付いたのは、先述した、無線方式である。送信側であるキーの変調方式が、愛車ではASKであるが、復調側である、アンテナアンプについては互換品とだけ謳ってあって、変調方式については、特に記述がない。また、ネットの調査でも変調方式までを言及する記述は見当たらなかった。
そこで、本体ケースを開けて、基盤部に実装されてある、受信デバイスを見つけ、品番を確認し、ネットから見つけたデーターシートを確認すると、デバイス自体に、変調方式を選べる、設定がある事に気がついた。回路を辿ってゆくと、中古で購入したアンテナアンプは、FSKの設定であった。要するに、愛車キーの変調方式と合わないので、当然、受信することすら出来ないという事がわかった。
復調デバイス以外は、LPタイプのアンテナアンプと基本同じ構成をしている様なので、変調方式を変えてみて、どう変化するかをベンチ環境にアンテナアンプの接続を追加して動作を確認してみた。
上図のアンテナアンプのCAS側へ接続される信号部にて、アンテナアンプが、キーから送信された電波信号を正しく復調できるかを確認してみる。
すると、オリジナルのFSK設定のままだと確認できなかった信号が、ASKの設定だと、上図の様にコントロール信号波形が、ランダムに発生する事が確認できた。残念ながら、ドアのロックアンロックまでは、現在のベンチ環境では、確認できなかったが、上記波形と、リモートキー操作にて、Wake-up信号が解除されたリレー音が、モジュール側から聞こえたので、ほぼ動作としては間違いないだろう。
さて、実験内容と結果はここまで。。
最後に、この実験で分かったことは、アンテナアンプのタイプが違っていても、モジュール内デバイスの無線変調方式を変えさえすれば、リモートコントロール動作は、なんら問題なく動くのではないかと言うことである。
一方で、送信側となるキーの場合であるが、こちらもデバイスチップには、変調方式を変えられるモードセレクターがあるが、送信側だけに、出力パワーの関係もあり、変調方式を変えるという行為は、電波法の観点から、たとえ実験であっても避ける事にした。
最後までお読み頂いた方々、ありがとうございました〜(^^)
皆さん、良いお年を♪
Posted at 2024/12/31 17:06:01 | |
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