
マツダの会ってみたい人の最後を飾るのはこの方。
藤原 清志大明神w
エンジンの人見さん、人馬一体の虫谷さんとくれば、次はデザインの前田本部長・・・というのが筋としてはイイのかもしれませんが、、、(^^;)
前田さんゴメンなさい
藤原氏の今の肩書きは「ビジネス戦略・商品・デザイン・コスト革新担当」とのことで、タイミング的には恐らく2016年3月に一区切りとなる現在の中期施策の次の経営計画を取り纏めている真っ最中で、超多忙でしょうからボクなどが望んでも、絶~対に会えない方ですけどね(^_^;)。
ボクがマツダのSKYACTIVに興味を持ち、その経営計画に触れたのはBLアクセラSKYACTIVを購入する前後なので2011年の暮なのですが、正直なところその中身を見た時に
ぶったまげて、今日の業績V字回復を確信を持って予想しました。で、2011年度、そして2012年度と2期連続でクルマを買って業績に微力ながら貢献した(笑)んですが、当時はなかなか業績が上向かなくて結構、ヤキモキしましたけどね(苦笑)。
自動車評論家の中にはときどき「マツダの経営陣はクルマの事がわかっていないから、現場が望むような良いクルマが造れない」みたいな事を書いていますが、以前はともかく、2015年度末を節目とするマツダの経営計画は、そらぁ素晴らしいモノだとボクは断言しています。いゃマジで経営者向けの教科書にしても良いくらい。これってどこぞの経営コンサルタントに丸投げして出来るような中身ではありません。マツダの強み・弱み、過去の教訓、今後の業界動向などがキッチリ盛り込まれた上で、何が自分たちの活きる道か?厳しい経営環境の中で、どうすればマツダらしく生き残っていけるかを、叩き上げのマツダ役員たちが自ら真剣に練り上げていかなければ到底出来ないモノです。
そして出来上がった経営計画(戦略)は見事なモノでしたが、それを絵に描いた餅にせず、シッカリと現場に落として成果に繫げたところも素晴らしい。これ、実はもの凄く大変なことなんです。
くしくも「CX-3のすべて」の中で「モノ造り革新」と「一括企画」に関するインタビュー記事で記者が「(それらを実行する)組織はどうなっているのですか?」という問いに
藤原氏:「組織はありません。組織をつくるとそこに属する人しかやらなくなる。
全社的な活動なのでみんなが一緒にやらないといけない。
だから組織はありません。」
と答えているのですが、もうこの答えを読んだ瞬間に「藤原さん、貴方は役員としては一流ですね」とボクの中では尊敬の眼差しです(*^^*)。この人はその事の大切さ、困難さ、そして失敗しないためのポイントまでしっかり理解しています。こういう経営陣が舵取りしたからこそ、今のマツダのV字回復が成ったのだろうと妙に納得してしまいました。
会社の中長期の経営計画(戦略)を全社的な活動にまで昇華させて現場の隅々まで落とし込むというのは、本当にもの凄く難しく大変なものです。その苦労は実際にそれに携わった人にしか解らないでしょう。
ボクはマツダの経営陣は世間的に見てもっと評価されても良いのでは?とさえ思っています。
かつて一発屋(苦笑)と言われたマツダがCX-5以降、アテンザ、アクセラ、デミオ、CX-3と5連発を放ち、6発目となるNDロードスターの成功ももはや疑いの無いところではありますが、これはひとえにマツダ経営陣が描いた
戦略の正しさが主因です。勿論、その戦略を忠実に実行した戦術(各新型車の開発プロジェクト)も成功要因ではありますが、戦略の誤りは戦術では取り戻せません。一方で戦術の失敗は一時的な敗北には繋がっても戦局の全体を揺るがす事態には発展しません。
HVやEV等を追わずに内燃機関の改善にリソースを集中し、性能とコストのバランスに於いて世界一を目指す。優れたデザイン(魂動)と走りの楽しさ(人馬一体)で世界市場の(たった)2%にフォーカスする。そしてシェアを広げるのではなく、顧客に深く愛されるブランドになるというマツダの戦略目標は、着実に成果を生み出していると言っていいでしょう。
ところが、、、d(^.^)
で、あるが故にボクとしてはこの3年間に於ける戦術的な失策が気になります(苦笑)。
絶対に無理なのはわかっているんですが、もし藤原さんにお会いする機会があったときにボクが話題にしたいのは2つの失策。そしてお願いしたい事が1点。
2つの失策とは、①アテンザのデビュー当初にAWDを用意しなかったことと、②デミオXDのMTを燃費スペシャルにしてしまったことです。
CX-3で5車種がデビューする中での2車種の2グレードのみですし、既に述べた通りでマツダの正しい戦略に照らせば、マツダ全体どころか、アテンザやデミオの全ての評価を覆してしまうほどの問題でもありません。全体を通してみれば、まぁ小さな問題と言っていいでしょう。
ではなぜボクがこの点を持ち出すのかというと、マツダの「お客様との強い絆を結ぶブランドになりたい」という戦略目標に対して、規模は小さくとも致命的といえる失策ではないか?と思うからです。
アテンザは既にAWDが追加になったので非常に問題が解り易いですが、デビューから約2年間AWDが無いという理由でFFを購入したお客様というのは確実に存在するワケで、彼らが「AWD希望だったけど、FFでも不満は無い」と言ってくれれば何の問題も無いのですが、そうではなかった場合、彼らに「お客様と強い絆を・・・」なんて言えるのか?彼らはウンと言ってくれるのか?というハナシ。
かといってそんな彼らを慮ってAWDの追加を躊躇するなどという話は、商品の魅力を強化し続けなければならないメーカーの都合上、無理な相談です。
そう、2年後にどーせ追加するなら、最初から揃えておけば誰も不幸にはならなかったのです。
そもそも、第6世代商品群のフラッグシップに「全部入り」のグレードが不要などという間抜けな判断を一体誰がしたのか?コモンアーキテクチャのコンセプトに照らせば、その時点で完成していた要素は当然、全て採用可能であった筈ですから「フラッグシップなんだから全部載せがあってもイイだろう」というノリでグレードを作ったって構わなかったんじゃないの?とすら思うのですが(^_^;)、明確な意思を持って落としてしまった事、にも関わらずデビュー後に慌てて仕込みを始めて2年後に追加というのは客観的に見ても全く解せない話です。とてもフラッグシップに対する扱いではない(苦笑)。
デミオXDのMT仕様については少し解り難いかもしれませんが、そのギヤ比は明らかに燃費性能を意識したもので、アテンザのMTともCX-3のMTとも内容が大きく乖離しています。その影響はドライバビリティに現れていて、ボクは大いに問題アリと思っています。しかし当のオーナーは意外に文句を言わないというのが現状で、まぁ凄く平たく言えば「オーナーは不満が無いと言っているが、外野がイチャモンを付けている」というところでしょうか(苦笑)。
デミオXDのMTのギヤ比がそれなりに最適な設計になっていて、外野の雑音が文字通りイチャモンであるならば何の問題もありません。
しかしですよ、、、d(- -)
もし2年後のマイナーチェンジ(否、大幅改良かも?)のときにCX-3のMTがデミオXDに移植されて「スポルト」なんてグレードで出てきたら、それでもデミオXD MT仕様のオーナーは強がりが言えるのでしょうか?という懸念がボクにはあります。
これもボクにはアテンザのAWDが無かった事と類似の問題を引き起こす可能性があると危惧しているワケですが、少なくともアテンザXDのFFはそれ単独で見れば優れたクルマで、AWDでなければ欠陥車、なんて事はありません。しかしデミオXD MTの場合はCX-3の真っ当なステップ比のMTと比較してしまえば「明らかに燃費志向でドライバビリティに劣る」となってしまうでしょうから、アテンザFF/AWD問題より悪質と言えます。まぁ、そんなデミオが出てきてしまうと、というまだ仮の話ですけど。
そうボクは藤原さんに、この2つの失策を例示した上で、マツダの次の経営計画期間には、このような折角クルマを買ってくれたお客様にそんな想いを抱かせるようなな失策を二度と起こさないよう、再発防止策を是非とも検討して欲しいと訴えたいんですね(^-^)。
そしてもう1点のお願いはディーラーサービスに関する事。この点は藤原さんも十分に認識されていて、様々な施策を既に打たれているのは十分に承知していますが、既に多くの商品が顧客の手に渡り日本中を走り回っている中で、ユーザー目線でディーラーのサービス(点検、整備)メニューがなかなか改変されないのは不満です。
店舗を綺麗にするのも結構ですが、大事なクルマの点検や整備で、特にオーナーには絶対に手が出せないようなメニューで凄く時間が掛かったり(ほぼ1日預けないと出来ない)とか、対応が出来ないという状態をいつまで放置するのか?という事は感じています。ちょっと優先順位を間違っちゃいませんか?とね(^_^;)。
もし藤原大明神wがこのブログを読むことがあったら「人見さんや虫谷さんには賛辞やお礼なのに、オレに対してはクレームかよ?(苦笑)」とか仰りそうですが、そりゃそーです(^_^;)。
責任者は、責任を取るために居るんですから(爆)。
とまぁ色々と書きましたが、2016年3月に向けた中期施策の最終年度であると同時に、次の経営計画の詰めでとてもご多忙と思いますので、くれぐれもお身体には気をつけて頑張って下さいm(_"_)m。