
先日の
SUBARU・辰己氏のインタビュー記事と、
その件に関して書いたブログとコメントのやり取りから、ちょっと思い立ってつらつら書いてみます(^_^;)。
辰己氏の「9割の人は運転がヘタ」という衝撃発言wを受けて、元記事のコメント欄は大いに盛り上がったようですが、肝心の「じゃぁ運転が上手いってどゆこと?」に関して当の辰己氏が「それは人をいたわるかどうかですよ。」な~んて言っちゃうモンだから、きっとコメント欄は大炎上していることでしょう(^m^)
ボクはほとんど読んでないけどww
まぁそれは置いておいて、このブログでボクが紹介したいのは、ボクがi-DMやG-Bowlアプリを使ってグループ活動を通じて指導している「上手な運転」の構成要素だったり関連性であったり、という整理ですね(^_^)b
世間では「上手な運転とは?」という命題に対して、決まって様々な意見が出て議論が紛糾しそうwで、ボクはそういった議論には出来るだけ加わりたくないのですが、それは意見している人たちが、これから紹介する階層構造の
「どの階層(レイヤー)の話をしているの?」
ということをほとんど意識していないから(苦笑)。だから往々にして話が噛み合いません。「サーキットで速く走る」と「公道で安全に走る」を同じまな板の上に載せて、どっちがどーだ?なんて議論しても、そら噛み合いませんわな(^_^;)。
ハイ、前置きが長過ぎますね。では順にいってみましょう。
レイヤー0
ドライバーがクルマを動かすために行う操作。具体的には「ペダルを踏む」「ハンドルを切る」といった操作の事。
この運転操作の基本は「はじめゆっくり、徐々に速く」であり、急な操作は厳禁(ダメ)である。
レイヤー1
ドライバーがなんらかの操作を行うと、それに応じてクルマは反応する。ではどんな風にクルマが運動すればイイのか?という話。
基本はG(加速度)一定で、アクセル操作による加速G、ハンドル操作による旋回G、ブレーキ操作による減速Gが生じたときに、そのGが増えもせず減りもせず一定であることが原則。
レイヤー2
A地点からB地点まで、直線や様々なカーブが組み合わさった「コース」を自由に走れると仮定して、どう走らせるのが最適か?という話。
発進加速して、カーブの手前で減速してカーブを適切な速度で曲がって、直線になったらまた加速して、、、という一連の連鎖のこと。
賢明な読者wにはもうお解かりでしょうが、以上の3つは密接に関連しています。
その関係は0⇒1⇒2という階層構造を成していて、操作をすれば加速度が生じ、コースに沿って走るという事は、その加速度をどう繋いでいくか?というなります。
実はここに面白い点があって、先ず各レイヤーで個々に独立して"良し悪し"がある点。良いと言われるのが俗に言う「上手」であり、悪いは「ヘタ」ですね(笑)。
次に面白い点は、各レイヤー間には密接な関係があるものの、あるレイヤーで「上手」であっても、それがそのまま他のレイヤーの上手に繋がるとは限らないという点。
運転"操作"が上手でも、その結果が必ず上手(G一定)な運転にはならなかったり、逆に運転"操作"がヘタでも上手(G一定)な運転が出来ることはあります。
だからレイヤー0と1、1と2、或いは0と2は全く矛盾しないのですが、本当に上手に運転するためには、全てのレイヤーの「上手」を組み合わせて実践できなければなりません(^_^;。
因みにもうお解かりの人は多いと思いますが、i-DMでトレーニング出来るのがレイヤー0と1、G-Bowlアプリでトレーニング出来るのがレイヤー1と2です。両者で被っているのはレイヤー1(加速度一定)だけです。i-DMsのメンバーなら、なるほど~ってスッと腹に落ちると思います(^_^;)。
世の中にはトレーニングツールとして「i-DMか?G-Bowlか?どっちが良い!?」みたいなトンチンカンなことを言う人が居るwのですが、こうして説明すると、両者を並べて比較している輩が如何に運転音痴wwか良く解るでしょ?w
したがいボクが両方を組み合わせて活用している理由は、i-DMだけではレイヤー2を教えることが出来ないし、G-Bowlアプリだけではレイヤー0のトレーニングが出来ないから、なんですね。(^_^)b
さて最下位から3階層のレイヤーを上記の通りに規定すると、更に上位階層があるとしたら、それは何でしょうか?
レイヤー3
公道(一般道)の単独走行。ドライバーが運転するためには運転免許が必要wで、公道を走るための様々な法律(道交法)を覚えるwこと。制限速度、信号、一時停止の標識など、ルールを守って車を走らせること。
レイヤー4
公道(一般道)の走行ですが、自分以外の他車、歩行者や軽車両などが入り乱れるw道路環境で円滑に車を走らせること。
なぜ
この二つにレイヤーを分けるのか、解る人は居るかなぁ~(笑)。
こうして階層を分けると、安全運転という概念は実はレイヤー4から(つまりレイヤー3の上に乗っかる形で)登場してくることがわかると思います。レイヤー3から公道を走るワケだから安全運転は必要…と思うでしょ?そらそーなのですが、単独走行で道交法を完璧に守れば、それはイコール安全運転ですから(笑)。
そしてここでもレイヤー0~2と同様で、レイヤー3で完璧な運転が出来ればレイヤー4でも上手か?とは限りませんし、逆に道交法なんか無視して走り回っても、なかなか事故に遭わずお巡りさんにキップを切られないラッキーな人wも、世の中には居るかもしれません(苦笑)。
さて、以上のように階層を分けて改めて整理してみると、案外色々なことが見えてきます。レイヤー毎の独立性、レイヤー間の関連性、どんな運転が「上手い」のかを論じる場合に、上記に定義した5階層のどれについて論じるのか?階層を跨がないことを意識して議論をすれば、案外迷走せずwに、一定の結論が導き出せるでしょう。
ちなみにモータースポーツなどの「スポーツ走行」に於ける上手の議論はレイヤー0~2までの3レイヤーに限定されます。
一般公道の「日常運転」に於ける上手の議論はレイヤー3と4。勿論レイヤー0~2を踏まえた上でレイヤー3の運転が出来て、更にレイヤー4までクリア出来れば「もの凄く運転が上手」なワケですが、レイヤー0から2がちゃんと出来ていないとダメか?といえば、必ずしもそうとも言い切れません。上手いか否かはともかくとして、少なくとも安全運転をするという点に於いてはレイヤー0から2は「Nice to have」ではあっても「Must」ではありませんね、残念ながらA^_^;)。
因みにボクがかつて
レイヤー4の領域に特化して書いたブログがコチラ。
車間距離と予測運転 (2015/02/14~)
ご参考まで(^^;)。
Posted at 2019/07/16 21:47:43 | |
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