ポルシェの自由業と浮谷東次郎

小雨降る日曜日。　千葉県船橋市のIKEA Tokyo-Bayで買い物をした私は、同じ市内にあるMax and Son's Coffee Roasterへクルマを走らせた。

IKEA Tokyo-Bayの西隣は1965年に船橋サーキットがオープンしたが1967年に営業を終了、翌年に船橋競馬場内からオートレース場が移転してきたが2016年3月末で営業を終了した。

Max and Son'sで遅めの昼食にメキシカンピザをいただき‥‥


お店にあった「CARグラフィック臨時増刊・'69国産乗用車」を見ていると‥‥


「私の選んだ２台の国産車」という記事があり、「浮谷垙次郎　自由業 / ポルシェ・クラブ会員」という人の「自由業」なる表記が目にとまった。


マスターさんに見せると、23歳で早世したレーサー・浮谷東次郎（1942～1965）の親族ではないかという話になった。　浮谷東次郎は隣の市川市の出身で、R14沿いの生家跡にある教会や、船橋サーキットに関連がある思い出話を聞かせてもらった。
浮谷東次郎は1965/7/18の船橋サーキットでのレースで見せた奇跡的な逆転優勝で注目を集めたが、翌月の鈴鹿サーキットでの練習走行中にコース上に居た人間を避けた際の事故で死亡。　プロレーサーとして活動した期間はわずか２年足らずだった。

〔浮谷東次郎展 at MEGA WEB，2009/11/15撮影〕


帰宅して「浮谷垙次郎 ^※」をネットで調べてみると、浮谷東次郎の父親だった。
浮谷東次郎のWikipediaには「浮谷家は地元の庄屋の家柄で大地主。ガス会社や自動車教習所などを経営しており、経済的に恵まれた環境で生まれ育つ。」と書かれているので、この場合の「自由業」は「経営者」といったところか。
市川市の初代市長・浮谷竹次郎と親族のようだが家系などは未確認。

日本ポルシェクラブ関東支部のＨＰの歴代会長の一覧の３代目に浮谷洸次郎の名前があった（1975年12月に逝去）。　1963年のクラブ創設時は副会長で、CG誌1963-09号のクラブの記事に登場していた。


他には、横浜で開催された「ザ・コンクール・デレガンス・ジャパン2013」に展示されていたランボルギーニ 400GT 2+2 (1967)の初代オーナーが浮谷洸次郎で、イベントを見に行った時の写真があった。



久しぶりに訪れたカフェで見たクルマの本の「自由業」という表記が目にとまった事から、色々な話に繋がったり調べ物になったのであった。

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※ Unicode以前はPCで「垙」の字が扱えなかったため「洸次郎」という表記が多い。　浮谷東次郎 websiteでは「浮谷こう次郎」と平仮名で書かれている。