
水素自動車ネタのラスト.最後はメーカー市販のクルマです.
このクルマを初めて見たのは,2006年頃にマツダのR&Dセンターのイベントに行った時.これを見る事ためだけにわざわざ横浜へ行ったはずなのですが,正直クルマ自体の記憶はおぼろげで,R&Dセンターが子安駅から意外と遠かったとか,ロータリーの歴史紹介で展示されていたルーチェがイベント用に借りた車両で「極悪-排出ガス」のステッカーが貼られていたとか,その場でばったり大学の先輩に会ったとか,そんなどうでもいい事の方が記憶に残ってます.
という事で(?),今回はマツダの水素ロータリーエンジン車「RX-8 HYDROGEN RE」の話です.
リース限定とはいえ販売されたクルマなので,外観上は普通のSE3Pと同じですが,このクルマには,水素がなくなった時にガソリンに切替えて走れる「デュアルフューエルシステム」が搭載されています.
スペックはご覧の通り.水素はガソリンに比べて低発熱量が少ないので出力が半減するのが悲しいところですね.
水素ロータリーエンジンの開発も歴史があり,1991年のHR-Xに始まり,2008年のプレマシーまで17年間も開発されていました.この写真には載っていませんが,途中1993年にはNAロードスターにロータリーを積んだ試作車も作られています.
デュアルフューエルシステムと言っても,単純に水素用のインジェクターが追加されただけで,13B-RENESISである事には変わりありません.個人的には,この13B-RENESISをコントロールするECUが,水素用とガソリン用とで完全にCPUを分けたデュアルCPUである事に興味があるのですが,当然,そんなモノは外観から分かりません(苦笑).
このクルマが開発された理由は,ノルウェーの国家プロジェクト「HyNor(Hydrogen Road of Norway)」に参加するためで,その証拠に展示されている車両もよく見ると,左ハンドルである事が分かります.
このクルマは約30台ノルウェーに提供する予定だったそうですが,マツダの副社長曰く「ビジネスとして成立しなかった」そうで,「
インフラ環境が劇的に変わらない限り,水素ロータリーの開発は凍結!」と宣言しています・・・.
以上,水素ロータリーエンジンの話でした.
ちなみに,この「RX-8 HYDROGEN RE」ですが,調べてみたところ筑波サーキット(TC2000)を走った事があるようで,YouTubeに動画がありました(↓).
(パドックを走り回っているだけみたいですけど・・・笑)
一応,コース上のリザルトも見つけました(↓).
平均ラップタイムが1分53秒なので,1分50秒を切れれば,水素自動車のコースレコードのようですね(笑).
これから先,間違いなく電気自動車は増えていくと思いますし,発進時から最大トルクを発揮出来るモーターのポテンシャルも理解はしてはいるのですが,それでも,ドライバーをヤル気にさせるエキゾーストノートというのは,サーキットにおいて不可欠だと思うので,水素でも何でも使って,この先もエンジンを使ったモータースポーツが生き続けてくれる事を祈っています.
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車両見学(ミュージアム) | 日記
Posted at
2020/02/20 00:00:43