長らく引っ張った日光ネタもこれでラスト.最後はプロの走りと比較しつつ自分の走行の反省会(回)です.
ここまで分析した結果から一番の問題点はS1,特に1~2コーナー間である事は明白なのですが,比較してみると実はS3の10~11コーナーにも問題がある事が分かりました.どうやら私はこういう長ーく回り込む低速コーナーがホント苦手なようですね.これの克服には一体どんな練習をしたら良いのやら・・・?
それではロガーデータで比較しつつ順番に見ていきます(赤:プロ 青:私).
1コーナー進入
1コーナーの進入速度はプロ(赤)の方が0.8km/h高く,アタックに入る前の11コーナーの立ち上がり方の差が地味に効いているのかなぁ~?と思いましたが,タイム差で見てみると,実は私(青)の方がほんの僅かに速い.えっ? なんで??と思い,ライン取りを見てみると(↓),
私(青)の方がINに寄るのが早い.つまり,距離的に短かったからタイムとして速かったようなのですが,それよりもプロ(赤)はこんな外側から回り込んでくるんですね! 私(青)はほぼスタートラインから1コーナーに向かって真っ直ぐ向かっている感じなのですが,プロ(赤)はスタートラインから大分先に行った後でターンインを開始しています.
コレ,どの辺りなんだろう?と思い,車載で確認してみると(↓),
1コーナーの外側にある縁石(ペイント?)に右フロントが乗っかったくらいの位置のようです(↓).
私はここはずっとIN側を見ているので,外側に縁石(ペイント?)がある事に今初めて気づいたくらいなのですが(汗),なるほど,ここら辺までターンインするのを我慢しないと,この先で苦しむんですね・・・.
1~2コーナー間
ここは,ゆるゆると徐々に減速させていくプロ(赤)に対し,一気に減速して,その後再加速するギクシャクした走りをしているのが私(青).
減速が早く・大きい分だけ当然私(青)の方が遅く,スタートラインから僅か80mで0.13秒も引き離されます.一応,ブレーキング終了後の再加速で0.05秒取り返しはするのですが,トータルとしては0.08秒遅れとやっぱり遅いです・・・.
ちなみに,この時のフリクションサークルを見てみると(↓),
私(青)の方は瞬間的に1.1Gまで減速Gを出した後,0.4G付近まで落ち着いてからコーナリングを開始しているようなのですが,プロ(赤)の方は最初から減速Gを0.4Gまでしか出しておらず,クルマが曲がるのに必要最小限の減速度だけを出している事が読み取れます.これが理想形である事は分かっているのですが,この弱いブレーキングが私には真似出来ない・・・.一体どうやったらこれを身につけられるのだろう?
2コーナー
ここは2コーナーに対するアプローチの仕方が大分違うようです.
プロ(赤)の方は1コーナーの進入から続く,ゆるゆるとした弱いブレーキングを続けて,この辺り(↓)にボトムをとっているようです.
まさに当日朝,ドラミで解説されていた攻略法そのものです.これに対し私の方は(↓),
ちょうど2コーナーのエイペックス付近をボトムにしていたようです.車速のグラフに戻るとボトムを手前にした私(青)の方が早くアクセルを開けられているようなのですが,2コーナーの頂点からアクセルを開け始めたら3コーナーを曲がれるはずがないので,結局途中で失速して,プロ(赤)に逆転される構図となっています.このように両者の走らせ方は大分異なる訳なのですが,最終的には0.11秒プロの方が速いので,やっぱり私のこのギクシャクした走らせ方はダメなんでしょうね・・・.
ならば!と思い,プロに似た走らせ方をした
私の2本目と比較してみると(↓),
プロ(赤)の波形に大分近い軌跡を描けていますが,私(青)の方は1コーナーでの突っ込みが足りていないのと,
シフトダウン操作に気を取られて,途中でアンダーステアを出しちゃっている点がダメですね・・・.
(多分途中でブレーキの踏力が抜けてる)
5~6コーナー進入
ここはラインの組み立て方が全然違いますね.
プロ(赤)の方はクリップを外して6コーナーのバンクを使う想定であるため,5コーナーもクリップを無視して速度重視の大回りをしています(↓).
対して私(青)の方は「とにかく小さく!小さく!」と距離重視で小回りしていたため,早めに6コーナーのINに寄っていきます.まさに速度重視 vs 距離重視の構図なのですが,6コーナー進入の断面で見てみると速度重視(=プロ)の方が0.05秒速い結果となりました.
6~7コーナー進入
そこからブレーキングして6コーナーに入って行く訳なのですが,外から大回りで進入している分,プロ(赤)の方が角度が緩く,ボトムスピードが6km/hも高いです(↓).
これで差は0.08秒となり,ここから先は引き離されるだけか・・・と思ったのですが,7コーナーの立ち上がりで様子が変わります.
7コーナー立ち上がり
高いボトムスピードを維持したまま,大きな旋回半径で6コーナーを抜けたプロ(赤)の方が当然,立ち上がりも早くアクセルを開けているのですが,この辺りで(↓),
フロントタイヤが限界を超えたらしく,速度が伸びなくなっていました(やはり一刻も早くフロントのキャパを上げねば・・・).一方,私(青)の方は7コーナーのクリップを取るべく,クルマの向きを作っていたので縦に進める余力が残っており,そこから先の車速の伸びは私(青)の方が良かったようです.これで瞬間最大0.17秒開いていたプロとの差は,ここから先で少しずつ縮まっていく事になります.
8~9コーナー
6コーナーの立ち上がりが上手くいった事で,8コーナーまでに上手くスピードをのせる事ができ,8コーナー進入時点での速度は私(青)の方が高い結果となっています(↓).
ここで1つ興味深かったのは,プロ(赤)の方がINに寄せていくタイミングが早い点です(↓).
確かにプロの車載を見ていた時も「えっ? そこからもう切り込んで行くの!?」と思ったくらいだったのですが,多分これは私の方が切り遅れているんでしょうね.感覚そのものが合っていないという事なんだろうなぁ~と思いました.
10~11コーナー
先程の高速コーナーでは切り遅れていたのに,今度の低速コーナーでは逆に私(青)の方が早く切り込んでいます(↓).
「速度が高い時は手前から,速度が低い時は奥から」がステアリング操作の鉄則だと思うのですが,私(青)はその真逆をやっているのが白日の下に晒された感じです.こういうトコがまだまだ下手くそですね・・・.
それはさておき,ここでもプロ(赤)は1~2コーナーと同様に,ゆるゆるとしたブレーキングを披露しています.
「手前で止め過ぎず,ボトムを奥にとる」という当日朝のドラミで言われた事そのままのドライビングです.「これが真似出来ないんだよなぁ~」と思いつつ,アレッ? どこかでこれと似たようなものを見たなぁ~?と記憶を辿ってみたところ,C:羊さんに見せて頂いたプロがTC2000でDC2を走らせた時の車載を思い出しました(↓).
この時もプロは,とんでもなく奥にボトムの位置をとっていて驚愕したのですが,そうか,日光の1~2コーナー,10~11コーナーのブレーキングはTC2000の最終コーナーのブレーキングに通じるものがあるのか・・・.という事はTC2000で練習すれば日光も上手くなるのかな?(ん? 逆か?? 日光で練習してTC2000か???)
これら3つのコーナーを私が苦手としているのは間違いないので,「手前で止め過ぎず,ボトムを奥にとる」練習をこの夏は積まないとダメですね.
以上,プロとの比較で炙り出された課題でした.
ふむ,もはや「低速コーナーは苦手」とか言い訳してる場合じゃないですね.同じクルマでプロは出来ているのですから,この「手前で止め過ぎず,ボトムを奥にとる」ブレーキングを私も身につけないとこの先の伸び代はないですね.
問題はその練習をどうやってするか? プロみたくもっと高い速度域で走っていれば(速いクルマに乗れば),こんなブレーキングは余裕で出来るようになるんでしょうが,そんな鍛錬はそうそう出来ないしなぁ・・・.100km/hオーバーの車速域からブレーキペダルを踏まず,エンブレだけで曲げる練習をひたすらするしかないのかな?(しかもRがキツめの回り込むコーナーで) そうするとやっぱり広場トレーニングかぁ~? 富士 or もてぎ辺りの練習会を探してみるか・・・.