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2026年08月20日 イイね!

F1ショーカーのお勉強

F1ショーカーのお勉強クルマがなくなってしまったので展示を観に行く機会も失い,昔の話を思い出してブログに纏め直す以外ネタもなかったのですが,久方振りに「クルマがなくても見に行ける展示」があったので観て行って来ました.

イベントは「Powered by Honda -Phase2 Begins-」なるホンダ主催のもので,港区虎ノ門にある「虎ノ門ヒルズ ステーションアトリウム」で行われていました.

展示されているのは1965年の「Honda RA272(↓)」と,



2026年の「Aston Martin AMR26(↓)」.



「AMR26」とは言っても,4ヵ月も開発が遅れて苦戦している,あの「AMR26」の実車がこんなトコにいるはずがないので,当然ショーカーな訳なのですが,2026年規定のF1カーはまだ観た事がなかったので,どんなもんか観に行ってきました.


展示車の話の前に,そもそもなんでこんなイベントを開いたんだ?と調べてみたのですが,ホンダ公式のプレスリリースはなくSNSで告知されているのみでした.今年に入ってからこのショーカーが各種イベントで引っぱり出されているのは知っていましたが,「この時期になんで虎ノ門?」と思って考えていたのですが,そういえば青山の本社が解体されて(↓),



今は虎ノ門の「アルセアタワー」に本社があるんでしたね.「あ~,本社のお膝元であるこの虎ノ門で,今週から再開するF1の後半戦で,新型パワーユニットを投入して反撃する事をアピールする目的だな・・・」と察しました(前半戦のあの惨状ではアピールしたくても出来なかったでしょうしね).


目的が分かったところで,肝心のショーカーを観て行く訳なのですが,そもそものこのショーカーがよく分からないんですよね.「AMR26」の実車は開発方針の変更により,4ヵ月も開発が遅れてシーズン前のテストに間に合わないくらいだったのに,3月の日本GP前からこのショーカーは日本にいたんですよね.



「開発が大幅に遅れているのに,ショーカーなんて仕立てている余裕はないだろ?」と思い,旧型に「AMR26」のリバリーを施して展示しているのかと思ったのですが,旧型とは形が似ても似つかぬクルマに思えました(とはいえ,実戦仕様の「AMR26」とも全く形状が違う・・・).


「なんなんだ? このクルマ??」と思い,色々調べてみたところ,どうやらF1のショーカーを専門で製造する会社が存在するようです.



イギリスにある「Memento Exclusives」という記念品を製作する会社が,F1の公式ライセンス商品としてショーカーの製造・販売を行っているそうです.「そんな会社があるんだ!」と驚きつつ詳しく調べてみたところ,このショーカーには以下のような特徴があるそうです(↓).

  ・各F1チームから直接提供された本物の設計データをベースに,実車とほぼ同じ方法で作られている
  ・エンジンや油圧システム等の内部機構は省かれているものの,外観や構造は本物のF1カーを再現している
  ・2026年の新規定で小型化されたシャシーや,複雑な空力パーツも1mm単位で正確に再現している
  ・実車と同じく,オートクレーブでカーボンを焼き上げて製造しているため,実車並みの強度と美しさがある
  ・フロントウィングやリアの衝撃吸収構造が補強されており,タイヤ交換のデモや練習にも使える
  ・ショーカーをイベントで使い易くするため,フロアは分割式になっている
  ・ノーズコーンとフロントウィングは,瞬時に脱着出来るよう独自の固定方法が取られている
  ・エキゾーストには熱処理を施し,リアルな焼け色を再現している
  ・ステアリングには実際に動作する液晶スクリーンを搭載し,本物に乗るF1ドライバーも認める仕上がり
  ・タイヤは,ピレリ製の本物タイヤが装着されている

あ~,なるほど,最近のシミュレーター向けに,本物を模したモノコックを公式な許諾を得て設計・製造しているため,その延長線上で1台丸々模した商品を作ったという事ですね.


「なるほど,それなら本物が完成していなくても,ショーカーを仕立てられるわなぁ~」と思いつつ,先述の通りアストンマーチンは4ヵ月も開発が遅れていたので,設計データを外部に提供するなんて出来なかったはず・・・(実際ホンモノとは全く違う形をしてるし).となると,このショーカー用のデータはどこが提供したんだ?と思い,このショーカーに似ているクルマを探したところ,ありました(↓).



FIAが2026年のレギュレーションを紹介するために作った,レンダリングイメージ(CG)ですね.という事は,このショーカーは「AMR26」だと思って観るのではなく,レギュレーションを策定したFIAが「こういう形のF1カーにしたかったという理想像」だと思って観れば良い訳ですね.なるほど,なるほど.


・・・という事で,クルマの素性が理解出来たので細かく観ていきたいと思います.



2026年からホイールベースで200mm,全幅で100mm小さくなりましたが,依然として大きいですね.タイヤはフロントで25mm,リアで30mm細くなりましたが(↓),





依然として18インチホイールを履いているので(↓),細くなった印象は受けないですね.



なお,個人的にはタイヤからはみ出るような形のホイールフェアリングが気になりました(↓).




パワーダウンを補うため,アクティブエアロ(前後のウイングが寝る)が採用されましたが,ショーカーなのでフロントウイングは完全に固定式ですね(↓).



フロントウイングは100mm幅が狭められてますが(↓),



翼端板の外にこれだけデカいウイングレットを備えていると(↓),



それほど小さくなった印象は受けませんね.下側のウイングレットは,入口が広く,徐々に外側に細くなりながら低い位置を目指しているので(↓),



その辺りに流すとドラッグが減るのかなぁ~?と想像を掻き立てられました.なお,ノーズ⇔フロントウイングの間には,先述の通りタイヤ交換の練習にも使えるよう,真ん中にステーを追加して補強しているのが見えました(↓).




リアは2025年以前の「DRS(Drag Reduction System)」のデザインをそのまま流用した感じですが(↓),



2025年以前のものは翼端板の上端がなく曲線的なデザインでしたが,それと比べると翼端板が主張しているので,ちゃんとウイングっぽい感じですね.その下に目を移すと,ビームウイング(翼端板の真ん中辺りにあった支えとなる中段ウイング)が廃止されているのが分かります(↓).



ショーカーですが,リアウィング・エンドプレートライトもちゃんと再現されているようですね(↓).



2026年話題の「FTM」は,ショーカーなので当然再現されていません(↓).



個人的には,マフラー下のインパクトストラクチャーの突き出しっぷりが凄くて印象的でした.


フロントのホイールアーチは廃止されたので,シンプルなブレーキダクトといった感じ(↓).



ただ,リアの方はハブにこんなフラップが追加されていて(↓),





ショーカーなのに作り込みが凄いですね.


ボディワークを観て行くと,ミラーのステーが複雑で(↓),



どっちか1本で良くないか?と言いたくなります(笑).シート前のウインドリフレクターもギザギザの形状になっており(↓),



ドライバーの視界に入る範囲は,本物っぽく作られているという事なんでしょう.
その下の冷却用の吸入口はショーカーなのでシンプル(↓).



ただ,それよりももっとシンプルなのがサイドポッドで(↓),



フロアがから浮かせた二重構造になっているものの,ひたすら単純に真っ直ぐ伸びているだけで「いかにもショーカー!」って感じがして,ある意味好きです(笑).



小ぶりなシャークフィンも最早見慣れちゃいましたね.


グランドエフェクトカーではなくなかったので,フロアの入口は大分雰囲気が変わり,サイドポッド前にあるウェイク抑制用のボードが目立ちます(↓).



空気の取り込み口も低く・小さかったです(↓).



フロア後端も手が入っていますが(↓),



本物がこんな単純な形状なはずがないので,やっぱりショーカーだなぁ~って感じです.


以上,クルマがなくても見に行ける展示として,F1のショーカーを観て来たお話でした.




ちなみに,展示されているのは「虎ノ門ヒルズ ステーションアトリウム」ですが,東京地下鉄日比谷線の「虎ノ門ヒルズ」駅のホームからも,こんな感じ(↓)で遠目に観る事が出来ます.



8/26まで展示されているそうなので,移動のついでに一目観るのも良いんじゃないでしょうか?
2026年08月11日 イイね!

NASCARのパンフレット

NASCARのパンフレット2025年11月に富士スピードウェイに行ってNASCARを観て来たのですが,実はNASCARを観るのはこれが初ではありませんでした.

遡ること27年前,1999年のツインリンクもてぎで行われた「NASCAR Winston West Series Coca-Cola 500」を観たのが初でした.当時はまだ大学生で確か電車(真岡鐵道 真岡線)を使って行ったんじゃなかったかな? 先日取り壊されたオーバルコースでグルグル回るNASCARを,芝生の上から遠目に観た記憶があります.

・・・で,実家に帰省した際に「そういえば当時のパンフレットが残っていたような~」と押し入れを漁ったらありました!



当時は(今も?)別にNASCARへの関心が強い訳ではないので,パラパラと捲った後,そのまま本棚行きだった記憶がありますが,今回見返してみたところ,NASCAR車両の解説が結構丁寧にされていたので,少しまとめておこうと思います.


内容に入る前に,そもそも当時観たNASCARは一体何だったのか?と調べてみると,アメリカンモータースポーツへの関心を高めようと,1996~1997年に鈴鹿サーキットの東コースで「NASCAR Thunder Special」としてエキシビジョン戦が行われたのが事の始まり.その後,新たに完成したツインリンクもてぎへ場所を移し,1998年にオーバルコースでエキシビジョン戦を実施.その翌年(1999年)に遂に公式戦として「NASCAR Winston West Series Coca-Cola 500」が行われたようです.

「Winston West Series」というのは,NASCARのトップカテゴリーである「CUP SERIES(↓)」よりも下のカテゴリーで,



今で言うところの「Xfinty SERIES(↓)」,



「TRUCK SERIES(↓)」,



よりも更に下,EASTとWESTに分かれる「Regional ARCA MENARDS SERIES(↓)」,



・・・に相当するシリーズだったようです.所謂ところの地域リーグ,ワンメイクレースで言うならウエストなので西日本シリーズって感じでしょうか.

地方戦なのでトップカテゴリーである「CUP SERIES」よりもコストダウンを優先しており,使われている車両の違いを調べてみると,こんな感じでした(↓).

  エンジン  ・・・ CUP SERIES:750~800PS    Winston West Series:600~650PS
  タイヤ   ・・・ CUP SERIES:ラジアルタイヤ  Winston West Series:バイアスタイヤ
  シャシー ・・・ CUP SERIES:最新型       Winston West Series:1世代前

1999年当時の「1世代前」って第何世代なんだ?と調べてみると,1992~2006年の間で使われた「第4世代」だそうで,ボディには以下の種類があったそうです(↓).



ちなみに現在の「Regional ARCA MENARDS SERIES」では,シャシーは「第4世代」のままですが,



ボディは2013~2021年に使われた「第6世代」に変更され,両者を組み合わせた仕様なんだそうです(コスト抑制のためだとか).


車両の素性が分かったところで本題に入ります.まずはリアウイング(↓).



トランクにリベットもしくはボルト留めされたアルミ製のリアウイングは固定式なので角度調整は出来ず,サイズは幅:1650mm,厚さ:3.2mmとなっているそうです.面白いのはウイングの中央部にスリットが入っていて,このスリットにボディ形状を測るテンプレートが差し込まれるようになっているのだとか(上の画像の左側).このスリットはあくまで車検用なので「走行する際にはテープで隙間をふさいでいる」とも書かれていました.


次はウインドウに付けられたNACAダクト(↓).



見た目通り室内のクーリング用であるのは勿論の事,「ガソリンタンクのため」とも書かれているので,やはりパーコレーション対策として必須なんでしょうね.


そして,ルーフフラップ(↓).



先日も富士でレーシングカーが宙を舞うインシデントがありましたが,高速で周回するNASCARには必須の部品ですね(四半世紀前からあったんだ~と思いました).


フロントに回って,ヘッドライト(↓).



光の加減まで再現しているというヘッドライトのダミーステッカー.ヘッドライトの隣のポジションランプも同じくステッカーでなんだそうです.


最後に,ネット(↓).



NASCARはドアが開かないので,サイドウインドウから跨いで中に入るのですが,入った後は防護ネットを貼るそうです.ちなみに左側の写真のドライバーのヘルメットの横に突き出ている部品は,横Gが掛かった時にヘルメットを支えるサポート器具だそうです.


ここまでが外観の解説ですが,内部の解説も丁寧にされています.最初はロールケージ(↓).



板厚3/4~1インチのスチール製の鋼管で,メイン・フロントサブ・リアサブの3分割構成となっているそうです.


そのロールケージに直接固定されるフロントのアッパーアーム(↓).



ダンパーは市販品を使う事が定められており,長さは600mmまで.トレッドも1530~1537mmと定められているそうです.


次はブレーキ(↓).



フロント側(上の写真)は3本のダクトが引かれているのが見えます.結構大掛かりですね.車重が車重ですし,これくらいやらないと厳しいんでしょうね.一方,リアはシンプルに見えますが,サスペンション類はチェーンやワイヤー等のテザーでシャシーに結合する事が義務付けられているそうです(この年代からやってたんだ!).


次はデフ(↓).



NASCARのミッションは4速ですが,どのコースでも4速を使い切れるようにファイナルでギヤ比を合わせ込むのだとか.ギヤ比の変更はデフを下ろして差し替える方式だそうです.


そして,エンジン(↓).



アメリカ伝統のOHV V8.排気量は5736cc,圧縮比は9.5だそうです.上の画像の中央部にある白い物体はエアクリーナーだそうで,これを外すとこんな感じになるんだとか(↓).





そして,燃料タンク(↓).



容量は20ガロン(76L).NASCARだとピットで給油タンクを担いだメカニックが差し込んでいる姿を見かけますが(↓),



このタンク1本で11ガロン(41L)給油出来るそうで,フルチャージに掛かる時間は10~13秒程度なんだとか.


タイヤは,オーバルコース独自の「スタッガー」が施されています(↓).



オーバルは左周りにしか走らないので,右側のタイヤを左側より最小で1/2インチ(12mm),最大で8インチ(240mm)大きくするのだそうです.この「スタッガー」の調整は内圧で行っており,計測の仕方はメジャーでグルッと巻いて測る形(↓).



こういうところがアメリカンですね(笑).


最後にホイール(↓).



ナットはタイヤ交換の時間短縮のため,予めホイールに接着しておくのだそうで,そのやり方が書かれていました.

  ①ホイールの穴をグラインダーでキレイに掃除
  ②ラグナット専用のボンドをナットに塗る
  ③ボンドを塗ったナットをホイールに接着
  ④ナットとホイールハブの平行を出すために上に重りを載せる

今年6月にNASCARスープラのホイールを観た際(↓),



なんでこんなに座面がボロボロなんだろう・・・?と思いましたが,グラインダーで削ってるなら,そりゃ,こうなりますわな(笑).


以上,27年前にツインリンクもてぎで観たNASCARのパンフレット話でした.
Posted at 2026/08/10 17:33:47 | コメント(0) | トラックバック(0) | 国際サーキット | 日記
2026年08月10日 イイね!

新潟のご当地アイス

新潟のご当地アイスEF8の先輩から「知り合いとモーターランド三河走ってきた」と報告があり,「その帰りにコメダ珈琲に寄ってかき氷を食べた」と写真が送られてきて,「新潟県民なら,もも太郎アイスは知っているか?」とタイトル画像のヤツを聞かれました.

それを見た瞬間,「あっ! もも太郎!!」と思わず反応してしまい(笑),詳しく話を聞いてみたところ,どうやら東日本にある店舗のみ「もも太郎氷」を販売しているそうです.

「もも太郎アイス」に関しては,2025年にピンククラウンを観に行った時にネタにしたのですが(↓),



反応が薄かったので「知られてないんだなぁ~」と思っていたのですが,後に「JAF Mate」の2026年夏号を読んだ時に(↓),





「47都道府県 ご当地アイス」という特集の中で(↓),



新潟県の1位として「もも太郎」が紹介されていました.これを見て「あ~,もも太郎ってご当地アイスだったんだ~」と初めて知りました(苦笑).どうりで新潟県外で見ない訳ですね・・・.


こうなるといつものパターンで気になるので調べてみたところ,昭和初期に新潟のお祭りや駄菓子屋で売られていたハート型の赤い氷菓子を「桃型」と呼び,それに棒を刺したものを「モモタロウ」と呼ぶようになったそうです.



また,「もも太郎」という名前ではありますが,味は「いちご」で「りんご」果汁も入っているとの事.確かに桃の味はしなかったなぁ~と子供の時に食べた記憶が蘇りました.


そんな事を懐かしく思いつつ,そのまま特集を眺めていたところ,新潟県の2位に書かれている「ビバオール」というアイスは全く知らない・・・(↓).



どんなアイスなんだ?とこちらも調べてみたところ,1970年代に東北地方を中心に親しまれ,いちご味のアイスと,中に入ったとろりとしたソースが特徴の棒付きアイスバーとの事(↓).



パッケージを見ると確かにデザインが古めかしい(笑).なんでも,1970年代に東北地方で販売され,1997年に一度販売が終了.その後,新潟県に本社を置く「セイヒョー」が復活させ,2017年に「ビバリッチ」として製品改良したものの,2023年に「ビバオール(Viva all)」として再度復活させた製品なのだそうです.紆余曲折はありますが,実は最近の製品だったんですね.


こうなると一度食べてみたいなぁ~という事で,実家に帰省した際にスーパーで探してみたところありました!(↓)



母親も「ビバオールは食べた事がない」との事で,早速食べてみたところ(↓),





確かに典型的なラクトアイスですね.外側のいちご味はそれほど強くなく,中のとろりとしたソースの方が味が濃くて美味しい♪


ついでに「もも太郎」も買って食べ比べをしてみましたが,



こちらは「氷菓」の名の通り「氷のお菓子」といった感じで,かき氷の塊を食べている感じ.3時のおやつとして食べるなら「ビバオール」の方が良いですが,汗をかいた後の涼みで食べるなら「もも太郎」の方が良いですね.


以上,「もも太郎」ネタを振られた事に端を発した,新潟のご当地アイスのお話でした.
Posted at 2026/08/13 01:11:13 | コメント(1) | トラックバック(0) | その他 | 日記
2026年08月02日 イイね!

ドラッグ用タイヤのお勉強

ドラッグ用タイヤのお勉強私はクルマを走らせる時,ストレートをかっ飛ばすよりもコーナーから如何に速く脱出するか?の方に面白さを感じるので,たった1/4マイル(400m)の速さを競うドラッグレースにはあまり興味がないのですが,最近観ているYouTubeの技術解説動画にドラッグカーの解説がアップされていたので,暇潰し感覚で観てました.

大半の内容は「やっぱり特殊な世界だなぁ~」と思った訳なのですが,タイヤに関する内容が興味深かったので,ちょっと纏めておきます.

まず,今回観た動画はコチラ(↓).


(Driver61:この天才的なマシンが時速345マイルを3.7秒で出せる理由より)


「Drag Star」と呼ばれるドラッグレース専用車両は,15,000PSというクルマとは思えないような強大なパワーを発揮し,このパワーを路面に伝えるタイヤもまたとんでもない代物となっています.



サイズは幅:17インチ(430mm),高さ:36インチ(910mm)と自動車用とは思えないくらいデカいですが,それよりも驚くべきはサイドウォールの柔らかさ(↓).



ご覧の通り,指で押して凹むくらいサイドウォールがメチャクチャ柔らかい! これだけ大きなタイヤであるにも関わらず,内圧はたった6.5PSI(約0.46キロ)にしか設定しないそうです.



この柔らかさを使ってタイヤを捩じり,スタート時の接地面積を稼ぐのだそうですが(↓),



ならば,低ければ低いほど良いのか?というとそんな事はなく,低過ぎると今度は中央部分が凹んで,逆に接地面積は減り(↓),



それによってホイルスピンし易くなるのだそうです.


また,サイドウォールの柔らかさを使って色々な事を成立させているそうです.
1つ目はダンパーの代わり(↓).



ドラッグレースのクルマにはダンパーなんてついていないそうで,衝撃の吸収は全てこのタイヤのサイドウォールが担っているのだそうです.タイヤのシワ=ダンパーという事ですね.


2つ目がトランスミッションの代わり(↓).



スタート時は強大なパワーによりタイヤが潰れて小径化し,その後クルマが加速し始めると,今後は遠心力でタイヤが徐々に膨らんで大径化するそうです.この小径→大径にリニアに変化する動きは「CVT(Continuously Variable Transmission)」そのものですね.なお,小径→大径への変化量は7インチ(177mm)にもなるそうです.


以上,ドラッグレース用のタイヤに関するお勉強でした.

勿論,我々が日頃使っているタイヤはこんなにサイドウォールが柔らかい訳ではないので,これと同じような大きな変化が起きる訳ではありませんが,同じゴムで出来たタイヤである事に変わりはないので,ミクロの世界で考えれば似た現象が起きているはず(=ドラッグの方がただ見え易いだけ).そう考えると勉強になるに部分があるなぁ~と思う内容でした.
2026年07月30日 イイね!

ブレーキング時の空力

ブレーキング時の空力YouTubeで動画を眺めていたら,面白い画像を見つけました.

デルソルの後部にとんでもなく大きなウイングが付いた画像(タイトル画像参照)なのですが,なんだコレ?と思って調べてみたところ,2019年にポーランドのワルシャワ工科大学が空力の研究のために仕立てたクルマのようです.研究の成果は論文として発表されており,少し気になる内容でもあったので抜粋して読み解いてみたいと思います.

論文のタイトルは,「A fully coupled analysis of unsteady aerodynamics impact on vehicle dynamics during braking(ブレーキング時のビークルダイナミクスに及ぼす非定常な空力の影響に関する分析)」で,Jakub Broniszewski氏とJanusz Piechna氏の連名となっています.

研究の目的ですが,ブレーキング時だけボディからせり出してウイングになるような「可動式ウイング(↓)」の効果に関するもののようです.



せり出した後に「固定されたままのウイング」と,ブレーキングを開始した後に「前方に回転(50°)するウイング」とで,どのような違いがあるのか?といったもの(↓).



ブレーキング時なので,当然前傾姿勢になる事を考慮する必要があり(↓),



サスペンションモデルも作って解析したようです(↓).



なお,バネレートはフロント:61Nm/mm,リア:44Nm/mmだそうです.
(多分ノーマルのバネレートが6キロ・4キロなんでしょうね)


実車での試験は,ポーランドのワルシャワにある「Sochaczew-Bielice airport」で行い(↓),



試験車にはフロントスプリッターと可動式リアウイングを付け,GPS・加速度計・ウイングの位置計測器といった装置を積み,ドライバーとナビゲーターの2人が乗り込むので,トータル1300kgくらいの車重との事です.
(ノーマルのトランストップ仕様だと車重は1170kgくらい)



ちなみに,試験車としてデルソルを選んだ理由は,ルーフの後端部がスパッ!と切り落とされ,リアウイング周辺の空間を広く取る事ができ,評価がし易いからだそうです.実車での試験結果とシミュレーションの結果も,かなり合っていたようですね(↓).




さて,「固定されたままのウイング(Stationary airfoil)」と「前方に回転するウイング(Moving airfoil)」のシミュレーション結果に入って行くのですが,予想通り「前方に回転するウイング」の方が早く止まれるそうです(↓).



細かいデータを見ていくと(↓),



図の左上(Total Lift),「前方に回転するウイング(Moving airfoil)」の場合,ブレーキング開始後0.1秒くらいかけて急激にリフト量が減っている様子が読み取れます.その下(Total drag)で同時にドラッグ(抵抗)も増えている事が分かるので,ウイングが回転して角度が増えた事により倍近いダウンフォースが発生したという事ですね.これをクルマ本体(Car:真ん中)とウイング(airfoil:右側)に分けて見てみると,速度が落ちていくのでクルマ自体のリフトとドラッグは減って行きますが,ウイングは一定のリフト量を示しているのも読み取れます.

この結果で興味深いのは,前方に回転し切った後のウイング(Moving airfoil)は固定されたままのウイング(Stationary airfoil)とリフト量が変わらない点ですね.これはなぜか?というと,



車体上面(Upper Surface)は,「固定式のウイング(青実線)」より「回転式のウイング(赤実線)」の方が下に抑え込む力が大きくなるのですが,車体下面(Bottom Surface)は,その力によってサスペンションが沈み込み,フロア自体が逆ウイング形状となる事で「回転式のウイング(赤点線)」の方が,逆に浮き上がらせる力が働くのだそうです.これらが打ち消し合った結果として,「リフト量が変わらない」という現象になるのだそうで,これは興味深いですね.


この現象は,ウイングのあるリア側にしか見られず,フロント側にはほとんど影響を及ぼしていないそうです(↓).



ピッチングの動きを見てみると(↓),



真ん中の図の「回転式のウイング(Moving airfoil)」では,ウイングが動いた0.1秒くらいでピッチ角は増えていますが,その後は絶対値こそ違えど「固定式のウイング(Stationary airfoil)」の傾向と変わっておらず,右側の図のピッチング速度を見てもクルマの動きとしても両者に違いがない事が読み取れます.


以上,ブレーキング時の空力に関するお話でした.

纏めると,ブレーキング時に前方の回転するリアウイングの方が,リアのダウンフォースが増えて制動力は上がる.リアのダウンフォースが増えた事でリアのサスペンションが縮むため,これによってフロアの角度が変わり,回転し切った後のダウンフォース量は一定となる.リアのサスペンションが動くのでクルマのピッチングにも影響を及ぼすが,フロント側には影響は出ず,ほぼリアの動きだけが変わる・・・という事のようです.

勿論,私はこんな可変ウイングを使う気は更々ありませんが,FF車のブレーキングにおいて,リアのスタビリティ向上にウイングがこれだけ効くという事がよく分かる結果でした.リアウイングが効き始めた後のピッチングの動き,それに影響を及ぼすリアサスペンションのバネレート等,知識として知っておくと今後役に立ちそうな気がします.


(フロント:6キロのバネレートで,1Gのブレーキングをすると約1.8°の角度がつく・・・)
Posted at 2026/07/25 16:09:35 | コメント(0) | チューニング(空力編) | 日記

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何シテル?   08/21 17:09
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