
たっぷりと楽しんだ先日の
筑波雨練.走行から2日が経って両腕の筋肉痛は大分治りましたが,やはり常にカウンターに備えて緊張していたんでしょうね.両腕の疲労感が強く,PCの操作をするのも億劫になるくらい怠い感覚がまだ残ってます(苦笑).
とはいえ,折角走って得た情報は記憶が新鮮なうちに振返っておきたいので,腕は重たいままですが頑張ってキーボードを打とうと思います.
いくつか気になる事があるのですが,今回は3本目の最後,減衰を前後共に3段上げた状態の時に起きた挙動に着目してみます.
まず,1コーナーの進入.
ブレーキングを終えて,右足をブレーキペダルから離しつつ,ステアリングを切り込んでいく訳なのですが,一旦ここまで切った後(↓),
リアが流れたのでカウンターを当てています(↓).
カウンターと言っても少しステアリングを戻した程度ですし,ブレーキングの前傾姿勢からステアを切って,徐々に右リアが浮いて行く動きと追従してはいる感はあるので,唐突感もありませんし,左リアタイヤもスライドしつつも支えてくれてますし,まぁ,ここはコントロールの範囲内といった感じです.
なので,問題はその先.カウンターを当てて挙動が落ち着いた後,再びステアリングを切り込んで,さぁ,ここからアクセルを開けていくぞ!という場面(↓).
アクセルを開けた次の瞬間,リアが流れ始めて再びカウンターを当てる羽目になりました(↓).
なお,本来の舵角はこんな感じです(↓).
コレ,私はアクセルを開けた瞬間にリアが流れ始めていたので,荷重がフロント→リアへ移り,リアタイヤに横方向の力が一気に加わったため,耐え切れず滑り出したのかなぁ~?と思っていました.その証拠にリアが滑り出した後,アクセルを戻してリアタイヤに掛かっている力を抜いてやると,テールスライドは止まりました.
話が少し逸れますが,よく「FFはケツが流れたら,ブラジルアクセル!(ブラジル=地球の裏側までアクセルを踏み抜け!)」とか聞きますが,私の感覚からすると「そんな事したら,余計流れない?」と思ってしまいます.リアタイヤに力を加えて限界を超えたから滑ってるのに,アクセルを開けて更に力を入れたら,限界の更に先まで行っちゃうでしょ?と.この辺り,どうも私は他の方と話が合わないんで,よく言い合いになります(笑).
話を戻して,そんな感じで走行直後はリアの限界に問題があるんだろうと私は思っていたのですが,車載を見返してみると,どうも違うメカニズムっぽい事に気づきました.ブレーキング→ターンイン→アクセルONの流れまでは一緒なのですが,問題はそのアクセルONの直後.
注意して聞かないと分からないレベルなのですが,アクセルを開けた瞬間,ほんの少しだけガガガ!とLSDが鳴っているんですよね.そして,その音がした次の瞬間,カウンターを当てる操作が入り,カウンターによってリアが落ち着いた後,再びステアリングを切り込むとLSDがまたガガガ!と鳴る・・・というのが一連の中で起きている事だと分かりました.
これを見て思ったのですが,このテールスライドの原因は,フロントの入りにリアが追従出来ず限界を超えて流れたのではなく,フロントが入らなくて突っ張った状態なのに,それでも曲げようとステアリングを切ったから,クルマを捩じる動きが出てリアが滑り出してしまったのではないか?と(↓).
つまり,原因はリアではなく,フロント(≒LSD)にあるのでは?と思いました.この仮説を信じるのだとすれば,スライドが止まった理由は「カウンターを当てたから(=ステアリングをニュートラルに戻してLSDが効かなくなったから)」になるんでしょうかね? ドライ路面だとIN側のフロントタイヤもしっかりと喰うので,こういった動き(プッシュアンダー?)に気づきにくいのですが,ウェット路面だと限界が低いので顕在化したようです.
ちなみに,これの分かり易い例が同じ周のヘアピンで(↓),
速度が低いのでリアが流れる事はありませんが,フロントが強烈に主張して頭が全然入らないですね・・・.
なお,このフロントの入る・入らない動きの差は,1コーナー・ヘアピン共に進入速度2km/hの差でした(↓).
さて,このセットの気になる点がもう1つ.それが1コーナー進入時のスリップ事象です.
先程のは,ブレーキングを終えた後のテールスライドでしたが,こちらはブレーキング中のスライド.ブレーキング中なのでステアリングは真っ直ぐ保持した状態である事から先程のLSDの件とは別の事象となりそうです.
最初,車載を見た時はシャー!と滑るような音がしているので「フロントタイヤがロックしたのか?」と思いました.ちょうど音が鳴るタイミングが舗装の継ぎ目の辺りだったので(↓),
奥の路面の方がμが低く,同じ踏力で行くと奥の路面に入った瞬間に滑るのか?と思いました.しかし,舗装は奥の方が新しいはずですし,そもそもロックしていたら制動力が抜けるはずなので,起きている現象は違うみたいです.「一体何が起きているんだ・・・?」と車載を何度もスロー再生しながら繰返し見ていると,どうやらリアタイヤがその継ぎ目に乗った辺りでカウンターを当てているように思えました(↓).
ブレーキング・・・リアタイヤ・・・舗装の継ぎ目・・・と考えて,ハッ!と以下の仮説を思いつきました(↓).
ブレーキング中という事は当然の事ながら前傾姿勢でリアの荷重は抜け気味です.その状態で舗装の継ぎ目に当たってクルマが跳ねたら,タイヤが一瞬ジャンプして着地する動きを取ります.この際,水溜まりに足を振り下ろして滑ってコケるのと同じで,溜まった水でハイドロプレーニングを起こして,ズルッ!とタイヤが滑るのは起こり得そうです.
もしそうであるならば,軽い感じのシャー!という音がするのも納得出来ますし,これ以前の減衰が低いセットの時はダンパーの伸び縮みのスピードが早かったため,段差を上手くいなし,こういった事象が起きづらかったのも頷けます.これもウェット路面だと限界が低いが故に顕在化した現象なんでしょうね.
以上,ウェット路面のおかげで見えてきた動きでした.
限界の低いウェット路面を走ったおかげで,今,私のEF8にどういう事が起きているのか理解が深まりました.LSDの仕様はこれ以上変える気はないので,今回の動きは足回りの方を対処しようと思いますが,フロント・リア共に接地性が低い事は明らかとなったので,本来であればダンパーを煮詰めるべきですかね? ただ,それをやるには結構な金額が掛かるので,まずは小手先のスプリング変更で対策案を考えてみようかなぁ~?と思いました.