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OX3832のブログ一覧

2023年09月25日 イイね!

VTEC切替ポイントの再々考

VTEC切替ポイントの再々考 先日,中1日でTC1000を走ってきた訳なのですが,短期間でもう一度走りたかった理由の1つとして「VTECの切替ポイントの見直し」がありました.

プロから「コーナリング中にVTEC落ちがある」と指摘されて,切替ポイントを下げたのですが,どうもそれ以降,最高速の伸びが今一つになったので「下げ過ぎたかな?」と思っていました(先日の結果から,タイヤの内圧の影響もあったみたいですが).

このセッティング変更のタイミングと,気温が急上昇するタイミングが重なってしまったため,最高速が鈍った原因がどちらなのか分からず,判断を保留にしていたのですが,ようやく暑さも和らいできたので比較するべく走りました.


この2日間で切替ポイントを変更して比較してみた結果としては,

  変更前 ・・・ タイム:41.705  最高速:127.0km/h
  変更後 ・・・ タイム:41.664  最高速:129.9km/h

となり,切替ポイントを引き上げた方が結果としては良くなりました.


とは言っても日が違うので,コンディションも異なるという事で,そちらも見てみると,

  変更前 ・・・ 気圧:1011.1hPa  気温:27.0  路面温度:31.6℃
  変更後 ・・・ 気圧:1014.2hPa  気温:25.2  路面温度:35.7℃

変更後の方が条件的には良く,こちらの可能性も否定出来ない感じです.


という事で,いつもの通りロガーデータを頼りに比較してみると(青:変更前 緑:変更後),



ホームストレートでは,変更後(緑)の方が車速が明らかに伸びてますね.1~2コーナー間のボトムスピードはは変更前(青)が高いので,VTEC落ちの影響が大きいのか?と思いたくなりますが,こもりん.さんの車載を見る限り,当日のこのエリアはドリフトの影響で路面コンディションがかなり悪かったようなので,ボトムスピードが下がった原因はそちらのせいかな?と思います.

ヘアピン~インフィールド区間,バックストレッチ区間の車速の伸びを見ると,変更の前後でほぼ一緒なので,あまり有意な差はないのかな?とも思いましたが,インフィールドの方は今回少し走り方を変えてボトムスピード重視にしたにも関わらず,バックストレッチでの伸びが変わらないとなると,やっぱり変更後の方が良くなっているのかな?とも思います.

最終コーナーの立ち上がりは変更後(緑)の方が伸びが鈍いですが,ここも路面コンディションの影響だと思われるので,それでも互角の伸びであるとすれば,やはり変更後(緑)の方がパワーは出ていそうだなぁ~と思いました.




以上,VTEC切替ポイントの再々考でした.

今回の結論としては,やっぱり「切替ポイントを下げ過ぎ」だったのかなと思います.実際LINK ECUのデータを見ると,引き上げた方が燃料が入っているので,ここから先は暫くこの状態で走ってみようと思います.

「コーナリング中のVTEC落ち指摘」に関しては,今後はドライビングでカバーする方向(回転数を落とさない走らせ方)で模索していこうと思っています.
Posted at 2023/09/26 12:32:08 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(ECU) | 日記
2023年05月17日 イイね!

VTEC切替ポイントの再考

VTEC切替ポイントの再考先日のファミ走は日曜日だったので,サーキットアドバイザーが来られていて走行終了後に声を掛けて頂きました.

外から見てコーナリング中の姿勢も問題ないとの事で,ヘアピンの煙モクモク以外は問題がないとの事でしたが,(これ以上を狙う意味で)強いてアドバイスする点があるとすれば「ヘアピンの立ち上がりでVTECの切替えが遅いんじゃないか?」との事でした(加えて「最終コーナーの立ち上がりの切替えタイミングは問題ない」とも).

おっと! また指摘頂いてしまった.VTECの切替えが遅い件は昨年一昨年とプロに指摘頂き,そこから大分下げたのですが,どうやらまだ不十分なようですね・・・.


「ヘアピンが遅い」「最終コーナーは問題なし」という情報を基に,LINK ECUのデータを見返してみたところ(↓),



左側の赤枠がヘアピン,右側の赤枠が最終コーナーなのですが,最終コーナーの方はアクセルONから1秒以内にハイカムに切り替わっているのに対し,ヘアピンの方は2秒近く遅れてから切り替わっているようです.


もっと下げないとダメかぁ~と思いつつ,闇雲に下げてもトルクが落ちるだけなので,私のB16Aのパワーカーブを見返してみると,





トルクの谷を見つつ,もうちょっと下げても大丈夫そうかな・・・?と思いました.


それにしてもヘアピンでのVTEC切り替わりなんて,ピット付近から見ていてよく分かりますねぇ~.最終コーナーは近いのでよく聞こえると思いますが,ヘアピンはコレ(↓)と同じなので,近くの排気音に掻き消されてよく聞こえないと思っていたのですが,さすがですね.



毎度貴重なアドバイス,有難う御座いました! <(_ _)>
Posted at 2023/05/18 12:42:46 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(ECU) | 日記
2023年04月02日 イイね!

LINK 始動制御(タイミング編)

LINK 始動制御(タイミング編)前回触れた「A052の下位互換」の話には,シバタイヤ(TW200)とZⅢの比較の話も出てました.その中で興味深かったのが「横がある」という表現.舵に対してタイヤが反応する事を「横がある」と表現されているので,タイヤ剛性の事を指しているんですかね?

曰く「ZⅢはシバタイヤに比べてフィーリングが良い.ストレスなくライントレースが出来る」「だが,それ故にセットアップが改善しない」「A052に繋がらない」との事でした.頷ける部分も多い話なのですが,アレ?と思う部分もあるので別途考察してみようと思ったOXです.

さて,失火対策が完了してからエンジン自体は非常に快調なのですが,アイドリング時のハンチングが酷く,クローズドループ制御同士がケンカしている可能性があったので一度整理を行いました.これと並行してもう1つ「始動時の回転落ち」という現象も起きていて,こちらの対策も並行で進めています.


まず,エンジンの始動時の挙動は,こんな感じになっています(↓).



 ①キーを捻ってスタータをONにする(スタータを捻る)
 ↓
 ②バッテリー電圧が10V前後まで落ちる
 ↓
 ③スタータによってエンジンが回り出し,着火して一気に燃焼する
 ↓
 ④一気に燃焼したので,回転数が1500rpmオーバーまで吹け上がる
 ↓
 ⑤回転数が上がったのでオルタネータが発電を開始し,バッテリー電圧が元に戻る
 ↓
 ⑥状態が安定したので勢いを失い,回転数が落ちる
 ↓
 ⑦これらをブルン!という音で判断して,ドライバーはキーを放す(スタータを放す)


今回「回転落ち」と言っているのは上記⑥の部分で,ここが「目標回転数」を下回る場合がありました.

基本的に,この吹け上がり時の回転数の高さ(山の高さ)は空気量で制御するので,「アイドル回転数制御」の「始動step」を増やしていけば自然と山も高くなり,「目標回転数」を下回る事もなくなるのですが,その後にグワン!グワン!とハンチングが起きてしまいました.この始動直後の領域は「オープンループ制御」なので,空気と燃料の制御タイミングが合っていないんだろうと思い,調整する事にしました.


まずは空気.以前纏めたものを見返しながら状況を確認します.



EACVのstep数で空気量を制御する訳ですが,スタータを捻った直後はまず強制的に全開(80%)にされます.LINK ECUは回転数が400rpmを越えた瞬間に「始動」と判定するので,そこでこの強制全開が終了します.これが終了したところから「始動step」の制御が始まる訳なのですが,マニュアルにはこう書いてありました(↓).



「始動step」はずっと入っている訳ではなく,「3秒」のタイマーで効果が切れる(フェードアウトする)のですが,確かに追加のstep数は「3秒」で完全になくなっているものの,その後2秒間クローズドループが開始されないんですよね・・・.この2秒のディレイはどこから来たんだ?という気もしますが,ここではトータル「5秒」始動制御が続いていると考えます.

あともう1つ.「フェードアウトする」と言われると,時間が経つ毎にstep数が少しずつ値が減るのかなぁ~?と思いたくなるのですが,これも実際のデータでは"少しずつ"ではなく"一気に"減っているんですよね・・・.これだと回転数が急変するんで困ります.


次は燃料.こちらも以前纏めたものを見返しながら合わせ込みを行います.



スタータを捻ってクランキングが始まると最初は「クランキング補正」が作動します.私はこの「クランキング補正」の作動時間を「1秒」に設定しているのですが,大体始動直後の山が落ちてきた辺りで補正が切れる感じになっているので,タイミングとしては問題なさそうですね.

問題はこの先.空気側の制御で出てきた先述の「5秒」を踏まえると,5-1=4秒間クローズドループ制御が作動しないので,この間を「始動後増量」を使って空燃比を安定させる必要があるのですが,「始動step」の動きが急だわ,2秒間空気側で何も補正しないわ,で不安定な状態になるので,「始動後増量」の「ホールド時間」を「4秒」に設定して燃料側は状態を変えない方が安定しそうです.「4秒」経過した後は,空気側がクローズドループ制御を始めるので,それに合わせて「始動後増量」を少しずつフェードアウトさせれば(減衰させれば)目標値に軟着陸(ソフトランディング)出来そうですね.


では,そのフェードアウトさせる時間をどう設定するか?ですが,ラムダのクローズドループ制御が作動するタイミングが良さそうです.ラムダのクローズドループは始動直後から一定時間は使う事が出来ず,この時間が「タイマー停止条件」で設定されています(↓).



この「タイマー停止条件」にちょうど合うように「始動後補正」の「減衰時間」を設定してあげれば良さそうです.これで燃料系のタイミングは合わせ込めたと思うのですが,ここでエンスト対策で新たに追加された「アイドル目標回転数 3Dテーブル化」が顔を出してきます.

この機能は始動時に少しアイドリング回転数を上げて,「エンジン作動時間」が経過する毎にそれを減らしていく機能なのですが,コイツが急変すると空気量が変わるので,コイツもソフトランディングさせてやる必要があります.



そこで最初のアイドル回転数制御のクローズドループが始まるまでの「5秒」間は,目標値を変えないように設定し,そこからラムダのクローズドループが始まる時間に合わせて,少しずつ目標回転数が下がるように設定してみました.これによって,大分ハンチングが弱まり,回転数が安定するようになりました.


以上,始動制御のタイミング合わせでした.

ちなみに,暖機を促進するために始動直後のアイドリング回転数を引き上げる事を「ファストアイドル」と言いますが,純正のECUはこれが1000~1800rpmに設定されているようなので(タイトル画像参照),この数値に合うように値を調整してみました.これで失火対策で追加された新機能の微調整が概ね完了したので,今後は地道にハンチングの解消をはかっていこうと思います.
Posted at 2023/04/04 12:20:20 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(ECU) | 日記
2023年03月30日 イイね!

LINK クローズドループ制御

LINK クローズドループ制御F1関連のニュースを眺めていたら「メルセデスは特異なサイドポッドの影響でコックピットの位置が他車より5cm前寄り」という話を目にしました.そのせいでドライバーがリアのピーキーさを感じているのだと.

先日の「パノス LMP-1 ロードスターS」という極端な例を思い出すと有り得るなぁ~と納得したのですが,その一方で「5cmって,普通のクルマの3ノッチ差くらい・・・?」とも思ったOXです.

ちなみに,コクピット位置とサイドポットにどんな因果関係があるのか気になったので調べてみたところ,「サイドインパクトストラクチャー(↓)」の規定によるもののようでした.


Craig Scarborough Twitterより)

「サイドインパクトストラクチャー」とは,横(サイド)から衝撃(インパクト)を受けた時にそれを吸収するための構造体(ストラクチャー)の事ですが,これの規定が「コクピット背面から-525mmまで」となっているので,メルセデスだけがやっている「サイドインパクトストラクチャーを整流フィンとして使うアイデア」を活かすのに,コクピットを前に出さざるを得なかったんだろうなぁ~と思いました(他にも前後重量配分の最適化という意味合いもあると思いますが).


さて,前振りが長くなりましたが本題.

エンスト対策でLINK ECUに「クローズドループラムダ」と「アイドル目標回転数 3Dテーブル化」が追加されました.これによって複数のクローズドループ制御が同時に作動し,動きが複雑になってきたので,ここで一度考え方を整理しておこうと思います.


まず,そもそも「クローズドループ」って何?という点からですが,これはLINK ECU独特のものではなくて一般的な制御用語です.制御の中にはざっくり2種類の方式があって「クローズドループ」と「オープンループ」があります.



「クローズドループ」とは,読んで字の如く「閉じた輪」の事で,例えば,

  ①ECUが「空燃比が薄い! 燃料をもっと噴け!」とインジェクタに指示する
  ↓
  ②指示を受けたインジェクタが噴射量を増やす
  ↓
  ③燃料が増えた結果,空燃比が濃くなる
  ↓
  ④濃くなった結果をラムダセンサが検知してECUに知らせる
  ↓
  ⑤センサからの知らせを受け取ったECUが「今度は濃過ぎだ! 燃料を減らせ!」と指示する
  ↓
  ⑥指示を受けたインジェクタが噴射量を減らす・・・

という感じで,①~⑤の間を1つの輪にしたようにグルグルとループする制御の事を「クローズループ」と言います.
(個人的には同じモノを指す「フィードバック」という単語の方がしっくりきます)

一方の「オープンループ」は「閉じた輪」に対する「開いた輪」という意味合いの対義語ですが,実際は上図の通り輪になってないので,意味を考えるとおかしな言葉ですね(笑).「クローズドループ」のようにグルグルとループするような事はせず,指示を出したら出したっきり,行ったまま帰って来ない放任主義的な感じの制御になります.


次に,LINK ECUの中の「クローズドループ」制御は,空気・燃料・点火の3つがあります.

  空気 ・・・ アイドル回転数制御   (回転数に対するフィードバック)
  燃料 ・・・ クローズドループラムダ(空燃比に対するフィードバック)
  点火 ・・・ アイドル点火制御    (回転数に対するフィードバック)

上記の通り,アイドリング時に回転数を一定に保つための制御が多いので,目標回転数を縦軸にして,実回転数がどう変わると,どういう制御が動くのか?を整理すると,こんなイメージでしょうか(↓).



「クローズドループ」とは実値が目標値に収束するように制御を行っていく訳なのですが,目標値にぴったりと一致する事は稀なので,ある程度ズレても良いように許容誤差として「不感帯」が設定されています.上図だと±50rpmの範囲にいる時は制御を行わないイメージですね.

そこからズレが大きくなってくると(±100rpm),そのズレを直そうと「アイドル回転数制御」が作動します.大抵はこれで元の±50rpm以内に戻るので問題ないのですが,時々,戻し損ねて-150rpmとかなったります(目標値が800rpmなら650rpmとか).この時にLINK ECUの場合は「アンチストール」制御が作動して,そのままエンストしたりしないように通常よりも強い力で回転数を元に戻そうとします.

これで回転数が上がってくれれば良いのですが,それでもダメな場合は「アイドル点火制御」でアンチストール機能を実現します.具体的にはアイドリング時のみ有効となるマップを別に持っておいて,回転数が極端に落ちたら(例えば-200rpmとか),それを使って点火時期を進角させる形ですね.空気量で制御するより,点火時期で制御した方がエンジンの反応は速いので急激に何かをしたい場合は点火を使う事が一般的です.ちなみに,この「アイドル点火制御」は逆の場合(回転数が上がり過ぎた場合)の補正にも使えますが,落ちる側と違い,こちらは急いで元に戻す必要がないので,私は使っていません.

最後,「クローズドループラムダ」はこれら各種制御が動いている中,空燃比を一定に保つように動いています.空燃比が濃くなれば出力が上がりますし,逆に薄くなれば出力は落ちます.空気と点火があ~だ,こ~だ,色々動くと空燃比もズレてきて,そのズレが原因で狙い通りに制御出来なくなり,ハンチングが起きたりもしますので,エンジンの燃焼状態がなるべく安定するように制御を行っています(ロバスト性を高めている訳ですね).


以上,「クローズドループ」の整理でした.

どういう時に誰が動いて・誰が動かないか?をよく考えて設定しないと,それぞれが勝手に動いて「オレは右! お前は左!」みたいなケンカをし出す事もあるので,「クローズドループ」は扱いがホント難しいですね・・・.
Posted at 2023/04/01 14:05:36 | コメント(2) | トラックバック(0) | セッティング(ECU) | 日記
2023年03月29日 イイね!

P/Sオイルプレッシャスイッチのお勉強

P/Sオイルプレッシャスイッチのお勉強SNSを眺めていたらランチア・ストラトスと軽自動車のABC(AZ-1・Beat・Cappuccino)を並べた画像が流れてきて,ホイールベースが2180mmと同じミッドシップのBeat(2280mm)より100mmも短い事を初めて知りました.これに2.4L V6(190PS)を積むんですから,そりゃジャジャ馬だよなぁ~と思いつつ,Gr.4仕様はリアに305/35R15を履いたそうで,こんなサイズがある事もびっくりですが,フロントと70mm近い太さの差がある事にもびっくりしたOXです.

さて,失火の問題が解消して1週間.その後のテストでも問題なく,安心しているのですが,今回のショップで行ったLINK ECUの設定変更の中で1個,理解が及ばない点がありました.

それが「P/S(パワステ)オイルプレッシャスイッチ」の設定.



スイッチなので「デジタル入力(電圧をHigh⇔Lowの2段階で判断する回路)」なのですが,ご覧の通り,設定項目の中に「プルアップ抵抗」と「Onレベル」の2つがあります.それぞれの意味は以下の通り(↓)で,



「プルアップ抵抗」というのは,スイッチが切れている時に電圧をHigh(約12V)とするか? Low(0V)とするか?という設定で,これは回路によります.もう1つの「Onレベル」というのは,電圧がHighの時にONと見なすか? Lowの時にONと見なすか?という設定で,これはスイッチの仕様によります.ON/OFFの2種類×2で合計4種類の設定が選べる訳なのですが,EF8の場合,この中のどの設定が正しいのか?というのが最初よく分かりませんでした.


まず,そもそも「P/Sオイルプレッシャスイッチ」って何?という点から始めると,これは読んで字の如く「パワステの油圧を見ているスイッチ」の事です.パワステの油圧配管の途中に付いていて(↓),



ステアリングを切ってパワステが作動し,その油圧(オイルプレッシャ)が一定値を超えるとスイッチが切り替わるようになっています.ECUはこのスイッチのON/OFFによる「電圧の変化」を元にパワステのオイルポンプが作動しているか?していないか?を判断していて,オイルポンプが作動するとエンジンの負荷が増えるため,それを補うように出力を増やす制御を行っています.


(TechEyesOnline:パワーステアリングの進化 ~自動運転に欠かせない電動パワーステアリングより)

実はエンスト症状で悩んでいた頃,車庫入れでステアリングの据え切りをするとエンストする事がよくありました.何となく「パワステの補正が作動するのが遅いなぁ~」と思い,それを工場長に伝えておいたのですが,失火対策の調査過程で「その原因はP/Sオイルプレッシャスイッチの反応が鈍くなっている事」も突き止めてくれたようです.

なので,現在はそれを踏まえたECUの設定にしてくれているのですが,折角の機会なのでちゃんと回路を理解しようと思い,サービスマニュアルをお借りして読み解いてみました.


回路図上,「P/Sオイルプレッシャスイッチ」はこういう絵になっています(↓).



ECUが繋がっているのはスイッチの上流側(High側)で,スイッチが繋がる(ONになる)とGNDに落ちて,電圧がLowになる事が読み取れます.つまり,「P/Sオイルプレッシャスイッチ」の入力回路は「プルアップ回路(↓)」のようです.



なるほど,なるほど,という事はLINK ECUの設定は「プルアップ抵抗」をONにしないといけない訳ですね.


・・・だとすると,ここで1つ疑問が.

「プルアップ回路」の場合,スイッチがOFFだと電圧レベルはHigh,スイッチがONだと電圧レベルはLowになります.
それなのにLINK ECUの「Onレベル」の設定は「High」となっています.アレ? 逆では・・・??


おかしいなぁ~?と思い,今度は「P/Sオイルプレッシャスイッチ」のトラブルシューティングを読んでみます(↓).



記載されている事を纏めると以下のようです(↓).

 P/SオイルプレッシャスイッチOFF → パワステを使ってない時 → 電圧はLow(0V) 
 P/SオイルプレッシャスイッチON  → パワステを使っている時  → 電圧はHigh(12V)

えっ!? アレッ? コレって「プルダウン回路」の考え方では・・・??

ん~? どういう事だぁ~? 回路図で示されている事と真逆だぞ~? どっちかが嘘ついてるのかぁ~?と考えて,考えて,考えた結果・・・,

(゚ロ゚) ハッ!!
このスイッチ,ノーマルクローズか!!



「ノーマルクローズ」というのは,通常状態(つまりパワステを使っていない時)でスイッチがクローズ(ON)となるタイプのスイッチの事です.

今回の回路で言うと,パワステを使っていない時は「P/Sオイルプレッシャスイッチ」はON(繋がっている)状態になっていて,回路的にはGNDに繋がるため電圧としてはLowになります.この状態からパワステを使うと「P/Sオイルプレッシャスイッチ」はOFF(切れた)状態になるので,プルアップ抵抗でHighレベルに引っ張られるこの回路は,電圧としてはHighとなります.つまり,一般的なスイッチで思いつくON/OFFの特性とは逆って事ですね.
(ちなみに,通常のON/OFFの特性は「ノーマルオープン」と言います)

LINK ECUとしては「パワステが作動したらON」と判定したいので,上記の理屈からすると「Onレベル」の設定は「High」にしないといけないという事ですね.あ~,スッキリした(笑).


以上,「P/Sオイルプレッシャスイッチ」のお勉強でした.
Posted at 2023/03/31 12:30:36 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(ECU) | 日記

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