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OX3832のブログ一覧

2025年06月07日 イイね!

EF8のレバー比は?

EF8のレバー比は?先日フロントのスプリングを交換して,バネレートを14キロ→12キロに落としました

レートが落ちた分だけスプリングの縮み量が増えるので,当然,車高も下がる訳なのですが,予め行った試算では5mm落ちる予定でした.しかし,実際にやってみると3mmしか落ちず,アレッ?となってしまいました.まぁ,所詮は試算に過ぎないので,合ってなくても仕方がないのですが,なんでだろうなー?と気になりました.

試算の前提条件において間違っている可能性があるのは「車重」or「レバー比」のいずれか.「車重」のデータは10年以上前のものなので,まず間違いなく現在の方が重いはず(車高が落ちる方向).となると「レバー比」の方が怪しいです.

私のEF8の「レバー比」は諸説あって,上は「1.60」というものから,下は「1.45」と振れ幅が大きく,何を信用したら良いのか分からなかったので,以前レバー比を調べた時の値から,EG/EKの値を参考に「1.50」としていました.

  EG6   ・・・ F:1.50  R:1.20
  EK9   ・・・ F:1.56  R:1.23

しかし,今回の2キロレートダウン ⇒ 車高3mmダウンから逆算してみると,

  12 × (35 + 3) = 456 [kg]
  456 / (644 / 2) = 1.41

という事で,フロントのレバー比は「1.41」という結果になりました.


「さすがにこれは違うくね?」と思ったのですが,「そう思うなら測って確認しろよ!」という事で実際に測ってみました.

「レバー比」というのは,ロアアームの付け根(ボルトの中心点)~ ロアアームの先端(ボールジョイントの中心点)を分母(①),ロアアームの付け根(ボルトの中心点)~ ダンパーフォークの中心点を分子(②)とした時の比率です(↓).



レバー比が「1.00」だとロアアームに加わった力が,そのまま100%スプリングに伝わります.レバー比が「1.41」の場合はその1.41倍という事です.なので,EF8のようなダブルウィッシュボーン形式の場合は,ストラット形式に比べてレートの高いスプリングを入れる訳ですね.

・・・で,その計測結果は,



  ① = 390mm
  ② = 275mm
  
  ① / ② = 390 / 275 = 1.41

という事で,レバー比は「1.41」で合ってました・・・.やっぱり現実から目を背けてはダメですね(苦笑).


以上,短いですが,EF8のレバー比はいくつ?というお話でした.
2025年01月27日 イイね!

前後キャンバー増しの効果確認

前後キャンバー増しの効果確認前後のキャンバー角を増やした状態をテストした先日のTC1000ですが,やはりリアのリバウンドストローク不足を補う程の効果は得られず,ヘアピンの対処で苦しむ結果となりました.

今回,フロントのキャンバー角は3'30→4'00へ増やしたのですが,これはスプリングとナックルアームの干渉を避けるために30分削っていたものを「偏心ピロアッパー」を入れる事で干渉を回避し,元に戻しただけ.



正直,4'00→3'30に減らした時はフロントのグリップ不足は感じなかったのですが,3'30→4'00へ増やした時は「おっ! 曲がる~」という感じでフロントのグリップが増えた印象を受けました.


一方,リアのキャンバー角の方は2'30→3'30へ1度増やしました.これはリバウンドストローク不足から来るインリフト(↓)への対処として,



浮いた内輪側はどうしようもないので放置し,残った外輪側のタイヤの接地面積を増やす事で耐えられる時間を増やそう!という試み(↓).



ようは「滑るもんはしょうがないから,滑った後になんとかしよう!」という作戦ですね.


一応,この作戦の効果はちゃんと出ていて,キャンバー角が2'30だった時はこんな感じで(↓),一度滑り出したら手も足も出ずスピンしていたものが,



キャンバー角を3'30までつけた状態では,多少もちこたえられるようにはなりました(↓).



ただ,カウンターを当てる過程でアクセルを開けて荷重をリアに戻す事も試みても,スピンの自転速度は落ちず,「あ,こりゃ,無理だな」と途中で判断してクルマを止める事になりました.挙動としては多少マシにはなりましたが,根本的な解決には至っていないのでやはりリアのキャンバー増しは付け焼刃に過ぎなかったなぁ~という感じです.


という事で前振りが長くなりましたが,前後キャンバー増しの効果をデータでも振返っておきます.まずは概要.

【ベース(F:3'30 R:2'30)】
  タイム   ・・・ 41.441
  気圧    ・・・ 1010.3hPa
  気温    ・・・ 6.2℃
  路面温度 ・・・ 10.2℃

【キャンバー増し(F:4'00 R:3'30)】
  タイム   ・・・ 41.456
  気圧    ・・・ 1017.1hPa
  気温    ・・・ 9.3℃
  路面温度 ・・・ 14.4℃

タイム的には0.015秒差なので,ほぼ変わってないですね.コンディション的にはキャンバー増しの方が気圧が7hPa高いですが,気温も3.1℃高いので相殺されてイーブンくらいかな.路面としてはキャンバー増しの方がドリフト走行後で確実に悪いです.


続けてロガーデータ(緑:ベース 青:キャンバー増し).



上が車速,下がタイム差です.タイム差の方を見るとブレーキングからコーナーへ進入する領域ではベース(緑)の方が速く(上に行っている),コーナーのエイペックスを過ぎた後,立ち上がって出口に向かう領域ではキャンバー増し(青)の方が速かった(下に行っている)ようです.



これはキャンバー角を増やした時の特性と辻褄が合っていて,一般的にキャンバー角を増やすと,クルマを正面から見た時にタイヤがハの字に近づくので(↓),



タイヤの外側が浮き,内側が路面にめり込む形となります."めり込む"と言っても,実際はタイヤより路面の方が固いのでタイヤ側が負けて変形し,路面と接触する部分は平らになる訳なのですが,いずれにせよ,キャンバー角が少なかった時と比べればタイヤの接地面積は減ります.

このため,ブレーキング領域では止まりづらくなり,制動距離が延びてタイムとしては落ちます.同様に加速領域でもトラクションが減って前に進みづらくなる・・・はずなのですが,こちらはタイヤの接地面積が減った事で同時に走行抵抗も減るため,逆にスピードの伸びが良くなってタイムが縮まったりもします.今回の結果はまさにこの通りで,ブレーキング領域では遅く,加速領域では速かったようですね.


タイム差のグラフに戻ると,1コーナーのブレーキングで遅れた分は2コーナーの加速で取り返し,ヘアピン進入のブレーキングで遅れた分はインフィールドまでの加速区間で取り返し,インフィールドのブレーキングで遅れた分はバックストレッチの加速区間で取り返す,というシーソーゲーム状態となっている訳なのですが,それでも洗濯板進入の時点では0.06秒ほどキャンバー増し(青)の方が速い結果となっていました.

しかし,実際はベース(緑)の方がタイムは良かった訳で,どこでロスしているのかな?と詳しく見てみると,



洗濯板進入のブレーキングを終えて,ステアリングを切り込んでいく部分(左側の赤丸)と,最終コーナーに向かってアクセルを開けていく部分(右側の赤丸)で遅れを取っているようでした.


共にドリフト区間なので路面のグリップが低かった事が直接の原因だった可能性もありますが,ステアリングを切り込んでいく部分(左側の赤丸)の車載を見てみると(↓),



微妙にタイヤのスキール音がしているので「路面が喰わなかったせいかなぁ~?」と思いつつ,洗濯板進入の速度が3.8km/h高かった点から「いやいや,単純にオーバースピードで突っ込んだだけでは?」とも思いつつ,微妙な差なだけに違いも微妙で判断が難しいですね(苦笑).


一方,最終コーナーへ向かう方(右側の赤丸)は,車載を見ると明確にアクセルを戻しているので(↓),



遅れの直接の原因は間違いなくこの操作.結局この後,ゴールまでの区間で0.08秒後れてしまうので,ベース(緑)のタイムを抜けなかったのもこのドライビングミスのせい.そういう意味で痛いミスでしたね・・・.

こういう操作をした原因としては,最終コーナーに向かって切り込んだ際,想定以上にクルマがIN側を向いてしまい,右フロントが最終コーナーの白縁石(↓)に乗り上げそうなラインとなったため,



一瞬アクセルを戻して角度を調整したのだと思いますが,こういう微妙な部分のコントロールが今の仕様だと難しく(スィートスポットが狭い),ドライバー側でロスなく補って走らせないとダメですね.orz


以上,前後キャンバー増しの効果確認でした.

タイムこそ出ていませんが,今回の分析結果からすると前後キャンバー増しはポジティブな結果のようです.実際乗っていて悪い感触はありませんでしたし,リアタイヤの表面温度も揃っていたので,良い方向に進んでいる事は間違いなさそうです.当面の間はこのキャンバー角を維持し,リアのリバウンドストローク対策の方を進めようと思います.
2024年08月09日 イイね!

グループA用ホモロゲ資料

グループA用ホモロゲ資料先日,図書館行ってCR-XのグループA仕様とかあったのかなぁ~?と調べ物をした訳なのですが,その後,FIA(国際自動車連盟)が過去に承認したホモロゲーションモデルの情報は,「FIA Historic Database」というデータベースに纏められているという情報を得て見に行ってみました.

残念ながらCR-XはAF型がグループB(!)に登録されていただけだったのですが,だったらグループAのシビックはあるのかな?と調べてみたところ,ホモロゲーション(認証)資料を閲覧する事が出来ました(↓).



EF世代のシビックとしては,EF3とEF9があり,それぞれグループNとグループAの資料が閲覧出来ました.ホモロゲの書類なんて初めて見るので「へぇ~,こんななってんだぁ~」と興味本位で眺めていたところ,書類の後半にグループA用のホモロゲパーツの申請書も出てきました.申請書なのでその部品の画像もあって,「おおっ!? こんな形状なんだ~」と結構面白かったです.


EF8と同型のEF9 グループA仕様に着目して見てみると,オプション変型(VO)の申請は1990~1992年の3年間で計16回行われたようです.



まず,文字情報で読み取れるものを抜粋しておくと,

  ・ロールゲージは,6点式のスチール製で重量は29kg(斜向バーがない)
  ・ギヤ比を以下のように変更(純正→1990年仕様→1992年仕様)
    1速 ・・・ 3.166 → 2.533 → 1.842
    2速 ・・・ 2.052 → 1.944 → 1.476
    3速 ・・・ 1.416 → 1.565 → 1.222
    4速 ・・・ 1.103 → 1.269 → 1.068
    5速 ・・・ 0.870 → 1.107 → 0.935
  ・ファイナルは,初期は純正の「4.266」のままで,後に「3.833」と「3.722」を追加
  ・ブレーキキャリパーは,フロント:4ポッド,リア:2ポッド
  ・フロントのキャリパーピストンは,初期が38.1+41.3mm→41.3+44.5mm→38.1+44.5mmと変遷
  ・ブレーキローターは,ドリルドとスリットの2種類(フロント:290mm リア:256mm)
  ・フロントローターは,後に304mmと315mmも用意されていました.
  ・ブレーキマスターもタンデムタイプに変更され,初期はボア径が23.81mm,後に22.23mm

・・・といった感じでした.画像関係では外から見えないブレーキのクーリングダクトがこんな形状.
(左:入口 右:出口)



フロントのナックルは複数用意され,どうやら曲げ角度(=キャンバー角)が違うっぽい(↓).



リアのロアーアームも軽量化のため(?)穴が空いていて,初期は穴の数が7個でしたが,後に9個まで増えています(↓).長さも延びた??



リアのトレーリングアームもこんなに肉抜きされています(↓).



純正だと複雑な形状をしているフロントのアンチロールバー(スタビライザー)は(↓の左),



グループAではストレート形状.太さは10~40mm,中実 or 中空とあるので,色々種類があったんですかね?



リアのアンチロールバーもストレート形状で,初期は純正相当(左)っぽいですが,後にゴツくなってました(右).
こちらも太さは10~60mm,中実 or 中空となっていました.



その後,最終的には可変式に進化していたようです(↓).






以上,グループA用ホモロゲ資料でした.

展示車両を外から見ているだけでは分からず,こんな細部まで取材された記事もないので,3年間の改良の推移を窺い知れて非常に興味深い資料でした.実際はホモロゲ以外の部分でもアノ手コノ手と改良されているんでしょうから,やっぱりレースの世界は面白いですね♪


【おまけ】
EF9のグループNの方の資料にアンチロールバー(スタビライザー)の細かい数値が出ていたので,備忘録として残しておきます.



2024年03月15日 イイね!

トーを開いた時の舵角比較

トーを開いた時の舵角比較先日のTC1000で,トーを開いて車体が持ち上がるように感じた原因は「ダンパーの温度」と「舵角」といったところまで分かってきたので,「舵角」の方も備忘録がてら確認しておきます.

まず,サンプルにするデータは195/55R15で205/50R15に0.05秒差まで迫った時のデータです.当時との違いはトー角だけ.厳密にはタイヤの摩耗状態も違いますが,まぁ,ここは横に置いておきます.


続けて,コンディションですが,以下のような感じ.

  OUT '10の時 ・・・ 気圧:1022.0hPa  気温:8.8℃  路面温度:13.6℃
  OUT '15の時 ・・・ 気圧:1017.9hPa  気温:7.2℃  路面温度:11.8℃

気温・路面温度はほぼ同等で,今回のOUT '15の方が気圧だけ4hPa落ちる感じですかね.
気圧のトレンドラインから,タイム差を推測すると(↓),



大体0.1秒落ちる計算.実際のタイムも(↓),

  OUT '10の時 ・・・ 41.038
  OUT '15の時 ・・・ 41.135 (+0.097)

その通りになっているので,まぁ,順当な結果ですかね・・・.


一応,ロガーデータで比べてみると(緑:OUT '10の時 青:OUT '15の時),



ざっくりこんな感じでしょうか?(↓)

  ホームストレート ・・・ +0.06秒 ⇒ 気圧の影響
  1コーナー     ・・・ +0.04秒 ⇒ インリフトの影響(ネガティブ)
  ヘアピン      ・・・ +0.12秒 ⇒ インリフト + トーアウトの影響
  インフィールド   ・・・ -0.14秒 ⇒ インリフトの影響(ポジティブ)
  最終コーナー   ・・・ +0.04秒 ⇒ インリフト + トーアウトの影響

「インリフト + トーアウト」の部分は,



コーナーの入口~中間の部分(Entry~Middle)はインリフトの効果でよく曲がるのですが,コーナーの中間~出口の部分(Middle~Exit)でトー角が合っておらず,思ったほど曲がらないため,プラスマイナスでゼロになる,みたいなイメージです.

ちなみに,昨日学んだツウな言い方(笑)だと,これを「ミッドアンダー」と呼ぶのだそうです.「ミッドアンダー」は「エントリーオーバー」「エグジットオーバー」と相性が良いそうですが,恐らく「エグジットオーバー」の方は後輪駆動車の話でしょうね(FFでは起こり得ないので).一方,「エントリーオーバー」との相関に関しては今回の1コーナーの結果を見るとFFでも起こりそうなので,次の映像比較でよく見てみたいと思います.


という事で,肝心の「舵角」に関する映像比較です(左:OUT '10の時 右:OUT '15の時).



コーナー毎に詳しく見てみます.

1コーナー
1コーナーの進入は両者とも同じですが(↓),



中間はOUT '10の時(左)の方が舵角が大きいです(↓).



そして,出口は似た舵角ですが,OUT '10の時(左の方が若干大きいですかね?(↓)



中間部分で舵角が少ないのは,右リアがインリフトしてテールスライドが起こっているからでしょうね.テールスライドがおさまった出口側まで同じ舵角となっている事から,ムダなスライドはしておらず,極僅かに流れている感じなんでしょうね.ただ,これで0.04秒遅い(ボトムも3.9km/h低い)ので,やはりリアをスライドさせて走るのは遅いんだなぁ~と思います.


ヘアピン
ヘアピンの入口では,OUT '10の時(左)の方が一気にステアリングを切り込んでいます(↓).



中間でも,OUT '10の時(左)の方が切り込む量が多いです(↓).



しかし,出口では逆にOUT '15の時(右)の方が舵が残っています(↓).



ここから分かるのは,にOUT '15の方は進入でインリフトしてクルマが切れ込んで行くので,それを抑えるために舵を減らし,中間までそれをキープしているのですが,その結果,エイペックス(コーナーの頂点付近)でしっかりステアリングを切って向きを変える!という操作が出来ないため,立ち上がりで向きの変わりが足りず,舵を戻せない・・・となっているんでしょうね.

なるほど.確かに「エントリーオーバー」だと「ミドルアンダー」になる訳ですな・・・.


インフィールド
インフィールドの入口はほぼ同等です(↓).



しかし,中間ではOUT '10の時(左)が大きく切り込んでいるのに対し,OUT '15の時(右)は舵角が少ないです(↓).



それでいて,出口は同じ舵角に戻っています(↓).



これは先程のヘアピンとは真逆で,言うなれば「ミドルオーバー」な状況なんでしょうね.一番欲しいところで,一番向きが変わってくれるので,少ない舵角で高い車速を維持したまま曲がれている,という事なんでしょう.この結果から察するに,トー角を「インフィールドに合わせるとヘアピンで曲がらない」「ヘアピンに合わせるとインフィールドで曲がらない」とか有りそうですね・・・.


最終コーナー
最終コーナーは進入~中間まで,両者似た舵角を維持したまま一定です(↓).



出口付近だけ,若干OUT '15の時(右)の方が舵を入れ続けているので,ここで曲がんないんでしょうね・・・.




以上,トーを開いた時の舵角比較でした.

インリフトさせた時のメリット・デメリット両方が出ているので,正直なんとも言えない結果かなぁ~?と思いました(多分タイム的にはほぼ変わらない).トーを開く事によって,立ち上がりでイメージ通りに曲がらなかった・・・なんて事態は起きなくなるので,アクセルを踏み続けてコースアウト!みたいな危険なシーンが減るという意味ではメリットの方が大きいのかもしれません(ラリー車がドリフトしながらコーナーに入って行くのと同じ考え方ですかね).

ターンインでインリフトしてオーバー気味になるのは,個人的には好みではないのですが,今回のインフィールドのクルマの動きは確かに気持ち良かったので,積極的に気持ち良い方を取りに行くか? 消極的に気持ち悪い方を避けるか? 悩ましい感じですね(笑).

また,今回起きたインリフトは,タイヤが浮き過ぎてケンケンするようなレベルではなかったので,そういう意味ではギリギリちょうど良い塩梅なのかもしれません(狙い通りの合いの子).ただ,それと同時にゲインもなかったという事が分かったので,やっぱり大幅にセットを変更しないと伸び代はないんだろうなぁ・・・とも思いました.
2024年02月29日 イイね!

タイヤの切れ角考察

タイヤの切れ角考察某SNSを眺めていたら「ステアリングを45°くらい切っても,フロントタイヤの切れ角(スリップアングル)はほとんどついてないよ」→「だから,ステアを切ってフルブレーキングしても止まれるんだよ」みたいな話を見ました.

「確かに45°って言ったら,TC1000のインフィールドに飛び込む時の舵角くらいだよなぁ~(タイトル画像参照)」と思いつつ,そういえば,これくらいステアリングを切った時に実際のタイヤ角度がどれくらいなのか?って知らないなぁ・・・と思ったので調べてみる事にしました.

まずはニュートラル状態(↓).



キャンバーが付いているので少し分かりづらいですけど,こんなもんです(↓).




ここから,右に90°切ってみると(↓),



ほんのチョットですが,切れているのが分かります(↓).




そこから更に右に切って,180°(↓).



大分タイヤが出てきました(↓).




コース上で使う舵角はこんなもんなので,そこから先はロックするまで切ってみます(↓).



ロックまで約1.5回転(540°)といったところで,こんな角度になりました(↓).



これでも45°までは行かないかなー?という感じですね.


以上の画像から,角度計測アプリで角度を算出してみるとこんな感じになりました(↓).

  ステアリングの舵角: 90° ⇒ タイヤの切れ角: 4°
  ステアリングの舵角:180° ⇒ タイヤの切れ角:12°
  ステアリングの舵角:540° ⇒ タイヤの切れ角:36°
  
180°×3=540°なので 12°×3=36°は合っている感じですが,180°/2=90°なのに 12/2=6°が合わないですね.計測ミスかなぁ~?と思い何度か測り直してみたのですが,5°にはなっても6°にはならなそうでした.180°~540°の間は一次線形でも,0°~180°の間は二次線形という事なんですかね? ちょっと面白い結果でした.


さて,この結果を踏まえつつ,もう一度ステアリングの舵角に関して振返ってみると,TC1000における高速コーナーである1コーナーの舵角は(↓).



舵角45°くらいなので,タイヤの切れ度は2°もないって事なんでしょうか!?


では反対に,低速コーナーの代名詞となるヘアピンで見てみると(↓),



舵角270°ってトコでしょうか? タイヤの切れ角では18°くらいですね.

ここから言えるのは,ステアリングの舵角にして45~270°くらいのところをサーキットでは使い,その時のタイヤの切れ角は2~18°って事のようです.


タイヤの切れ角=スリップアングル(横すべり角)と捉える事が出来るので,タイヤの切れ角に応じたコーナリングフォース(≒グリップ)の特性を調べてみたところ,こんな感じだそうです(↓).


(山海堂:自動車工学より)

タイヤに掛かる荷重にもよりますが,概ねスリップアングルが8°もつけば(ステアリングの舵角で120°も切れば),タイヤのグリップの8割を使っており,そこから先は,切ってもそれほどグリップが増えない事が分かります.つまり,「ステアリングの舵角は120°くらいに抑えたいよね」という事なんだと思います.


ただ,この「グリップの8割を使うタイヤの切れ角」というのは,当然タイヤの種類によって違う訳で,更に調べてみるとこんなデータもありました(↓).


(山海堂:自動車工学より)

「ハイグリップなレーシングタイヤの方が,ピークに達する角度はより少ない」という事のようです.タイヤの銘柄が分からないので,このレーシングタイヤが現代のどのタイヤに相当するのか分かりませんが,他にも色々調べてみたところ,概ねタイヤの切れ角が4~5°くらいでグリップの9割を使うのは間違いないようです.

仮にこれを4°だと定義すると,私のEF8の場合はステアリングの最大舵角が90°くらいの状態でコーナーを抜けられるようにするとタイヤを効率的に使えている,という事になるんでしょうかねぇ~.逆に言えば,ヘアピンで270°も切っているのは相当効率が悪い(=タイヤに負担を掛けている)って事なんでしょう.やっぱり,もう少し低速コーナーで曲がるクルマに仕上げたいですね(もっとリアを動かさないとダメかぁ・・・).


以上,タイヤの切れ角調査でした.

ちなみに,私のEF8はやっぱりステアリングセンターがズレているようで,右にロックするまで切った時は1.5回転(540°)しましたが,左にロックするまで切った時は1.4回転(500°)くらいでした.まぁ,1回転以上した領域(360°オーバー)は駐車する時くらいしか使わないので,別にどうでも良いのですが,EF8のロック・トゥ・ロックは2.9回転くらいなんだなぁ~と思いました.

また,これをステアリングギヤレシオで表すと以下のような感じで(↓),

  ステアリングの操作量:舵角の変化量 = 540° : 36° = 15.0:1

ステアリングギヤレシオが小さいと「クイックなステアリング」と言われるのですが,一般的にはどれくらいなんだろう?と調べてみたところ,こんな感じでした(↓).

  BRZ                 ・・・ 13.0:1
  S2000                ・・・ 14.9:1
  NAロードスター(パワステあり) ・・・ 15.0:1
  NAロードスター(パワステなし) ・・・ 18.0:1
  NBロードスター           ・・・ 15.1:1
  RX-8                 ・・・ 16.4:1

ま,スポーティカーとしては平均的な値ってトコですかね.

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「なぜか色々抜けた一日 http://cvw.jp/b/1684331/48595522/
何シテル?   08/12 19:23
GPSロガーを使ってクルマとドライビングを改善しながら,B18C搭載のCR-XにB16AのCR-Xで挑んでいます. TC2000 1'07.4/TC1000 ...
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