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OX3832のブログ一覧

2025年10月19日 イイね!

2月まで待てるか・・・?

2月まで待てるか・・・?先月のTC1000でプロに試乗して頂き,前後のブレーキバランスにOKを頂きました.

これで昨年の冬から苦しまされた問題にようやく決着がついた訳なのですが,そのバランスを整えるに用いたブレーキパッド,IDIの「SC6」に交換する際,ショップのメカニックさんから「キャリパーのダストシールが・・・」とボロボロの写真を見せられました.


それまで使っていた「SC6.5」の耐熱温度がどうも低い気がしていたのですが,ダストシールにまでダメージがいってましたか・・・.その場でオーバーホールをオススメされたのですが,「いや,オーバーホールするくらいだったら,前々からやろうと思っていたSPOONキャリパーを投入する」と答えて,その場で発注しました.このご時世なので,どうせ納期は3ヵ月くらい掛かるんだろう~と,呑気に待つつもりだったのですが,アッサリと2週間後には到着(↓).



別件で依頼していたロアーアームブッシュのピロ化(↓),



・・・と抱き合わせで作業して頂き,サックリと1日で仕上げて頂きました(↓).



これでようやくキャリパーのサイズが固まり,ホイールの選定に本腰を入れられるようになったので,早速SPOONキャリパーとの干渉要件の洗い出し.


まずは手持ちのホイールの中で最小となるRAYSのCE28N 15×6.5J INSET+45をショップでトライしてもらったところ(↓),



結果は「NG」.外周部分は問題ないが,スポーク部分が当たるとの事でINSETが浅過ぎとなりました.「5mmのホイールスペーサーを入れれば大丈夫」というアドバイスも頂いたので,INSETは+40が目安となりそう.
(INSETが+40のADVAN Racing RZⅡ 15×7.5J↓は「OK」)



次期ホイールはリム幅を7インチにするつもりなので,15×7.0J INSET+42だとどうだ?と思い,試算してみると(↓),


(Fancy Craft:ホイールオフセット計算

INSET的には2mm足りませんが,リム幅が0.5インチ(=12.7mm)増えて中心点がズレるので15×6.5J INSET+40と同等な所に来そう.「これならイケるかなぁ~?」という事で,試着してみると(↓),



全然余裕~♪ さすがはGTRデザインですね.


ちなみに,「GTRデザイン」というのはYOKOHAMA WHEELの用語で(↓),



R32 GT-R専用に,スポークを大きくコンケイブした専用デザインを初代RGで設定した事に由来するそうで,基本となるデザインを「スタンダード」,そのスポークをよりコンケイブさせたデザインを「GTRデザイン」,そして,その「GT-Rデザイン」よりも更にコンケイブさせたデザインを「スーパーGTRデザイン」と呼ぶのだそうです.私が使っているRZⅡは「GTRデザイン」なのでこのコンケイブのおかげでキャリパーを避けてくれたようです.


これでYOKOHAMA WHEELであれば,入るINSETも正確に抑えられたので,目ぼしをつけていたホイールを手配しよう~と調べていたら,横浜ゴムがA050のタイムアタック競技向け新コンパウンドである「A1」を発表(↓).



まだ3サイズしかありませんが,今後「A1」のラインナップが増えていく事を想定すると,検討していたβ11ではなく,いっそSタイヤに行っちゃうか!?とか考えていたら,こんなニュースが飛び込んで来ました(↓).

  Øutlaw Motorsport :RE-71RSの廃盤とRE-71RZの登場

なんと! RE-71RSがモデルチェンジ だそうです(次はRE-71RTじゃないのね・・・).

RE-71Rの発売が2015年,RE-71RSの発売が2020年であった事を考えると,確かにそろそろBSのハイグリップラジアルがモデルチェンジしてもおかしくない.となると,前2つと同じパターンで,年明けの2026年オートサロンでお披露目し,正式発売は2月だな・・・と一瞬で妄想が広がりましたが(笑),おっとその前にニュースソースの信憑性を確認しなきゃ.


早速中身を読んでみると,どうやらニュースソースはIPRA-AUS(Improved Production Racing Association Australia)の議事録らしい(↓).



「アレッ? このロゴ,どこかで見たような・・・」と記憶を辿ってみると,ああ,アレだ.いつぞや見たオーストラリアの熱いレースだ! なるほど,あのレースを運営している団体か.この団体,州毎に7つの支部があるので(↓),



その支部の代表者が年に1回集まってFace to Faceで会議を行い,その議事録を公開しているようですね.ふむ,これは信憑性が高そうだぞ.ただ,なんでここで「RE-71RZ」の話が出てくるんだ・・・?と議事録を読み込んでみると,この辺りに単語が出てきました(↓).



  ・NA(National Administrator)はBSAL(BridgeStone AustraLia)との議論を促している
  ・NT(Northern Territory)のタイヤテストについて
  ・BSALは,キャンバー角を付け過ぎるとタイヤの内側に影響を与えるとアドバイス
  ・BSALは,キャンバー角の詳細とタイヤ表面温度に関して,競技者向けのウェビナーを開催

  ・BSALは,「RE-71RS」の後継である「RE71-RZ」について説明
  ・筑波サーキット(恐らくTC2000)でのラップタイムが0.5~1秒短縮し,摩耗も改善
  ・「RE-71RZ」はBSの第4世代であり,「RE-71RS」の後継となる
  ・BSALは,「RE-71RZ」のタイヤサイズに関してアドバイスした
  ・SA(South Australia)は,競技者が記入して各支部に提出できるタイヤアライメントシートを提案
  ・車両セットアップ用として,各支部はこれを活用出来る



議事録の「13. Bridgestone Discussion」の前には「6. Tyre Tender」という項があり,そこにはBSとの契約の話が出ています.現在IPRA-AUSはYHと3年契約を結んでいるはずなので(↓),



その契約が終了した後,次期タイヤサプライヤーとしてBSと契約を結ぶ流れのようですね.そして,そのBSから提供するタイヤとして「RE-71RZ」を提案したという事なんでしょうか・・・?


ここから先は完全な妄想なのですが,察するに「NT」で,次期タイヤ選定のためにBSタイヤ(恐らく「RE-71RS」)のテストを行ったという事なんじゃないでしょうか? 「NT」というのは「Northern Territory」の略で,オーストラリア北部の州の事(↓),



ここには「Hidden Valley Raceway」という全長2.9kmのサーキットがあるので(↓),



恐らく,ここでIPRAの参戦車両に「RE-71RS」を履かせてテストした結果,タイヤの編摩耗か何か問題が生じ,BS側がそれは「過度にキャンバーをつけたせいだ」とウェビナー(オンライン講習会)で説明したという事なんじゃないでしょうか? これに対し,支部の1つである「SA(South Australia)」は納得しなかったため,BS側は次期製品である「RE-71RZ」をプレゼンテーションしたという流れだと話が繋がります.


もし,そうだと仮定すると「RE-71RZ」は,「RE-71RS」のあの厄介なタイヤ自身がキャンバーを持つパターンを採用しない可能性が高そうですね.



「タイヤ自身がキャンバーを持つ」というと聞こえは良いですが,コレ,キャンバーを付けられないクルマに履かせる事を前提にした話なんですよねぇ.元々キャンバーが付いているクルマにこのタイヤを履かせると,キャンバー付け過ぎ状態になってコーナリング中の接地面積が増えないという・・・.

ショルダーが丸いタイヤのメリットは「キャンバーの変化に対して接地面積の変化が少なく,性能が安定する事」なんだそうですが(↓),


(レース用タイヤの歴史と技術開発より)

「安定する」という事は,逆に「増えもしない」とも言える訳で,欲しいところで欲しいグリップが得られなければ逆に扱いづらいタイヤになりますよね・・・.これがあるので,私は「RE-71RS」を避けてきたのですが,「RE-71RZ」がタイヤ自身がキャンバーを持つパターンを採用しないのであれば,再び有力な候補として戻ってきますね.


一方,「TC2000でのラップタイムが0.5~1秒短縮」という部分に関しては,RE-71RSの時がこんな感じだったので(↓),



TC2000におけるZC6のベストタイムは59.2秒だそうなので,1.1%短縮したタイムは58.4秒で0.8秒短縮だから,0.5~1秒のレンジに入りますね.つまり,「RE-71R」→「RE-71RS」で縮まった分と同じくらい,「RE-71RS」→「RE-71RZ」でも縮まる,と捉えれば相場通りで特に違和感はありませんね.

ただ,そうなると,A052を超えてRE-12Dに比肩するタイヤという事になるような気がするのですが,そんなタイムが出るタイヤがジムカーナの所謂PN規定(↓)に収まるのかなぁ~?



PN規定を満足しつつ,それでもTC2000で0.5秒縮まるタイヤなら,確実にβ11の上を行くでしょうね.「摩耗も改善」という一言があるので,TW(Tread Wear)は維持されそうですし,RE-71RSの代替として出すのにPN規定を外す事はしないでしょうから,こちらは大丈夫かな?

β11の投入に覚悟を決めて採用するホイールを絞り込んだところだったのですが,RE-71RZの登場で15インチ維持の芽も出てきました.「タイヤの銘柄変更を決めて買ったら,新型が出た」というパターンは10年前に経験して懲りているので,ここは辛抱強く待つのが吉か!? フロントタイヤは減ってそろそろなくなりそうですし,筑千職人のタイヤ規定変更は始まっちゃったし,刻一刻とタイムリミットは迫っているのですが,ここに来て悩みのタネが増えました(苦笑).


以上,RE-71RZが発売されるであろう2026年2月まで待てるか?というお話でした.
(注:2026年2月発売は完全に個人の妄想なので,鵜呑みにしないで下さい)
Posted at 2025/10/20 05:00:47 | コメント(2) | トラックバック(0) | セッティング(タイヤ) | 日記
2025年07月02日 イイね!

β11の新サイズ

β11の新サイズ先日,筑千職人のタイヤ規定が変更され,DUNLOPの「β11」が有力な候補となりそうという話をしました.

その後,検討を進める中でフロントタイヤを15→16インチに変更する事によって外径が上がり,後々ボトルネックになってきそうだったので,当初考えていたフロント:205/50R16+リア:195/50R16の組合せではなく,前後共に195/50R16に統一する方向でホイールの物色をしていました.

この前後195通し作戦は,バネレートを下げてから考えていた策ともマッチするため,16インチ×リム幅:7インチのINSET:35辺りのホイールを調べていたのですが,そんな最中,JAFからこんなリリースが出ているのを見つけました(↓).



「おっ! ちょうど先日調べた規則じゃん~」と思い中身を確認したところ,どうやら全日本ジムカーナで使えるタイヤが増えたようで,「何が増えたのかなぁ~?」とファイルを見てみたところ(↓),


(※下線部が変化点)

「えっ!? β11のサイズが増えてる!?」
Σ(´◉ᾥ◉`) !?


これは・・・と思い,慌ててDUNLOPのサイトに行くと(↓),



おお,確かに「225/45R16」が追加されている! 「うわぁ~,こんな大事なニュースを見落としたのか?」と思い,そのままDUNLOPのリリースを調べてみたのですが,何と正式なリリースは出ていませんでした・・・.

外径は205/50R16と同じ611mmなので,そういった意味での嬉しさはありませんが,幅が230mmまで増えるなら外径アップを相殺出来るか? ただ,225/45R16の標準リム幅が7.5インチなので,+1インチの引っ張りが必要と考えると,リム幅:8.5インチのホイールが必要になる.さすがに8.5インチのホイールはEF8には入らんなぁ~と,結局,見送る方向になったのですが,225/45R16なんて何用のタイヤなんだろう??


DUNLOPのワークスは以下の4車種だと思うのですが(↓),

  PN1 ・・・ ヤリス       (MXPA10)
  PN3 ・・・ ロードスターRF(NDERC)
  PN3 ・・・ GR86       (ZN8)
  PN4 ・・・ GRヤリス    (GXPA16)

これらのタイヤサイズは当然既に揃ってますし(↓),

  MXPA10 ・・・ 195/50R16
  NDERC  ・・・ 215/45R17
  ZN8    ・・・ 225/45R17
  GXPA16 ・・・ 225/40R18

これら以外の車種用なのかな?と,他のDUNLOPユーザーの車種とタイヤサイズをざっくり調べてみましたが(↓),

  DFM5P   ・・・ 225/40R18? + 255/40R18?
  DFM5P4  ・・・ 225/40R18? + 255/40R18?
  FVDAZF  ・・・ 255/40R18?
  MF16S    ・・・ 205/50R16?
  ZC33S    ・・・ 205/50R16?
  ND5RC   ・・・ 205/50R16?
  NF2EK   ・・・ 215/45R17?
  GZEA14H ・・・ 235/40R18?

既存のラインナップで大体カバー出来ていて,「225/45R16」が必要となりそうな車種はいなさそう.となると,新たなユーザーが増えたという事なのかな? 一体何用のタイヤなんだろう??と不思議でした.


以上,β11の新サイズのお話でした.
(幅は問わないので,15インチサイズのβ11も設定してくれないかなぁ・・・)
Posted at 2025/07/04 04:42:35 | コメント(2) | トラックバック(0) | セッティング(タイヤ) | 日記
2025年06月21日 イイね!

筑千職人のタイヤ規定

筑千職人のタイヤ規定(あおたまさん,画像をお借りしました.<(_ _)>)

筑波サーキット・コース1000で行われている会員走行(ファミリー走行)での公式タイムアタックイベント「筑千職人」ですが,秋ノ陣('25/9月~)からタイヤレギュレーションが改訂されるそうです.

これまでは単純に「ラジアルタイヤ」「Sタイヤ」という区分のみで細かい規定はなかったのですが(=タイヤメーカーが「Sタイヤ」と言っているかどうかだけ),今回はきちんと銘柄が定められたそうです.

正直「今頃?」という気がしなくもないのですが,誰か不満を言ったんですかね?(苦笑) 個人的にはタイヤルールよりFWDクラスの排気量分けの方を先にやって欲しい気もしますが,「U1.6(排気量1.6L未満)」とかにするとクラス不成立になるからやらないのかな・・・.


ま,そんな事はさておき,このタイヤ規定で一番のポイントとなりそうなのが,「A052がSタイヤ扱いになっている」という事でしょうか.同等と目されるRE-71RSは「ラジアルタイヤ」扱いなので,どうやらジムカーナ辺りのルールを持って来たようです.

ただ,全日本の規定は非常に難解で,かつ 銘柄を明確にしない代物だったはずなので(↓),



これだけはっきり銘柄を描いているとなると,全日本ではなく,地区戦の方のルールっぽい.
筑波という事は関東ジムカーナかな?と思い,そちらの規定を見に行ったところ(↓),



そうだった.関東は全日本準拠で明確にしていないんだった・・・.
(銘柄をはっきりさせているのは,中部より西側)


となると,まさか県戦の規定?と思いましたが,いやいや,さすがにそんな事はないだろう~とJAFの規則書を調べて,ようやく見つけました(↓).



そうか.サーキットトライアルの規定か.これならイベントも類似しているので納得性はありますね.

なるほど,なるほど~と思いつつ,「ラジアルタイヤ」の規定を照らし合わせてみたところ,完全に一致したのでどうやらこれで間違いなさそう.ただ,サーキットトライアルの規定には「Sタイヤ」の区分がないので,これはどこから来たんだろ?と疑問に思いましたが,そういえば,サーキットトライアルには「筑波シリーズ規定」が別にあった事を思い出し,そちらを見てみると(↓),



あった,あった.「使用を禁止するタイヤ」=「Sタイヤ」なので,こちらもぴったり一致しており,間違いないですね.


といった感じでルールの根拠を理解出来たところで,さて,どのタイヤを選ぶか?

私は現在A052を使っているのですが,残念ながらこれは「Sタイヤ」扱いとされてしまったので,使用を断念せざるを得ないようです(さすがにA050と同等扱いにされると不利).コスト的にはYHを継続使用するのが一番良いのでAD09を選びたいところですが,これでRE-71RSに勝てるのか? なんか怪しいなぁ・・・と思い比較記事を探してみたところ(↓),


(Web Option:「禁断の自腹企画」話題の“アドバンネオバAD09”を“ポテンザRE-71RS”とガチ比較してみた!より)

新品状態の1発のタイムこそRE-71RSの方が上ですが,そのオイシイところを過ぎるとAD09と同等レベルだとか・・・.

いやいや待てよ.確かRE-71RSの新品の1発って,RE-12D並みじゃなかったか?(↓)


(REVSPEED 2024年11月号より)

その新品状態を過ぎた後がAD09レベルって,相当グリップ落ちてないか?(A052比) A052⇔AD09って,TC1000だと0.6~0.8秒くらい差があるはずなので,新品時はともかく,その後はRE-71RSって使い物にならないんじゃ・・・? かといって,そのRE-71RSの新品時と比べるとAD09は明らかに勝負になってない.これってジムカーナで起こった事象と一緒じゃないか?

となると,恐らくあのタイヤが出てくるな・・・と思い,念のため資料を確認してみると(↓),


(JAF:タイヤ規定に関するアンケート結果より)

ああ,やっぱり「β11」一択だ.

念のため,TC1000で行われた全日本ジムカーナのPN1クラス(1.5L未満のFF)のリザルトを確認してみると(↓),


(DUNLOP:2025年 JAF全日本ジムカーナ選手権 第1戦 リザルトより)

優勝こそBS(=RE-71RS)ですが,ほぼDUNLOP(=β11)の寡占状態になってる.つまり,RE-71RSと互角の戦いが出来るのは「β11」しかないという事ですね・・・.

逆に言うと,新品状態ではRE-71RSが僅かに上回るが,それ以外の時は平均的にβ11の方が上という事になりそう.ならば両者の特性をどうなんだろう?と「β11」に関して調べてみたところ,各種感想を纏めるとこんな感じでした(↓).

  ・グリップレベルは,β11とRE-71RSで同等
  ・夏場だったらA052とも同等
  ・温度域で分けると,β11は低温,RE-71RSは高温,A052は温度域を選ばず,といった感じ
  ・β10と比較するとβ11はピークグリップは低いが,その分だけライフは長い
  ・RE-71RSは唐突に裏切られる事があるが,β11にはそれがない
  ・ZⅢ(とAD09)は限界を超えた瞬間,戻って来れなくなるが,β11はそれがない

ふむ,私の使い方だと,やはりβ11の方が合っていそうだなぁ~.


となると,残る問題はタイヤサイズか(↓).



β11はラインナップが少ないので,16インチしか選択肢がないんだよなぁ.幸いにして205幅と195幅があるので,前後サイズは揃っていますが,16インチなので外径が上がる・・・(おまけに高いし).ちなみに,β11もA052と同様に公称よりも幅広なので,ホイールのリム幅は+1インチとなりそうでした.


以上,筑千職人のタイヤ規定対策でした.

いやはや何の問題もなかったA052が使えなくなるのは本当に痛い.AD09・ZⅢでは大幅にタイムが落ちるのが目に見えていますし,RE-71RSは新品時オンリーなので選びにくい(繰返し使うにはタイヤカスのあの付着量がツラい).CR-Sは冬場使えないし(FFのリア用に使うにはウォームアップに難が),色々加味するとβ11一択な気もしますが,サイズがなぁ~.コレ,暫く頭痛のタネとなりそうです・・・.
Posted at 2025/06/22 19:04:44 | コメント(4) | トラックバック(0) | セッティング(タイヤ) | 日記
2025年06月08日 イイね!

195幅の皮算用

195幅の皮算用今後の伸び代に期待して前後スプリングのレートアップを行ってきたのですが,アレコレ問題ばかり抱えてしまい,伸び代どころか,むしろ落ち代の方が大きい事実を突きつけられ,元の仕様に戻す事にしました.

戻した後の感触としては非常に良好で,これが私にとって一番不満なく・楽しく・速く走らせられる仕様のようなので,新しいダンパーを購入するまではこの仕様で行こうと思っています.

この結果,レートアップによって解消を目論んだ色々な課題が再び舞い戻ってくる事になるのですが,その中の1つに「205幅と195幅でタイム差が0.05秒しかない」というものがありました.



これは同日に,フロントタイヤを205/50R15→195/55R15に変えて走行してみたところ,両者のベストタイムの差がたった0.05秒しかなかった・・・というお話です.
(ちなみに,205幅の方は40秒台を出しているので,ほぼ全力を出し切った状態のタイムです)

これに対するプロの見解としては,「タイヤに掛かる負荷が大き過ぎて,タイヤの幅の差が出にくくなっているのでは?」というものでした(↓).



このため,「バネレートを上げて,タイヤに掛かる負荷を減らしてやろう」という目論見でレートアップ作戦に移っていった訳なのですが,その結果,今度はタイヤに掛けられる負荷が低過ぎて,グリップレベルの低いところで走る羽目になってしまいました・・・(↓).



という事でレートを元に戻して,タイヤに掛かる負荷を適正化した訳なのですが,そうなると「どうせほぼ同じタイムになるのなら,195幅にした方がランニングコストが下がって良いのでは?」とも考えるようになりました.



今月からまたタイヤの値段が上がり,205/50R15⇔195/55R15の価格差がちょうど値上がり分に相当しているので,そういった考え方もアリかな・・・?と.

ただ,如何にTC1000でほぼ同タイムとはいえ,日光やTC2000を走ったら195幅の方が遅くなるのは日を見るより明らかなので,単純に細くするだけでは面白くない.195幅にする事で何かしらのプラス要素を得られないか?と皮算用を始めました.


タイヤ幅を細くする事で,最初に得られる恩恵はホイールのリム幅も細く出来る事.



A052の場合,個人的には「標準リム幅 + 1インチ」くらいが適正と考えているのですが,205/50R15でこの公式に当て嵌めると(↓),



「7.5インチ」となり,ホイールの選択肢が非常に少ないのですよね・・・.これを195幅にすると「7インチ」で良くなり,ホイールの選択肢がかなり広がります.

ホイールの選択肢が広がると何が良いのか?というと,ホイールのINSETの選択肢も増えるという事です.


(Fancy Craft:ホイールオフセット計算より)

タイヤの外側を現在の205幅に合わせた場合,上図のようにINSETは「34」まで拡大する事が出来ます.15インチサイズのINSETって,40台の次は35まで飛ぶ事が多いので,これが結構助かるんです.


ちなみに,195幅で0.05秒落ちのタイムをマークした時のホイールのINSETは「42」なので(↓),



INSET「35」が選べた場合は,フロントのトレッドが+14mm広がる事になります.これで0.05秒落ちを帳消しに出来れば儲けものですね.

また,トレッドを拡大した事によるステアリングレスポンスの低下に関しては,


(自動車を物理する:抜群に効くワイドトレッド化 その4より)

現状,ヘアピン等でターンイン時のステアリングレスポンスが良過ぎる傾向にあるため,これを補正する意味でもプラス要素となり得るのではないか?と考えています.

あと問題となりそうなのは,ホイールの重量.最近のホイールは剛性アップを優先してTE37系の15インチでも6~7kgとかなり重いので,0.05秒落ちをマークした時のホイールの重量である「4.9kg」になるべく近しいホイールを選びたいところです.


(現状,全ての要求を満足するのは,WedsSportの「TC105X」くらいしかなさそうですが・・・)


他に195幅を選んだ際のデメリットがないか?と考えると,外径でしょうか.

  205/50R15 ・・・ 587mm
  195/55R15 ・・・ 595mm (+8mm)

195幅の方は扁平率が55なので,どうしても外径が大きくなります.片側たった4mmの差が影響あるのか?というと,


205/50R15 vs 195/55R15の比較結果より)

地味ィ~にある気がするんですよねぇ・・・.


となると,同じ195幅でも195/50R15の方が良いのか?と思いたくなりますが(↓),



タイヤ幅は同じ201mmで問題ありませんが,そう上手くは行かない気がしています.その理由は「外径」.

  195/55R15 ・・・ 595mm
  195/50R15 ・・・ 577mm (-18mm)

タイヤの外径が小さくなると加速力が良くなって良いじゃん!と思いたくなるのですが,



タイヤの外径が小さくなるという事は,タイヤが潰れて出来る接地長が短くなります.
(接地長が減る=接地面積が減る=グリップが減る)

昔のツーリングカーがなんで19インチなんていうオーバーサイズの大経ホイールを,フェンダー内に無理やり押し込んでいたか?というと(↓),



タイヤの幅がレギュレーションで制限されて広げられなかったので,タイヤの外径を上げて接地長を増やして接地面積を増やそうとしたからなんですよね.

今回のケースはこの逆という事で,以前こういったメカニズムを知らず,同じように加速性能の向上に期待してRE-71Rの195/50R15を日光で試した事があるのですが,その際はフロントのグリップが大幅に低下して,オレさまのブレーキ操作に耐え切れず,4輪全てがロックしてフラットスポットを作られた苦い記憶があります・・・.


なので,195/50R15まで小さくする事に関しては,少し慎重に考えないといけない訳なのですが,そうなると,55扁平→50扁平でどれくらい接地面積は減るものなのか?といった疑問も湧いてきます.何かこれを計算する方法がないかな?と調べてみたところ,こんな実験式を見つけました(↓).

  [接地面積] = 0.03 × [タイヤの直径] × [タイヤ1輪に掛かる荷重] / [タイヤの内圧]

同じクルマ・同じ内圧であれば,実質的にタイヤの直径の比率がそのまま接地面積の差になる,という事のようです.これを使って試算してみると,

  195/55R15 ・・・ 外径:595mm ⇒ これを1.000と考えた場合
  195/50R15 ・・・ 外径:577mm ⇒ 577 / 595 = 0.969

つまり,195/50R15だと接地面積が3.1%小さくなるという事のようですね.一応,内圧を同じ比率で下げれば(2.20キロ→2.13キロ)同等の接地面積は得られる理屈になるのですが,はたして・・・?


以上,195幅の皮算用でした.
Posted at 2025/06/08 19:58:17 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(タイヤ) | 日記
2025年03月29日 イイね!

転がりインピーダンスのお勉強

転がりインピーダンスのお勉強THE TALLさんのブログで「タイヤの空気圧が高いほど走行抵抗は低くなると思っていたが,そうでもない」というお話を知りました.

最初に読んだ瞬間は「なんだそりゃ?」と思ったのですが,ソースの記事を読むと「なるほど,それは一理あるかも・・・」と考え直しました.軽く調べてみたところ,この説は2021年に発表されたものだそうで,ロードバイクの世界では当たり前の話となっているそうなのですが,自動車の世界では類似した情報は見つけられませんでした.

中には「たった1つの会社がそう言っているだけで,オカルトの類」とまで言っている人もいましたが,まぁ,それはそれとして理屈を理解しておくのも面白いだろうと調べてみる事にしました.


まず,この説を発表したのはイタリアの老舗ポンプメーカーである「SILCA」という会社.



「なんでポンプメーカーがロードバイクの話をするんだ?」と思ったら,自転車用の空気入れにポンプを使っていましたね.現在ではポンプだけでなく,様々な自転車のパーツを生み出している会社だそうです.


この「SILCA」のブログに前後編で研究の内容が述べられていました(↓).

  Part 4A: Rolling Resistance (The History and Previous Works)
  Part 4B: Rolling Resistance and Impedance


原文は英語なので,これを意訳しながら纏めてみるとこんな内容です(↓).

2007~2008年にパリ~ルーベ(フランスで行われるサイクルロードレース)のホイールを開発していた際,リムが破損する限界を探ろうとタイヤの内圧をどんどん下げるテストを行っていた.内圧を下げると転がり抵抗が増えるため通常は速度が落ちるはずなのだが,内圧を下げれば下げる程,速度は上がっていった.


(JATMA:タイヤの性能と技術より)

この原因を調査する過程で,自転車物理学の研究者Tom Anhalt氏が2009年に公開したデータを見つけた(↓).



このデータでは,タイヤの転がり抵抗を滑らかなローラー上で計測した場合(青)と実際の路面に近い条件で計測した場合(水色)を比較したもので,内圧が低い領域では同じ特性を示すが,一定の値(Break Point)を超えて内圧を上げると,実際の路面に近い条件(水色)では転がり抵抗が増える事が示されていた.

この特性は,Bicycle QuarterlyのJan Heine氏が「サスペンション損失」と呼ぶ現象が影響していると思われる(↓).


(SILCA:Part 4A Rolling Resistanceより)

これは,タイヤの内圧が100psi(6.9キロ)の状態で路面上にある5mmの段差を乗り越えようとした際,車体は1mmしか持ち上がらず,残り4mm分の衝撃はタイヤが変形する事で吸収されるというものである.この変形による損失は路面の荒れ具合(周期的な変化)に依存している事から,「周波数特性を持った抵抗成分」という意味で「転がりインピーダンス」とSILCAでは呼んでいる


この「転がりインピーダンス」を特性を解明するために,2014年に3種類の路面でテストを行った.


(SILCA:Part 4B Rolling Resistance and Impedanceより)

その結果,やはりタイヤの内圧が一定の値(Break Point)を超えると転がり抵抗(Crr)は増える事が確認された.
このテストではライダーの体重やタイヤの幅等も変えて行ってみたが,同じ傾向だった.


また,Break Point前後でライダーの仕事量を比較してみると(↓),



Break Pointよりも内圧が10psi(0.6キロ)低い場合の方が,10psi(0.6キロ)高い場合よりも仕事量が少ない(=抵抗が小さい)事も分かった.これは「転がりインピーダンス」が非線形な特性を持っているためと思われる.


更に,このテストから2年後,再び同じ路面でテストを行った(↓).


(SILCA:Part 4B Rolling Resistance and Impedanceより)

2年前(左)と比べて今回(右)の方が転がり抵抗(Crr)の絶対値が小さくなっている.また,Break Pointの位置やBreak Point以降の特性も変わっている事が分かる.これは2年の年月で路面が擦り減り,表面が更に滑らかになった事と,アスファルトが2年の年月で硬化して変形しにくくなった事が影響していると思われる.つまり,「転がりインピーダンス」の特性は,路面の滑らかさや硬さの影響も受けている事が分かる.


以上の話を纏めると,

  ・タイヤの内圧は低くすると,タイヤの転がり抵抗は増える
  ・反対に,内圧を高くすれば転がり抵抗は減るのだが,その途中に「Break Point」が存在する
  ・この「Break Point」よりも高い内圧を設定すると,転がり抵抗は逆に増えてしまう
  ・この「Break Point」は,路面の滑らかさや硬さによって変わる
  ・路面がより滑らかな方が,タイヤの転がり抵抗は減る
  ・路面がより硬い方が,タイヤの転がり抵抗は減る
  ・「Break Point」近辺でセッティングを詰める場合は,高めよりも低めを狙った方が転がり抵抗は小さい

といった感じでしょうか.なかなか興味深いお話ですが,現状この「Break Point」を論理的に導き出す手立てはないそうで,現場でテストしてみるしかないそうです.そうなると,この理論を実践するのはなかなか難しい気もしますね.


さて,この「転がりインピーダンス」のお話は,あくまでロードバイク用のタイヤのお話なので,自動車用のタイヤでも同じ事が言えるのか?は分かりません.そこで両者の違いをざっくり調べてみました.

【ロードバイク用(Continental GP4000s II 25mm)】
  ・外径    :700mm
  ・幅      :25mm
  ・推奨内圧 :95~123psi
  ・パターン  :ほぼスリック

【自動車用(ADVAN A052 205/50R15)】
  ・外径    :587mm
  ・幅      :214mm
  ・推奨内圧 :32~40psi
  ・パターン  :セミスリック

自動車用のタイヤはロードバイク用のタイヤと比べて,直径が小さく・幅は太く・内圧は低く・タイヤの溝も少ない事が分かりました.これらの特徴を踏まえると先述の「サスペンション損失(≒衝撃の吸収能力)」は,ロードバイク用よりも自動車用の方が大きく,内圧変化に対する転がり抵抗の感度もその分だけ低そうです.

という事は,先述のこの図(↓)を上下を潰して,更に内圧の使用レンジも狭めた感じになるので,



仮に自動車用タイヤに「Break Point」があったとしても,そもそもの変化量自体が小さく,無視出来るレベルなんじゃないかなぁ~?と思いました.


以上,転がりインピーダンスのお勉強でした.最終的には「4輪には関係ない話」となってしまいましたが,今までのセオリーとは異なるお話で,理屈そのものはなかなか面白かったです.
Posted at 2025/03/30 02:03:23 | コメント(1) | トラックバック(0) | セッティング(タイヤ) | 日記

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