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OX3832のブログ一覧

2025年07月02日 イイね!

β11の新サイズ

β11の新サイズ先日,筑千職人のタイヤ規定が変更され,DUNLOPの「β11」が有力な候補となりそうという話をしました.

その後,検討を進める中でフロントタイヤを15→16インチに変更する事によって外径が上がり,後々ボトルネックになってきそうだったので,当初考えていたフロント:205/50R16+リア:195/50R16の組合せではなく,前後共に195/50R16に統一する方向でホイールの物色をしていました.

この前後195通し作戦は,バネレートを下げてから考えていた策ともマッチするため,16インチ×リム幅:7インチのINSET:35辺りのホイールを調べていたのですが,そんな最中,JAFからこんなリリースが出ているのを見つけました(↓).



「おっ! ちょうど先日調べた規則じゃん~」と思い中身を確認したところ,どうやら全日本ジムカーナで使えるタイヤが増えたようで,「何が増えたのかなぁ~?」とファイルを見てみたところ(↓),


(※下線部が変化点)

「えっ!? β11のサイズが増えてる!?」
Σ(´◉ᾥ◉`) !?


これは・・・と思い,慌ててDUNLOPのサイトに行くと(↓),



おお,確かに「225/45R16」が追加されている! 「うわぁ~,こんな大事なニュースを見落としたのか?」と思い,そのままDUNLOPのリリースを調べてみたのですが,何と正式なリリースは出ていませんでした・・・.

外径は205/50R16と同じ611mmなので,そういった意味での嬉しさはありませんが,幅が230mmまで増えるなら外径アップを相殺出来るか? ただ,225/45R16の標準リム幅が7.5インチなので,+1インチの引っ張りが必要と考えると,リム幅:8.5インチのホイールが必要になる.さすがに8.5インチのホイールはEF8には入らんなぁ~と,結局,見送る方向になったのですが,225/45R16なんて何用のタイヤなんだろう??


DUNLOPのワークスは以下の4車種だと思うのですが(↓),

  PN1 ・・・ ヤリス       (MXPA10)
  PN3 ・・・ ロードスターRF(NDERC)
  PN3 ・・・ GR86       (ZN8)
  PN4 ・・・ GRヤリス    (GXPA16)

これらのタイヤサイズは当然既に揃ってますし(↓),

  MXPA10 ・・・ 195/50R16
  NDERC  ・・・ 215/45R17
  ZN8    ・・・ 225/45R17
  GXPA16 ・・・ 225/40R18

これら以外の車種用なのかな?と,他のDUNLOPユーザーの車種とタイヤサイズをざっくり調べてみましたが(↓),

  DFM5P   ・・・ 225/40R18? + 255/40R18?
  DFM5P4  ・・・ 225/40R18? + 255/40R18?
  FVDAZF  ・・・ 255/40R18?
  MF16S    ・・・ 205/50R16?
  ZC33S    ・・・ 205/50R16?
  ND5RC   ・・・ 205/50R16?
  NF2EK   ・・・ 215/45R17?
  GZEA14H ・・・ 235/40R18?

既存のラインナップで大体カバー出来ていて,「225/45R16」が必要となりそうな車種はいなさそう.となると,新たなユーザーが増えたという事なのかな? 一体何用のタイヤなんだろう??と不思議でした.


以上,β11の新サイズのお話でした.
(幅は問わないので,15インチサイズのβ11も設定してくれないかなぁ・・・)
Posted at 2025/07/04 04:42:35 | コメント(2) | トラックバック(0) | セッティング(タイヤ) | 日記
2025年06月08日 イイね!

195幅の皮算用

195幅の皮算用今後の伸び代に期待して前後スプリングのレートアップを行ってきたのですが,アレコレ問題ばかり抱えてしまい,伸び代どころか,むしろ落ち代の方が大きい事実を突きつけられ,元の仕様に戻す事にしました.

戻した後の感触としては非常に良好で,これが私にとって一番不満なく・楽しく・速く走らせられる仕様のようなので,新しいダンパーを購入するまではこの仕様で行こうと思っています.

この結果,レートアップによって解消を目論んだ色々な課題が再び舞い戻ってくる事になるのですが,その中の1つに「205幅と195幅でタイム差が0.05秒しかない」というものがありました.



これは同日に,フロントタイヤを205/50R15→195/55R15に変えて走行してみたところ,両者のベストタイムの差がたった0.05秒しかなかった・・・というお話です.
(ちなみに,205幅の方は40秒台を出しているので,ほぼ全力を出し切った状態のタイムです)

これに対するプロの見解としては,「タイヤに掛かる負荷が大き過ぎて,タイヤの幅の差が出にくくなっているのでは?」というものでした(↓).



このため,「バネレートを上げて,タイヤに掛かる負荷を減らしてやろう」という目論見でレートアップ作戦に移っていった訳なのですが,その結果,今度はタイヤに掛けられる負荷が低過ぎて,グリップレベルの低いところで走る羽目になってしまいました・・・(↓).



という事でレートを元に戻して,タイヤに掛かる負荷を適正化した訳なのですが,そうなると「どうせほぼ同じタイムになるのなら,195幅にした方がランニングコストが下がって良いのでは?」とも考えるようになりました.



今月からまたタイヤの値段が上がり,205/50R15⇔195/55R15の価格差がちょうど値上がり分に相当しているので,そういった考え方もアリかな・・・?と.

ただ,如何にTC1000でほぼ同タイムとはいえ,日光やTC2000を走ったら195幅の方が遅くなるのは日を見るより明らかなので,単純に細くするだけでは面白くない.195幅にする事で何かしらのプラス要素を得られないか?と皮算用を始めました.


タイヤ幅を細くする事で,最初に得られる恩恵はホイールのリム幅も細く出来る事.



A052の場合,個人的には「標準リム幅 + 1インチ」くらいが適正と考えているのですが,205/50R15でこの公式に当て嵌めると(↓),



「7.5インチ」となり,ホイールの選択肢が非常に少ないのですよね・・・.これを195幅にすると「7インチ」で良くなり,ホイールの選択肢がかなり広がります.

ホイールの選択肢が広がると何が良いのか?というと,ホイールのINSETの選択肢も増えるという事です.


(Fancy Craft:ホイールオフセット計算より)

タイヤの外側を現在の205幅に合わせた場合,上図のようにINSETは「34」まで拡大する事が出来ます.15インチサイズのINSETって,40台の次は35まで飛ぶ事が多いので,これが結構助かるんです.


ちなみに,195幅で0.05秒落ちのタイムをマークした時のホイールのINSETは「42」なので(↓),



INSET「35」が選べた場合は,フロントのトレッドが+14mm広がる事になります.これで0.05秒落ちを帳消しに出来れば儲けものですね.

また,トレッドを拡大した事によるステアリングレスポンスの低下に関しては,


(自動車を物理する:抜群に効くワイドトレッド化 その4より)

現状,ヘアピン等でターンイン時のステアリングレスポンスが良過ぎる傾向にあるため,これを補正する意味でもプラス要素となり得るのではないか?と考えています.

あと問題となりそうなのは,ホイールの重量.最近のホイールは剛性アップを優先してTE37系の15インチでも6~7kgとかなり重いので,0.05秒落ちをマークした時のホイールの重量である「4.9kg」になるべく近しいホイールを選びたいところです.


(現状,全ての要求を満足するのは,WedsSportの「TC105X」くらいしかなさそうですが・・・)


他に195幅を選んだ際のデメリットがないか?と考えると,外径でしょうか.

  205/50R15 ・・・ 587mm
  195/55R15 ・・・ 595mm (+8mm)

195幅の方は扁平率が55なので,どうしても外径が大きくなります.片側たった4mmの差が影響あるのか?というと,


205/50R15 vs 195/55R15の比較結果より)

地味ィ~にある気がするんですよねぇ・・・.


となると,同じ195幅でも195/50R15の方が良いのか?と思いたくなりますが(↓),



タイヤ幅は同じ201mmで問題ありませんが,そう上手くは行かない気がしています.その理由は「外径」.

  195/55R15 ・・・ 595mm
  195/50R15 ・・・ 577mm (-18mm)

タイヤの外径が小さくなると加速力が良くなって良いじゃん!と思いたくなるのですが,



タイヤの外径が小さくなるという事は,タイヤが潰れて出来る接地長が短くなります.
(接地長が減る=接地面積が減る=グリップが減る)

昔のツーリングカーがなんで19インチなんていうオーバーサイズの大経ホイールを,フェンダー内に無理やり押し込んでいたか?というと(↓),



タイヤの幅がレギュレーションで制限されて広げられなかったので,タイヤの外径を上げて接地長を増やして接地面積を増やそうとしたからなんですよね.

今回のケースはこの逆という事で,以前こういったメカニズムを知らず,同じように加速性能の向上に期待してRE-71Rの195/50R15を日光で試した事があるのですが,その際はフロントのグリップが大幅に低下して,オレさまのブレーキ操作に耐え切れず,4輪全てがロックしてフラットスポットを作られた苦い記憶があります・・・.


なので,195/50R15まで小さくする事に関しては,少し慎重に考えないといけない訳なのですが,そうなると,55扁平→50扁平でどれくらい接地面積は減るものなのか?といった疑問も湧いてきます.何かこれを計算する方法がないかな?と調べてみたところ,こんな実験式を見つけました(↓).

  [接地面積] = 0.03 × [タイヤの直径] × [タイヤ1輪に掛かる荷重] / [タイヤの内圧]

同じクルマ・同じ内圧であれば,実質的にタイヤの直径の比率がそのまま接地面積の差になる,という事のようです.これを使って試算してみると,

  195/55R15 ・・・ 外径:595mm ⇒ これを1.000と考えた場合
  195/50R15 ・・・ 外径:577mm ⇒ 577 / 595 = 0.969

つまり,195/50R15だと接地面積が3.1%小さくなるという事のようですね.一応,内圧を同じ比率で下げれば(2.20キロ→2.13キロ)同等の接地面積は得られる理屈になるのですが,はたして・・・?


以上,195幅の皮算用でした.
Posted at 2025/06/08 19:58:17 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(タイヤ) | 日記
2025年03月29日 イイね!

転がりインピーダンスのお勉強

転がりインピーダンスのお勉強THE TALLさんのブログで「タイヤの空気圧が高いほど走行抵抗は低くなると思っていたが,そうでもない」というお話を知りました.

最初に読んだ瞬間は「なんだそりゃ?」と思ったのですが,ソースの記事を読むと「なるほど,それは一理あるかも・・・」と考え直しました.軽く調べてみたところ,この説は2021年に発表されたものだそうで,ロードバイクの世界では当たり前の話となっているそうなのですが,自動車の世界では類似した情報は見つけられませんでした.

中には「たった1つの会社がそう言っているだけで,オカルトの類」とまで言っている人もいましたが,まぁ,それはそれとして理屈を理解しておくのも面白いだろうと調べてみる事にしました.


まず,この説を発表したのはイタリアの老舗ポンプメーカーである「SILCA」という会社.



「なんでポンプメーカーがロードバイクの話をするんだ?」と思ったら,自転車用の空気入れにポンプを使っていましたね.現在ではポンプだけでなく,様々な自転車のパーツを生み出している会社だそうです.


この「SILCA」のブログに前後編で研究の内容が述べられていました(↓).

  Part 4A: Rolling Resistance (The History and Previous Works)
  Part 4B: Rolling Resistance and Impedance


原文は英語なので,これを意訳しながら纏めてみるとこんな内容です(↓).

2007~2008年にパリ~ルーベ(フランスで行われるサイクルロードレース)のホイールを開発していた際,リムが破損する限界を探ろうとタイヤの内圧をどんどん下げるテストを行っていた.内圧を下げると転がり抵抗が増えるため通常は速度が落ちるはずなのだが,内圧を下げれば下げる程,速度は上がっていった.


(JATMA:タイヤの性能と技術より)

この原因を調査する過程で,自転車物理学の研究者Tom Anhalt氏が2009年に公開したデータを見つけた(↓).



このデータでは,タイヤの転がり抵抗を滑らかなローラー上で計測した場合(青)と実際の路面に近い条件で計測した場合(水色)を比較したもので,内圧が低い領域では同じ特性を示すが,一定の値(Break Point)を超えて内圧を上げると,実際の路面に近い条件(水色)では転がり抵抗が増える事が示されていた.

この特性は,Bicycle QuarterlyのJan Heine氏が「サスペンション損失」と呼ぶ現象が影響していると思われる(↓).


(SILCA:Part 4A Rolling Resistanceより)

これは,タイヤの内圧が100psi(6.9キロ)の状態で路面上にある5mmの段差を乗り越えようとした際,車体は1mmしか持ち上がらず,残り4mm分の衝撃はタイヤが変形する事で吸収されるというものである.この変形による損失は路面の荒れ具合(周期的な変化)に依存している事から,「周波数特性を持った抵抗成分」という意味で「転がりインピーダンス」とSILCAでは呼んでいる


この「転がりインピーダンス」を特性を解明するために,2014年に3種類の路面でテストを行った.


(SILCA:Part 4B Rolling Resistance and Impedanceより)

その結果,やはりタイヤの内圧が一定の値(Break Point)を超えると転がり抵抗(Crr)は増える事が確認された.
このテストではライダーの体重やタイヤの幅等も変えて行ってみたが,同じ傾向だった.


また,Break Point前後でライダーの仕事量を比較してみると(↓),



Break Pointよりも内圧が10psi(0.6キロ)低い場合の方が,10psi(0.6キロ)高い場合よりも仕事量が少ない(=抵抗が小さい)事も分かった.これは「転がりインピーダンス」が非線形な特性を持っているためと思われる.


更に,このテストから2年後,再び同じ路面でテストを行った(↓).


(SILCA:Part 4B Rolling Resistance and Impedanceより)

2年前(左)と比べて今回(右)の方が転がり抵抗(Crr)の絶対値が小さくなっている.また,Break Pointの位置やBreak Point以降の特性も変わっている事が分かる.これは2年の年月で路面が擦り減り,表面が更に滑らかになった事と,アスファルトが2年の年月で硬化して変形しにくくなった事が影響していると思われる.つまり,「転がりインピーダンス」の特性は,路面の滑らかさや硬さの影響も受けている事が分かる.


以上の話を纏めると,

  ・タイヤの内圧は低くすると,タイヤの転がり抵抗は増える
  ・反対に,内圧を高くすれば転がり抵抗は減るのだが,その途中に「Break Point」が存在する
  ・この「Break Point」よりも高い内圧を設定すると,転がり抵抗は逆に増えてしまう
  ・この「Break Point」は,路面の滑らかさや硬さによって変わる
  ・路面がより滑らかな方が,タイヤの転がり抵抗は減る
  ・路面がより硬い方が,タイヤの転がり抵抗は減る
  ・「Break Point」近辺でセッティングを詰める場合は,高めよりも低めを狙った方が転がり抵抗は小さい

といった感じでしょうか.なかなか興味深いお話ですが,現状この「Break Point」を論理的に導き出す手立てはないそうで,現場でテストしてみるしかないそうです.そうなると,この理論を実践するのはなかなか難しい気もしますね.


さて,この「転がりインピーダンス」のお話は,あくまでロードバイク用のタイヤのお話なので,自動車用のタイヤでも同じ事が言えるのか?は分かりません.そこで両者の違いをざっくり調べてみました.

【ロードバイク用(Continental GP4000s II 25mm)】
  ・外径    :700mm
  ・幅      :25mm
  ・推奨内圧 :95~123psi
  ・パターン  :ほぼスリック

【自動車用(ADVAN A052 205/50R15)】
  ・外径    :587mm
  ・幅      :214mm
  ・推奨内圧 :32~40psi
  ・パターン  :セミスリック

自動車用のタイヤはロードバイク用のタイヤと比べて,直径が小さく・幅は太く・内圧は低く・タイヤの溝も少ない事が分かりました.これらの特徴を踏まえると先述の「サスペンション損失(≒衝撃の吸収能力)」は,ロードバイク用よりも自動車用の方が大きく,内圧変化に対する転がり抵抗の感度もその分だけ低そうです.

という事は,先述のこの図(↓)を上下を潰して,更に内圧の使用レンジも狭めた感じになるので,



仮に自動車用タイヤに「Break Point」があったとしても,そもそもの変化量自体が小さく,無視出来るレベルなんじゃないかなぁ~?と思いました.


以上,転がりインピーダンスのお勉強でした.最終的には「4輪には関係ない話」となってしまいましたが,今までのセオリーとは異なるお話で,理屈そのものはなかなか面白かったです.
Posted at 2025/03/30 02:03:23 | コメント(1) | トラックバック(0) | セッティング(タイヤ) | 日記
2025年02月25日 イイね!

CR-Sのv1⇔v2比較

CR-Sのv1⇔v2比較TC3000ネタのラスト.CR-Sのv1⇔v2比較です.

約3年越しの比較となるので足回りその他色々違っていますが,まぁその辺りは大目に見て頂いて,興味半分のネタと思って頂ければと思います.まず,v1⇔v2の違いですが,ざっくり纏めると以下の通り.

  ・v2のコンパウンドは熱耐性が強化され,熱ダレが少なくなっている
  ・v2は「wearing(摩耗)」が向上している
  ・v2は「tread hardness(トレッド面の硬さ)」が向上している

端的に言えば,「v2はハード化している」といった感じでしょうか.


お次はサンプルデータ.

【v1(41.533)】


  気圧:1016.5hPa  気温:13.7℃

【v2(41.800)】


  気圧:1019.4hPa  気温:6.9℃

コンディション的には今回の方が完全に上回っているのに,タイムが・・・(泣).


では,前回と同様フリクションサークルによる比較です(赤:v1 青:v2).



今回の比較はあまり正確性がないので,ざっくりで見ていくと,加速領域(図の下半分)はv2(青)の方が上回っていますが,これはコンディションの差の影響かと.最高速も1.6km/h,v2(青)の方が高くそれを裏付けています.このため,このデータから「v2はトラクション性能が上がっている!」とは言いづらいかなぁ~.


左右の旋回領域(図の左右端)は,v1(赤)の方が高く,v2(青)で性能が低下したかのような印象を与えますが,



乗っていた時の印象としては「フロントはまだまだグリップするんだけど,リアの限界が低いので,これ以上は横Gを掛けられない・・・」という感じでした.なのでタイヤがどうこうというより,3年前に比べてこれだけクルマの限界が下がっているという事なんじゃないか?と思いました.orz


減速領域(図の上半分)に関しては,v2(青)の方が上回っているようです.ここも何かしらの言い訳があるかなぁ~?と思いましたが,斜めのグリップの部分は明確にv2(青)の方が秀でており,これはTC2000の分析結果と一致する傾向なので,ここは素直に受け入れようと思います.ただ,そう考えると,



v1(赤)に比べてv2(青)は「高い速度でコーナーに進入するのが得意」とも言えて,乗っていた時は「TC2000を走った直後で恐怖心が薄れているため,オーバースピード気味にコーナーに飛び込めたんだろう~」と思っていましたが,実はv2の強化された構造が,フロントタイヤの限界を掴み取るのに良い影響を与えていて,「タイヤの手応えがしっかりと掴めた(=安心感があった)ため,オーバースピード気味に飛び込めた」という可能性もありそうだなぁ~と思いました.


なお,熱ダレの部分に関しては,v2でベストタイム(41.8秒)をマークした後,5分近くピットの日陰で止まって,タイヤの温度が下がるのを待ってみたのですが(↓),



路面温度が16℃程度だった割には,ほとんどフィーリングは変わらず(恐らくさほど冷えてない),41.9~42.0秒とほぼ変わらないタイムとなりました.この結果から,v2は熱ダレに対して強くなっているのかもしれませんが,逆に一度熱が入ると抜けにくくもなっていて,1発のタイムは狙いにくいタイヤなのかなぁ~とも思いました.


以上,CR-Sのv1⇔v2比較でした.纏めると,

  ・v1⇔v2で横のグリップは同等
  ・縦のグリップは,v2の方が良い(コンディション差の可能性もアリ)
  ・特に横と縦が合わさった斜めのグリップは明確にv2の方が高い
  ・これはv2でタイヤの剛性が高くなっており,そのおかげで限界を掴み取り易いからかも?
  ・熱ダレに関しては,v1の頃も私は不満はなかったのでさほど違いは感じない
  ・ただ,v2はタイヤが冷えにくい特性はあるかも?
  ・その特性から,連続周回してひたすらアタックを続けるスタイルの方が向いてそう
  ・そういう意味でv2はやはりレースタイヤ.1発のタイムを狙う予選タイヤ的な使い方は向いてないかも?

といった感じでした.TC2000に続き,TC1000でも大きな不満は感じなかったので,CR-Sはv2になってより良いタイヤになった気がします.TC2000の時にも言いましたが「もうこれで十分なんじゃないかな?」という感じです.ウォームアップの部分だけ目を瞑れば,値段を考えてもホント素晴らしいタイヤだと思います.
Posted at 2025/02/26 05:14:00 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(タイヤ) | 日記
2025年02月24日 イイね!

A052 vs CR-S(TC2000編)

A052 vs CR-S(TC2000編)ドライビングの反省も終わったので,お次はタイヤのお話.

今回はA052が間に合わなかったので,代わりにCR-Sを履いて走りました.前回CR-Sを使ったのが2023年の2月なので約2年振りとなります.当時もA052が入手出来ず,その代替としてCR-Sを使ったのですが,225/45R15というトリッキーなサイズを使ったものの,失火のトラブルで苦しまされていた時期なので,良し悪しは判断出来ませんでした.

そこから時は流れてCR-Sもv1→v2へと進化し,色々と調べた結果「今の状態だと205/50R15の方が良いだろう」という判断で今回はこちらのサイズを選びました.ちなみに205/50R15の方も2022年の4月に使っています.

長々と回想から入ってしまいましたが,今回はTC2000でのCR-Sの感触を振り返ってみます.なお,久方振りのタイヤ比較なので,今回は以前から一度やってみたかったフリクションサークルを使った分析にトライしてみようと思います.


まずはサンプルデータ.

【A052(1'07.839)】


  気圧:1021.9hPa  気温:14.6℃  路面温度:16.3℃

【CR-S(1'07.672)】


  気圧:1018.9hPa  気温: 6.0℃  路面温度:15.0℃


これらのロガーデータからフリクションサークルを描き,その外周部分を繋いでみるとこんな感じ(↓).
(青:A052 赤:CR-S)



今回,久方振りにCR-Sを履いて走ってみた訳なのですが,A052と比べて特に違和感はありませんでした(内圧が高い時に最終コーナーでアンダーステア強かった事くらい).このため,フリクションサークルもほぼ同じ形になるのかなぁ~?と思っていたのですが,比べてみると意外と違いますね.なお,厳密にはタイヤ以外の要素として,フロントのスプリングが中反発(A052)⇔低反発(CR-S)という点があるのですが,レート・長さは一緒なので今回は同等と見なして分析します.


まず,加速G.



両者共に概ね0.3G出ているので,ほぼ違いはありませんね.エンジン出力・ギヤ比が同じなので当たり前と言えば当たり前の話です.厳密にはCR-S(赤)の方が若干加速力が良い(サークルの下型に行っている)気もしますが,有意と呼べるほどの差ではない気がします.ただ,A052(青)の方が瞬間・瞬間では大きな加速Gを出している部分もあるので,ギャップの吸収力(≒コンパウンドの柔らかさ)という意味では,A052(青)の方が良いのかもしれません.


続けて,左右G.



ここは笑っちゃうくらい同じ旋回Gが出ていますね.多少前後の加減速とオーバーラップしている領域でも両者の絶対値に大きな差は生まれていないので,横のグリップという意味では同等と見なせるんじゃないでしょうか.


最後に,減速G.



ここは大きく異なるので状況別に細かく見てみようと思います.まずはタイヤのグリップを完全に縦に振り分けた時のMAX値(↓).



多少横Gでブレた状況を加えてもMAX値はCR-S(赤)の方が高かったようです.CR-S(赤)で最大減速Gを記録したポイントを調べてみたところ,最終コーナーの進入でした(↓).



車載と照らし合わせてみると,ちょうど4→3速へのシフトダウンが完了した辺りでこの減速Gが出ていたのですが,これは恐らくラフにクラッチを繋いだせいですね(汗).高車速域からのブレーキングで減速Gが高い状況下で,操作が間に合わずクラッチをバン!と繋いでしまい,その際の姿勢変化分が乗っかってMAX値になったのだと思われます・・・.

なので,正しく見るべきはその次に減速Gが大きかったポイントで,1コーナーのブレーキング or 2ヘアのブレーキングだったようです.A052(青)のMAX値は2ヘアのブレーキングだったので,こちらを取り上げて見てみると(↓),



やはり絶対値的にはCR-S(赤)の方が高い=CR-Sの方がブレーキングで良く止まる,と言えそうです.「ブレーキングで良くとまる」というと,以前内圧の勉強をした際に(↓),


(BRIDGESTONE:タイヤの接地面を”見る”技術「ULTIMAT EYE」より)

  ・制動力に関しては,内圧を下げれば下げるほど良くなる
  ・タイヤの前後方向の変形は横方向の変形よりも少なく,接地面積は維持される
  ・故に,前後方向のグリップを稼ぐために内圧を下げる
  ・そもそも,前後方向に掛かる力の方が,横方向の力よりも大きい
  ・従って,コーナリング性能を多少犠牲にしても,前後方向のグリップを稼ぐという選択肢はある


という事を学びました.今回「CR-S v2の温間推奨値は2キロ」という情報を事前に得ていたのでこの値で走ったのですが,A052で走った時はこれよりも高い値に設定していたので,その差が出ている可能性はあります.逆に言うと,内圧を下げてグリップが大幅に増えるのは,やはりブレーキング領域のみで,加速領域もコーナリング領域も大して差はないという,勉強した事の裏付けが今回取れたのかもしれません.


次いで左コーナーの領域(↓).



ここは明らかにCR-S(赤)の方が上回っていますね.減速しつつ抜けていく左コーナーはどこだ?と調べてみたところ1ヘアでした.そこで1ヘアの車速のグラフを確認してみると(↓),



確かに120km/hを下回った領域ではCR-S(赤)の方が減速量が少なく,高い速度のまま1ヘアに進入出来ています.ブレーキングしつつコーナリングもする,両者をオーバーラップさせたような領域ではCR-S(赤)の方が秀でているという事なんでしょう.v1の頃の印象だと,こういった俗に言う「斜めのグリップ」を使う領域はCR-SはA052と比べて明確に落ちる印象があったのですが,今回乗った時は確かにそういった印象は受けませんでしたし,v2で改良された部分なのかもしれませんね.


では今度は右コーナー(↓).



ここも左コーナーと同様にCR-S(赤)の方が上回っていますが,前→右へ移る最後の部分はA052(青)の方が上回っています.左右で特性が違うなんて事はないはずなので,どういう事かなぁ~?と車速のデータを見てみると,



1コーナーと最終コーナーのドライビングミスのせいのようですね・・・.早めに縦で止めてしまって,ブレーキングとコーナリングをオーバーラップさせるような領域が少なかった結果,フリクションサークルのデータに出て来なかったという事なんでしょう.逆に言うと,ここは「ドライバーがタイヤを使い切れていない部分」という事で,「タイヤの性能を考えたら,もっとコーナリングスピードは上げられる(=伸び代)」という事になるんだと思われます.


最後に内圧の違いの話が出たので,1本目の内圧が高かった時(青)と2本目の推奨内圧まで下げた時(赤)の最終コーナーのフリクションサークルを比較してみるとこんな感じでした(↓).



調整したのはフロントの内圧だけなので,正真正銘内圧の差です.ご覧の通り,内圧が高い時(青:約2.4キロ)は加速する事が出来ず,タイヤのグリップは全て真横に使っているのが分かります.一方,内圧を下げた時(赤:約2.0キロ)はそれよりも僅かに下側に行っていて,同じくらい横のグリップを出しつつも,クルマを前に進める余力が出てきているのが読み取れます.やはり内圧を下げて増えるのは,横のグリップではなく,縦のグリップである事を示している結果かと思われます.


以上,A052 vs CR-SのTC2000編でした.纏めると,

  ・A052⇔CR-S(v2)で横のグリップは完全に互角
  ・縦のグリップは,加速領域ではほぼ互角 もしくは 僅かにA052の方が上
  ・減速領域は,明確にCR-Sの方が上
  ・特に減速と旋回をオーバーラップさせた「斜めのグリップ」はCR-Sの方が上
  ・但し,今回A052が斜めのグリップで劣ったのは,内圧の差である可能性は残る
  ・ドライビングミスによって,CR-Sの斜めのグリップを引き出せなかった領域もある
  ・CR-Sの内圧は,0.4キロ違えば明確にグリップの差が出る
  ・内圧を下げる事によって増えたのは,縦のグリップである

という感じでしょうか.「斜めのグリップはCR-Sの方が上」というのはかなり予想外の結果でした.v1の頃はここが足りていない印象だったのですが,v2の構造変更でここが改良されたという事なんですかね? また,内圧を0.4キロ下げてもタイヤの剛性が下がった(荷重を掛けた時に腰砕けになる)感触はなかったので,軽量級のCR-Xで使う場合には,まだまだ剛性に余裕がありそうです.1発のタイム狙いであれば,もう少し温間内圧を下げてみても良いのかもしれません.



今回CR-Sのv2を使ってみて,正直A052より劣る部分は見出せませんでした.この性能でA052の6割程度の値段なんですから,「これで十分でしょ」と思った程です.確かにCR-Sの作動温度域がA052よりも高いため,冬場の低い路面温度ではかなり辛いですが,逆に言えば一度温まってくれさえすればCR-Sの方が安定してドライビングに集中出来るんじゃないかな?とも思いました.低コストの練習用タイヤとして,CR-Sはかなり魅力的なタイヤだと思いました.
Posted at 2025/02/25 00:17:31 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(タイヤ) | 日記

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「インマニガスケットのお勉強 http://cvw.jp/b/1684331/48579488/
何シテル?   08/03 15:42
GPSロガーを使ってクルマとドライビングを改善しながら,B18C搭載のCR-XにB16AのCR-Xで挑んでいます. TC2000 1'07.4/TC1000 ...
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