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OX3832のブログ一覧

2022年01月05日 イイね!

SUGOの思い出

SUGOの思い出冬休みの間に実家へ帰り,暇だったので古い写真を見返していたら,1993年にSUGOへ全日本F3000(SUGO INTER FORMULA F3000)を見に行った時の写真が出てきました.

当時,私は中学生.地方に居た私にとっては数少ない現地観戦したレースであり,これ以降SUGOには行っていません.懐かしいので,当時の写真を交えつつこのレースの模様を少し振返ってみたいと思います.

このレースを観戦したきっかけは,この前年(1992年)に宮城に家族旅行に行った際,父⇔私のコミュニケーションミスでSUGOで行われていたイベントを見損ねた事が始まりでした.この埋め合わせに父が翌年の家族旅行でSUGOでのレース観戦を企画してくれ,初めて生のレースを見に行く事になりました.






(SPインコーナー~SPアウトコーナーの辺り)


当時の私の知識は,F1の中継をこの前年(1992年)から見始めて「F1の下にF3000というカテゴリーがある」という事を認識し始めたくらい.全日本F3000で誰が走っているのか? マシンがどういう仕様なのか?すらよく分かっていませんでした.

観戦していたのがグランドスタンドなので,スターティンググリッドで撮った写真からドライバーを挙げてみると,



この後,同年10月の鈴鹿でF1に昇格するエディ・アーバイン(コスモオイルローラT92ムゲン),国内のあらゆるカテゴリーで優勝経験を持つ黒澤琢弥(CABIN T92 DFV).



翌1994年にF1デビューするハインツ=ハラルド・フレンツェン(KAWAISTEEL T93),元F1ドライバーであるエディ・チーバーの弟ロス・チーバー(プロミスREYNARD 93D).



「日本一速い男」星野一義(NISSEKI LOLA T92).当時F1はおろか自動車レースに全く興味のない母が「星野はどこにいるの?」と聞いてきて驚いたのを覚えています.さすがの知名度ですね.



翌1994年にチャンピオンを獲るマルコ・アピチェラ(ダンロップ童夢F103i),この年GT・ツーリングカーでチャンピオンを獲る影山正彦(PIAA REYNARD 93D).予選6・7位だったこの二人が優勝争いをする事になります.

これ以外にも,1992年のチャンピオンであるマウロ・マルティニ,後にF1に昇格するローランド・ラッツェンバーガーやミカ・サロを始め,関谷正徳,鈴木利男,高橋国光,服部尚貴,中谷明彦,等々,今見ると凄い面子が走っていたんだなぁ~と思います.


レースの展開は正直あんまり覚えていないのですが,ポールポジションからスタートしたアーバインが途中で電気系のトラブルを抱えて後退していった事だけはよく覚えています.ホームストレートで1台だけエンジン音が異なり,「これだけ音が変わるものなのか・・・」と強く印象に残りました.
(※実際はECUのトラブルだそうで,本来のレブより手前でリミッターが効いてしまっていたそうです)


以上,SUGOの思い出でした.

まさかこれから20年後に,サーキット走行に目覚めるなんて当時は思ってもみませんでしたが,これを最後にSUGOには行った事がないので,一度CR-Xで走ってみたいですね.



Posted at 2022/01/06 21:28:19 | コメント(0) | 国際サーキット | 日記
2021年04月28日 イイね!

HYDROGEN COROLLA

HYDROGEN COROLLA1回目のオイル交換も終わったので,再び慣らしの旅に戻ります.

何とか連休前に1000kmに到達したいなぁ~と思いつつ,何かイベントやっているところがないかネットで情報を漁っていると,「おっと! これは予想外だ」というニュースが飛び込んできたので,一路,富士スピードウェイへ.

お目当ては,スーパー耐久の公式テストを走るあのクルマです.

10時の走行開始後にグランドスタンドに到着したのですが,事前にエントリーリストでカーナンバーが「32」である事は確認したものの,ピット割が公開されていないため,どこにいるのか分かりません.コース上を暫く眺めても走っている様子がなく(実際1周しかしていなかった),どうやらトラブルでピットに籠っているようです.

さて,どうやってピットを見つけ出すか?と思案していたところ,同じチームのカーナンバー「28」とピットが隣接しているはずだと思い,28号車がピットに入った瞬間に行先を追いかけていって・・・,



「お~,いたいた.水素エンジン搭載カローラ

緑のビブスは報道陣ですね.結構な人数が集まって注目されているようです.残念ながら占有走行1回目はこのままピットで終わりのようだったので,続く2回目までその位置で眺めていると,ピットから押し出されて今度は走る様子.

ならばと,あっちこっち移動しながら撮影してみました.




エンジンはGRヤリスに搭載されている「G16E-GTS」ですから,GRヤリスと比較して判断するのが良さそうと聞き耳を立ててみると,排気音の音圧がGRヤリスより明らかに小さい.事前の情報ではターボなのか,NAなのかすら非公開でしたが,86やロードスターなんかと比べても低くこもったような音なので,ターボである事は間違いなし.という事はこの音圧の小ささは純粋に排気エネルギーの少なさですね.

記者会見で「ベンチスペックで言えば、ガソリンのレベルと同等の出力が出せるレベルにはある」なんて発言していたと聞いて,「ホントか?」と個人的には思っていたのですが,この音を聞く限り,そこまでの出力は出ていないように思えます.


ただ,まだシェイクダウンに近い状態でしょうし(1本目もトラブっていたし),抑えて走っているのかもなぁ~と思って,300R付近でシフトアップ時の音に関して聞き耳を立ててみると,



6000rpmくらいまでは回っていそう.ただ,3→4速にシフトアップした後にパワーバンドを外したような鈍い音がしていました.同じく記者会見で「低速のトルクの立ち上がりも早く、トルクフルでレスポンスがいいというのが水素エンジンのいいところだ」という発言を鑑みるに,上まで回さず,低速トルクを稼ぐ方向に振っているんだろうと予想していたのですが,仮にGRヤリスのミッション(ギヤ比)を流用して,あの状態であるならば下もそれほどある訳ではなさそうですね.


「やっぱりパワー的にキツいんじゃないか?」と思い,3回目は手元のストップウォッチでラップタイムを計測.



タイムは2分5~6秒辺りで周回していました.

同枠のGRヤリスは1分58秒~2分フラット付近で,4駆とFF(このカローラスポーツがFFかどうかも非公開なのですが,公開されたレイアウト図から察するに恐らく・・・)という違いがあるにしても,やはりワンランク遅いですね.このタイムだとST-4(1.5~2.0Lクラス)どころか,ST-5(1.5L以下)にも並ばれるんじゃないか?と思って,順位ボードを覗いてみると,



32号車(カローラスポーツ)は50号車(NDロードスター)のギリギリ上くらいでした.

燃料を水素にした際の出力は,BMW(445→260PS),MAZDA(210→109PS)の例から鑑みるに,ガソリン時のおよそ半分.ベースの「G16E-GTS」が272PSですから,これの半分だとすると136PS.NDロードスターの「P5-VPR」が132PSである点を踏まえると,タイムが近い事も踏まえて,やっぱりこのエンジンの出力はこの辺りっぽいなぁ~と思いました(実際はNDロードスターに比べてカローラスポーツの方が車重は200kg近く重いでしょうから,それを加味すると,もうちょっと出ていて150PS前後くらいかもしれませんけど).

いかに水素のノック限界が高いと言っても,「ガソリンと同レベルの出力は,ちょっと言い過ぎでしょ・・・」と思いました.


さて,パワーで勝負にならないとして,耐久レースで重要な燃費はどうなんだ?という点ですが,使っている燃料タンクは昨年発表された第2世代の「MIRAI」に搭載されているNo.2(中型サイズ↓)のタンクを流用したものだそうです.



4本で充填量は7.43kg.これで12周する事を狙っているそうで,ラップタイムが2分5秒程度だとすると30分くらいでピットインする計算になりますね.ただ,占有走行の様子を見ている感じ,1時間のセッションで1回しか充填していないように見えたので,もっと周回は出来ているのかな??(ずっとピットに張り付いていた訳ではないので,私が見逃した可能性はありますが・・・)


ちなみに,水素の充填は事前にアナウンスしていた通り,移動式の水素ステーション(トレーラー)をパドックに持ち込んでいました.



これがあるから,32号車のピットが一番端っこだったんですね.この分だと当日も同じ位置かな?
そして,充填の雰囲気はこんな感じ(↓).



遠すぎてよく見えないのですが,ドアを開けて充填しているんですかね?
ボディ側面にはノズルを差し込むような口は見えなかったので(↓),



ドア開けて,直接タンクに差し込んでいるのかもしれません.

充填時間も手元のストップウォッチで測ってみましたが,大体5~6分.「MIRAI」は5.6kgで約3分だそうですから,時間的にはそんなものかな.本番でもピットから水素ステーションへ毎回移動するのだとしたら,片道1分くらい掛かりそうなので,充填だけで7~8分のロス.これを踏まえると,さすがに40回オーバーのピットインとかは現実問題なさそうですが,それでも通常では有り得ない回数となるのは間違いなく,記者会見で言っていた「24時間レースの場合,クルマの耐久性よりもメカニックの耐久性の方が課題」というのは事実なんでしょうね.


以上,テスト見学でした.

えっ? 他所のクルマ見てばっかで,全然自分のクルマの慣らしやってないじゃないかって?
いやいや,セッションの合間合間で構内を2速固定で移動して慣らしをやってましたよ~.

途中で,TM-SQUAREがP2でまたなんかやってる(↓)とか見かけましたし.



帰りもわざと渋滞に突撃して,嫌でも1~2速を使う機会を作りましたし.
(途中で疲れてラーメン食べたりしましたけど・・・笑)



これでトータル930km.3速も大分抵抗感がなくなってきましたし,そろそろ回転数を上げた慣らしをやっていこうと思います.
Posted at 2021/04/29 19:33:48 | コメント(1) | トラックバック(0) | 国際サーキット | 日記
2020年10月22日 イイね!

国際コースを全力で走れるか?

国際コースを全力で走れるか?神のお言葉を見て,改めて限界に挑まないと成長がない事を実感させられた後,「自分がサーキットで一番出来てない事は何だろう?」と振り返った結果,「国際コースを全力で走る事」が思い当たりました.

国際コースはアベレージスピードが非常に高いので,純粋に「怖い」と感じてしまいます.この「怖い」と感じる理由も分かっていて,1つ1つの操作に対してクルマの反応が物凄くピーキーなため,ステアリングの切込み速度なんか特に神経使いますし,切り込んだ後もアクセルをガバッとなんか絶対開けられません・・・.

これまで通算6回国際コースを走ってますが(もてぎ・鈴鹿・富士),「今日は全力で走った!」なんて感じた事はなく,そろそろこの苦手意識を払拭する必要がありそうです.


・・・という事で,ツインリンクもてぎの走行会に行って来ました.

最大のテーマは「恐れず全力で走る!」ですが,恐怖心を根性で抑え込んで,無理・無茶・無謀な運転をしても仕方がないので,1つの指標として「タイヤの性能をきちんと使い切る(=コーナーでタイヤを鳴らす)」というのを設けました.なんせ過去6回の国際コースチャレンジでタイヤを鳴らした事は一度もありませんでしたからね・・・(どんだけマージン取ってんだ!).

さて,ツインリンクもてぎのロードコースを走るのは今回で3回目.3年振りの挑戦となりますが,前回はフルウェットだったので.ドライで走るのは6年前まで遡る事になります.

コースを復習するために,3年前のウェットの動画をひたすら再生して見ていたのですが,フルウェットだったのでマージンをたっぷり取っており,今一つ全力で走るポイントが見定められません・・・.なので,他の方の動画を色々見て,トライするポイントを2つに絞りました.




1つは,最初の1~2コーナー.

もてぎの1コーナーと2コーナーはいずれも直角コーナーなのですが,この1コーナーと2コーナーの間は何も操作出来ない"待ち"の時間が長く,最も全力で走れていないと感じるポイントでした.「この"待ち"を何とか出来ないかなぁ~?」と色々調べた結果,1コーナーと2コーナーを合わせて1つのコーナーと見立てて走らせるのが攻略のポイントだと知りました(↓).




もう1つは,最後のヴィクトリーコーナー(12~13~14コーナー).

ここもライン取りが今一つ分からず,どうすると全力で駆け抜けられるのか分からなかったのですが,コチラの車載を見て,ポイントはセカンドアンダーブリッジの下,ココ(↓)の部分にある事に気づきました.



ただ,私の技量では,いずれも動画と同じ走りが出来るとは思えないため,私のEF8の特性に合わせて少しアレンジし,チャレンジしてみる事にしました.


では,早速走行開始!

もてぎにおける自己ベストは,6年前の 2'33.629 ですので,まずはこれをターゲットタイムとします.1周目:2'37.004,2周目:2'35.926と,タイヤとブレーキの感触を確かめつつ徐々にペースを上げていったところ・・・,



うぉっと! 危ねぇ!!

2速までシフトダウンするコーナーにおいて,ブレーキとアクセルのバランスが掴み切れず,オーバーランしかかり,ヒヤリとしました.ブレーキングで突っ込もうとすると止まり切れず,少し余裕をもってブレーキングすると落とし過ぎ.落とし過ぎたのをリカバリーしようとアクセルを入れたらアンダーと,なかなか上手いポイントが掴めませんが,それでもこの周に 2'32.389 の自己ベストを出す事が出来ました.


これで3周連続でアタックしたので,ブレーキを冷やすためにクーリングラップへ.後続車との距離を確認するためにバックミラーに視線をやると,そこにはリアハッチ越しに右へ左へ横切る謎の物体が・・・.

「ん? なんだコレ??」と思い,何度か見返すと何かが外れたらしい.オレンジディスクを出されたら厄介なので,そのままピットへ戻り,リアを覗くと,



ガーニーフラップが取れてる!

どうやら風圧で吹き飛んでしまったようですね.両面テープでの固定ですし,施行からそろそろ1年経つので止むを得ないですな・・・.国際コースですし,本当はリアのダウンフォースがしっかりと欲しかったのですが,仕方がないので完全に引っ剥がして再度コースイン.


最初は130Rでリアのスタビリティが失われないか気になりましたが,特に問題なさそうだったので,再度アタックに入るべくセカンドアンダーブリッジを抜けると,そこには,こちら(↓)のDC2が.



国際コースでしかお会いしない方なのですが,常に上位に食い込む猛者なので,追っかけてみました.



全く着いていけませんな.瞬殺で点にされてしまいました・・・(2'28.536).


そうして前方に意識を集中していたら,いつの間にか背後に目立つクルマが張り付いています.



先週末,岡山で開催された86/BRZレースに参戦していた,こちらの86 Racing(ZN6)が煽ってくるので,必死こいて逃げてみます.



サイドミラーに白い影がチラチラと映っているのが分かると思いますが,相手の方に余裕があるのがミラー越しにもよく分かりました(2'28.224).


「うぬぬ・・・.だったら,どこで差がつくのか見せてもらおうじゃないか!」と,一旦86をパスさせた後,今度は後ろから追いかけてみます.



DC2ほどではありませんが,やっぱり点にされてしまいました・・・(2'27.924).


そんな感じで「まだまだタイヤの性能を引き出せていないのか・・・」と打ちひしがれつつ,ふと気がつけば残り時間もあと僅か.そろそろ最後の纏めに入る時間帯.1周クーリングして準備を整え,最後のアタック.



結果は 2'26.810 で自己ベスト大幅更新となりました.

しかし,GPSロガーが途中で落ちてしまったので,私はこのタイムが分かっておらず,1周を完全に纏め切った手応えがなかったので,そのまま連続でアタックに突入! これが正真正銘最後のアタック.右上のタイム差表示(青い=前のラップより速い)に注目してご覧下さい.



ご覧の通り,途中ダウンヒルストレートまでに前のラップ(2'26.810)から1秒以上タイムを縮めていたのですが,残念ながら90°コーナーで引っ掛かってしまい,25秒台には入れる事が出来ませんでした・・・.


最後の1周がやや消化不良に終わりましたが,自己ベストを7秒近く更新しましたし,全力で走ったので走行終了後はヘトヘトでしたし,指標にしていた「タイヤを鳴らす」もちゃんと出来ましたし,個人的には満足です.また,1~2コーナーも徐々にモノにする事が出来た点(上の動画を1本ずつ見てもらうと走行ラインが徐々に変わっていくのが分かります),ヴィクトリーコーナーの攻略法を習得出来た点は次回の走行にも繋がるんじゃないかと思います.

やはり国際コースを攻略して全力で走るのは大変でしたが,大変だからこそ(難しいからこそ)面白く,「やりがいがあるなぁ~」と強く感じました.機会があれば是非ともまたチャレンジしてみたいと思います.
Posted at 2020/10/23 02:42:32 | コメント(3) | トラックバック(0) | 国際サーキット | 日記
2019年10月12日 イイね!

FSWレーシングコース攻略

FSWレーシングコース攻略今回の富士では,車載カメラのトラブルで動画が撮れていなかったので,次回走る時のために,3年前の結果と比較しつつ,攻略のポイントを残しておこうと思います.

まず,公式記録の振返りから.

 前回 ・・・ 2'15.240 (Sec1:29.939 Sec2:42.427 Sec3:62.874)
 今回 ・・・ 2'16.896 (Sec1:34.507 Sec2:43.415 Sec3:58.974)

最高速は,前回:186.271km/h,今回:172.249km/hでした.

さて,そのセクターですが,今年1月のコース改修時に微妙に位置を変えたらしく,現状では以下のようです.



新旧の比較がないので,どれくらい変わったのか正確には分かりませんが,Sec1は約150m,Sec2は20mほど長くなったようです.比較がしやすいように,現在のセクターとの比率を求めてみると,Sec1は1.135倍,Sec2は1.015倍だったので,これを使って換算し直すと,

 前回(換算) ・・・ 2'15.240 (Sec1:33.980 Sec2:43.063 Sec3:58.197)
 今回      ・・・ 2'16.896 (Sec1:34.507 Sec2:43.415 Sec3:58.974)

つまり,今回の結果は,Sec1で0.5秒,Sec2で0.3秒,Sec3で0.8秒遅かったという事ですね.それぞれの原因としては,Sec1は最高速が14km/hも低いせい,Sec2は100Rの立ち上がりのエイペックスに砂を撒かれて最短ラインを取る事が出来なかったせい,Sec3に関してはGR Supraコーナー~最終コーナーにかけて前走車に引っ掛かってしまったせい,ではないかと思われます.


では続けて,LAP+で前回と比較しながら,細かく見てみましょう(緑:前回 青:今回).



富士はホームストレートがとにかく長いので,最終コーナーの立ち上がり方の影響が大きいです.このため,今回はここの部分から比較を始めます.

①最終コーナー立ち上がり(1つ目の赤丸)
とにかく立ち上がりの車速重視で,可能な限り大外から立ち上がります.アクセルを踏みながらエイペックスを抜ける(かつ外に膨らまない)ラインを意識した結果,1.6km/h車速を伸ばせています.


②ホームストレート
最終コーナーは3速で立ち上がったのですが,4速にシフトチェンジする手前(2つ目の赤丸)の辺りから徐々に今回(青)の方が遅れ始めます.4速に入れてからは如実に差が開き,スタートラインを横切った時点(3つ目の赤丸)では8.4km/hも車速が低いです.走行中も,なかなか回転数が上がらず,「5速へのシフトアップって,こんな位置だったっけ・・・?」と明らかに違和感を覚えるくらいでした.

そして,ホームストレートエンドの終端速度(4つ目の赤丸)では,その差が10.2km/hまで広がり,前回ですら「伸びないー!」と思っていたのに輪をかけて遅く感じました.全高28mmのビッグサイズとはいえ,ガーニーフラップの追加による空気抵抗が,まさかここまで響くとは・・・(スタートライン~1コーナーブレーキングまでの間で1秒の遅れ).


③TGRコーナー(5つ目の赤丸)
今回(青)は,150m看板の気持ち手前くらいからブレーキングを開始し,オーバースピードにならないように丁寧に車速を落しました.TC1000での事前テストの反省からリアのスタビリティを重視して,弱く・長いブレーキングを心がけました.結果,減速GはMAXでも0.6Gと前回(0.9G)に比べると大分小さいです.

ただ,その分ターンイン時の姿勢は安定しているので,エイペックスの手前からアクセルを踏んでいく事ができ,ボトムを4.8km/h上げられました.この時のラインは以下のような感じになります(赤:前回 青:今回).



1コーナーはボトム重視のワイドラインになってますが,続く75Rは,きっちりインに寄せて距離を重視.これでコカ・コーラコーナーまでに0.5秒稼げてます.興味深いのは,このセクションは下り坂なので,重力加速度によるアシストでエンジンパワーに余裕があり,150km/h付近まで速度差が生じません(6つ目の赤丸).如何にドラッグが増えたといっても,エンジンパワーさえあれば打ち勝てるレベルという事ですね.


④コカ・コーラコーナー(7つ目の赤丸)
ここは前回の反省を踏まえてボトムを上げる走り方.目標は2km/h上げる事でしたが,結果は2.8km/hアップでした.なお,ライン取りは以下の通り(赤:前回 青:今回).



最初4速キープで進入を試みましたが,車速が高過ぎてオーバーランしそうになったので,前回同様4→3速にシフトダウンして進入する事にしました.また,ボトムを上げるために,なるべく手前から早めに切り込む事も試してみましたが,出口でコース幅が足りず,苦しくなったので,こちらも前回同様50m看板付近で強めのブレーキング→シフトダウン→アクセル踏みながらエイペックス通過~という走らせ方にしました.


⑤トヨペット100Rコーナー(8つ目の赤丸)
コカ・コーラコーナーの出口でアウトに寄せた事により,100Rはイン側から進入.本当はそこからイン→ミドル→インというTC2000の最終コーナーのような走らせ方をしたかったのですが,立ち上がりのインに寄せる部分に砂を撒かれてしまったので,それを避けるかのようなライン取りになってしまいました(赤:前回 青:今回).



これを見ると,ちょっと立ち上がりが苦しいですね・・・.それでもフロントディフューザーのおかげか,前回より細いタイヤを履いているにも関わらず,平均130km/hオーバーで旋回出来ました(これで0.17秒短縮).


⑥アドバンコーナー(9つ目の赤丸)
ここも立ち上がり重視.100Rの出口で外に膨らんでしまったので,それを取り戻すため,50m看板を目標に斜めに進入.アドバンコーナーの出口は広いので,ブレーキングは短く,向きを変える事だけに専念.向きが変わった後はエイペックスの手前からアクセルを踏んでいけます.なお,ライン取りは下図のような感じ(赤:前回 青:今回).



ボトムを6.3km/h上げる事ができ,これで0.3秒短縮.ここまでの各コーナーで稼いだ分で,ホームストレートで失った1秒を取り戻せています.


⑦300R(10個目の赤丸)
ライン的には前回と大差ありませんが,120R,230Rの2つエイペックスは,きっちりインに寄せる事を意識.ただ,ここではTGRコーナー~コカ・コーラコーナー間で得られたような下り坂アシストがなく,今回(青)の方は140km/hから先で全く車速が伸びません(8km/hダウン).これで再び0.5秒差.


⑧第13コーナー(11個目の赤丸)
ライン取り的には前回と大差がありませんが,ダンロップコーナー後の60Rを2速全開で踏み抜くようにしました.このおかげで第13コーナーの進入速度が4.2km/hアップし,0.6秒短縮.前回(緑)を逆転してリードする事が出来ました.


⑨GR Supraコーナー~パナソニックコーナー(12個目の赤丸)
折角逆転したので,このリードをキープしておきたかったのですが,ここで前走車に引っ掛かってしまい,0.6秒のロス.おまけに最終のパナソニックコーナーでアクセルを踏むタイミングも遅らせられたため,更に0.8秒ロス.ここから先は②と同様に差が開く一方なので,トータル1.6秒の遅れとなりました.


以上を纏めると,1.6秒の遅れは,ほぼ全てストレートが遅いせいでした.反対にコーナーでは全て前回よりも速く,合計1秒は稼ぎ出しています.このコーナーでのゲインは「フロントディフューザーのおかげ」というより,「コース攻略が進んだおかげ」で,シミュレーション含めて色々準備した甲斐があったかな?と思っています.

その一方で,マシンのセットアップ的には,当たり前と言えば当たり前なのですが性能ダウンの方向で,「フロントディフューザー+ガーニーフラップによってダウンフォースを増やした結果,富士で1.6秒遅くなった」という結論になりました.まぁ,元々富士をターゲットに変更した訳ではないので,これはこれで別に構わないのですが,さすがにBB6に負けるのはくやしいので,次回までに,ダウンフォースレベルを維持したままドラッグを減らす策を考えたいですね.

また,富士特有の空力テストという意味では,

 ・140km/h以上の領域で大幅にドラッグが増えている.
 ・但し,下り坂アシスト分くらいのパワーアップが出来れば,このドラッグは打ち消せる.
 ・100Rのような"すり鉢"状だと,フロントディフューザーの効果は低い模様.
 ・バイブレーションの問題含めて,空力の前後バランスは要改善.

といった情報が得られ,非常に有意義なテストとなりました.
Posted at 2019/10/12 23:22:48 | コメント(0) | トラックバック(0) | 国際サーキット | 日記
2019年10月10日 イイね!

驕り,侮り,窘められる・・・

驕り,侮り,窘められる・・・台風到来直前,ギリギリ晴れた富士スピードウェイに行ってきました.

体験走行広場トレーニング等で富士自体には何回か来てますが,レーシングコースを走行するのは3年振り2回目となります.前回は10月のわりに結構暑かった記憶がありますが,その時ほどではないにせよ,閉め切った車内で汗ばむくらいの陽射しではありました.

参加車両は,上がFK8から下はJW5まで色々揃ってますが,参加台数が全部で30台程度と非常に寂しい状況です.

その30台の中には・・・,



EF8の先輩や・・・,



オレさまFD2の姿もなく・・・,



ボンバー赤8さんは,姿を見せてくれたものの,走行会ではなくフリー走行の方で走るなんて言うし,コース上で絡んでくれる人がいなくてホント寂しいです.


そのせいか,事前に「目標は2分12秒台!」とか言っておきながら,モチベーションがイマイチ低く,当日は「どうせ12秒台なんて出るはずないよなー.ま,軽く走って16秒台くらいかなー」と,すっかり奢った状態.

そんな感じなので,当然,集中力も低く・・・,



スキール音鳴らしてるパトカーを眺めたり・・・,



メディアセンターではしゃいだり・・・と,すっかり観光モードでした.


そんな気の抜けた私とは対照的に,BB6のAT使いは,



「今回は20秒を切る!」と宣言(3年前のタイムは,2'22.228).

私:「じゃあ,今回はスリップをちゃんと使わせて下さいよ.前回(↓)みたいに避けないで下さいね(笑)」



BB6:「分かった.今回は避けない!」ときっぱり.

確かにBB6はタイヤサイズを変更してきましたが,パワーもグリップも大きく変わった訳ではないので,「まぁ,そんなに簡単に上がって来ないでしょ」と驕りの次は侮り状態.


そして,走行会がスタート.BB6の真後ろにつけてコースインし,早速追いかけるも・・・,

 1周目 ・・・ BB6:2'24.493    私:2'30.752
 2周目 ・・・ BB6:2'22.555    私:2'28.040
 3周目 ・・・ BB6:クーリング   私:クーリング
 4周目 ・・・ BB6:2'19.911    私:2'27.492

 「アレッ? 全然追いつけないぞ・・・」
 「というか,私のペースが遅過ぎじゃない!?

・・・と,ここでようやくスイッチが入り,慌ててペースアップし,タイムは 2'18.678.
GPS Lapsの表示で18秒台に入った事を確認し,「これでどうだ!」と思いながら,前のBB6との距離を測ると,

 「えっ!? 縮まってない・・・」

それもそのはず,このラップのBB6のタイムは 2'17.969.更に上げてきていました.

 「こりゃ,ダメだ.ちゃんと作戦を練らないと!」

・・・と,クーリングに入ったBB6をパスしつつ,アタック出来るスペースを探しながらタイムを失っているポイントを思い起こします.

最終セクターは差を詰められているので,タイムを失っているのはセクター1とセクター2.特に100Rで大きく引き離されている・・・が,今日のマシンバランスだと100Rでペースを上げるのはリスクが高い.となると,詰められのはセクター1.つまり・・・,

 「トウ(スリップストリーム)を使うしかない!」


そう思った時に,目の前にはこのクルマが.



BMW 420i グランクーペ.今回初参加のBB6のご友人.

184PSの4気筒FR(8速AT)ですが,ターボ車らしく27.5kgmのぶ厚いトルクを1350rpmから発揮するので直線が速い速い! 一方で,オーナーは縁石の外側に飛び出すくらい積極果敢にコーナーを攻めていたものの,如何せんタイヤがBSのS001RFT(ランフラットタイヤ)なので,応えてくれない様子.おかげでセクター3では何とかついていく事ができ,最終コーナーを立ち上がった時の距離は,こんなイメージ(↓).



はい.ナンバー見えないくらいの完全な煽り運転状態です.

初対面の方に対して失礼とは思いましたが,こちらも背に腹はかえられないので,テンロクと侮って振り切ってくれる事を期待しつつ,がっつり,トウ(スリップストリーム)を頂きました.

おかげで,177km/h止まりだった最高速が,184km/hまで回復(GPSロガー計測値).
これでタイムも 2'17.228 まで縮まり,BB6を逆転!


しかし,見えないところでBB6もタイムを縮めているかもしれず,まだ油断は出来ない.
残り時間はあと5分,最後のチャンスはあるか・・・?

 「1周クーリングしても,何とかチェッカー前にアタックに入れるはず.そこで最後の勝負だ!」

・・・と低回転・ハイペースでクーリングを行い,無事チェッカーが出る前にアタック突入.



緑が3年前,青がこのファイナルアタックですが,TGRコーナーのボトムを3.8km/h上げ,コカ・コーラコーナーのボトムを2.8km/h上げ,100Rの車速変動を最小限に抑え(130km/hキープ),アドバンコーナーのボトムを6.3km/h上げ,第13コーナーの進入速度を4.2km/h高め,ありとあらゆるコーナーでアクセルを踏んでタイムを掻き集めた結果,出たタイムは・・・,

 EF8:2'16.896

GR Supraコーナー~最終コーナーで前走車に引っ掛からなければ,あと0.6秒は縮められましたが,それはともかく,何とか2分16秒台に入れる事が出来ました.

 「12秒台どころか,全力でも16秒台がギリギリだったけど,これなら何とかBB6には勝ったでしょ・・・」


そして,パドックに戻ると,そこには満面の笑みのBB6が.リザルトを見せてもらうと,ベストタイムは・・・,

 BB6:2'16.591

コース全長が長いとはいえ,4ATのクルマに0.305秒差で負けてしまいました・・・.


驕り,侮った結果,BB6に一発パンチを食らって,窘められた形ですね.
あ~情けない・・・(おまけに,カメラの不調で車載が取れていないダブルパンチ).

ま,自業自得なので,今回の件はしっかりと教訓として刻みます.
次回(TC2000 or 日光)に向けて準備を整え,この借りは1.5倍にして返します!

BB6,420iのオーナー,その他現地でお会いした皆様,お疲れ様でした!
Posted at 2019/10/10 22:12:45 | コメント(1) | トラックバック(0) | 国際サーキット | 日記

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