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2025年07月21日 イイね!

体感フェス in 池袋見学(JP4編)

体感フェス in 池袋見学(JP4編)池袋で開催されていた「体感フェス in 池袋」ネタのラストです.

前回同様,こちらも全日本ラリーの最上位クラス「JN1」に参戦している「JP4」車両.「JP4」というのは2023年から制定された車両規格で,簡単に言えば「JAF公認のRally2車両」ですね.Rally2自体はFIAの公認が必要ですが,FIAの公認が取れていなくとも「一般道路での使用を想定した量産車両」をベースにRally2準拠の改造車ならOKという事のようです.

という事で,そのJP4車両である「SUBARU WRX S4」.



現行のWRXにはSTIバージョンがないので,S4=トランスミッションはCVTという事のはずなのですが,コチラの車両は6速シーケンシャルを搭載.「JP4」は公認車両なので,その辺りは自由に出来る感じなんですかね?

ふ~ん・・・と思いつつ,フロントウインドウに目を移すと(↓),



アレッ? ワイパーが逆?? という事は左ハンドル仕様か~?と中を覗き込むとその通り.そういえば,WRXの輸出仕様にはマニュアルミッションの設定もあったはずなので,ベース車は輸出仕様なのか(後日調べてみたところ,元々は右ハンドル仕様だったが,ドライバーである新井敏弘選手の要望で途中から左ハンドル仕様に変更したとの事).

「という事は,正真正銘の最新型(2025年型)か!?」と思い,車両の後ろに回って下を覗き込みます(↓).







う~む・・・よく見えませんが,2025年仕様であればリアのサスペンション形式がマルチリンク→マクファーソン・ストラットに変更されているはずなんですよねぇ.こちらも新井選手の要望で変更したのだとか(↓).


(WEB CARTOP:2025年はサスの変更と軽量化で「世界のアライ」も納得の戦闘力アップより)

ちなみに,元のマルチリンク形式はこんな感じですが(↓),



素人にはよく分かりませんな・・・.ストラット形式というと「頑丈!」というイメージがありますが,形式変更はそういった理由によるものなのかな?と調べてみると,どうやらサスペンションストロークを稼ぐためらしい.

「マルチリンク→ストラットでストロークって増えるのか??」と思い調べてみると,まず「マルチリンク」はこんな感じ(↓).


(Beyond the ApexThe Gran Turismo Magazine:サスペンション:形式より)

ハブに対して複数本(マルチ)のアームが繋がって(リンクして)いるのが分かります.余談ですが,SUBARUは「マルチリンク」とは言わず,これを「ダブルウィッシュボーン」と呼んでいるそうなのですが,本来の「ダブルウィッシュボーン」はこんな感じで(↓),


(Beyond the ApexThe Gran Turismo Magazine:サスペンション:形式より)

ハブに対し,A形状のアームが上下2本繋がっているものを「ダブルウィッシュボーン」と言うので,ロアアームが2本リンクになっている構造からすると「マルチリンク」の方が正確な気もしますね.

話を戻して,今回変更となった「マクファーソン・ストラット」はこんな形(↓).


(Beyond the ApexThe Gran Turismo Magazine:サスペンション:形式より)

アッパーアームのないシンプルな形状となっています.このシンプルさがサスペンションストロークを稼ぐのに適しているのだそうで,アッパーアームがないためダンパーを隙間に通す必要がなく,取付点の自由度が高いため,ストロークが稼げるという理屈なんだそうです.



なんとなく「ストラット」より「マルチリンク」の方が良さげに思えてしまいますが,ラリー車にはラリー車の考え方がある訳で面白いなぁ~と思いました.


さて,このクルマの一番面白い部分はココなので,あとは正面に回ってザッと見て終わり.



ターボ車なので伝統のエアスクープがボンネット中央に鎮座していますね(↓).



当然,中は見れないのですが,伝統のEJ20ではなく後継となるFA24が搭載されているそうです(↓).


(Car Watch:スバルとSTI、「WRX S4」ベースの全日本ラリー参戦車より)

前回のR5(Rally2)車両もターボエンジンですが,あちらの排気量は1620ccであるのに対し,こちらの「WRX S4」は2380ccと大きいため,最低重量が70kgほど重く設定されているそうなのですが(1300kg),それ以前にそもそもベース車が1600kgとかなり重いため,アレコレ外してもこの最低重量に届いていないそうです.

そして,これまで観てきた2台と同様に,ボンネット後部の両端に穴が空いています(↓).



「FABIA R5」と同様に穴の前には衝立が付いていて,同じような思想である事が分かるのですが,それにしてもどうしてラリー車はこの位置に穴を開けるんでしょうね? レギュレーションで縛りでもあるのでしょうか??

そして,最後にお約束のエアスクープです(↓).




以上,体感フェス in 池袋見学の「JP4編」でした.

深掘りしないと言いつつ,結局今回も長くなってしまいました・・・.WRCはトヨタが参戦している限り,またどこかで見る機会があると思いますが,全日本ラリーの車両はなかなかお目に掛かれないので貴重な見学となりました.


【おまけ】
今回の「WRX S4」の2025年型を調べる過程で,エアクリボックスにヒートバリアが施工されているのを確認(↓).


(WEB CARTOP:2025年はサスの変更と軽量化で「世界のアライ」も納得の戦闘力アップより)

上で出てきた2023年仕様の時には施工されていなかったので,やはり効果があるんですね・・・.φ(´・ω・`) メモメモ
Posted at 2025/07/21 22:19:56 | コメント(3) | トラックバック(0) | イベント見学 | 日記
2025年07月20日 イイね!

体感フェス in 池袋見学(R5編)

体感フェス in 池袋見学(R5編)では池袋で開催された「体感フェス in 池袋」の続きです.

見学目的の3台のうち1台はRally1車両でしたが,残る2台は全日本ラリーのクラス1(最上位クラス)に参戦しているJN1車両です.ラリー車のクラス区分って,どうもすんなりと頭の中に入って来ないのですが,2025年の規定を要約すると「JN1」=「FIA・ASN・JAFいずれかの公認車両」≒「競技専用車両」という事になるようです.


「競技専用車両」ならばRally1も入るのか?というとそれは認められず(当たり前でしょうね),FIA公認車両の最上位は「Rally2」までとなっているようです.また,ASN(各国のモータースポーツ統括団体,日本のJAFに相当)の公認車両は「AP4」と呼ばれ,JAFの公認車両は「JP4」と呼ばれるそうです(「公認」の定義はややこしいので割愛).


という事で,そのJN1の1台目「SKODA FABIA R5」です.



「SKODA(シュコダ)」はチェコの自動車メーカーで,フォルクスワーゲンの傘下です.WRCに興味がある人であれば,ちょくちょく聞く名前ですが一般的には「どこのメーカー??」といった感じでしょうね.末尾の「R5」は「Rally2」の旧名で,旧名という事は古いの?というと,製造開始が2015年なので何と10年前のクルマです.

EF8に乗ってると10年落ちなんて「最新型!」と思えてしまいますが(苦笑),競技車両で10年落ちといったら相当古いので,なんでこんな古い車両が全日本の最上位クラスで走っているのか?というと「(競技専用車両の中では)安いから」でしょうね.


(SKODA Motorsport:A Rallying Bestseller: ŠKODA FABIA R5 Reaches 300 Salesより)

この「FABIA R5」は累計300台以上売れたベストセラーだそうで,2018年当時のマーケットシェアで34%を占める程だったそうです.それだけ売れていれば中古車も出回りますし,メンテナンスパーツも入手し易いという事で,全日本ラリーへの参戦が増えているようです.


さて,前振りはこれくらいにして肝心の車両を見て行くと,前回も述べましたが最近エンジンルーム内のクーリングが気になっているので,一番最初に見るのがボンネット(↓).



前回の「GR YARIS Rally1」と同様に,ボンネット後部の両脇に結構大きな開口部があります(↓).



コレ,よく見ると開口部の前に衝立があるんですよね(↓).



これでボンネット上部を流れてきた気流を上に弾いて負圧域を作り,エンジンルーム内の空気を引き抜いてやる設計なんでしょうか? そのまま正面に回るとこんな感じ(↓).



カストロールカラーという事で,往年のセリカを彷彿とさせるライトポッドが目立ちますが,個人的に気になるのはアチコチの開口部.吸気はフロントグリルの左側から取っているようですが(↓),



ラジエターの排熱はどうしているんだ? 上に導いて先程のボンネット左右から抜くのか?と見ていくと,フロントバンパー横に穴が(↓).



1990年代のレーシングカーでは,このバンパー横から抜く手法をよく見ましたが,ここから排熱すると気流がボディ左右に広がって,前面投影面積を増やしたかのような効果が出てドラッグ(空気抵抗)が増えるのだそうです.故に2000年代以降のレーシングカーでは見られなくなったのですが,この「FABIA R5」では採用しているんですね.

となると,ラジエター横にあるこの穴は何だ?と思い覗いてみると(↓),



アームが見えるので,ブレーキダクトのようですね(↓).


(SKODA Motorsport:Rally Turkey 2018: Latest News and Resultsより)

そのブレーキにはサーモシールが貼られていたので(↓),値を見てみると,



ダクトのないリアは240℃でしたが,フロントはそれよりも低い180℃だったので,やはり効くんですね.
温度と言えば,ラリー車に必須のシュノーケルダクトが天井にありました(↓).



サイドウインドウは当然アクリル製で,外部とのやりとりに使えるようにスライド式の穴が空いているのですが,これ面白い事に後端部分にガイドが付いているんですよね(↓).



これのおかげで開けている時は室内に結構な量の空気が入ってくるそうで,リエゾン(競技セクション間の途中移動)では重宝しそうですね.そのまま後ろに目を移すと吊り下げ式のリアウイングが(↓).



コレ,よく見ると翼端板が3D形状になっていました(↓).



そんな感じで一通り眺めて「なるほどなぁ~」という感じだったのですが,1点だけ不可解な部分が(↓).



フロントバンパーの両端部分がフェンダーまで届いておらず,正面から見るとタイヤが剥き出しだったんですよね.タイヤが露出していたら当然ドラッグが増える訳で,素直にフェンダーの位置までバンパーを延ばせばいいものを敢えてそうせず,意図的にくり抜いているかのように見えます.なんでこんな形状になっているんだろう?と調べてみたら(↓),


(WRCWings:The new Škoda Fabia RS Rally2 aerodynamics key pointsより)

先述のバンパー横の穴を使ってエアカーテンを貼るので,見た目ほどドラッグは増えないようです.気流で前面投影面積が増えるなら,それを逆手にとってボディを切り取って軽量化しちゃえ!って事なんですかね(ラリーなので破損部位が減るのは助かるでしょうし).メーカーがやるんだから,そこにはちゃんと理由(カラクリ)がある訳で,こういうのに気づけるからレーシングカーの見学って面白いんですよね♪


以上,体感フェス in 池袋見学の「R5編」でした.最後の1台はそれほど深掘りしたい訳でもないので,今回の見学ネタはこれで終わらそうと思ったのですが,予想外にボリュームが増えてしまったので次回に回します.
Posted at 2025/07/20 20:34:32 | コメント(0) | トラックバック(0) | イベント見学 | 日記
2025年07月19日 イイね!

体感フェス in 池袋見学(Rally1編)

体感フェス in 池袋見学(Rally1編)WRCラリージャパンの認知度拡大を目的に,豊島区池袋の中池袋公園で「体感フェス in 池袋」というイベントが行われるというので見学に行って来ました.

アムラックスが閉鎖してから池袋に足を向ける事もなくなったので,行くのは何年振りだ??といった感じですが,屋外イベントなので暑さのピークを過ぎた夕方に着くよう見計らって出発.今回は珍しく電車ではなくバスを使って向かったら家から30分くらいで着きました.

さて,目的が「認知度拡大」なので,私のようなモータースポーツ好き向けのイベントではなく,一般向けというか,池袋なのでアニメファン向けのイベントとして企画されたようなのですが,その割には痛車の展示もなく,イニDやMFGの匂わせもなく,こんなヒストリックカーばかり並べているので(↓),



ニーズとシーズがちゃんと合ってるのか?と素人目には思ってしまいましたが,周りで飛び交っている人の声を聞くと,ラリーに全く興味のなさそうな人が「何だコレ?」といった感じで足を止めて画面やクルマを見ていたので,一定の効果はあるんだろうなぁ~とは思いました.


そんな前置きはこれくらいにして本題はクルマ.ラリーの告知という事はラリー車が展示されている訳で,私の興味は勿論そちら.今回はその中の3台に注目して,いつもの通り写真をパシャパシャと撮ってきました.

1台目は「GR YARIS Rally1」.



Rally1車両自体は2023年に「Hyundai i20N Rally1」を,GRヤリスとしてはまだWRカー規定だった2021年型をそれぞれ見た事があるのですが,最新のRally1規定のGRヤリスはこれが初.

ただ,展示されている車両がRally1である事は間違いないものの,2024年までのハイブリッドシステム搭載車なのか? 持続可能燃料に切替えた最新の2025年型なのか?が事前の情報では分からず・・・.見分け方を調べた結果,リアバンパーの中央部にハイブリッドシステム冷却用の穴が空いているものが2024年型,その開口部がパネルが埋められているものが2025年型という事で,早速後部に回ってみると,



パネルで埋められているので,どうやら2025年型の模様(ま,パネルなんてどうとでも後付け出来るとは思いますが).一応最新型っぽいので詳しく見てみるかーとそのまま後部を眺めてみると,相変わらずウイングがデカい(↓).



単にデカいだけでなく,形状も複雑(↓).





Rally1に切り替わった直後は穏やかになった印象があったのですが,結局,数年経つと複雑怪奇な形状になりますね.そのまま下部に目を移すと,マフラーは右出しの模様(↓).



センターマフラーじゃないんだ~と少々意外でした(ハイブリッドシステムがあって通せなかったのかな?).
反対側にも同様の穴が空いていて(↓),



中を覗くとダブルディフューザーっぽい形状に見えます.正面に戻ってフロント側の空力を見ると(↓),



これぞヤリスWRC!って感じの面構えですが,アンダーパネルの厚さが目立つ(↓).



最近,エンジンルーム内のクーリングが気になっているのでボンネットをじっくり眺めると(↓),



ボンネットの後部,両サイドのこの位置に穴が空いている事を確認(↓).



ふ~む,ラリーというカテゴリー事情があるにせよ,この位置から抜くのかぁ~と勉強になりました.
そのまま横に行って,ミラーは最早立派な空力デバイスなのでステーは完全にウイング形状(↓).



コレ,後ろから見ると,鏡面部分は縦型ミラーにしか見えませんでした(↓).



リアフェンダー上部の開口部は(↓),



恐らく元々はハイブリッドシステムの冷却用だと思うのですが,塞いでありませんでした.他に開口部が見当たらないので,もしかしたらリアブレーキの冷却口も兼ねているのかもしれませんね.

前に戻って,この展示車両はグラベル仕様なので,車高が上がっていてダンパーの姿が見えます(↓).



ラリー用なんでこんなもんなのかもしれませんが,「シェルケースが太っと!」と思っちゃいました(↓).



あと,何だかよく分かりませんが,フェンダー内に貼られているガムテープ(?)がビロビロに剥がれていて気になりました.「なんでこんなトコにテープを貼ってるんだ?」と思い,覗いてみると(↓),



フェンダーとボディの間に出来た隙間を埋めるために貼ったようです.「なるほどこんな部分でも空力を気にして・・・」と一瞬思ったのですが,そんな訳ないな.この雑な貼り方からして,恐らく現場で何らかの問題が生じて急場凌ぎでやった感じ.グラベル走ったら隙間から砂埃が室内に入ってきたので,取り敢えずテープで封をした~といった感じですかね?

あと面白かったのが,タイヤのマーキング(↓).



「210/650R18」というタイヤサイズがショルダー部分にプリントされています.あんまりこういったパターンを見た事がなかったので,ちょっと面白かったです.

最後にリアタイヤで気になった部分を1つ(↓).



ご覧の通り,リアタイヤの一部がフェンダーに被っていました.「なんでこんな状態になっているんだろう?」「途中でサスペンションジオメトリーを変更したのかな?」と思ったのですが,このクルマがグラベル仕様という事を思い出して気づきました.



「ああ,車高を上げるとタイヤが後ろに伸びる(=ホイールベースが伸びる)ジオメトリーなんだ」

という事は傾斜ダンパーを採用しているのか?と思い,フェンダーの隙間を覗き込んでみましたが,僅かに傾いているかどうか?といった感じ.以前ラリー車のキャスター角を調べた時に「トヨタはRally1のタイミングで傾斜ダンパーを止めた」という話だった気がするのですが,あれから3年以上経ってますし,思想が変わったのかな? タイヤ外して中を見せて欲しいですね(笑).


以上,体感フェス in 池袋見学のRally1編でした.長くなったので残り2台は次回

【おまけ】
展示車両紹介のボードを眺めていて今頃気づいたのですが,21世紀も1/4を過ぎようかというご時世なのに,Rally1車両って5MTなんですね(当然6~8速なんだろうと思い込んでた・・・).

Posted at 2025/07/19 20:33:30 | コメント(0) | トラックバック(0) | イベント見学 | 日記
2025年05月15日 イイね!

GEN3 Evoの見学

GEN3 Evoの見学週末にFormula Eの東京大会(Tokyo E Prix)開催されるという事で,都内各所でイベントが行われているのですが,どうせだったら「GEN3」の進化型「GEN3 Evo」を観たいなぁ~とSNSで展示画像をチェックしてました(この手のイベントは旧型の単なる色替えである事が多く,展示の情報だけで出向くと空振りの終わる・・・).

すると,渋谷に展示されている「NEOM McLaren Formula E」のクルマは最新型の「GEN3 Evo」のようだったので,近いし観に行って来ました.

場所は「渋谷PARCO」前との事で,「うぇぇ・・・ハチ公口を通らないとダメかぁ~」とゲンナリしつつ向かうと,例のスクランブル交差点は案の定の混雑っぷり.ただ,周囲をよく見ると外国人ばかりで,信号が赤で待っている間に「Hey Guys!」と掛け声掛けているから何をしているんだろう?と思ったら,スクランブル交差点が青になった瞬間に集団でダッシュして,中心で撮影会をしてました(苦笑).

ここは公道なので,そんなの気にせず横目に通り過ぎて会場へと向かった訳なのですが,そもそもなんで渋谷で展示なんかしているんだ?と調べてみたところ,この展示の主催は「TDK」との事.



「TDK」は,昨年10月からマクラーレンレーシング(皆さんご存知のあのマクラーレンです)と複数年に渡る戦略的技術提携を始めたとの事で,提携の一環で企画した「未来のエンジニア(大学生)向けの体験イベント」を日本とイギリスで今後行う予定なのだそうです.その未来のエンジニア(=若い世代)向けにアピールするために,わざわざ渋谷でイベントを企画したようです.最近では渋谷は「ビットバレー」と呼ばれ,IT関連のベンチャー企業が多く集まっているのでエンジニアを目指す若い世代が来るだろう~という目論見なのでしょうね.



ふ~ん・・・と思いつつも,「アレ? マクラーレンって今シーズン限りでFormula Eから撤退するんじゃなかったか??」とハテナマークが浮かびましたが,どうやら提携の範囲はFormula Eだけでなく,マクラーレンのe-Sportsチームも含んでいるようなので,来期以降はそちらで活動していくんでしょうね.


さて,前振りが長くなりましたが,肝心の「GEN3 Evo」の見学に行ってみましょう.
今回は事前に「GEN3」と「GEN3 Evo」の違いを頭に入れて来たので,そちらを中心に観てみます.

まずはフロントウイング(↓).



以前観た「GEN3」と比べると,翼端板の形状が異なるのが分かります(↓).



これは空力のアップデートというよりは,フォーミュラらしからぬ格闘戦(=よくぶつかる)が行われるFormula E独特の事情によるものだそうで,「GEN2」時代にあまりにも接触が多かったため,「GEN3」でフロントウイングを敢えて壊れ易くしたそうなのですが(壊れ易いから接触を避けるようになるだろう~という意図),今度は「壊れ過ぎる」と苦情が入ってしまったようで,その対策として「Evo」では翼端板を強化したそうです.



アップで観ると,確かに翼端板がブ厚くなっているのが分かります(↓).




次にノーズ上の突起物(↓).



なんの突起なのか分かりませんが,若干高さが大きくなったそうです.


次いで,ミラー(↓).



取付け角度が変わったようなのですが,「GEN3(↓)」と見比べると少し寝たのかな?




そして,ロールフープ部のカウル(↓).



「GEN3(↓)」と比べると,



上部の開口範囲が広くなり,両側の板の部分が若干厚くなったようです.横から観ると(↓)ほとんど違いが分かりませんが,横転時に最初にロールフープが当たるようにしたかったのかなぁ~?




最後がリアタイヤ前のフェアリング(↓).



なんだか90年代終盤のF1っぽいウイングレット形状になっていますが,下側はくり抜かれているので正面からの空気が直接タイヤに当たるのは変わらなそうです.タイヤの上部にフェアリングを付ける事で気流を上に逃がして乱流を抑制する狙いなんですかね?


なお,外観上の違いはこんな感じですが,見えない部分でも「Evo」は色々変わっていて,最大の特徴はAWDになった(フロントも駆動するようになった)事ですかね.



これは充電のために使っていた回生ブレーキ用のモーターを,逆に駆動用として用いる事で実現したようです.モーターなんでこの辺りはハードウェアの変更が不要(=ソフトウェアの変更のみで実現出来る)でしょうから,SDV(Software Defined Vehicle)の時代らしい「Evo」と言えるんでしょうか.ちなみに,このAWDは常時行っている訳ではなく,特定の条件を満たした場合のみ+αとして解禁されるルールとなっているそうです.

ちなみに,よく見ると中にいつものディスクブレーキ&キャリパーが見えますが,チーム的にはこのディスクブレーキをあんまり使いたくないのだそうです.というのもディスクブレーキを使うという事は運動エネルギーを熱エネルギーに変換して車外に放出してしまう事になるので,1周当たりのネルギー効率が下がってしまいます.このため制動は出来るだけ回生ブレーキ側で行い,使ったエネルギーを取り戻したいそうなのですが,なんせ最高速が322km/hも出るクルマなので,回生ブレーキだけでは止め切れず,どうしてもディスクブレーキを使わざるを得ないのだそうです.故にディスクブレーキをどこで使って・どこで使わないか?のバランスが戦略の一部となっているのだとか・・・.


以上,GEN3 Evoの見学でした.

Posted at 2025/05/18 12:16:53 | コメント(0) | トラックバック(0) | イベント見学 | 日記
2025年02月22日 イイね!

Nostalgic 2days見学

Nostalgic 2days見学先日TC2000を走ったので,オイル交換しにショップへ行こうとしたら「今日は忙しいから出来ん!」と断られてしまいました・・・.

じゃあ,何かイベントにでも出かけるかーとSNSを眺めていたら,パシフィコ横浜で「Nostalgic 2days」という旧車系のイベントが行われるそうなので,見に行って来ました.EF8も製造から35年が経過しているので十分旧車なのですが,この手のイベントはトヨタ車・日産車が多く,ホンダ車ってホント見かけませんね(実際会場で見たのはEK9×1台だけでした).

さて,当日は混雑に巻き込まれるのが嫌なので15時到着を狙って移動.Google先生に経路案内を依頼したら「横浜駅から歩いて向え!」とのご指示が.「ええ~っ,みなとみらい駅経由で行こうよ~」と再度お願いするも「ダメだ.20分遅い!」と言われてしまったので,初めて横浜駅から歩いてパシフィコ横浜に向いました.



ちょっと風が冷たかったですが,天気は良かったですし,健康診断前の良い運動になったかな?と思います(笑).


会場に入ると,早速日産車が(↓).





レプリカなのか,なんののか,私は全く知りませんけど懐かしいですね.


メインステージを挟んで,その反対側にはラリーチャレンジ仕様の86が(↓).





205/65R15というタイヤサイズからして,まさしくラリー車なのですが,なんでこのクルマを旧車イベントに展示しているんだ?と思いつつ,「このカナード(↓)って車検通るんだ~」とアレコレ眺めていたら,



ルーフの部分にドライバー名が(↓).



「Ryo TAMURA」って,ああ,そういう事か.有名人枠で展示しているのね.
そして,その横にはこんなクルマもありましたが(↓),



「さすがに70年代は分からねぇ・・・」となってしまいました(苦笑).
(星野一義さんがドライブした「日産 チェリークーペX1 Rレーシング」だそうです)


70年代と言えば,こんなクルマも(↓),



・・・って,こっちは60年代だったか(汗).


なお,今回の会場で個人的に一番面白かったのがコチラの「190E EVOⅢ(↓)」.



「うわぁ~,EVOⅡだ~」と思って寄って行ったのですが,「Ⅱ」ではなく「Ⅲ」との事.



「Ⅲってナンダ??」と頭の中はハテナマークでしたが,やっぱりカッコイイなぁ~.



こんなにヤンチャな仕様じゃなくて良いけど,やっぱり190E良いなぁ~.さすがに中古の190Eに手を出すリスクなんて冒せないので,レストモッドした「HWA EVO(↓)」みたいなのがもうちょっと手が届く値段で出ないかなぁ・・・.


(2024年に発表されたコチラ↑は1億4千万円です・・・)

ちなみに,展示車両が履いているホイールはAMEとのコラボレーションホイールとの事(↓).



現在ホイールカバーのお勉強中なので,じっくり見てました.


後はパーツ関係を眺めて終わりかなぁ~と歩いていると,2日前に筑波サーキットで見かけたクルマが(↓).



ワァ~オ!なお値段でした.ぶつけなくて良かったですね(苦笑).


その後は,ちょっと気になっていたBRIDEの「ZETAⅣClassic×藤原とうふ店Ver.」の色味を見たり(↓),


(白色の部分が思っていた以上にパンダトレノカラーで買う気が失せた)

ENDLESSのキャリパーカラーを見たり(↓),


(この色味だと,ガンメタ or ガングレーしかないな・・・)

RegaMasterの色味を見たりしてました(↓).




さてこれで会場は一通り見学終了.そのまま帰っても良かったのですが,メインステージで宮城光さんがトークインベントを行うとの事で残って見ました.



テーマは「ドライダーな日常」となっており,何をお話されるのかな?と聞いていたら,初めての愛車は「バラードスポーツCR-X」だったとの事.



バイクの時の癖でいつもアクセル全開にしていたら,ホイルスピンばかりして「4輪ってなんでこんなにタイヤが喰わないんだ?」と思ったそうです(笑).CR-Xに乗っていらっしゃった事を私は知らなかったのですが,なるほど,そうであれば以前私のEF8に乗って頂いた時に(↓),



走行終了後もアレコレと質問を受けたのも頷けるなぁ~と思いました(当時「ノーマルのボンネットは捨てました」と答えたら「もったいない!」と宮城さんに言われました・・・笑).その後はDC5で十勝24時間をクラス優勝された時の話だったり,MotoGPの話だったりをされていましたが,個人的に一番興味深かったのが昨年のGoodWood Festival of Speedに行かれた時のお話(↓).


(PROTEX:英国開催「グッド・ウッド・フェスティバル・オブ・スピード」にて。宮城光氏から写真が届きましたより)

何度もやった事がある「RA272」の始動を「緊張して上手く出来なかった」というお話をされていました.
当時の状況・現場の雰囲気なんかの詳細がコチラ(↓)に詳しく書かれているので,そちらをご覧下さい.

  GENROQ Web:
  ホンダ第1期F1「RA272」が走った「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」の舞台裏


ちなみに,宮城さんが乗った後,現役F1ドライバーの角田裕毅選手が「RA272」を走らせた訳なのですが,宮城さんが角田選手に色々説明していると「シートベルトがない!」と戸惑っていたそうです.「F1ドライバーは皆ベルトがないと不安がるんですよね.佐藤琢磨さんが乗った時もそうでした」なんて貴重なお話を聞けました.それ以外にも「RA272」だけでなく「MP4/4」世代まで含めたヒストリックF1を走らせる際のコツが色々とあるそうで,そのノウハウをいくつか紹介されていて大変興味深いお話でした(このお話を聞けただけでも行った甲斐がありました♪).


以上,Nostalgic 2daysを見学してきたお話でした.
Posted at 2025/02/23 00:15:00 | コメント(1) | トラックバック(0) | イベント見学 | 日記

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