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2023年12月27日 イイね!

LSDのお勉強

LSDのお勉強破損したボールジョイントが直り,再び走れるようになったのですが,年内のTC1000のファミ走は既に終了しており,年明け後も走行枠はなく,そのまま第2週は「コースメンテナンス」に入ってしまうので,暫く走れそうにありません.

仕方がないので他のサーキットに目を移し,日光を見てみたら何だか年明けからスポーツ走行の枠がやたらとあります.こんだけあるならライセンスを復活させるか?とも一瞬思いましたが,まぁ,無難にどっかの走行会にでも参加したいところです.

そんな事を考えていたら,前回の日光の路面が喰わず,リアをテールスライドさせた時に引き摺られてフロントも外側に引っ張られ,LSDが「ガガガ!」と大きな音が出て前に進まなくなった事を思い出しました.



こういうのを嫌ってFFでも2wayを選ぶ方もいると思うのですが,私はターンイン時にノーズがスムースに入るのが好みなので,その動きを阻害する2wayは向いてないだろうなぁ~と思いつつ,そういえば今のLSDに変えてから以前とフィーリングが違って,これまた好みじゃなかった話も思い出しました.



ミッションをオーバーホールする際にファイナルを変更する必要が生じたため,合わせてLSDもEG6用→DC2用に変更せざるを得なかったのですが,同じCUSCOの「type-RS」を選んだにも関わらず,走らせてみると以前とフィーリングが違ってかなり困りました.それも大分"好みじゃない"方向に変化してしまったので,どうしてこうなったのか?と原因を色々考えていたのですが,当時の結論としては「ギヤ比のせいなので,どうしようもない」という事で強引に自分を納得させました.


しかし,以降も頭の片隅には残っていて,ずっとモヤモヤしていたのですが,先日某SNSでこんな情報を目にしてハッ!としました(↓).

「(CUSCOの)type-RS」でプレッシャーリングとカムのクリアランスで何が変わるのか?というと,イニシャルトルクからロックトルクが立ち上がるまでのラグ.「type-RS」はイニシャルトルク出すためにリングとカムが離れる方向に荷重掛けてるから,原理的にクリアランスが出来る.「type-MZ」は逆だから基本的にクリアランスはゼロ.

ひょっとしてこれか!? (*゚ロ゚) !?


そもそもLSD(Limited Slip Differential)というのは,


(CUSCO:LSDの特徴より)

アクセルを踏んでLSD本体に力が加わると,中央のクロスシャフト(カム)が上に動いてカムリングに当たり,このカムリングが三角形の形をしているため,上に押されるとプレッシャーリングを左右に押し広げる形となって力が生じます.この押し広げる力がプレッシャーリングの先にあるクラッチプレートに伝わり,ケースに押しつけられてロックされる,という仕組みとなっています.

そして,この最終的に力が伝わるクラッチプレートには,カムが動いていない時(カムリングにカムが当たっていない時)にも,与圧(=イニシャルトルク)が加わっており,このイニシャルトルクの加え方がCUSCOのLSDの場合,「type-RS」と「type-MZ」で異なります.


(CUSCO:LSDの特徴より)

「type-RS」の方は「内圧式」とも呼ばれる方式で,プレッシャープレートの内側にスプリングが組まれており,このスプリングが外側に向かって力を加えています.一方,「type-MZ」の方は「外圧式」とも呼ばれる方式で,プレッシャープレートの外側にあるコーンプレートが内側に向かって力を加えています.

つまり,「力の加わる方向」が「type-RS」と「type-MZ」では異なり,カムによって生じる力と同じ方向(内→外)である「type-RS」は,同じ方向であるが故にレスポンスが良く,逆方向というか反力(外→内→外)みたいな形となる「type-MZ」は,反力という形の分だけレスポンスが鈍いそうです.LSDは必ずしもレスポンスが良ければ良いという訳でもないので,使い方次第ではあるのですが,こういった違いが両者にはあります.

ちなみに,「type-MZ」のコーンプレートは所謂ところの皿バネで,可動域(≒スプリングのストローク)が短い事から,少しでもヘタると顕著にイニシャルトルクが落ちてしまうそうです.このため,ヘタる事を見越して予めイニシャルトルクを高めに設定しておくのだそうです.一方,「type-RS」は,


(CUSCO:type-RSより)

ご覧の通り,普通のスプリングの形をしているためストロークが長く,それ故にヘタりにくく,結果としてイニシャルトルクが落ちにくいという特性もあるのだそうです.


さて,話を戻してここからが本題.

先述の「type-RSにおけるプレッシャーリングとカムのクリアランス」が何を指しているか?というと,恐らくこの部分です(↓).



カムは,カムリングに接して初めて力が生じるので,ここのクリアランスが大きければ大きいほど,カムが動いて~カムリングに当たって~プレッシャーリングが開く~までのタイムラグも大きくなります.つまり,

  クリアランスが大きい = アクセルOFF→ON時のレスポンスが鈍い

という事になります.一方,アクセルのOFF→ONに切り替わった時に最初に加わる力がイニシャルトルクです.つまり,イニシャルトルクが大きければ大きいほど「LSDのレスポンスが鋭い」と感じる事があるので,

  アクセルOFF→ON時のレスポンスを鋭くしたい = イニシャルトルクを上げたい

という構図となります.そして,「type-RS」においてイニシャルトルクを上げる方法としては,

  イニシャルトルクを上げたい = スプリングの力(本数)を増やす

となる訳なのですが,「type-RS」のスプリングは内→外の方向に力を加える構造である以上,スプリングの力(本数)を増やすとプレッシャープレートが若干外側に開き気味になります.

  スプリングの力(本数)を増やす = プレッシャープレートが開き気味になる

そして,プレッシャープレートが外側に開き気味になるという事は,カムとのクリアランスが増える事を意味しているので,

  プレッシャープレートが開き気味になる = クリアランスが増える

という理屈になります.つまり,

  クリアランスが大きい = アクセルOFF→ON時のレスポンスが鈍くなる

という事で,良かれと思ってスプリングを増やしたら,狙ってた事の逆効果になっちゃった・・・となる可能性もある訳です.では,なぜこんな事になってしまうのか?というと,これはLSDのレスポンスを「時間」と捉えるか? 「力」と捉えるか?の違いから来るものだと思われます.例えば,以下のようなイメージ図で示すと(↓).



イニシャルトルクが影響するのは図の縦方向=力(≒アクセル開度)で,クリアランスが影響するのは図の横方向=時間,といった感じになると思われます.この両者は本質的に異なるものなので,ちゃんと分けて考えないといけないという事なんでしょうね.


以上を纏めると,私の好みとしては以下という事になるのでしょうか?

  ・アクセルOFF時(ターンイン時)はLSDに邪魔されたくない        ⇒ イニシャルトルク:低め
  ・アクセル開度が大きい領域ではLSDの効きは一定でいい        ⇒ カム角:大きめ
  ・アクセル開度が小さい領域ではLSDのON/OFFをコントロールしたい ⇒ クリアランス:大きめ

ふ~む.そうすると以前のEG6用の「type-RS」はクリアランスが大きめで,現在のDC2用は同じ製品でもクリアランスが少なめだったという事なのかな? 確かに今のDC2用のLSDは,乗ってて精密感というか剛性感というか,そういったものも感じる部分もあるので,有り得るかもしれないなぁ~と思いました.
Posted at 2023/12/28 00:50:59 | コメント(1) | トラックバック(0) | セッティング(駆動系) | 日記
2021年04月17日 イイね!

駆動系一新! そして再出発

駆動系一新! そして再出発ミッションがボロボロな状況である事が判明し,対策をアレやコレやと考えて駆けずり回った結果,ようやく部品が一通り揃い,ショップで一気に仕上げてもらいました.

なんやかんやと玉突きで色んな部品が必要となり,総額は凄まじい金額となりましたが,ここ数年は大きな改修を行っていなかったので,こういう時のために貯蓄しておいた資金を充てる事で何とか捌き切れました.

それでは一新された駆動系を順々に見ていきましょう.

まずは,本体のギヤ.



こちらは方々を当たった結果,TOPFUELのドラッグレース用ギヤを入手する事が出来ました.
ただ,ドラッグレース用という事で,ギヤ比がとんでない設定です.

現在のギヤのカバーレンジは,こんな感じ(↓)なのですが,



このギヤを使うと,こんな感じ(↓)になります.



1速で80km/hまでいけます.2速でも112km/hまで出るので,なんなら高速道路の巡行を2速でこなせますね・・・.

いやいや,どこかのポルシェじゃねーんだから,テンロクでこれは有り得ねぇだろ!
オイッ!!( ´Д`)っ))Д゚)・∵.



という事で,ローギヤード化するべく,ファイナルを同じTOPFUEL製に変更.



計算してみたところ,DC2 98SPEC用の「4.785」でも不足する事が分かり,入れられるMAXはいくつだ?と調べてみたら,恐らくジムカーナ/ダートラ用と思われる「4.928」がTOPFUELに設定されていたので,ギヤと合わせてチョイス.これによって,何とか見れる値にまで落ちてきました(↓).




更に,ファイナルが変わるという事は「LSDの軸径が合わなくなる」という事なので,LSDもDC2用に変更.



右が4.400ファイナル用,左が4.785用のLSDです.微妙にサイズが大きくなっているのが分かりますね.


・・・という事は,

「今のままじゃ入らない!」┐(´~`;)┌

という事になるので,ミッションケースも加工.



なんとか収めてもらいました.


これに前回発覚したヒートクラックの修理として,クラッチと・・・,



フライホイールも合わせて交換.



クラッチは今まで使っていたものと同じですが,フライホイールは,1速ギヤがハイギヤード化されて「街乗りが辛くなる・・・」という事で,対策としてこれまで使っていたCUSCO製(4.16kg)よりも340g重い,FEEL'S製(4.50kg)を選択.イナーシャを8%増やす事によって低速トルクを補い,操作負担を軽減するのが狙いです.
(まぁ,「重くなってる」と言っても純正は7.8kgですから,4.5kgでも十分軽量なんですけどね)


そして,ここまで来たらブレーキもやっちゃえ!という事で,ブレーキバランサーも投入.



ギヤのハイギヤード化とフライホイールの重量増によって,ブレーキング時の回転数低下速度が遅くなるため,エンブレ効果の減少してコントロールが難しくなる可能性がある事から,調整代を増やすために投入しました.


以上のメニューを,僅か1週間でこなして頂きました.

ちなみに,今回のキーポイントとなるTOPFUELのギアですが,サイトを見るとこんな文言(↓)が記載されていました.



一瞬,「TOPFUELでCR-Xなんてあったか?」と思ったのですが,そういえば,ミッドシップのデルソルを作ったのはTOPFUELでしたね.


(ドラッグレースのCR-Xと言えば,懐かしの「CR-Xミッド」が思い浮かびますけど)


ただ,こちらは550PSだったはずなので,600PSオーバーとなると??と思ったら,サイバーでもあったんですね.



古過ぎて,こちらの馬力は追えませんでしたが,元々サイバー用のギヤだったのなら,これを使えるのは本望かもしれません.

ちなみに,ドラッグレース用という事で,ギヤの歯はやっぱり厚いです.



右が純正,左がTOPFUEL製ですが,厚い分,耐久性という意味で純正よりもつと嬉しいですが,1発の衝撃に対する耐力と長時間使う耐力とでは性質が違うので無理かなぁ~? いずれにせよ,これだけ歯が厚いとギヤ鳴りはかなりするでしょうね・・・.

なお,このクロスミッションのステップ比ですが,以下のような感じでした.

 1速→2速 ・・・ 0.720 (純正:0.651)
 2速→3速 ・・・ 0.784 (純正:0.692)
 3速→4速 ・・・ 0.765 (純正:0.759)
 4速→5速 ・・・ 0.765 (純正:0.766)

車速の計算をしていた時に,3→4速/4→5速より2→3速のステップ比が詰まっている点を不思議に思っていたのですが,もしかするとTOPFUELはテストの結果,3速の負担の大きさに気づき,それを考慮して意図的に近づけたのかもしれませんね・・・.


以上,駆動系一新のお話でした.

結構な出費になりましたが,何とか再び走り出す事は出来そうです.これから長い慣らしの旅に出かけなければなりませんが,一先ず復帰の道は見えてきたので,頑張りたいと思います.

部品を搔き集めてくれた店長,短期間で対応してくれたメカニックさん,心配してくれた皆さん,有難う御座いました!
Posted at 2021/04/18 02:46:54 | コメント(6) | トラックバック(0) | セッティング(駆動系) | 日記
2017年05月22日 イイね!

ギヤ比考察⑩

ギヤ比考察⑩日光でのテスト結果から,15インチに光明が見えたので,このギヤ比を維持したまま,レブリミットを引き上げてみた場合を検討してみます.

日光サーキットを基準とした場合,今まで走った中でギヤ比が一番合ってると感じたのは,205/50R16で走った時でした.ここから2速・3速の目標値を導き出すと以下になります.

 2速 ・・・  94km/h以上
 3速 ・・・ 136km/h以上

ではまず,205/50R15使用時のギヤ比です.シフトアップ回転数は7600rpmで想定.



予想通り3km/h以上足りていません.実際の走行でも,かなりの時間アクセルを戻していたので,この結果と一致します.では,この状態でシフトアップ回転数を8000rpmまで引き上げるとどうなるか?



目標値をクリア出来ました!

ただ,既報の通り,16インチの205/50は大径化によって加速力が鈍っているため,15インチの205/50の加速力だと3速は136km/hでも足りないかもしれません.そこで,205/50R15で一番スピードを乗せられたラップから,ブレーキングポイントまで加速が続いたと仮定した値(下図の赤線)を求めてみると・・・,



約140km/hまで必要という事になりました.では反対に,3速で140km/h出すための回転数を求めてみると・・・,



8110rpm必要という事が分かりました.


以上の結果から,205/50R15(外径:587mm)で日光のバックストレートをストレスなく踏み切るためには,最低でも8000rpm,理想としては8110rpmのレブリミットが必要という事が分かりました.

しかし,ここで1つ懸念が・・・.この仮定は"レブリミットまで加速が続く"と仮定した場合の計算結果です.
いくら吸排気をチューニングしているとは言え,7600rpm以上の領域で本当に加速し続けられるのでしょうか・・・?

そこでB16Bの出力特性を引っ張り出してみます.



ご覧の通り,最高出力発生時の回転数は8200rpm.つまり,B16Bであれば加速し続ける事が分かりました.

え? なぜEF8はB16A搭載なのに,B16Bの出力特性で語るのかって?
それは,私のEF8は既にB16B(EK9)のカムを搭載しているからです!

勿論,カムだけで同じ出力が出る訳ではありませんし,既にオーバーホールから5万km以上走っていますので同じ数値は出ないと思います.ですが,現在の仕様のままでも,これに近い値が出る可能性は十分持っていると思います.

・・・という事で,纏めるとレブリミットをB16B相当の「8400rpm」まで引き上げる事が出来れば,日光で15インチの205/50の性能を十二分に引き出せる事が分かりました.
Posted at 2017/05/25 01:15:29 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(駆動系) | 日記
2017年03月18日 イイね!

イニシャル1キロ!

イニシャル1キロ!茂原走行後,3ヶ月振りのサーキットランという事もあってショップで点検をしてもらったところ,LSDのイニシャルトルクが何と1キロ!でした.

ATSカーボンからCUSCO type-RSに変更したのが,ほぼ2年前.

私のドライビングスタイルが,デフを使って曲げていく(酷使する)スタイルである事は自覚しているので,2年間で30回以上もサーキットを走れば,新品時に8キロあったものがガタ落ちするのは当然と言えば当然です.
(それでも,まだ3キロくらいは残ってると思ってたんですが・・・)


さて,これで再びLSDと向き合う機会が訪れたので,この2年間の走行を振り返って,次のLSD仕様に関して検討してみます.

前回LSDを交換して(3kg→8kg)日光でテストした結果,トラブルや気温上昇といった要因があったにも関わらず,0.3秒アップしました(こちら).

当時のコメントでは,LSDのフィーリングに関して特に触れていませんが,高速の8~9コーナーで違いが出た点を述べています.日光の8~9コーナーはアクセルを踏みながら曲げていくコーナーですので,やはりLSDの効きを強めてトラクションを稼ぐのがタイムアップにつながるようです.


しかし,その一方で,低速の11コーナーでは,こんな現象も体感しました.




音が小さくて恐縮ですが,引っ掛かったかのような音が聞こえるでしょうか?

この周は前のFD2を追い掛けて,ややオーバースピード気味に突っ込んでしまったのですが,LSDがターンインを阻害しているのが,はっきりと分かりました.これと同じ現象はTC1000の1ヘアでも起きており,やはりイニシャルトルクの増加がタイトコーナーで弊害を生んでもいるようです.

このタイトコーナーでのターンインの阻害は,結構気になる存在で,フロントに荷重を残してコーナーに進入しようと思っても,これのおかげで入口でアンダーが出てクリップにつけないため,やむなく進入速度を抑えざるを得ませんでした.イニシャルトルクを落とす事で,これが低減出来るならば,問題が1つ解消するかもしれません.


しかし,日光のタイムを見る限り,タイトコーナーで稼ぐ(イニシャルトルクを落とす)よりも,高速コーナーで稼ぐ(イニシャルトルクを上げる)方がメリットは大きいようにも思えます.

そこで,LSDのもう1つのポイントである「カム角」に焦点を当ててみます.


type-RSの1wayは,カム角が35°と45°の2種類があり,これはオーバーホール時に変更が可能です.



現在は35°の仕様で組んであるため,これを45°にする(=カム角を大きくする)選択肢があります.

角度が大きくなれば,より強くロックさせる事が出来るので,低イニシャルトルクでも効きを強める(維持する?)事が出来るかもしれません.そうすれば,高速コーナーの旋回速度を維持したまま,低速コーナーのアンダーを打ち消せるかもしれませんが,カム角を大きくするとアクセルワークに対してLSDが過敏に反応するようにもなるため,ピーキーな特性になる懸念もあります.しかし,積極的にデフを使う私の場合,むしろこっちの方がハマる可能性もあります.

この辺りは試してみないと分からないので,もう少し情報収集してみたいと思います.


いや~,それにしても昨年なかなか日光でベストを更新出来なかった原因は,LSDでしたか・・・.
どうやっても0.3秒くらい越えられない壁があるように感じていたのですが,原因が分かってスッキリしました~♪
Posted at 2017/03/23 00:03:49 | コメント(2) | トラックバック(0) | セッティング(駆動系) | 日記
2016年06月25日 イイね!

ギヤ比考察⑨

ギヤ比考察⑨215/45R16(外径:600mm)以上の大径化は,115km/h以上の領域でタイム悪化を招く事が証明された結果,タイヤサイズでのギヤ比改善は,これ以上困難である事が分かりました.

その一方で,3速・4速のO/Hから1年しか経っていないにも関わらず,プロからシンクロのダメージを指摘され,街乗りで感じる1速の入りの悪さや,日光やTC2000で起こした2速のシフトミスを踏まえると,再びミッションを降ろす日は,そう遠くないのかもしれません.

・・・という事で,ギヤの全交換まで想定した,YS1ミッションに使える各社のクロスギヤを考察してみる事にしました.

具体的な考察を始める前に,まずは,どういう姿を目指すべきかを決める必要がありますが,真っ先に思いついたのは,このシーン(↓)でした.




10~11コーナーでラインが乱れて,先輩のEF8は立ち上がりが鈍いはずなのに,ホームストレートではドーンと引き離され,6コーナーの立ち上がりでもジリジリと引き離される,コレを何とかしたい!

先輩のEF8は,B18C+DC2R 98ファイナルなので,単純な加速勝負で負けるのは当たり前なのですが,パワーの話をしたらキリがないので,「ギヤ比だけで出来る事が何かないか?」というテーマで考えてみる事にしました.


まずは,現状分析.
私のEF8(左:YS1+215/45R16)と先輩のEF8(右:DC2R 98SPEC+225/45R16)のギヤ比を確認してみます.
なお,先輩のECU仕様が分からないので,VTEC切替ポイントを5500rpm,シフトアップを8200rpmと仮定します.



 2速 ・・・ YS1: 93km/h  ⇔  98SPEC: 93km/h
 3速 ・・・ YS1:134km/h  ⇔  98SPEC:135km/h


アレ? 全く変わらない・・・??

なんてこった!

てっきりファイナルの違い(YS1:4.400 98SPEC:4.785)で加速力に差が生まれると思っていたのに,シフトアップポイント(YS1:7500rpm 98SPEC:8200rpm)を考慮したら,数値は一緒じゃないか!

これじゃ,単純にエンジンの差,つまり,200cc差によるトルク増加とレブリミットの高さによるパワーバンドキープで差が生まれていた事になる・・・.

つまり,ミッションのO/Hより,レブリミットの引上げを先にやるべき!(以上終わり!)


・・・となると,話が終わってしまうので,諦めず一通りの検討はやってみます.

私のEF8は街乗りも兼用なので,ジムカーナやダートラ専用に思える製品は候補から除いて,選択肢として残ったのが,OS技研,ATS,TRY・BOX,CUSCOの7仕様です.纏めた結果を,フォトギャラリーに置いておきます.


最初に,完全に5速を捨てた3種類.



ご覧の通り,OS技研 4速クロス,ATSノーマルパワー用,CUSCO TYPE-Rは,4速の最高速が150km/h前後で,TC2000でも5速に入れないとダメですが,4→5速が離れ過ぎているので実質的には使えず,4速キープで走る事になるため,かなり辛いと思われます.

全長が1km程度のミニサーキット専用と割り切るなら加速力の面では魅力的ですが,各ギヤで使えるバンドがかなり狭いので,シフト操作が忙し過ぎる懸念があり,TYPE-R勢(例えばFD2)と比べると,YS1のシフト/クラッチのストロークは比較的長いので,シフト回数の増加=タイムロスとなってしまう可能性があります.


次に,5速は流用しつつも,それなりにつながりを意識した2種類.



TRY・BOXだと日光でも4速に入れる必要がありますが,3→4速が少し離れているので,加速力としては若干疑問符がつきます.ただ,4速の最高速が159km/hなので,TC2000だとぴったり合うかもしれません.

ATSハイパワー用だと,2速はYS1と同じなので,3・4速の加速力がアップする事になります.こちらも日光で4速が必要になりますが,TRY・BOXに比べて4速まで均等割りなので,使い易さの面ではこちらに軍配が上がるでしょう.


最後に5速全てをクロス化したもの.



OS技研 5速クロスは,3速の最高速が133km/hなので,日光でも今までと同じく3速キープで走れそうです.
ただ,YS1に比べて2速がややハイギヤード化(+5km/h)されるため,加速力の低下が気になりますが,現状の2速での加速力があのFD2と比較しても,ほぼ互角だったので,そんなにデメリットはないのかもしれません.

むしろ,日光の6コーナー,TC1000の2ヘア,本庄のS字後のR13コーナー等,2速でレブとの戦いになるシーンでは多少の優位性が得られるかもしれず,加えて4速のローギヤード化によってTC2000で,5速のローギヤード化によって,国際コース(もてぎ・鈴鹿・富士)で恩恵が得られるかもしれず,総合的に見るとベストの選択なのかもしれません.

なお,5速のローギヤード化は高速巡航時に乗り辛く可能性があるのですが,実は現在のECUに変えてから,5速の2300~2600rpmの領域でトルクの谷を感じるようになり,この回転領域がちょうど高速を80~90km/hで流している時なので,ローギヤード化によって,これがズレてくれれば,むしろ乗り易くなるのではないか?とも思っています.
(ちなみに,計算上は3000rpm前後)


以上より,結論としては,OS技研の5速クロスが最有力となりますが,これを投入するとなると,かなりの金額になるので,レブの引上げ(DC2RのECU投入)と同額になる可能性もあり,ミッション慣らしの労力も含めて色々と慎重に考えたいと思います.
Posted at 2016/06/26 01:28:12 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(駆動系) | 日記

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