
RE-71Rに変えてから,コーナリングスピードが上がった事も手伝って左フロントタイヤの片減りに悩まされてきました.
使い始めの頃,RE-11Aと同じ内圧で走っていたら,サイドウォールの△マークがあっという間に無くなってしまい,やむなく内圧を10kPa程上げて対処していました.根本的な対策はキャンバーの増加なのですが,既にフロントは-2.0°の
ネガティブアッパーアームが入っていますし,車高90mmをキープしている以上,ナチュラルキャンバーの増加も望めません.
そんな諦めモードだったところ,ショップから「
これ使えそうだよ」と予期せぬ一報が!
本来,アッパーアームと一体になっているボールジョイントを外し,角度調整機構をもたせたアジャスタブルボールジョイントに交換するというモノ.ショップで取付確認したところ,最大4°まで調整可能という事で,現状のネガティブアッパーアームよりも角度を稼げます.
早速,部品を取り寄せてもらい,まずは-3.0°にセッティングして,TC1000の走行会でテストする事にしました.
最初の1本目.
キャンバーが増えるとブレーキがロックしやすくなるため,まずは1コーナー進入のブレーキングでチェック.すると,いきなりジャダーが発生! 「こんなに酷くなるのか!?」と思いながら9Lapして,タイムは 43.215.
ちなみに,今回のTC1000はバックストレートからゴールラインまでに改修が入っており,0.4秒上げた人もいるそうですが,私は恩恵を感じませんでした.バックストレートから最終コーナー手前までの縁石が全体的に低くなり,エスケープゾーンも舗装されて,ラインの自由度が増えた気がしますが,最終コーナーの縁石が跳ね飛ばされて,私はむしろ苦戦させられました・・・.
続けて2本目.
最終コーナーの縁石対策として,減衰を前後共に2段階落としでトライした結果,跳ね飛ばされなくなりました.ジャダーの方も,出るのを覚悟で早めにブレーキングを開始する事で対処し,タイムは 42.797 までアップしました.
キャンバーの効果を最大負荷が掛かる2コーナーのフィーリングで確認してみたところ,タイヤの余力が確実に増えており,アクセル全開でコーナリングしていてもステアを切り足せば容易にインへ寄せられるようになりました.
そのまま3本目.
更に内圧を前後共に10kPa落として,タイヤの変形量を確認.路面温度がかなり上昇してきたので,相殺されてタイム自体は 42.858 でほとんど変わらなかったものの,左フロントの△マークはしっかり残っていたので,キャンバー角の増加効果はしっかり出ているようでした.
ここで,
日光でも登場した簡易放射温度計で使ってタイヤの表面温度をチェックしてみました.
まずは参考までに,7月の日光時の値.キャンバー不足で左・外側の負担が大きいのが分かります.
続けて,今回のTC1000.
左タイヤは,内/外でほぼ同じ温度になっています.日光とTC1000でコースレイアウトの違いは勿論ありますが,充分改善が見られたと言って良いでしょう.反対に右フロントの内側は,引きずり量が多過ぎて温度が高過ぎのようです.今後は,ここの減り具合に着目していく必要がありそうです.
お昼休みを挟んで4本目.
タイヤの状況からキャンバーのメリットは確認出来たので,今度はデメリットであるブレーキングの方に意識を配ってチェック.しかし,午前中のセッションで感じたジャダーは完全に姿を消していました.「何だったんだ,アレ?」と思いつつ,タイムは微下げの 42.925.
頭を冷やしつつジャダーの原因を探ってみると,
スピードパーク新潟(SPN)走行終了後の点検でパッドの磨耗が急速に進んでいた事を思い出しました.これはSPN走行前に9割あった残量が走行終了後は,いきなり5割だったもので,原因はSPNが低速かつブレーキを多用するレイアウトであったため,ブレーキを冷やす時間がほとんどなく,かなりの高温にパッドがさらされ続け,磨耗が急速に進んでたためと考えられます(実際,走行直後はホイールのエアバルブのキャップすら高温で触ると火傷しそうなくらいでした・・・).
高温にさらされるという事は,パッドの摩材がブレーキディスクに付着する可能性が高く(実際,ディスクは少し黒い),TC1000の走行開始直後,この付着した摩財が残っていてジャダーを引き起こしていたものの,周回を重ねるにつれて,それが剥がれていき,午後にはジャダーが解消したと考えられます.
最後の5本目.
キャンバー角増加のメリット/デメリットの確認が終了したので,最後に
プロにターゲットタイムを設定してもらい,この気温下でのベスト更新を狙ってアタック.
当日ベストは何とか出したものの,自己ベストにも目標タイムにも届かず,42.793 で終了となりました.
さて,キャンバー角増加によるタイヤの磨耗低減は,しっかりと効果確認が出来たので,次はタイムの伸び代を日光サーキットで確認してきたいと思います.
Posted at 2016/09/19 04:52:33 | |
トラックバック(0) |
セッティング(アライメント) | 日記