
10月に入り,そろそろ気温も下がってくる頃だろうと,足回りのセッティング確認に日光サーキットを訪れました.
連日,雨続きの中,タイミング良く晴れ模様となりましたが,どちらかと言えば晴れ過ぎとも思える最高気温29℃.
タイヤ交換をしていると汗が滴り落ちる程で,走行中も油温は上がり放し.1周アタックしたら2周クーリングしなければならないような有様で,路面温度は35℃程度と7月に比べればコンディションは良くなっているはずですが,タイムは全く期待出来そうにありませんでした.
さて,今回のアップデートは以下の2つ.
①フロントのバネレートUP :
merwede 7kgf/mm →
swift 10kgf/mm
②フロントのキャンバー角UP :
ネガティブアッパーアーム(-2°) →
アジャスタブルボールジョイント(-3°)
共にフロントタイヤの片減り対策で,ロール量の低減を狙ったアイテムです.
前回のTC1000では,フロントのグリップが確実に増し,ややオーバーステア傾向になっていましたが,果たして日光ではバランスがどうか? 早速テストです.
まずは,1本目.
前後の減衰はTC1000でバランスの良かった,F:4段戻し R:4段戻しの状態でスタート.
しかし,走り始めからリアの不安定感が顕著で,高速の8コーナーは全く飛び込めず・・・.また,キャンバーのせいか,ステアリングを切り込み始めた初期の反応が鈍く,そのまま舵角を増やしていくと急に切り込んでいってインに寄り過ぎる始末.リアの不安定感からブレーキングポイントも手前手前になってしまい,ライン取りが不安定で全く乗り切れていない感じです.かろうじてSクラス足切りの43.5秒をマークしましたが,42秒台は見えない.
(帰りたくなってきた・・・)
続けて,2本目(前半).
フロントの減衰を2段階上げて,アンダー傾向になるよう微調整.
これでリアが大分落ち着き,8コーナーも何とか飛び込めるように.ブレーキングポイントも徐々に詰められるようになりましたが,今度は攻め込むとテールスライドが発生.最初は2コーナー,続けて11コーナーでテールスライド.スピンする程ではないですが,ライン取りが不安定になるなので,ブレーキング時の踏力を微調整して流れないように修正.ところが,今度は8コーナー出口で加速体勢に入った時でもスライドし始めたため,ここが限界と一旦ピットへ.
(この時点で,まだ43.1秒)
微調整の2本目(後半).
今度はリアの減衰を2段階下げて,更にアンダー傾向へ.
リアの安定感がかなり増し,EF8を振り回せるようになりました.ブレーキを残してもリアが安定しているため,いつものフィーリングに戻ってきた感じ.ただ,ステアリングの舵角量と向きの変わり方がリニアでない感触に馴染めず,各コーナーの出口が苦しくなるライン取りをなかなか修正出来ません.結果,何とか42秒台に入れたものの,7月よりも0.2秒遅い 42.916 で終了となりました.
さて,LAP+の解析結果です.(青線:今回 緑線:
7月)
①1コーナー(1つ目の赤丸)
進入速度が4.6km/hも遅く,これだけで0.15秒も遅れます.2コーナーでテールスライドする分,小さく回れるので2~3コーナーにかけて若干遅れを取り戻しますが,それでも0.1秒遅れ.
②5コーナー(2つ目の赤丸)
バネレートが上がったおかげか,3→4コーナーの切り返しで反応が早く,向きが変わるのでアクセルを踏み込めます.結果,ライン的には外に膨らんでしまいますが,全体的に車速が高いので,0.05秒差まで詰めます.
③6コーナー(3つ目の赤丸)
6コーナーの進入で再びテールスライドが発生し,角度をコントロールしている分だけアクセルONのタイミングが遅れます.この結果,8コーナー進入時の速度が3.4km/hも下回ります(0.28秒遅れ).
④バックストレート(4つ目の赤丸)
これぞキャンバーの効果でしょう.9コーナーの出口で踏ん張れるので,コーナリングスピードが上乗せされ,バックストレートエンドでは過去最高の135km/hまで車速が伸びています.これで差は再び0.15秒へ.
⑤11コーナー(5つ目の赤丸)
ターンインの時点では破綻する気配がないのに,インに切り込んでいくとリアがブレイク.これのコントロールで12コーナーのラインが苦しくなり,アクセルONのタイミングがワンテンポ遅れます.この結果が1コーナーの進入速度低下につながってしまいます.
纏めると,キャンバーの増加によりフロントの限界は確実に上がっています.その一方でフロントのグリップにリアが負けている感じで,至るところでテールスライドを誘発してしまいます.テールスライドを見越したライン取りが出来れば,これでも良いのかもしれませんが,舵角に対する向きの変わり方が,どうも不自然な感じて馴染めず,迷いが出てしまいます.
走っている時は気付きませんでしたが,データを見ながら思い返してみると,どうもリアの腰砕け感があって,これがアクセルONを躊躇する引き金になっているのかもしれません.
プロの感想でもリアの不安定さを指摘されましたし,富士の100Rを走る事を考えると,やはり
トーゼロを直した方が良さそうです.
Posted at 2016/10/08 01:35:47 | |
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アップデート 20XX | 日記