前回のテスト結果を踏まえて,
リアのキャンバーを寝かて前後バランスを改善してみました.
キャンバー調整後の初回サーキット走行だったTC2000では,リアの安定感が確実に増し,80Rでも安心してシフトアップのための片手運転が出来る程でした.
TC2000で
試乗して頂いたプロドライバーからも「バランスは良い」と評価頂き,「気温が下がった今こそ,再び41秒台を!」」と意気込んで,日光サーキットに向かいました.
さて,結果は・・・.
ご覧の通り,見事な撃沈ぷり・・・.気温低下分だけタイムこそ,0.2秒程度改善していますが,前後のキャンバーを寝かせた分だけのゲインを得られませんでした.
それでは,いつもの通り,LAP+での解析です.(青線:今回 緑線:自己ベスト)
①1コーナー
進入速度は109.2km/hと,自己ベスト時とほぼ互角(+0.5km/h)なのですが,ライン取りが悪いです.
(青線:今回 赤線;自己ベスト)
進入の角度が浅く(早目にインに寄り過ぎている),ブレーキも強すぎで速度の低下量も大きいです.この速度低下により,2コーナーに向けて,更に早めにインに寄ってしまいラインが苦しくなります.
②3~4コーナー(1つ目の赤丸)
進入の角度が悪いため,曲がる事は曲がるのですが,アクセルが開けられません.この結果が赤丸で囲ったU字のボトムとなります.自己ベスト時は3~4コーナーを一直線に抜けられるような角度になっているため,ほぼV字のボトムとなり,アクセルを早く踏めています.
3コーナーの角度が悪ければ,4コーナーも悪くなる訳で,車速の伸びも悪く,自己ベストよりも0.15秒遅いです.
③6コーナー(2つ目の赤丸)
自己ベスト時よりも,ほんの僅かにブレーキングの開始が早く,これによって0.05秒遅れますが,ボトムをしっかり落としてV字に立ち上がる走りが出来ているので,この遅れは簡単に取り戻せています.
ちなみに,自己ベスト時は6コーナーの進入でリアを流して強引に向きを変えつつ,高いボトムスピードを維持したままクリアしていましたが,今回はリアがしっかりと食いついているので流す事は困難でした.しかし,反対にリアが安定しているので思い切ってアクセルを踏む事ができ,これが7~8コーナー間での車速の伸びにつながっていると思われます.
④8~9コーナー
リアのキャンバーを寝かせた事で安心して8コーナーに飛び込めるようになり,自己ベスト時よりも3km/hも進入速度が高いです.その分,9コーナーで少し抑えないと曲がりきれませんでしたが,総じて見ると自己ベスト時とほぼ同じタイムです.
⑤バックストレートエンド~10コーナー(3つ目の赤丸)
やっぱり,最後の最後で伸びが足りません.
エキマニの影響が大きいですね・・・.
タイム的には,ストレートエンドでは自己ベスト時と互角なのですが,キャンバーを寝かせた分,制動距離が延びるので突っ込みで無理が出来ず,早めにブレーキングせざるを得ません.このブレーキングの差によって更に0.15秒引き離されます.
⑥11コーナー(4つ目の赤丸)
10コーナーで早めに速度が落ちている分,余裕があるので速度変動量は小さくなっています.
これで0.05秒差を詰めて,その差0.25秒.
⑦12コーナー(5つ目の赤丸)
ブレーキングもライン取りも自己ベスト時をほど再現出来ています.(青線:今回 赤線:自己ベスト)
しかし,立ち上がりでアクセルを開けると,どんどん外に膨らんでいくため,ステアリングを戻せません.その結果,舵角が残った状態でホームストレートを迎える事となり,速度も伸びません.これでジリジリと引き離され,最終的には0.5秒近い差となってしまいました.
タイム的には全く残念な結果ですが,リアのキャンバーを寝かせた事で限界が高まったのは実感出来ました.しかし,その一方で,やはりクルマの向きを変えるのが難しくなっており,3~4コーナー,11~12コーナーといった切り返しのシーンでは,コーナー出口で舵角が残ったままアクセルを入れなければならず,車速の伸びが鈍っています.
このリアの限界の高さを残しつつ,もう少し向きを変え易く出来れば(例えば,リアの減衰を上げる),タイムはもう少し削れそうです.しかし,それでも感触的には41秒台に手が届かないと思われ,「なかなかに高いハードルだなぁ~」とため息が漏らしながら,サーキットを後にしました.
Posted at 2016/12/16 02:13:48 | |
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