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フルコン投入による追加情報の入手」とは言ったものの,どんな入出力があって,どんな演算をしているのか分からないので,まずはお試しで計測を開始.
初期設定だと計測可能な全データが設定されていましたが,全域ゼロの無駄な(計算していない)パラメータも多く,これだとデータ容量を圧迫するので,家の周囲を走り回りながら使えるデータ/使えないデータの選別から始めました.またサンプリング周期も40Hzとなっていましたが,適合する訳ではないので,GPSロガーと同じ10Hzにまで落してみました.
この結果,計測1時間で約60MBとコンパクトなデータサイズとなり,解析画面も以下のように纏めてみました.
左上の時系列グラフは,上から車速[km/h],エンジン回転数[rpm],スロットル開度[%],ブレーキペダルスイッチ.
車速はGPSロガーでも計測出来るので,これは同期を取るのに使えます.エンジン回転数も車速とギヤ比から割り出せなくはないですが,シフトチェンジ中は計算出来ないので実測値があった方がベターです.そして,スロットル開度とブレーキSWは,ドライビングを解析する上で武器となります.B16Aはワイヤーによる機械式スロットル(メカスロ)なので,アクセル開度=スロットル開度となり,アクセルワークの分析に使えます.ブレーキの方も願わくば開度センサの方が嬉しいですが,ABSもないクルマに付いているはずがなく,ON/OFFのスイッチ式.恐らく踏み始め側で判定するのだと思うので,ブレーキリリースのポイントを判断するのには使えるかもしれません.
右側のパラメータリストは,種類毎に大まかに分けました.
左側上段は,基本パラメータ.バッテリ電圧[V],車速[km/h],エンジン作動時間[sec],エンジン回転数[rpm],アイドル回転数[rpm],水温[℃].バッテリ電圧やアイドル回転数はサーキットでは不要ですが,走行前の初期チェックには使えるでしょう.
左側下段は,デバイス出力.ここはLINKの出力ポートに独自に割り付けるので,一部ラベル名が表記されていませんが,以下となります.
Aux 1 ・・・ EACV
Aux 2 ・・・ 燃料ポンプ
Aux 3 ・・・ エアコンクラッチ
Aux 4 ・・・ チェックエンジンランプ
Aux 5 ・・・ エンジンファン
Aux 6 ・・・ カム切替スイッチ
Aux 7 ・・・ (未使用)
Aux 8 ・・・ PCS
サーキットでエアコンは使わないので,ここで有用なのは「カム切替スイッチ」くらいですかね.
右側は上から順に,空気,燃料,点火です.
まず,空気系.B16AはDジェトロ(Druck-Jetronic)ですからエアフロセンサではなく,吸気圧(MAP:Manifold Absolute Pressure)センサを用いて吸入空気量を推定します.スロットル(TP:Throttle Position)全開時は大気圧(BAP:Barometric Air Pressure)と同値になりますが,B16Aには大気圧センサが搭載されていないはずなので,どうやって計算しているのかは不明です(LINK ECUはセンサ内蔵?).まぁ,ターボエンジンでなければ,それ程,大気圧は重要なパラメータではないので,吸気圧センサの値を使って推定しているのかもしれませんね.
次いで,燃料系.興味本位に数値を追いかけたくなりますが,現場で適合しない以上,これらのパラメータは私にとってはあまり意味がないです.せいぜい実λ(ラムダ平均)等からエンジンコンディションを推測するくらいでしょうか.
最後に点火系.こちらも同様ですね.ドエルタイムなんてマニアック過ぎて,とても素人には解析出来ません.
それにしても,さすがは30年前の電子制御.アナログ入力がたった5つとは恐れ入りました.デジタル入力も5つのようですし,Furyの空き端子的には余力があるので,今後は追加センサ等で更に情報量を増やしたいところですね.
ドライビング解析的には,先のブレーキ開度検出用のストロークセンサ,シフトチェンジ検出用のニュートラルスイッチ等が欲しいところです.欲を言えばステアリング角度なんかも検出したいですが,これはちょっとハードルが高いでしょうかね・・・.一方で,油温センサは追加メータ用に既に付いているので,ハーネスの配索さえすれば,すぐに読み込めるはず.サーミスタの定数が分からないと温度値への変換は困るかもしれませんが,追加メータと睨めっこすれば分かるかもしれませんね.
いやぁ~,やっぱり頭(ECU)が良くなると色々と夢が膨らみます.今後の発展が楽しみになってきました!
Posted at 2018/08/15 01:50:15 | |
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セッティング(ECU) | 日記