
何とかスポーツモデルを買わせようと
続けた説得は失敗に終わり,実家側の強烈なプッシュによって次のクルマは,TECH PACK EDITIONとなりました.
一応,400台限定のモデルではありますが,この手の設定はメーカーサイドではなく,販売サイドが設定しているものなので,特に希少価値はないでしょう.このグレードを選んだ理由も「特別仕様だから!」という訳ではなく,単に「パークアシスト付を選んだら,この仕様だった」程度の理由です.なんせ,前のクルマが20年前の代物ですから,現代では「当たり前」と言われている装備でも,途方もなく便利に感じてしまうものなのですよ.
私も30年前のクルマから仕事で現代のクルマに乗り換えると,毎回操作方法に悩むので,その気持ちは理解出来ます(笑).
さて,今回はそのTECH PACK EDITIONを試乗して気になった事を纏めてみたいと思います.
まず,最初に思ったのがステアリング.
「アレッ? 小さくない?」
スポーツモデルでもないのに350mmクラスのような・・・? 「普通のクルマだったら380mmクラスだろ?」と思って調べてみたら343×323mmの楕円シェイプだそうです.「いくらパワーステアリング付とはいえ,最小回転半径が5.4mと言われるクルマでは,取り回しが少々苦しいような・・・」と思って乗ってみると,低速域では比較的軽く,舵角不足も感じませんでした.
「これなら小径ステアリングに交換する必要がないね」と思っていたところ,現在のクルマらしく速度感応式の電動パワステなので,車速が上がると途端に重くなります.60km/hくらいでワインディングを流すと結構抵抗感があり,ライントレースがし辛い.勿論コントロール出来る範囲ですが,フロントの重さを感じるようなステアリングフィールでした.
次にメーター.
「奇数刻みなんだ・・・」
一般的には偶数(20→40→60→・・・)な気がするのですが,このクルマは10→30→50→・・・の奇数刻みでした.別に見づらい訳ではないですし,速度コントロールも違和感なく出来ますが,ちょっと新鮮でした.
お次はシフト.
まぁ,なんて事はない普通の6ATなのですが,こういうモデルのお約束のスポーツモードのボタンが,
「押しづらい・・・」
画像を見て頂くとよく分かると思いますが,スポーツモード切替用の「S」のボタンが全く見えないです.
実際の位置は以下の赤丸の部分なのですが,
ドライバー目線だと完全に死角に入って,指を伸ばして探さないと押せないですね・・・.
あと,シフトゲートも通常とは逆向きで,国産車やドイツ車は「く」の字(マニュアルモードの+/-が手前に来る)が多いと思いますが,逆「く」の字(+/-が離れる方向)なので,ちょっと違和感があります.両者とも左ハンドル前提の設計のせいなんだろうなぁ~と思いました.
更にサイドレバー.
「引きづらい・・・」
肘掛(画像の左側)が大分手前に来ているので,手を捻ってもぐりこませないとダメでした.
まぁ,ジムカーナをやる時は肘掛を跳ね上げれば良いだけですが(やらない).
操作系はこのくらいにして,次はパワートレインへ.ボンネットを開けてみようと思って運転席の下に手を伸ばすと,
「アレッ? レバーがない・・・」
「どこにあるんだ?」と思ってユーザーマニュアルを読んでみると,何とココ.
こんなところでも左ハンドル優先の設計に出くわしました.
調べませんでしたけど,まさかOBDコネクタも左側に付いているんですかね・・・?
ようやくご対面のパワートレイン.
International Engine of the Year 2018の1000~1400cc部門で優秀賞に選ばれたエンジンだそうです(総合では8位).まぁ,この手の賞は広報に使われるくらいで一般人にはほとんど影響がありませんが,メーカーの開発者の中には,こういった賞が励みになる(受賞を目指す)人もいるので,案外重要だったりもします.
余談はさておき,この1.2L直噴ターボエンジンは110PS/5500rpmと,90PS/6000rpmだったティグラに比べれば十分パワフル.ダウンサイジングターボらしく低速トルクに振っているので,20.9kgm/1500rpmと分厚いです.これに組み合わされる6ATも,分厚いトルクを活かして2000rpm以下をキープしようとするセッティングですが,さすがにコースティング→再加速のシーンでも5速をキープしようとするで,ちょっと振動が激しい.ブレーキング時も2速までダウンシフトしようと頑張るので制動力が安定しない.燃費重視としては良いのだと思いますが,あんまり好みではありませんね.
好みでないと言えば,Stop & Start System(所謂,ISS)もあんまり好みではありませんでした.恐らく作動条件は「車速0km/hを○○秒継続で作動,ブレーキリリースで解除」だと思うのですが,解除のタイミングがちょっと遅くてトルコンのクリープ効果が同時に作用するので,
「ショックが少し大きい・・・」
あんまりにもタイミングが気に入らないので,途中からISS作動後にNレンジに入れ,信号が青に変わる直前にN→Dレンジに入れる形でタイミングを合わせていました(そんなに嫌なら切れ).アイドル振動も意外と感じますし,この辺りの詰めはあんまりやらないメーカーなのかな?と思いました.
一方で,入れにくかったスポーツモードは素晴らしかったです.
常時3000rpmをキープしようと小まめにシフトダウンするので,なかなかスポーティで,
「よく出来ている!」
と素直に感心しました.さすがにコーナーの進入で制動力が欲しいシーンはマニュアルモードを使いましたが,ワインディングを流していくだけなら,このモードで十分でした.個人的には,ノーマルモードとスポーツモードの中間くらいが好みですが,しっかりと差別化している辺りは欧州メーカーらしいとも言えます.
最後に外装で1つだけ.
左右ドアの下がこのように
「ザラザラ・・・?」
当初「交換部品と見なしたコストダウンかな?」と思ったのですが,リアフェンダーのアーチと一体化された部分なので,交換前提の設計には思えない・・・.パッとネットで調べた感じでは理由を見つけられませんでしたが,汚れ回避の効果とかあるのでしょうか?
STIみたく鮫肌による空力効果を狙った代物だと面白いのですが,まぁ,ないでしょうね(笑).
以上,プジョー・208 ALLUREベースの特別仕様車「TECH PACK EDITION」のインプレッションでした.
なお,ボディカラーは本来4色選べるのですが,商談を始めた時に残っていたのはリオハ・レッドとオレンジ・パワーのみ.最初は写真で「オレンジの方が良いかな?」と思っていたそうですが,日の光の下で見てリオハ・レッドの方になりました.
Posted at 2019/05/06 16:04:49 | |
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