前回の検討結果から,「ガーニーフラップ」で対策する事に決めたので,次はガーニーフラップの高さに関して調査する事にしました.
「さて,どうやって調べようか?」と思案していたところ,「判断材料が何もないんだったら,最新・最高峰のモノから見るべきだろう」という事で,2018年型F1マシン「Toro Rosso STR13」を調べに青山へ.
F1の展示というと,結構一方向からしか見れない事が多いのですが,ここの展示は全周囲から見る事ができ,しかも昨年型という事で,かなり接近する事が可能で,マジマジと見る事が出来ました.どうせならホンダのパワーユニット「RA618H」も見たかったですが,こちらの展示は翌週からという事で,残念ながら見る事が出来ませんでした.
さて,早速,マシンの後ろに回って覗いて見ると,
「随分とウイングの厚みがあるな・・・」
と思って横から見たら,
カーボン剥き出しの部分が,
そのままガーニー でした.
高さが8mmくらいありそうですが,この角度だと衝立というより,流れてきた空気を"く"の字に堰き止めるような形状で,「ひょっとしてDRS(Drag Reduction System)を作動させた時に機能させる狙いなのか・・・?」と思いましたが,
似た形状のCAE(Computer Aided Engineering)解析結果を見ると,確かに通常時でもガーニーとして機能しているようですね.ウイングの断面形状にもよるのだと思いますが,このサイズ・この角度でもちゃんと機能する代物である事を学べたのは良かったです(やっぱり現物を見ておく事は大事ですね).
さて,ガーニーの調査が終わったところで,折角の機会なので,ついでに色々見ておきます.
リアウイングの横に立って,そのままフロアを見てみると,ポコンとしたデッパリが.
この中に,赤外線の温度センサが入っていて,リアタイヤの温度をモニターしているのでしょう.
だとすると,「フロントにも同様のものがあるはず・・・」と思って回ってみると,
「コレかな?」と思いましたが,どうも違う気が.これはフロントフラップアジャスターですね.
「ああ,こっちだ」と見つけました.フロントウイングの先端にあるんですね.
フロントタイヤから結構遠い位置にあるように思えましたが,切れ角のあるタイヤ全体をモニターするには,これだけ距離が必要という事なのでしょうか.それにしても,空力を考えた玉子型の形状をしているとはいえ,ウイングの真ん前に設置しても価値があるくらいタイヤの温度を正確に把握する事が重要という事なんでしょうね.
私のEF8だとリアタイヤの温度というのが結構重要で,ここの温まり具合によってスライド量が大きく変わるので,本気でタイムを狙う時は,リアタイヤのウォームアップのさせ方に結構神経を使います(温め過ぎても,冷え過ぎてもダメ).経験則とフィーリングで何となくは分かりますが,精度向上のためにも,そろそろ「TPMS(Tire Pressure Monitoring System)が必要かな?」なんて思っていたりもします.
話を戻して,こんなにF1マシンをしっかり見るのは久し振りですが,一度見出すと面白いですね.
いい加減なんとかして欲しいと思いつつ,見慣れてしまった親指ノーズの先端開口部にはX字が.
ウイングの「FIA ACTION For ROAD SAFETY」の円盤はバランスウエイト用の開口部かな?
そのままイカヒレノーズ,Tトレイ,バージボードなんかの複雑な造形を見ていたら,「スクラッチでF1のモデルカーなんて絶対作りたくないなー」と思っちゃいました(笑).
印象的だったのがフロア.後端ならともかく,前端からこんなに切り欠きが入っているんですね.「フロアといったら真平ら」が常識だった身からすると興味深いです.
ボディワーク上面に移って,
ダミーカメラなんてボディ直結だろうと思っていたら,わざわざステーを使ってボディから切り離しているんですね.
単にノーズの角度と合わないから,ではないんだろうなぁ.
2019年からレギュレーションで禁止されてしまったウイングミラー.どう空気を抜いているのか,覗き込んだり,裏表で見返してみたりしましたが分かりませんでした(苦笑).
リヤのホイールも405/670-13というタイヤなので,リムが深い.エアの供給口が真っ直ぐ挿せないのでL字状になっているのは初めて知りました(フロントは通常型).
初めて知ったと言えば,Tウイング.STR13にも付いているのは知りませんでした.
最後は,Halo(ヘイロー).見た瞬間「モノコックとヘイローの隙間って,こんなに狭いの?」と驚きました.これで視界良好なんですから,やっぱりフォーミュラの着座位置って低いんですね!
以上,調査結果でした.何だか途中から,何を目的に調べに来たのか分からない内容になっちゃいましたが,F1クラスでは,結構大きなガーニーを使っている事が分かりました.速度域が全然違うので,これをこのままEF8に当て嵌める気はありませんが,最大でもこの大きさという上限は掴めた気がします.
Posted at 2019/06/23 21:22:34 | |
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