前回,今後の空力の方向性として,ロードラッグ化を目指す事を述べましたが,そのための手段として挙げた「ガーニーフラップの小型化」の他にもう1つ,「ストレーキの適正サイズ」が気になっています.
ストレーキは,フロントタイヤ前面に当たる空気を逸らし,抵抗を減らす事が狙いですが,果たしてEF8のスペックに対して,現状のサイズ(タイトル画像)で適正なのだろうか?と疑問に思い始めました.「抵抗を減らすなら,タイヤをなるべく覆う方が良いだろう」と現在のサイズ・位置になっている訳ですが,これが果たして正解なのか?と.
気になったら調べないと気が済まない・・・という事で,最新のストレーキ事情を探りに,東京国際展示場へ.
はい,東京モーターショー2019で御座います.
ここなら車高の高いSUVから,ベタベタに低いスーパーカーまで,ありとあらゆるクルマを,遠慮なく調べられるので,ひたすら下回りを覗いて,写真を撮りまくりました(笑).全体の傾向としては,やはり車高が高い(=タイヤが剥き出しの面積が大きい)クルマ程,ストレーキのサイズも大型化する傾向で,
例えば,ランボルギーニやアストンマーチンといった辺りになると,このようにかなり薄く,
マクラーレンやフェラーリくらいまで行くと,もはや装着不能・・・といった感じでした.
ただ,SUVもスーパーカーも両極端過ぎて参考にならないので,ここは基準出しという事でFIT 4へ.
ステージの上にあって覗きやすいので,早速見てみると,
「アレッ? ストレーキが付いてない??」
そんなバカな.燃費重視のエコカーで,今時付けない訳がないだろうと思い,見返してみると,
まさか・・・バンパー下のリップみたいな黒い部分が全部ストレーキなのか!?
フロントタイヤに少し掛かっているし,どうもそうっぽいなぁ・・・.
ただ,「ストレーキが覆う量って,こんなに少なかったっけ?」と思い,隣にあるHonda eを見てみると,
こちらはFITより覆ってますが,それでもタイヤの半分ですね.
「ムムッ,もしかしてストレーキの長さはタイヤの半分くらいまでで良いのか・・・?」
と思い,サーキットを走ってそうなクルマを探しに行くと,
いたいた,AMG A45.
おお・・・やっぱりタイヤの半分くらいまでだ.もう1台見てみるか,
ルノー・メガーヌ R.S.トロフィー.
ストレーキの取付位置がちょっと内側,つまり半分だ.
なるほど.長さ方向的にはタイヤの半分くらいが最適解のようですね.
では,高さ方向はどうなのだろう?と思い,隣のトゥインゴを見てみると,
Aセグメントくらいだと,結構大きいですね・・・.じゃあ,こっちはどうだ?
スマート EQ フォーツー.
「うわっ,デカッ!」
もしかして,ストレーキの高さは車格(≒速度レンジ)に関係があるのか?
車速レンジの高いクルマは,ストレーキによる抵抗削減よりも,前面投影面積の増大による抵抗増の方が影響が大きいのでサイズが小さいとか? 反対に車速レンジが低いクルマは,前面投影面積の影響よりもストレーキの効果の方が大きいのでサイズが大きいとか?
う~ん.勉強不足でまだ理由が分かりませんが,少なくとも,何か"からくり"はありそうですね・・・.
引続き,この件は調査していきたいと思います.
Posted at 2019/10/30 23:53:59 | |
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