Aセグメントの予想外の過激さに驚かされましたが,それ以上に徹底したデザインのクルマが会場には存在しました.
それがイタリア語で「ロードカー」を意味する「ストラダーレ」の名が冠されたこのクルマ.
ダラーラ・ストラダーレ.
イタリアの名門レーシングコンストラクターである,ダラーラ・アウトモビリ初の市販モデル.イタリア製の高性能車と言うと,フェラーリ・ランボルギーニ・パガーニといったスーパーカーを思い浮かべますが,このクルマは「パワーにモノを言わせる」方向ではなく,ロータスのような「パワーウェイトレシオ重視」のクルマです.
(とは言っても,パワーは400PS/50kgfmもありますが・・・)
ダラーラが作るクルマなので,軽量(855kg)・高剛性なカーボンボディに目が行きますが,個人的には,最高速(280km/h)時点で820kgという強烈なダウンフォースの方に注目していました(もうちょっとで天井走れるレベル・・・).
では,また細部を見ていきましょう.まずフロントの取り入れ口.
ラジエターの横に仕切られた取り入れ口がありました.ここから取り入れられた空気がどこへ行くかというと・・・,
フェンダーの外側は完全に塞がれているので,エアカーテンのような考え方ではなく,タイヤの内側に流しているようですね.
そこから流れた空気は,タイヤハウスの後ろから抜くのだろうと思いフェンダー後部を見てみますが,ダクトが見えない・・・.
でも,こんな形状しているんだから,タイヤの後ろから抜いているのは間違いないよな・・・と思い,リアタイヤ側から覗いてみると,
「うわっ,ロアアームが見える!」
どうやらタイヤの前後は完全にフェアリングされており,そのタイヤの内側(ダブルウィッシュボーンのアームがある空間)を通しているようですね.これはLMP1等のプロトタイプカーと同じ考え方ですが,市販車で,ここまでやってるクルマってあったかなぁ~?と思いました(TS020のロードカーくらいしか思い浮かばない)
じゃあ,リアタイヤの後方も・・・と思い覗いてみると,
LFAみたいなラジエターは存在しないのでスカスカですね.
そして,センター部には当然の事ながらディフューザーが付いています.ロードカーですし,下面重視でウイングは大人しいんだろうなぁ~と思い,上部に目を向けてみると,
「えっ!? ウイングの角度おかしくない?」
と思い,横から見てみると,
ウイングの迎え角が強烈!
ショー用に大げさにしているのか?と思いましたが,ウイングは固定式なので,どうやらこれが標準のようです. ミッドシップですからリアのスタビリティが欲しいのは理解しますが,それにしても凄い! 見方を変えると,このリアウイングに対してバランスが取れるくらいフロントのダウンフォースを稼いでいるという事でしょうから,さすがはダラーラという感じですね.
以上,注目の1台でした.
色々な制約を背負うEF8で,真似出来る部分は勿論ありませんが,それでも市販車最高峰の空力の考え方みたいな部分を,今回学ぶ事が出来た気がします.
Posted at 2019/11/02 07:40:23 | |
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