無事結果の出せたTC1000ですが,この日はクルマの前後バランスのチェックをしてました.
1つは空力.
ガーニーフラップを小型化したので,ブレーキング時のリアのスタビリティ変化と,ストレートスピードへの影響を確認したい.
もう1つはブレーキ.前回はリア側に意識を払い過ぎていたので,フロント側の限界点が今一つ掴み切れておらず,色々試してパッドの評価をきちんとしたい.
といったところで,早速ですが,LAP+による比較結果です(青:前回 緑:今回).
①ストレートエンド(1つ目の赤丸)
外気温ブーストがきっちりかかって,車速が2.2km/hアップ.これだけで0.05秒縮むので,やっぱりストレートスピードを侮ってはいけませんね.一方で,未だに130km/h台にのせられない点が少々気になります.
EG6を追いかけていた時もストレートの後半で置いて行かれるんですよねぇ・・・.エンジンパワーよりも車体の重量が効いているのか? ドラッグが大きいのか? 何かもう一工夫必要かも.
②1コーナー進入(2つ目の赤丸)
特にブレーキング時のフィーリングで不満はないのですが,このデータを見るとリリースを始めるのが大分早いですね.映像で確認してみると,この辺り.
ちょうどステアリングを切り込み始める辺りですね.ここでリリースしているという事は,「これで減速量が十分だ」と判断している訳で,やっぱりちょっとブレーキの効きが強いのかも.「効きが強いなら~」と少し突っ込み気味にブレーキングを遅らせてみたら,ロックしちゃいましたし・・・.
③1コーナー立ち上がり(3つ目の赤丸)
リリースが早かったせいもあるのだと思いますが,アクセルを入れ始めてから前に進んでいない時間が長いですね.映像で見てみると,
エイペックスは過ぎているので,純粋にフロントタイヤが耐え切れていない感じ.原因の1つとしては内圧で,走行終了後に確認したら想定よりも10kPa低かったので,これが原因かもしれません.朝一の路面温度が低い時に合わせ切れなかったという事なのでしょう.
④1ヘア進入(4つ目の赤丸)
1コーナーの立ち上がりで前に進まない時間が長かったにも関わらず,1ヘアへの進入速度は1.6km/hアップ.やっぱり外気温ブーストの効果は大きいですね.なお,ここまでで0.08秒縮まってます.
⑤1ヘア立ち上がり(5つ目の赤丸)
前回のデータを見直していた時にタイヤを横に使い切っていた事に気づいたので,今回は少し修正.アクセルを入れるのを少し我慢したのですが,これだとちょっと待ち時間が長かったかも.進入のラインを修正して距離を縮めれば良かったですね.
⑥インフィールド進入(6つ目の赤丸)
1ヘアの立ち上がりを我慢した効果に,外気温ブーストが加わって,前回を圧倒する加速力です.これで0.2秒稼ぎ出しているので,今回のタイムアップ出来たのは,これのおかげです.
また,前回は若干ビビりが入ってブレーキングの開始が早かった点に関しては,ガーニーの変更によってバランスが整い,若干アンダー気味になったので,安心して突っ込めるようになりました.
リアのダウンフォース量を体感的に表現してみると,
大 ・・・ ウイングを立てる + ガーニーフラップ(28mm)
↓
中 ・・・ ウイングを立てる + ガーニーフラップ(14mm) ←今回がコレ
↓
小 ・・・ ウイングを寝かす + ガーニーフラップ(28mm)
という感じで,「大」だとリアが効き過ぎてフロントの接地が下がり,「小」だとフロントのディフューザーが勝ってリアの接地が下がっていたのが,ちょうど良くバランスが取れたような印象.あとは,高速コースに持ち込んで140km/h以上の領域でドラッグ量をチェックするだけですかね.
⑦洗濯板進入(最後の赤丸)
ここまで,全て最高速が上がっていたのに,このポイントだけ1km/hダウン・・・.2→3速にシフトアップした時点では今回の方が上回っていたので,恐らくここも原因はタイヤの内圧かと(タイヤがヨレてトラクションが抜けている).これで0.05秒失っているので,合わせ切れなかったのが悔やまれます.
ちなみに,タイヤの内圧が低い事に気づいた2本目は,10kPa上げて臨んだのですが,この頃には路面温度も上がっており,今度は目標値を10kPa上回ってしまいました(+20kPaという意味).この状態だと極端にグリップが低下して,曲がらない・止まらないで42秒を切るのがやっとでした.
以上,分析結果でした.
纏めると,TC1000においては空力の前後バランスは取れた感じなので,後はコースを変えて
例のバイブレーションが出ないかどうか確認すると共に,ドラッグ(空気抵抗)の大きさを確認したいところです.
一方,ブレーキに関しては,やはり若干フロントのブレーキパッドが効き過ぎ.1コーナーでもロックするシーンがあるので,もう少し効きを弱めた方が良いでしょうね.
RACING-N+は以前使っていたパッドと違って,ロックすると白煙も上がらず,ツゥーと滑っていくのでちょっと怖いです(分かり易さという意味では以前のパッドの方が良い).
まぁ,ロックするのはちょっとブレーキングを頑張り過ぎた時なので,自分が感じている限界点を疑わなければ大丈夫なのですが(コントロール出来るのですが),ウェットコンディションだと,かなり怖いかなぁ・・・?という感じです.
(TC2000の
雨の洗礼が頭をよぎる・・・)
あと,空力・ブレーキ共に前後バランスのフィーリングは悪くありませんが,ロスしている部分を見ると若干アンダー気味なのですが,これは恐らくタイヤのせい(↓).

(一番摩耗が進む左フロントはスリップサインに達している・・・)
タイヤを替えればフロントのグリップも増すと思うので,その状態であれば,ちょうど良いバランスになるのでは?と思っています.
Posted at 2019/11/09 07:36:44 | |
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セッティング(空力) | 日記