TC2000での弟子FD2との対決は,私の勝利で終わりました.
真面目にやった上での勝利なので素直に嬉しいですが,本来,FD2というクルマの車格を考えたらテンロクが勝てるはずがないので,弟子FD2のスランプは本当に深刻なようです.
いい加減に走った結果がコレなら仕方ありませんが,当人は至って真剣なので,何とかスランプを脱して欲しく,今回は私なりに弟子FD2のスランプの原因に関して探ってみたいと思います.
まずは,LAP+を使って7秒台のタイムを出していた頃と比較してみます.
7秒台時(緑) ・・・ 1'07.118
今回 (青) ・・・ 1'08.826
上段が車速,下段がタイム差(緑線が上に行くほど差が開く)です.パッと見て目立つのは最終コーナー(0.5秒の遅れ)ですが,ここはドライビングに自信がない状態では攻め切る事なんて出来ないので,今回は一先ず横に置いておいて,最終コーナーまでの1秒の遅れの方に着目してみたいと思います.
下段のタイム差を見ると,フルブレーキングした後(3つの赤丸のポイント)にジリジリと右肩上がりになっているのが分かります.これが何を示しているか?というと,「フルブレーキングした後の直線の加速が鈍い」という事です.
では,なぜ加速が鈍いのか?というと,3つの赤丸のポイント全てでアクセルを全開にするポイントが遅いからです(赤丸のポイントで線の立ち上がりが,みんな緑の方が先になっている).
じゃあ,何で青(今回)はアクセルを全開に出来ていないのか?というと,3つのポイントともボトムスピードが軒並み高い(1.5~2.8km/h高い)が原因と思われます.
すなわち,
ブレーキングでしっかりとクルマを止めきれていない!という事です.
しっかりとクルマを止められてないという事は,フロントのタイヤに荷重を掛けられないので,
①荷重が掛かってないので,ステアリングを切っても手応えがない(曲がらない).
↓
②切っても曲がらない事が分かるので,ステアリングを浅い舵角で止める(切らない).
↓
③浅い舵角をで止めるから,クルマの向きがなかなか変わらない.
↓
④向きが変わらないから,アクセルが踏めない(or 踏んでもアンダーが出る).
↓
⑤アクセルが踏めないので加速が鈍い.
↓
⑥加速が鈍いからストレートスピードが伸びない.
↓
⑦スピードが伸びないから,次のコーナーのブレーキングが緩くなる.
↓
⑧ブレーキングが緩いから,またフロントタイヤに荷重が掛からない.
↓
⑨上記①に戻る.
・・・という悪循環に陥り,満遍なく遅くなったのだと思われます.
具体的な例で示します(TC2000の1コーナー).
ブレーキングを開始し,ヒール&トゥで4→3→2速と落して,弟子FD2が「クルマを止め切った」と思っているポイントは恐らくココ(↓).
【7秒台の時】
【今回】
奥の「ADVAN」の看板の位置を見てもらえれば分かると思いますが,今回の方が随分と手前でブレーキングを終わらせているのが分かりますよね? なのに,車速は今回の方が2km/hも高い(108km/h).つまり,手前からブレーキングを開始して,緩いブレーキングで車速を落し切らないまま(しっかりとクルマを止めないまま),ターンインを開始しようとしているという事です.
(当然,ブレーキングで突っ込めてないので,フロントタイヤに荷重は掛かってない)
この状態からブレーキをリリースしていって,完全にブレーキを離したポイントが,恐らくココ(↓).
【7秒台の時】
【今回】
左腕の肘の角度と,左手首の位置に注目して下さい.
手首の方は,右のサイドウインドウの三角窓を目印にすると分かり易いかと思いますが,【今回】の方がステアリングを切れてないですよね? ボトムスピードはほぼ一緒なんですから,それだったら【今回】だって,ステアリングをもっと切って,もっと向きを変えられたはずなんです.
つまり,今の弟子FD2に必要なのは,発売中のREVSPEED12月号から引用して,コレ(↓)だと思います.

(弟子FD2は50歳オーバーの中高年じゃありませんけど・・・笑)
まず,高車速からのブレーキングで,しっかりとクルマを止めましょう.
そして,しっかりと止めたら,切れるだけステアリングをしっかりと切りましょう!
という事です.
ちなみに,恐らくこうなってしまった要因の1つとして,前回のアドバイス「
身体を傾けて,アクセルを踏みながら,必死にステアリングを切っている状態をなくしたい」が間違って伝わったせいではないか?と思っています.
前回のアドバイスは「ターンインでステアリングを切るな!」ではなく,「立ち上がりでステアリングを戻せ!」という意味で述べました.ターンイン時は限界までステアリングを切る事自体はOKですよ~.
なお,これを是正するトレーニング方法としては,広場トレーニングが一番良いのですが,なかなかお休みを取れない方なので,TC1000の1ヘアで練習しますか.こんな感じ(↓)で,
進入でしっかり止める!(点線の部分)
止めたら,しっかり切る!(エイペックスまで舵角を可能な限り増やす)
切った後は,アンダーを出さないように少しづつアクセルを開ける!(連動してステアリングを戻す)
・・・という練習が安全に出来ると思います.
弟子FD2の真の実力が,この程度(↓)だなんて私は全く思っていません.
まずは,元の状態(↓)に戻して,スランプを脱し,
やる気のない師匠(オレさまFD2)を早く追いかけましょう!
Posted at 2019/11/19 23:53:45 | |
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