
他人の分析に追われて,自分の日光の分析が疎かになっていたので,少し時間を巻き戻して反省してみます.
今回はA052で初の日光でした.加えて,12月のアタックシーズンに日光を走るのは実に
3年振り.どうも12月の走行会というのは巡り合わせが悪いようで,2015年は申込みをしていながらクルマを壊して出走出来ず,2016年も申込み後に事前練習をしたらクルマを壊してまたも未出走,2017年はようやく走る事が出来たものの,2018年はクルマがトラブルを抱えて,その後仕上がらずに終了・・・という状況でした.
今年も内心は何かあるんじゃないかとビクビクしていたのですが,ドライバー・クルマ共に無事今日に至っています.
さて,今回はその初のA052と,
今年の4月に同サイズのRE-71Rで走った時のデータからタイヤの特性を比較してみたいと思います.
まずは,公式タイムの比較から.
RE-71R ・・・ 42.139 (S1:9.919 S2:18.457 S3:13.763)
A052 ・・・ 41.416 (S1:9.657 S2:18.180 S3:13.579)
満遍なく全セクターとも0.25秒程度上がっていますね.
続いて,車載動画.
【RE-71R】
【A052】
そして,LAP+による比較です(緑:A052 青:RE-71R).
1コーナー進入(1つ目の赤丸)
いきなりですが車速が4km/hも高いですね.最終の12コーナーの脱出速度がA052(緑)の方が高いせいもあると思いますが,外気温ブーストの効果も加わっているのではないかと思われます.これで早くも0.07秒程度A052(緑)がリード.
2コーナー(2つ目の赤丸)
RE-71R(青)の方は内圧の調整を失敗してタイヤがヨレているせいもありますが,A052(緑)の方はきっちり持ちこたえて加速体勢に移行していますね.さすがは横のA052です!(差は0.15秒まで拡大)
5コーナー(3つ目の赤丸)
RE-71R(青)の方は一瞬速度の伸びが停滞しているにも関わらず,A052(緑)の方は止まる事なく加速が続いています.ここは,以下(↓)の写真のように,
ステアリングを切ったまま,アクセルを全開にする領域なので,やはりA052(緑)の横のグリップ力が真価を発揮しているのだと思われます(更に差が拡大して0.35秒).
6コーナー(4つ目の赤丸)
ここもA052(緑)の横のグリップ力が圧倒していますね.8km/h以上高い速度で旋回しています.ただ,さすがに使い込んだA052だけあって,立ち上がりではアクセルを踏んでも失速してしまいました(後半で波を打っているのは,タイヤが負けている).
乗っている時は「持ちこたえられそうなのになぁ~」と思いつつ,コントロールしていたのですが,スキール音が大きく,限界を越えていたのでしょうね(それでも差は0.5秒まで更に広がります).
8コーナー進入(5つ目の赤丸)
丸で囲んだ部分が,ちょうど進入でステアリングを切り込む場面なのですが,RE-71R(青)が滑らかな曲線を描いているのに対し,A052(緑)の方は横ばいになっています.これが何を示しているのか?というと,タイヤがヨレて反応していないという事です(=ステアリングレスポンスが悪い).これが「A052(緑)は剛性感がない(ショルダーが柔らかい)」と言われる所以なのでしょうね.
8コーナー立ち上がり(6つ目の赤丸)
実はここが今回,一番違和感があった場所で,「A052のグリップ力なら大丈夫でしょ~」とアクセルを踏むと,あっさりとギブアップしてアンダーが出てしまいました・・・.何度試してみても「アレレ・・・?」と思ったので,タイヤの摩耗を疑いつつ,「やっぱりココはタイヤの幅が重要なのか?」と感じた部分でした(これが後に
225/50R15の投入を決断する理由となります).
9コーナー立ち上がり(7つ目の赤丸)
ここが,ちょうど最大舵角になる部分(↓)なのですが,
ここで車速の伸びが横ばいになる(タイヤのグリップが限界を迎えている)RE-71R(青)に対し,A052(緑)は失速する事なく加速が途切れません.ここでもA052(緑)の横のグリップが威力を発揮していると思われます.
10コーナー進入(8つ目の赤丸)
9コーナーの高い脱出速度+外気温ブーストによって,135km/hオーバーまで車速が伸びました.さすがにここまで伸びると,いかに改修によって短くなったバックストレートであってもリミッターに当たってしまいました.このため,途中から距離を短くするために早めに10コーナーのイン側にクルマを寄せるようなライン取りに変更しました(距離優先).これでトータル0.6秒の差となりました.
11コーナー(9つ目の赤丸)
10コーナーからずっと横Gが続き,タイヤに負担が掛かる部分ですが,ここでもA052(緑)の横のグリップが威力を発揮し,2.2km/h高い速度で旋回しています.
12コーナー(最後の赤丸)
RE-71R(青)の方は僅かに車速の伸びが鈍っていますが,A052(緑)の方は一直線に加速しています.車載を見ると,ここも最大舵角の時(↓)で,
「やっぱり,A052の横のグリップ力は凄いなぁ~」と素直に感嘆させられます(これで0.7秒差).
以上,比較結果でした.
やはり日光サーキットの方はTC1000に比べて旋回時間が長く,タイヤの横のグリップに依存するセクションも多いため,TC1000よりも日光の方がA052との相性は良さそうです.
ちなみに,0.7秒という両者の差に関しては,外気温ブーストの効果(4月:23.3℃ 12月:10.8℃)をざっくり0.5秒と見積もったとすると,両者の差は僅か0.2秒となってしまい,TC1000のタイム-0.5秒=日光のタイムという公式に当てはめて考えると,せめてあと0.3秒縮めて「40.9秒」くらいまでは縮めないとダメだったんじゃないかと思っています.
そして,今回0.3秒遅かった理由の1つとしては,恐らくタイヤの摩耗(↓)で,
もう少しタイヤのコンディション良ければ,8コーナーの立ち上がり等で踏ん張りが効いて楽にタイムを出たのかな?と思っています.ただ,タイヤの表面温度を測るとタイヤが外側に倒れ込んでいたので,そもそものキャンバーも不足しているのかな?と思いました.
Posted at 2019/12/25 23:42:07 | |
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