
先月,こんなニュースが流れていました.
2025年 F1パワーユニットは2ストローク化の噂
欧州全体がEVに舵を切っており,Formula-Eに注目を集めている最中,F1がそれとは異なる道を目指すのは当然だと思いますが,「何で急に2ストなんて言い出した?」というのが率直な印象でした.
推測される理由の1つとして考えられるのは,2014年から投入されている1.6L V6ターボエンジンの音量が小さい事への対策(回転数UP).
もう1つは,「エンジンオイルを燃やす事でパワーを上げる」という不正をFIAが取り締まる事が出来ず,だったら,解禁してしまえ!という可能性(2ストは元々燃料にオイルを混ぜている).ただ,こちらに関しては,2ストの煙モクモクっぷりを本気で世界が許容すると思っているのか?と疑念を抱いていたら,なんと! 燃料には水素を使うとの事.
つまり,
「2ストの水素エンジン」を考えているのだそうです.
そんな記事を見ていたら,「そういえば,2ストの水素自動車ってあったなぁ~」と思い出し,石川県小松市にある日本自動車博物館へ行ってきました.
それがコチラ.
1975年に作られた「武蔵2号」.日産のサニー・クーペをベースに作られた水素自動車です.
(以前,
浜松市で見た「武蔵3号」は,このクルマの後継です)
搭載されているエンジンは,日産製の1.4L 直列4気筒SOHC 2ストロークエンジン.
時代が時代なので,出力はたかが知れていますが,ガソリン時の85%程度の出力でしょうか?
このクルマは,SEED(Student Economy Engineered Design)ラリーへの参加を目的としたクルマで,背部に230Lの大きな液体水素タンクを積んでいるのが特徴です.一般的なガソリン車が45~60L程度のタンク容量ですから,約4倍の容量ですね.
SEEDラリーというのは,アメリカ西海岸の北部にある西ワシントン州立大学から,カリフォルニア大学ロサンゼルス校までの2800kmを5日間で走破するラリーで,燃料は何を使っても良いが,1日の間は無給油で走りきらなければならないというルールだったそうです(この武蔵3号は無事完走したとの事).230Lという巨大タンクなので,重量は120kgも増えたそうですが,果たしてどれくらいの平均速度で走り抜けたのでしょうか?
もう1つ特徴的なのが,ボンネットに突き出た「アクセル弁」.
別にターボが飛び出している訳ではなく,水素燃料の供給量を調整するために追加されたガバナバルブが,単純にボンネットに収まらなかっただけでしょうね.大学クォリティなのか? 過酷なラリーに耐えたからなのか? 分かりませんがちょっと悲しい造形ですね・・・.
以上,45年前の2スト水素自動車でした.
半世紀近い昔(キャブの時代)に作られたエンジンですし,KTMが発売している
最新の直噴2ストエンジンや,F1が検討している
2スト対抗ピストンエンジン等とは比べるべくもない代物ですが,半世紀前に検討された技術が再び話題に上がるというのも興味深いですね.

Posted at 2020/02/18 06:08:39 | |
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展示見学(水素ICE車) | 日記