不甲斐ない結果に終わった先日のTC1000ですが,何が悪かったのか今一つ分からなかったので,振り返ってみます.
クルマは
40秒台を出した時と仕様は変わらず,違いはA052の新品効果を失ったのと,当日のコンディション(気圧・気温・路面温度)くらいです.Link ECUで見ると,気圧は2kPa減,吸気温で2~5℃増といったところなので,単純に考えるならこの差なのかなぁ~?といったところでしょうか.
それでは早速,分析を開始してみます(緑:40秒台 青:今回).
上が車速,下がタイム差(上に行くほど40秒台の方が速い)です.目立った違いはホームストレートエンドの車速(1つ目の赤丸)ですね.4.1km/hも遅く,これだけ違えば「エンジンが遅い!」と感じるのも納得です.ただ,これで失ったのは0.17秒程度で,その後もジリジリと遅れており,全体的に遅くなっている事が読み取れます.細かく見てみればインフィールドの進入(2つ目の赤丸),バックストレッチの2→3速のシフトアップポイント(3つ目の赤丸),洗濯板の手前(最後の赤丸)など,特にハイカム領域での加速が鈍っているようです.
一方,乗っている時に感じたグリップ不足に関しては,両者を比較するとそれほど大きな違いはなく,単にタイムが出ない事に対する焦り(精神的なモノ)だったようですね.ちなみに,ラップする毎に0.05秒程度遅れていくので,路面温度が高かった(熱ダレが起きていた)のも事実ではあるようです.
この結果を見ると,やはり40秒台に入れられたのはコンディションの恩恵が大きく,現在の私の実力的には,この辺りのタイムが妥当なようですね・・・.
続けて,EF8の先輩の方の分析もやってみます(緑:16インチ 青:17インチ).
残念ながらベストの0.2秒落ちというリザルトでしたが,17インチ化による得失が見て取れる結果となっています.
ホームストレートエンド(1つ目の赤丸)
いきなりですがトップスピードが5.5km/hも落ちています.最終コーナー側に目をやると立ち上がりで出遅れている訳ではないようなので,245/40R17の投入による外径拡大(608→628mm)とタイヤ幅の拡大による抵抗増(226→246mm)の影響がかなり大きいようです(これで0.21秒失っています).
2コーナー(2つ目の赤丸)
一方で,高速コーナーではタイヤ幅の恩恵が明確に出ています.16インチ(緑)ではコーナリングの途中で失速していますが,17インチ(青)では途切れる事なく加速が続いており,終端速度は5.2km/hも上がっています.これにより先程の遅れは0.08秒まで挽回しています.
インフィールド進入(3つ目の赤丸)
ここは先輩曰く「レブを気にせず踏み抜けるようになった」との事で,明確な差が出ていますね(+5km/h).ただこの車速の伸びがタイムに繋がっていません.それはなぜか?というと,ラインが膨らんで距離が伸びてしまっているためです.
赤が16インチ,青が17インチの時のライン取りですが,1ヘア・インフィールド共に立ち上がりでかなりOUT側に膨らんでいる様子が窺えます.恐らくタイヤの限界が上がったので,その分だけラフに踏んでしまっているのだと思われ,もうちょっと我慢してラインを絞れれば,距離的なロスが減り,タイム短縮に繋がったのではないかと思われます(結局,ここで差が0.18秒まで拡大しています).
洗濯板進入(4つ目の赤丸)
タイヤの限界が上がった分,洗濯板通過後にも曲がるので,進入速度が若干上がっています(但し,差は変わらず).
最終コーナー(最後の赤丸)
やはりタイヤのキャパが増えた分だけ,アクセルONのタイミングが早いですね.グラフを見ると微妙な差ではありますが,確実に効いています(得失両方あり,最終的には差は0.18秒のまま).
以上を纏めると「17インチ化のメリットはコーナーの立ち上がりで見て取れるが,それを過信するとタイムが伸びない」という事ですかね.単純に「タイヤを太くすれば何でも良い」という訳ではない辺りが,TC1000の難しさを物語っているのかもしれません.
最後におまけ.勝手にチャンピオンシップ2020の第2戦終了時点の状況です.
第1戦の面子からガラリと入れ替わり,継続参戦は弟子のTさんと私のみ.連続ポイントゲットは弟子のTさんのみでした(私は第1戦11位でノーポイント).EF8の先輩は第2戦4位で12ポイント獲得し,ランキング7位.殊勲は第2戦で10位に入ったCL1ですかね.
車種別で見ると,安定して上位に来るFD2が2位にダブルスコアをつけてぶっちぎり.DC5はドライバーが違いますがポイントを伸ばし2位.EF8は先輩と私でポイントを稼いでランキング4位へ浮上.後は孤軍奮闘といった感じです.なお,ここでもCL1のポイントゲットが目立ってます.
ちなみに,第2戦でワン・ツーフィニッシュを飾ったYouTuberの2人は,この日も撮影をしていました(↓).
RE-71RSの39秒台の走りが見れますので,興味のある方はコチラ(↓)を見てあげて下さい.
以上,TC1000の反省会でした.
Posted at 2020/03/25 03:43:04 | |
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筑波サーキット・コース1000 | 日記