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2020年10月02日 イイね!

CR-Zは難しい

CR-Zは難しいこもりん.さんにお会いした時に走行会のデジスパイスデータを渡され,車載映像と合わせて分析を依頼されました.

今回はCR-Zにおけるオーナーvsプロドライバーの比較を行ってみます.プロも不慣れであろうCVT+オープンデフというクルマで,どんな違いがあるのか個人的にも楽しみです.



まずは,それぞれのベストラップの確認.

 こもりん.さん ・・・ 43.146 (気温:19.4℃ 路面温度:23.2℃ 気圧:1017.1hPa)
 プロ       ・・・ 43.603 (気温:23.4℃ 路面温度:34.4℃ 気圧:1016.8hPa)

タイム差は 0.457.結構大きいですね.

私の経験則では「10℃上昇で0.5秒落ち」という感じなので,気温差が4℃差なら落ち代は0.2秒程度.気圧の差は0.3hPaと少ないので,こちらの影響は無視するとして,ストレートでの差は最大でも0.05秒落ちくらいでしょうか.となると,エンジンパワー以外の部分で大きくタイムをロスしていそうです.気になるのは路面温度が10℃以上も違う点.タイヤのグリップはかなり失われていそうです(=コーナーが遅い).


そんな事を頭に入れながら比較をしてみます(緑:こもりん.さん 青:プロ).



1コーナー
進入速度はほぼイーブン.予想通り気温の差はほとんど影響していないですね.進入のブレーキングでは僅かにこもりん.さんの方が奥です(1つ目の赤丸).ただ,両者のブレーキングの仕方は大きく違いますね.全開加速からドン!とブレーキを踏んで,ステアリングを切り込む前にブレーキをリリースしている(2つ目の赤丸の部分で加速も減速もしない平らな部分がある)こもりん.さんに対し,プロは弱く・長いブレーキングで1コーナーのクリップまでブレーキを残し続けています.


(プロがブレーキをリリースするのは,この辺り↑)

プロはブレーキを残している分,フロント荷重を維持出来るので,高い速度を維持したまま曲げる事が出来ているようですね.ただ,その後のアクセルONのタイミングはこもりん.さんの方が早く,旋回速度もプロを上回っています.TC1000を走り込んだオーナーならでは攻略法ですね(これで,こもりん.さんが0.05秒リード).


2コーナー
1コーナーで遅れをとったプロですが,2コーナーまでに徐々に差を詰めていきます.ただ,その後105km/h付近で失速し(3つ目の赤丸),こもりん.さんに追いつけません.「何が起きたのかなぁ~?」と映像を見てみたのですが,



片手運転になったせい・・・??(笑)

手持ち無沙汰なのだと思いますが,思わず左手がシフトに行ってますね.この片手運転でステアリングを戻すのが少し遅れた・・・なんて可能性もなくはないでしょうが,実際はタイヤのグリップの差(路面温度の影響)でしょう.僅かな違いだと思いますが,全開でコーナリングしている状態だと,この僅かな差が結構大きく,1ヘア進入までに1.3km/hの速度差を生んでいます.


1ヘア
ここも両者の考え方が違うのが見てとれる部分です.ブレーキングの開始はプロの方が僅かに奥.そこから減速中のブレーキ踏力には大きな違いはないのですが,64km/h付近でプロは少しブレーキを緩めています(4つ目の赤丸).


(車載で見ると,この辺り↑ですね)

ステアリングを切り込みながらブレーキを緩めているような感じ.恐らくここでもプロはブレーキを残して旋回速度(ボトム)を稼ぐ走らせ方をしているのだと思われます.一方のこもりん.さんは真っ直ぐクルマを止めて,クルッと曲げて,アクセルを一気に全開にするような走らせ方.アンダーパワーをボトムスピードで補おうとするプロに対し,とにかく全開区間を長くとろうとするこもりん.さん,横のグリップ重視(プロ)vs 縦のグリップ重視(こもりん.さん)といった構図ですね.


インフィールド
ここはCR-Zでの走り込みの量の差が大きく出ている気がします.アプローチの仕方(5つ目の赤丸)も,アクセル・ブレーキの操作の仕方も大きく違いが出ました(赤:こもりん.さん 青:プロ).



このセクションで両者の差は0.3秒まで開いており,こもりん.さんの走り込みが成せる技ですね.ただ,プロもさすがと思える部分が1つありました.



タイヤの映像を撮って頂いたので,よく分かるのですが,インフィールドの出口の縁石をきっちり踏んでいるんですよね.この縁石を踏むために(姿勢を変えるために)ボトムを落とさざるを得なかった(6つ目の赤丸)というのが実情なのだと思いますが,それでも最短距離にきっちり乗せて来る辺りは見習うべきですね.


高速左コーナー
2コーナーに続き,ここ(7つ目の赤丸)でもプロの方が少し失速しています.



失速し始めるポイントは,ちょうど左コーナーにアプローチしようとステアリングを切り込む部分で,やっぱりタイヤのグリップが落ちていた可能性が・・・.タイム差的には大きく開いてないものの,個人的には,この失速はちょっと気になりますね.


最終の複合
さぁ,こもりん.さん,お待ちかねの部分(笑).

既にご自分で分析されている通り,プロは緩く・長いブレーキングで大きな弧を描いて旋回しているのに対し,こもりん.さんは強く・短いブレーキングでクルマを止めた後,アクセルを入れて車速をキープしようとしています(最後の赤丸の部分).これは1コーナー・1ヘアと同じ考え方なので,両者の考え方の違いからくるものと思われます(赤:こもりん.さん 青:プロ).



私の走らせ方もこもりん.さんの考え方に近いので,強く・短く止めて,アクセルを入れるのが間違いだとは思いません.ただ,この走らせ方の難しいところは早く減速した分,クルマがイン側に勝手に寄って行ってしまうので,最終コーナーの進入角度がどうしても苦しくなってしまう点なんですよねぇ.進入角度が苦しくなった結果,最終コーナーの縁石を踏めなかったり,外側に膨らんでアクセルを戻したり,といった弊害が生まれてきます.

一方,プロの走らせ方は,最初から立ち上がりの姿勢を見据えて,そこから逆算してコーナーにアプローチしているのが見てとれます.最終コーナーできっちり縁石を踏むために,コーナーを抜けた後の立ち上がりでアクセルを緩める事がないように,洗濯板を抜けた後もブレーキを残して,クルマの向きを変えようとしているのではないでしょうか?


(きっちり,右側のタイヤが縁石を踏んでいます↑)

恐らくプロが唯一誤算だったのは,縁石から降りた時にクルマが暴れてしまい,右足が少し浮いてしまって失速した点でしょうね.この失速がなければ立ち上がりのアクセルONのタイミングも早かったですし,ここで最後に0.1秒引き離される事もなかったんじゃないかと思います.


以上,分析結果でした.

途中でも述べましたが,こもりん.さんとプロとでは走らせ方が大きく違うようですね.こもりん.さんがコーナリング時間をなるべく短くする走らせ方であるのに対し,プロは時間が長くなってもボトムスピードを上げようとする走りに見えます.私の感覚では,TC1000だと こもりん.さんの走らせ方の方がタイムを出し易い気がしますが,例えば,これが日光みたいなレイアウトであれば,プロの走らせ方の方が速い気がします.

また,プロ曰く「難しい.頭を使う」と仰っている点から,もしかしたら「イメージ通りにクルマが曲がってくれなかった」というのも背景にはあるのかもしれません.

いずれにせよ,プロがちょっと乗った程度じゃ敵わないくらい,こもりん.さんはCR-Zの走りをマスターされているんだと改めて実感させられました.ハンデ戦とはいえ,私も挑まれた以上,次回は勝てるように精進します!



Posted at 2020/10/06 19:21:09 | コメント(1) | 他者・他車分析 | 日記

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