
何とか
根性で自己ベストを更新し,早々と走行を終了した日光ですが,今回はEF8の先輩もオレさまFD2もいなくて寂しかったので(笑),BB6のAT使いと会話しながら過ごしてました.
前々回のTC1000では,新品投入した
RE-71RSが今一つの感触だったとの事でしたが,ここ日光ではTC1000よりもマッチしたようで,まずまずのタイムが出ていたようです.
ただ,やっぱり"まずまず"のレベル止まりで,RE-71Rのタイムを更新するところまで行けないのが納得出来ないご様子.「次は71RS止めてA052かなぁ~?」とか,「ホイールを新調するか」とか言ってましたが,やはりRE-71RSは一筋縄ではいかない難しいタイヤなんだなぁ~と思い,その日は終わりました.
さて,その後ネットで調べ物をしていたら,
とある方がネット上に先日の走行会の写真を上げられていたので,それを眺めていたらBB6が結構映ってました.
おおっ! かっちょええ写真だー!!
と感動しつつ,2枚目・3枚目の写真で「あ~,BB6でもインリフトするんだなぁ・・・」と眺めていたら,
ん?
んん!?
と,ある事に気づきました.
「もしかして,71RSはタイヤが完全に接地するまでの時間が,71Rよりも長くならないか?」と.
早速,お絵かきをして頭の中を整理してみます.
上が71R,下が71RSのOUT側のタイヤのイメージです.
通常,車体がロールするとタイヤが外側へ倒れ込むので(上段右図),倒れ込んだ時にタイヤが全面接地するように,予めキャンバーを付けます(上段左図).このセッティングのまま,タイヤを71RSに交換すると,タイヤのショルダーが丸くなっているので,見た目上はキャンバーがもっとつくような形になるのですが(下段左図).これって「路面とタイヤの間隔が広がる」という事も意味しています.
という事は,71Rと同じ面積分タイヤを接地させるためには,その分だけロールさせないといけない事になり(下段右図),仮に71Rと同じ接地面積になった時がロールが収まると仮定すると,71RSはロールの絶対量が大きい訳ですから,ロールが収まるまでの時間も長いという事になります(減衰・バネレート・旋回Gが同じだった場合).
この場合,ドライバーからすると「これくらいのタイミングでロールが終わって,グリップが立ち上がるはず・・・」と思ってアクセルを踏もうとしているのに,実はそのタイミングではまだロールが収まっておらず,「アレッ? なんだかフラフラするなぁ~」「立ち上がりでグリップ感がなかなか来ないなぁ~」「コーナーの出口で曲がらないなぁ~」と感じるのではないでしょうか?
更に,IN側のタイヤに関しても・・・,
先程と同様に,上が71R,下が71RSのイメージです.
IN側のタイヤの場合は,キャンバーがついて倒れ込んでいるタイヤが更に倒れ込む事になるのですが,71Rのようなショルダーがそこそこ角張っているタイヤの場合,接地しているタイヤの角を更に捻じ込むような形になるものの(上段右図),この過程では頂点に掛かる負荷が大きくなるだけで,接地面積自体はそれほど変化しません.
ところが,71RSの場合は,ショルダーが斜めになっている事から最初から全面接地しており,そこから更に倒れ込んでいくので,内側のショルダー角以上にロールすると,接地面積が常に変化していく事になります.つまり,ロールするとIN側のタイヤのグリップは不安定になるという事です.
これらの考察を纏めると,71Rと同じセッティングで71RSを使った場合,ロールスピードを上げないとグリップを引き出せない(=71Rと同じ走らせ方では,71Rよりグリップしない)という仮説が思い浮かびました.
71R→71RSに履き替えて,ポンとタイムが出るクルマは,元々ロールをさせない仕様(バネがハイレートな仕様)か,逆にロールを即座にさせ切って,常時バンプラバーに当てて走るような仕様のクルマなのではないでしょうか? だとすると,71RSを使いこなすためには「キャンバーを起こすと良い」のではなく,「キャンバーを起こさないとマトモに走れない」という事が真実なような気がしてきました.
裏取りしてみます.
BS公式によるRE-71RSのアドバイス動画です(コースはTC1000).
順番に見ていきます.
「71RSの方がブレーキがよく効く」「舵角が増やせる」と言ってますが,コレ,セッティング変更後(キャンバーを減らした後)であるならば,そりゃブレーキの効きは良くなるでしょうし,ステアリングレスポンスも良くなるので舵角も増やせますよね.
「インフィールドでイン側に寄れる」と言ってますが,これも実はロールスピードを上げた方が(小回りした方が)タイヤのグリップを使い切れるから,「インに寄った方が速い」という事ではないですかね?
しきりに「キャンバーを起こす(純正に近づける)」事を訴えているのは納得として,この画面下側のタイヤの接地面積の絵が意味深です・・・.
71RSはロールすると接地面積の変化が大きくなるから,安定したグリップを引き出すためには「ロールを減らせ!」と訴えているように見えます.
そして,再三再四出てくる「キャンバーは起こせ!」のメッセージと,
「サスペンション剛性」という単語を使って「足を動かすな!」「姿勢を変化させるな!」というメッセージ.
最後に「ロール剛性」という単語も引っ張り出して,「ロールさせるな!」「インリフトさせるな!」と訴えています.
単に「タイヤのグリップが上げたら,足回りは固くする」というセオリーを言っているだけのようにも思えますが,その一方で何となく仮説が当たっているような気もしてきました・・・.
以上を纏めると,足の柔らかいクルマ・ロールを使ってコーナリングさせるクルマは71RSとの相性が最悪に思えます.反対に足回りをガチガチに固めて姿勢を全く変化させないクルマには合うような気がします.そう考えると,71RSがソフトコンパウンドを採用した点にも納得が出来て,足回りがガチガチで衝撃を吸収出来ない欠点を,タイヤで補うコンセプトなのでしょうね.
これでようやく疑問に思っていた事が解けました.ただ,出てきた答えは「相性最悪」なので,正直困ったなぁ~という感じです.71RSじゃないと手に入らないサイズを使って現状抱えている問題を解決しようと思っていたのですが,どうやらそれどころではないようですし,何か他の策を探さないとダメそうですね・・・.
Posted at 2020/11/09 23:08:19 | |
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セッティング(タイヤ) | 日記