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2020年11月10日 イイね!

86 Racingのサスペンション考察(前編)

86 Racingのサスペンション考察(前編)先日,TC1000で初めて86 Racingに乗った訳なのですが,FR初心者で乗り方が分かってないとはいえ,どうもクルマの挙動が予測しづらい気がしました.

同じ個所(最終コーナー)で3回もスピンし,「クルマの挙動が全く分かっていない」「ドライバーのセンサー感度が低い」事が露呈した訳ですが(汗),それにしてもスピンした時としなかった時の違いが分からず,腑に落ちなかったので,その後,何度も繰返し動画を見ました.





走行中は「ステアリングを残しているのがダメなのかな?」「アクセルONが早いのかな?」と少しづつドライビングを変えていったのですが,それに合わせてスピンするタイミングも少しづつ奥になっている事に気づき,これでようやく理解出来ました.

スピンするのは,イン側のリアタイヤを縁石に引っ掛けた時 ですね・・・.


「イン側のリアタイヤが縁石に乗る時」という事は,クルマがアウト側に傾くので,アウト側のタイヤのキャンバー角がポジティブ方向に振れる事になります.従って,リアタイヤのキャンバーが十分ないとタイヤが外側に倒れ込む形となり,限界が下がります.

加えて,イン側のタイヤは縁石に乗る過程で上下動する(一時的に路面から離れる)訳ですから,リアのストローク量が十分ないと,縁石に乗り上げたタイミングで弾き飛ばされて,タイヤが浮いている時間が長くなり,クルマの姿勢は更にアウト側へ傾くので,余計にアウト側のタイヤの負担が増える事になると思われます.

つまり,今回のスピンの原因には,リアのイン側のサスペンションの動きに問題があるのではないか?と思いました.

・・・という事で,今回は86 Racingのサスペンションセッティングに関して考察してみます.


まず初めに,セッティングの方向性ですが,今回は以下の図(↓)の③を目指そうと思います.


(EmD Engineering:セットアップとはより)

現状が④(ステアリングバランスが悪い)である場合,本来,レースに出るようなクルマなら④→②を目指すべきだと思うのですが,ワンメイクレースのような接戦の場合は「限界領域でクルマを信頼出来る事」だ最優先だと思うので④→③を考えます.


次に,コーナリング中のどのポイントをターゲットにするか?ですが,今回はリアタイヤが縁石に乗るようなシーンですので,以下の図(↓)の④に焦点を当てます.


(EmD Engineering:セットアップ講座の前に Part⑤(最終)より)

リンク先にも書かれていますが,コーナー出口の挙動を修正していくためには,まず先にコーナー入口の挙動を決めないといけません.乗った時の感触としては,②で結構アンダーが強かったので,②~③の区間でもっと向きを変えて,④では舵角を減らせる方向性が良いのかな?と思います.


これで方向性が決まったので,次に制約条件の確認.


(TOYOTA GAZOO RACING 86/BRZ Race 2020 REGULATIONSより)

キャンバーの数値範囲が指定されいますが,それ以外はT.R.A.(Toyota cars Race Association)認定部品の方を調べないとダメそうですね.

という事で,TRDのサイトへ.



減衰調整機構は40段との事ですが,調べてみたところ「上5段は動きが渋く,下10段は不安定で使えない」というコメントを見つけました.この原因は,ショック側なのか? スプリング側なのか?気になったので,続けてスプリングの仕様に関して調べてみます.

サイトの公称値ではバネレートは,F:34.7Nm/mm(3.5キロ) R:57.3Nm/mm(5.8キロ).

結構柔らかいですね・・・.86 Racingは前後でサスペンション構造が異なりますが,レバー比(ストラット:1.0 マルチリンク:1.1)を考慮しても,全体的に柔らかめという印象です.

・・・で,そのスプリングの製造メーカーですが,品番から当たってみると,どうもKYBっぽいので,KYBのサイトで相当品を調べてみます.



86 RacingのIDがいくつなのか分かりませんが,当然,3.5キロなんて柔らかい代物はありません.5.8キロも見当たらないので「特注なのかなぁ~?」と思いつつ眺めていると6.0キロがかなり近い値である事に気づき,それと「40段調整の両端は使えない」というコメントを組み合わせて,ハッとしました.

「このスプリング,ひょっとしてプログレッシブなのか?」

プログレッシブスプリングというのは,レートが全長で一定ではなく,「縮み始めは柔らかく,縮み切るところが固くなる」という特徴を持っています(以下の他社製品みたいな感じ↓).


HYPERCOのメリット:「リニア」なレート特性!より)

 縮み始めが柔らかい = 下10段は不安定で使えない
 縮み切ると固くなる  = 上5段は渋くて使えない

という事なので,どうやら先述のコメントはスプリングに起因しているようですね・・・.
そうなると,この"リニアでない領域"を使わないようにしないとダメですね.


一番良いのはスプリング交換なのですが,レギュレーション上,それは出来ないので,どうやらプリロードを使いこなさないとダメそうです・・・.


(Motor Fan illusrated Vol.98 ばね下完全理解より)

プリロードというのは,スプリングに予め力を加えて,全長を縮めた状態で使う事です.これによって縮み始めの柔らかい領域を使わないように出来ます.ただ,スプリングの全長を縮めて使うので,リバウンドストロークが減るというデメリットがあるので,ここが厄介そうですね・・・.


(Motor Fan illusrated Vol.98 ばね下完全理解より)

なお,縮み切ると固い領域に関しては,バンプラバーを使って回避出来る気がしますが,レギュレーション上,バンプラバーの交換って認められているんですかね? ちょっと分からなかったので,今回はバンプラバーは考慮せず,なるべくストロークを稼いで,この領域に踏み込ませない方向で考えたいと思います.


これでようやく下準備が完了.後編へ続きます.
Posted at 2020/11/11 17:39:55 | コメント(0) | トラックバック(0) | 他者・他車分析 | 日記

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