はやぶさんとのTC1000の比較でブレーキ操作の課題が見えてきたので,今度はステアリング&アクセル操作の課題を調べてみます.
個人的に,ブレーキングの鍛錬ならTC1000,ステアリング&アクセル操作の鍛錬なら日光だと思っているので,今度は日光のデータを使って分析してみます.
サンプルにしたのは,こちら(↓).
【はやぶさん:β02】
【私:A052】
両者ともに自己ベスト時ではないですが,車載とロガーデータの都合上,こちらを使わせて頂きます.ちなみに,タイヤの銘柄は違いますが,どちらもサイズは205/50R15です(β02とA052ってどっちが上なんでしょう??).
では,早速LAP+で比較してみます.緑がはやぶさん 青が私です.
上段が車速,下段がタイム差になります(上に行く程,はやぶさんの方が速い).
まず全体を俯瞰して見ると,「やっぱり3速域が勝負にならないなぁ~」と思いつつ,バックストレートだけはそこそこ健闘しているようですね(9コーナーの立ち上がりが効いているっぽい).その一方で,11コーナーの立ち上がりは2速域でも引き離されている点が気になります・・・.
LAP+ですとセクターは5つに分けられるのですが,公式のセクターに換算すると,
S1 ・・・ SCT.1 - 1秒
S2 ・・・ SCT.2 + SCT.3
S3 ・・・ SCT.4 + SCT.5 + 1秒
という感じなので,公式相当のセクターを割出すとこんな感じ(↓).
はやぶさん ・・・ S1:9.265 S2:18.151 S3:13.048
私 ・・・ S1:9.760 S2:18.345 S3:13.401
私基準で言うと,S1が酷く,S2は健闘,S3は実力通りって感じですかね?
それでは,詳しく見ていきましょう.
1~4コーナー
いきなりですが,1コーナー進入時の速度(上段の赤丸)が9.3km/hも違います.ホントに同じテンロクですか?と言いたくなります・・・.はやぶさん(緑)とのS1の差は約0.5秒ですが,このうち0.4秒がスタートから1コーナー出口までという,この僅かな区間だけでついてしまうですから,車載で追いかけていたら,アッという間に画面から消えるんでしょうね(泣).
そこから1コーナー→2コーナーにアプローチする訳なのですが,この間で,ちょっとだけアクセルを入れます(中段の赤丸).このタイミングや量に関しては,はやぶさん(緑)と大きな差はないので,ブレーキングの方はマズマズですかね?
そうすると,面白いのが2~3コーナーの車速プロフィール(下段の赤丸).はやぶさん(緑)の方は2コーナーのクリップまで車速を落として,そこから3コーナーに向けて加速するセオリー通りの線を描いているのですが,私(青)の方は62km/hくらいでクリップについた後,速度を維持したまま,3コーナーに繋げています.「なんじゃ,こりゃ?」って感じなので,ライン取りを見てみると,
考え方が全く違う事が見てとれますね・・・.はやぶさん(緑)のライン取りは,2~3コーナー間で向きを変えて,次の3~4のS字を直線的に抜けられるような姿勢を作るライン(セオリー通り).対して,私(青)の方は2~3コーナー間を速度を維持したまま,最短距離を駆け抜けるライン.このラインに乗せるために,1コーナーの出口で,はやぶさん(緑)よりも外側に膨らんで,2コーナーの進入角度を浅くする事までやってますね・・・.
この際のG波形を見てみると(上段が加減速G,下段が左右G),
左右G(下段)は互角,減速G(上段)は私(青)の方が少ないので,私はタイヤのグリップを全部横に使って走らせているみたいですね.この速度を維持したまま最短距離を駆け抜ける走らせ方により,0.15秒程度,はやぶさんとの差を詰めてはいるのですが,その先の3コーナーのアクセルONのタイミングが,はやぶさん(緑)よりワンテンポ遅く,S字の左→右の切返しでも置いて行かれているので,結局詰めた差は取り戻されています.
トータルで見れば,私(青)のライン取りは正しくないんでしょうけれど,私のEF8はロール量が大きいので,はやぶさんと同じラインではクルマが曲がらない気がするんだよなぁ~.A052のグリップをもってしても,アクセル踏みながら4コーナーを抜けると,多分5コーナーで戻って来れない(OUT側に飛ばされる)気もするし,う~ん・・・.
5~6コーナー
3コーナーの遅れの分だけ,順当に私(青)は遅れていますが,続く6コーナーの進入は私(青)の方が奥まで突っ込んでいますね.この車速の鈍りからすると,はやぶさん(緑)は早めにアクセルOFFしているのかな? ブレーキングポイントを遅らせた分だけ,瞬間的には0.15秒程度差を詰めていますが,突っ込んだ分だけブレーキは強め・ボトムは低めとなり,立ち上がりの加速で,はやぶさん(緑)に若干遅れをとってしまっています.
ただ,若干お尻を振りながらも小回りを心がけたおかげで,
はやぶさん(緑)より内側のラインを通過出来ているようです.
(コース図が旧コースなので,2台とも,とんでもないところを走っているように見えますけど・・・^^;)
8コーナー
8コーナーの入口で,進入速度は私(青)の方が7.2km/h低いですが,反対に出口では,私(青)の方が3.5km/h高いです.つまり,私(青)の方が速度の低下量が少ないという事になるのですが,まぁ,進入速度が高ければ速度低下量が大きくなるのは当然ですし,ここで良い・悪いは言えないのかな?? ここで言えるのは,2~3コーナーと同様,どうも私は,なるべく速度を落とさないでコーナリングするのが好きみたい,って事ですかね(苦笑).
ちなみに,私はこの8コーナーの進入を,TC2000のダンロップの進入と同じイメージで走らせているのですが,皆さんはどうでしょう?(まぁ,コーナーを抜けた先の方向が左右逆ですけどね)
なんで急にダンロップの話を引き合いに出したか?というと,ここの
通過速度の話をした時に「ここだけ見ても仕方ない.その次の速度の伸びがどうか?だ」と言われたので・・・.「じゃあ,それを見てみましょう」ってコトで次の9コーナーです.
9コーナー
9コーナーの出口もしっかり車速伸びて,はやぶさん(緑)を上回れていますね.これがS2で健闘出来ている理由でしょうか? この要因は恐らく大きいロールのせいだと思われ.ロールする分メカニカルグリップが高いので,旋回速度を引き上げられるのだと思います.こういう部分に関しては柔らかい足回りにも恩恵があるってコトでしょうか?
10コーナー
どんなに9コーナーで頑張っても,結局バックストレートの加速で抜き返されるのは悲しくなりますが(上段の赤丸),速度差は3km/hと全開加速している部分では最も小さい差なので,多少の気休めにはなります.11コーナーに向けて姿勢を作るポイント(下段の赤丸)は,はやぶさん(緑)と同じなので,ここのブレーキングの仕方や姿勢の作り方には大差がないようですね.
11~12コーナー
しかし,問題なのは11コーナー.進入で私(青)の方が速度が高過ぎ,立ち上がりのアクセルONもワンテンポ遅れているようです.「これは…また進入の角度が悪いな?」と思ってライン取りを見てみると,

(10コーナーをとんでもないところで走ってますが,このコース図は旧コースです)
はやぶさん(緑)の方がしっかりと外側から回り込んで向きを変え,11~12のS字を直線的に駆け抜けています.私もこれがやりたいのですが,上手くこの角度を作り出せないんですよねぇ・・・.11コーナーのクリップ付近でブレーキングした時にテールスライドまでさせているのですが,角度が足りない.こういう部分が腕の差なんだろうなぁ~と思いました.
なお,この11コーナーからの立ち上がり部分だけで,私は0.4秒遅いので,S3の差は,ほぼほぼこの立ち上がりの差と言えそうです.更に言えば,この立ち上がりの遅れが次の周の1コーナーまでの差を生む訳で,はやぶさんとの約1秒の差のうち,0.8秒がこの立ち上がりが原因な訳ですから,ここを何とかしないとクルマのスペックが上がっても歯が立ちませんね・・・.
以上,日光の比較結果でした.
纏めると,高速コーナーの処理では何とか,はやぶさんについていけているようですが,低速コーナーの処理は圧倒的に私の方が下手ですね.なるべく速度を維持して曲げようとする癖もありますし,根本的な考え方の部分で反省すべき点がありそうです.
それにしても,やっぱり日光はドライバーの差が表れ易いですね.得意・不得意の部分がはっきり分かるので,色々と勉強になる比較結果でした.