
ホームコースであるTC1000で全日本ジムカーナが開催されたので見に行ってきました.
TC1000においてEF8は絶滅種状態で見かける事はほとんどなく,更に全日本クラスの腕前のドライバーが駆るなんて尚更.加えてTC1000での全日本開催は毎年必ず行われる訳ではないので,
3年振りの貴重な機会となります.
最近再び
1ヘアで右リアから白煙が上がる点を指摘されているので,全日本クラスのクルマではどうなんだろうなぁ~?と思い,そこが一番見たいポイントだったのですが,残念ながら1ヘアを順走するのは金曜の練習会のみ.
幸いにして今年は練習会も
YouTubeでライブ配信してくれていたので,仕事の合間にチラチラと見たのですが,
やっぱり似たポイントで上がっているので,EF8の足回りだと仕方ないんじゃないかなぁ~と思いました.
さて,観戦に行った本番当日のコースは以下の通り(↓).
通常のサーキット走行時と同じ挙動を示しそうなのは最終の複合セクションくらいで,そういう意味では残念ながら今回のコースだとあまり参考にならなそうなので,目的を変えて「クルマがもっともピーキーな動きを示しそうな部分に対して,全日本ドライバーがどうアプローチしているか?」を観戦する事にしました.
それはどこか?というと,この辺り(↓).
1ヘアを立ち上がって,全開で2コーナーに飛び込み,ヨーが残った状態で1コーナー先のパイロンを回り込まないといけない部分です(リアがフラフラになる部分).
クルマによってアプローチが変わるのは当然ですが,それでも各ドライバーの考え方が色々違って面白かったです.ザッと見た感じだと大きく分けて6つかな?
①パイロン直前でブレーキングしてフロント荷重で曲げていくタイプ
②パイロン直前でわざとアクセルOFF→ONしてテールスライドさせて曲げるタイプ
③2~1コーナー間を目一杯アウト側に寄せて進入角度を浅くするタイプ
④手前からヨーを残したまま進入して,アクセルOFFだけでクリアするタイプ
⑤2コーナー通過後にレブに当たったらそのままキープして,車速を伸ばさないタイプ
⑥2コーナー通過後にリアが耐え切れずお尻が出ても,気にせず踏んでいくタイプ
後輪駆動車はラインの自由度が高いのか①・②のタイプが多く,③のタイプは遠回り過ぎるのかあまり選択されず全体でも1~2台.FF勢は④・⑤のタイプが多く,リアが出るかどうかギリギリのバランスでコントロールするドライバーの妙技が見れて眼福モノでした.なお,一番派手なアクションだったのはJG3のDC2勢で,2~1コーナー間でギヤを上げて加速し,盛大にリアを振り回してドリフト状態で駆け抜けていくので周囲のギャラリーからも「おーっ!?」と声が上がっていました(笑).
そうそう,ドライバーによってアプローチが違うと言えば,ココの部分(↓)も興味深かったです.
このセクションは今回2回通過するのですが,1回目の右→左(番号で言うと⑪→⑫)とS字状に抜けるのは良いとして,2回目の右→右(番号で言うと⑪→⑬)のアプローチの仕方が不思議でした.最初のJG10~JG5までのPN車両は,こんな感じ(↓)で⑬部分のイン側をかなり空けてクリアしていくんですよね.
進入~出口まで距離が短くインにつけずらいのは分かるのですが,そんなに大回りしたら距離的に損だし,ヨーが残り続けてクルマが加速しないのでは?と思って見ていたのですが,みんな進入側は寄せるのに,出口側は寄せないんですよねぇ・・・.
ここを抜けた先のパイロンで360°ターンをするので,左→右の振り返しのヨーが欲しいとか,ジムカーナならではの考え方が何かあるのかなぁ~?と見ていたのですが,その後,一転してJG4~JG1のSA・SC車両は,手前で大幅に減速させてでも出口側のインを狙って寄せていくんですよねぇ・・・. PNとSAという車両の違いによるものなのか?(車重が重いから旋回速度重視とか,タイヤのグリップがあるから距離重視とか?) 理由は分からなかったのですが,どういう考え方でアプローチが違うのか,気になるところです.
そんな感じで1本目が終了.2本目はピット上に移動し,最終複合部分の動きを見てました.
今回のJG10(2ペダルクラス)には,ポルシェ911GT3RS,アルピーヌA110S,マクラーレン675LT等,なかなかジムカーナではお目に掛かれないクルマが出ていたのですが,これらがスラロームしている姿は迫力があって,やはり目を惹きますね.特にA110Sが走っている姿を今回初めて見たのですが,中間加速があんなに速いとは思いませんでした.エンジンがメガーヌⅣと同じM5P(252PS/32.6kgfm)と聞けば納得ではあるのですが,頭の中に初代A110のイメージがこびりついているので「パワーより軽さだろ?」という先入観から,あの加速力は結構衝撃的でした・・・.
一方で,こちらも初めて見たGR86/BRZ(ZN8/ZD8)は,
車体制御の影響かもしれませんが,全体的に動きが重い印象を受けました.まぁ,まだ出て日が浅いですし,ここからどう変わっていくのかが楽しみですね.
そんな感じでJG2の2本目まで見て渋滞が本格化する前に会場を出たのですが,見ていたのが順位確定までの待機スペースの真上だったので,各クラスの優勝争いの悲喜こもごもが見えました.
後続に抜かれないか祈るような心境で見守る場面や,優勝が決まった瞬間のガッツポーズや祝福の声等,こういうエモーショナルなシーンはやっぱりスポーツ(競技)だなぁ~と実感しました(イイですね!).
以上,TC1000での全日本ジムカーナ観戦でした.
今回はEF8にほとんど触れなかった気がしますが,練習会(金曜日)の映像分析で既にお腹一杯でしたし,当日現地で撮影したものもあるので後でじっくりと分析します・・・.
そして,今週は15分×6本(&走行のインターバルも15分)という,とってもクルマに負担が大きそうな走行をTC1000で行う予定なのですが,100台以上のジムカーナ車両が走った後となると,路面にベットリと付着したゴムが剥がれてきて,コース上はタイヤカスが凄い事になるのかなぁ~? これも別な意味で全日本ジムカーナの凄さだと思うので,そんなのも味わってこようと思います (笑).