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2022年03月18日 イイね!

先輩の底力を紐解く

先輩の底力を紐解くEF8の先輩に挑んだ2022年の開幕戦は,先輩が底力を見せて0.07秒差で逃げ切り,またも敗戦を喫してしまいました.

私の方はやれるだけの事を全部やったつもりなので,ロガーデータを見ても正直得る物がなかったのですが,先輩が底力を見せて捻り出した0.3秒(当日ベストはセカンドベストより0.3秒も速かった)はどこから来たのか? この点に関しては興味津々なので,今回はこれを解析してみたいと思います.

解析するに当たって先輩の車載を見たいところなのですが,さすがに自己ベストとなる40.3秒の車載は見せてくれなかったので,セカンドベストとなる40.7秒のラップの車載(↓)と,



ロガーデータから40.3秒のラップを紐解いてみたいと思います.


まずは,LAP+による比較から(緑:40.3秒 青:40.7秒).



全体的に見ると,インフィールドを除き40.3秒(緑)の方が各セクションで車速が伸びているようですね.40.3秒(緑)は2本目(9:30~),40.7秒(青)は5本目(11:00~)なのでコンディションに差があるのかな?と思い,そちらを見てみると,



気温で2.7℃,気圧で1.8hPaほど40.3秒時(緑)の方が有利なコンディションで,出力にして約0.7%(MAX:1.7PS)の差となり,決して大きな差とは言えませんが,ボディブローのようにじんわりと効く差ではありそうです.


それでは細かく見てみましょう.

ホームストレートエンド



最高速は40.3秒時(緑)の方が3.5km/hも高いです.この要因はどこにあるのかな?と見てみると,118km/h付近(下段の小さな赤丸部分)にありそうです.40.7秒時(青)の方はここで一瞬加速が鈍り,40.3秒時(緑)に置いていかれています.ここで何があったのかな?と車載を見てみると,どうやら40.7秒時(青)は,ここで3→4速へシフトアップしたようです(↓).



えっ? じゃあ,40.3秒時(緑)はどこでシフトアップしたの?というと,前後Gの波形から読み解くに,40.7秒時(青)よりも0.7秒手前の地点でシフトアップしているようです.つまり,40.3秒時(緑)の方がショートシフトだったという事ですね.車速から回転数を逆算してみると300rpm程度(40.3秒時:7800rpm,40.7秒時:8100rpm)手前でシフトアップしているようなのですが,このほんの僅かな違いが上手くハマって,途切れない加速を生み出していたようです.

・・・なんて大仰な事をいきなり言い始めましたが,この3.5km/hの速度差は0.02秒程度しかタイムに貢献していないので,実はそんなに気にしても意味はなかったりします(笑).


1コーナー



重要なのは進入速度が3.5km/h高い事によるブレーキングポイントの違いの方ですね.当たり前ですが,車速が高い方がブレーキングを開始するポイントが自然と奥になってしまうので,1コーナーに対して車速が落ち始めるのも遅れます.車速の落ちが鈍いという事はそれだけステアリングを切れないので,結果,切り始めが遅れる事になります.切り始めが遅れるとどうなるか?というと,


(赤:40.3秒時 青:40.7秒時)

オーバーランして大回りする事になる訳ですね.そして,大回りするという事はその分だけアクセルを踏むタイミングが遅れる事になるのですが,実は今回はこれが2コーナーで功を奏しているようです.


2コーナー
1コーナーでクリップにつけず,オーバーランしてしまった結果,2コーナーに対してはしっかりとクルマの向きを変えた状態でアプローチする形となっています.


(赤:40.3秒時 青:40.7秒時)

これにより2コーナーの出口で横のグリップに余裕が生まれ,40.7秒時(青)では僅かに戻していたアクセルを,40.3秒時(緑)では戻さず全開で駆け抜けられているようです(↓).



これによって1ヘアの進入速度を1.5km/h上げる事ができ,0.15秒ほどタイムを削り取っています.


ヘアピン



2コーナーの旋回速度が高かった事で1ヘアの進入速度が上がり有利・・・と思いきや,1コーナーと同様に40.3秒時(緑)はブレーキングを開始するポイントが遅れています.これによりステアリングの切り遅れ→アクセルONの遅れと繋がり,1ヘア立ち上がりの加速は鈍ってしまっています.


インフィールド進入



40.3秒時(緑)は1ヘアの立ち上がりで遅れたので,インフィールドまでの加速も自然と鈍り,インフィールドへの進入速度も3.5km/hほど低いです.


インフィールド出口
ところが,面白いもので,3.5km/hほどインフィールドの進入速度が高かったせいで,40.7秒時(青)の方はここでオーバーランしています(言い方を変えると,40.3秒時はオーバーランしなかった).


(赤:40.3秒時 青:40.7秒時)

40.7秒時(青)は進入でオーバーランした結果,大回りしてしまうのですが,この大回りによって1コーナーと同様にコーナーの奥でしっかりとクルマの向きを変える事ができ,インフィールド出口からの加速は40.7秒時(青)の方が良かったりします.



ただ,インフィールドを大回りした事による距離的なロスの方がここではダメージが大きく,トータルで見ると適正なタイミングでブレーキングして,適正な距離でコーナリングした40.3秒時(緑)の方が0.05秒速かったようです.


洗濯板進入



ここまでで0.2秒速かった訳ですが,40.3秒時(緑)のラップで一番稼ぎ出しているポイントが恐らくココでしょう.先輩のEF8はリアがナーバスなので,今まで左→右と切り返すようなクルマが振れるポイントでは,少し車速を抑えてブレーキングする事が多いです.しかし,この40.3秒時(緑)には全く抑えずにギリギリまでブレーキングを遅らせて進入している事が読み取れます.

車速にして,その差4.8km/hですから結構な飛び込みっぷりです.この飛び込みを是非とも車載映像で見たかったところですが,それが叶わず残念です・・・.このセクションだけで0.2秒も稼ぎ出しているのですから,ホント見物だったと思います.


最終コーナー



ここまででトータル0.4秒速かったのですが,残念ながらここでもお約束が起きてしまい0.1秒遅れます.洗濯板への進入速度が4.8km/h高かった事によって,オーバーラン→ステアリングの切り遅れ→アクセルONの遅れと繋がり,最終コーナーの立ち上がりで加速が鈍っています.ただ,それでもここまでに貯めた貯金が大きいので,結果的にこのラップは0.3秒速かったという事のようです.


以上を纏めると,先輩が捻り出した0.3秒は,2コーナーを全開で駆け抜ける事で0.1秒,洗濯板進入でブレーキングを我慢した事により0.2秒,それぞれ稼ぎだしたものだったようです.恐らく,どちらもフラフラになっているクルマを腕で捻じ伏せて捻り出したものと思われ,先輩の方も相当な 気合覚悟 で走られたんじゃないかと思われます.

返す返す40.3秒時の車載が見れないのが残念でなりませんが,先輩が持っている底力の一部を垣間見えただけでも,今回の敗戦は良い勉強になったと思っています.
Posted at 2022/03/19 03:17:15 | コメント(0) | トラックバック(0) | EF8の先輩 | 日記

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